JP5026857B2 - 成型同時転写用離型ポリエステルフィルム - Google Patents

成型同時転写用離型ポリエステルフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP5026857B2
JP5026857B2 JP2007128023A JP2007128023A JP5026857B2 JP 5026857 B2 JP5026857 B2 JP 5026857B2 JP 2007128023 A JP2007128023 A JP 2007128023A JP 2007128023 A JP2007128023 A JP 2007128023A JP 5026857 B2 JP5026857 B2 JP 5026857B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
release
polyester
release layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007128023A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008279722A (ja
Inventor
賢三 町田
真人 藤田
孝明 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2007128023A priority Critical patent/JP5026857B2/ja
Publication of JP2008279722A publication Critical patent/JP2008279722A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5026857B2 publication Critical patent/JP5026857B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、被転写物に図柄や金属光沢等を転写するのに使用される転写シート用基材フィルムに関し、詳しくは射出成型等において成型と同時に転写印刷する転写シート用の基材フィルムとして有用な成型同時転写用離型フィルムに関する。
転写シートは、通常、基材フィルムと、離型層と、図柄層または金属薄膜模様層等の転写層と、接着剤層などが順次積層した構造を有する。転写シートを用いた転写方法としては、射出成型機やブロー成型機等の金型に、転写シートを接着層が成型樹脂と接するようにセッティングした後、成型樹脂を射出して冷却した後、金型より成型品を取り出して転写後の基材フィルムを剥離する、いわゆる成型同時転写が一般的に採用されている。
転写シートは、成型転写後に離型層面と印刷層面との間で剥がされ、分離される。すなわち、成型転写後に印刷層は成型品の表面に接着して製品として取出され、離型層は基材フィルムの表面に密着した状態で製品から取り除かれる。この離型層には、例えば、パラフィン系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、メラミン樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、およびこれらの複合離型剤などが用いられる。
しかし、従来の転写シートでは、離型層と基材フィルムとの密着力が不十分であったり、離型層面と印刷層面との離型性が不十分であったりする場合が多く、成型転写後の転写シート剥離処理で離型層面と基材フィルム面との間で剥離が生じて、離型層が印刷層と共に成型品の表面に残って取出されてしまうことがある。
離型層と基材フィルムの密着力を改良するため、基材フィルムと離型層との間に易接着層を設け、基材フィルムと離型層との密着性を改良する方法が採られている。しかし、易接着層を構成する樹脂は、良好な接着特性を得ようとすると耐溶剤性の低いものを使うことになる。このため、離型層を塗工する際溶剤によって溶解したり、軟らかくなった易接着層が離型層塗工具にて部分的に剥ぎ取られ、離型層と基材フィルムとの接着強度が低下したりするという、新たな問題が生じる。また、易接着層を積層したフィルムはフィルム同士が粘着し易く、耐ブロッキング性が劣り、このフィルムのうえに離型層を設ける際のハンドリング性に劣る問題がある。
一方、離型層面と印刷層面との離型性を高めすぎると、印刷層が離型層から剥がれやすくなり、金型に付着したり、ブロッキングを起こして転写シートの印刷層とは反対面に転移したり、印刷層等の積層加工や転写加工の途中で剥がれてしまう恐れがある。
特開平5−278399号公報 特開2000−43094号公報 特開2000−301665号公報 特開2000−71402号公報 特開2000−280408号公報 特開2004−58648号公報 特開2004−174975号公報 特開2006−187951号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、基材フィルムと離型層との間に易接着層を設けなくても、離型層と基材フィルムとの密着力が十分あり、かつ成型同時転写時に必要な離型性を有する、転写シート用の基材フィルムとして有用な成型同時転写用離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に関して鋭意検討を重ねた結果、特定の種類の化合物の組み合わせからなる離型層を設けるとともに、該離型層の剥離力を調整することにより、上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ワックス、バインダー樹脂および架橋反応性化合物を含む塗布剤を塗布してなる離型層を有するフィルムであり、当該離型層表面の剥離力が2.0〜3N/cmの範囲であることを特徴とする成型同時転写用離型フィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムの構成要素の一つであるポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明のフィルムを構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を必須とするものであり、これらの他に、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの公知のジカルボン酸の一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。また、ジオール成分として、エチレングリコールを必須とするものであり、これらの他に、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの公知のジオールの一種以上を、共重合成分として含んでいてもよい。
本発明において、ポリエステルの構成成分としては、上記のジカルボン酸成分およびジオール成分の他、種々の酸成分およびアルコール成分を含むことができる。例えば、p−オキシ安息香酸のようなオキシカルボン酸、安息香酸、ベンゾイル安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの一官能性化合物は修飾成分として、トリメシン酸、トリメリト酸、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物は共重合成分として、生成物ポリエステルが実質的に線状の高分子を保持し得る範囲内で、使用することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムには、フィルムの走行性を確保したり、キズが入ったりすることを防ぐ等の目的で粒子を含有させることができる。このような粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、さらに、ポリエステル製造工程時の析出粒子等を用いることができる。
用いる粒子の粒径や含有量はフィルムの用途や目的に応じて選択されるが、平均粒径に関しては、通常は0.01〜5.0μmの範囲が一般的である。光沢転写フィルムの場合、平均粒径が5.0μmを超えるとフィルムの表面粗度が粗くなりすぎ、転写面の光沢が損なわれることがある。また、つや消し転写フィルムの場合、平均粒径が5.0μmを越えるとフィルムの成形性が劣り、成型時にフィルムに破れる場合がある。平均粒径が0.01μm未満では、表面粗度が小さすぎて、十分な易滑性が得られない場合がある。粒子含有量については、ポリエステルに対し、通常0.0003〜3.0重量%、好ましくは0.0005〜2.0重量%の範囲である。粒子含有量が0.0003重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、3.0重量%を超えて添加する場合には破断が頻発してフィルムの生産性が低下する場合がある。
また、本発明のフィルムには、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を加えることもできる。
本発明のフィルムの製膜方法としては、通常知られている製膜法を採用でき、特に制限はない。例えば、まず溶融押出によって得られたシートを、ロール延伸法により、70〜145℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得、次いで、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に80〜160℃で2〜6倍に延伸し、さらに、120〜250℃で1〜600秒間熱処理を行うことでフィルムが得られる。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩を行うことが好ましい。また、熱処理工程は、二段に分けて行うこともできる。
本発明のポリエステルフィルムは離型層を有するが、離型層はフィルムの片面のみに設けていても、両面に設けていてもよく、また、離型層の反対面には他の塗布層や処理が設けられていてもよい。
本発明の離型層は、その特性を示す成分として、重要成分としてワックスを使用する。本発明に用いられるワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、植物性ワックス、石油系ワックスなどが挙げられる。植物性ワックスとして、例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ロウ、オリキューリーワックス、さとうきびロウなどが挙げられ、石油系ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
本発明におけるワックスは、エチレン鎖などのワックス分を空気酸化などの方法で酸化して、カルボキシル基や水酸基などを付加した酸化合成ワックスが成型時に金型への離型層の転写も少ないため好ましく用いられる。
本発明の離型層として、ワックスに替えて、例えばフッ素系化合物または樹脂、シリコーン系化合物または樹脂を用いた場合、転写層剥離が軽くなりすぎ、転写加工の前に剥がれたり、転写層の印刷が上手く乗らない等の不具合が起こったりするため加工適性が安定せず、実用できない。
本発明において使用するバインダー樹脂とは、高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものである。
かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、でんぷん類等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂を含有することで、得られる離型層の強度や基材フィルムへの密着性を向上することができる。
本発明におけるバインダー樹脂は、ポリエステル、ポリウレタンおよびこれらの変性樹脂が、基材となるポリエステルフィルムと離型層の密着性改良に効果が大きく好ましく用いられる。
本発明において使用する架橋反応性化合物としては、メラミン系、ベンゾグアナミン系、尿素系などのアミノ樹脂や、カルボジイミド系、オキサゾリン系、エポキシ系、グリオキサール系化合物などが好適に用いられる。他のポリマー骨格に反応性基を持たせた、ポリマー型架橋反応性化合物も含まれる。架橋反応性化合物を含有することで、他の樹脂や化合物に含まれる官能基との架橋反応や、自己架橋によって、離型層の凝集力や強靱性を改良し、転写時に離型層が移行することを抑制できる。
本発明における架橋反応性化合物は、メラミン系、ベンゾグアナミン系、尿素系などの自己架橋性を示す化合物が、離型層の転着防止に効果が大きく好ましく用いられる。
本発明における離型層は、上記のワックス、バインダー樹脂および架橋反応性化合物を少なくとも含む塗布剤を塗布して形成することができるが、それらの配合量については特に限定されることはなく、成形転写時の加工適性に優れていればよい。
本発明において、成形転写時の離型層の特性と加工適性を判断する基準を種々検討した結果、成型同時転写用に使用されるフィルムの離型層が、当該条件における離型力を満足する場合に、使用時の印刷層の剥がれや印刷ヌケ、不要な部分への印刷層の付着などの印刷欠陥が発生しない極めて良好な加工適性を示すことを知見した。すなわち、離型力の指標としてよく用いられる粘着テープ(日東電工製「No.31B」)と離型層との剥離力が2.0N/cm以上となれば、加工適性がよくなるという知見を得た。また、この剥離力の上限については、ポリエステルフィルムを基材とする場合、3N/cm以下となる。
本発明における離型層の剥離力を所定の範囲にするために、好ましくは、ワックスを40部以上含まないようにする。ワックスが40部以上含まれると、加工途中に印刷層が剥がれ、加工適性が悪化する場合がある。また、ワックスの下限として好ましくは、5部以上含むようにする。ワックスが5部未満では、離型フィルムが容易に剥がれず、加工適性が悪化する場合がある。
本発明のフィルムの離型層は、塗布により設けられ、特に方法は限定されないが、例えば、塗布をフィルム製膜中に行うインラインコーティングが挙げられる。
本発明で使用する塗布液は、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
本発明における塗布液は、取扱い上、作業環境上、また塗布液組成物の安定性の面から、水溶液または水分散液であることが望ましいが、水を主たる媒体としており、本発明の要旨を越えない範囲であれば、有機溶剤を含有していてもよい。
インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程内でコーティングを行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階でコーティングを行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかにコーティングする。これらの中では、一軸延伸フィルムにコーティングした後にテンターにおいて乾燥および横方向への延伸を行い、さらに基材フィルムと共に熱処理をする方法が優れている。かかる方法によれば、製膜と塗布層塗設を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがあり、コーティング後に延伸を行うために薄膜コーティングが容易であり、コーティング後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温であるために塗布層の造膜性が向上し、また塗布層とポリエステルフィルムが強固に密着する。特に、塗布層に架橋反応性化合物を含有する場合には、インラインコーティングの高温の熱処理により、反応残基が残りにくくなるというメリットがある。塗布層中に反応残基があることは、フィルムをロール状に巻いたときのブロッキングや、後の工程で塗布層の上に別の層を設けた際に、上塗り層の成分と反応を起こすことがあり好ましくない。
ポリエステルフィルムに塗布液を塗布する方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、バーコーター等のような技術が挙げられる。
塗布層の塗工量は、最終的な塗膜としてみた際に、通常0.003〜1.5g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.1g/mである。塗工量が0.003g/m未満の場合は十分な離型性が得られない恐れがあり、1.5g/mを超える塗布層は、外観の悪化や、コストアップを招き好ましくない。
本発明のフィルムは、成型同時転写シート用の基材フィルムとして使用されることを特徴とする離型ポリエステルフィルムに関するものであり、基材フィルムと離型層との間に接着層を設けなくても、離型層と基材フィルムとの密着力が十分あり、かつ成型同時転写時に必要な離型性を有することから、転写シートの基材フィルムとして好適に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法などは下記のとおりである。
(1)離型ポリエステルフィルムの剥離力の測定
ポリエステルフィルムの離型層表面に粘着テープ(日東電工製「No.31B」)を貼り付けた後、室温にて1時間放置した後の剥離力を測定する。測定は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(2)成型同時転写用フィルムとしての加工適性
図1に示す離型ポリエステルフィルム(3)に、印刷層および接着剤層(4)を形成し、縦35cm、横25cm、最大深さ3.0cmの金型(1)を用い、IRヒーターで予備加熱後、金型内部に真空または圧空成型法により予備成型を実施した。予備成型を実施した後、樹脂を射出し、成型転写を行った。この時、加工途中に印刷層が剥がれたり、金型に印刷層の一部が付着したり、あるいは成型品の周囲に余分な印刷層が付着するといった加工適性の状態を以下の基準で評価した。
○:成型品への印刷欠陥がなく、加工適性がある
×:成型品への印刷欠陥があり、加工適性に問題がある
次に実施例、比較例中に使用するポリエステル原料について説明する。
<ポリエステル(1)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.680に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.680であった。
<ポリエステル(2)の製造法>
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部とし、触媒としてテトラブチルチタネート0.011重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とし、さらに1時間反応を継続した。その後、温度を230℃から徐々に昇温すると共に圧力を常圧より徐々に減じ、最終的に温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.70に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(2)の極限粘度は0.700、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%であった。
<ポリエステル(3)の製造法>
ポリエステル(1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.610に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(3)を得た。得られたポリエステル(3)は、極限粘度0.610であった。
<ポリエステル(4)の製造法>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、定法の溶融重縮合法で製造したものを使用した。この原料のジカルボン酸成分中イソフタル酸の含有量は22モル%であった。
また、塗布組成物としては以下を用いた。
(A−1):酸化ポリエチレンワックス(東邦化学製ハイテック)
(A−2):パーフルオロアルキル基を有するアクリル化合物(大日本インキ化学工業製ディックガード)
(B−1):ポリメチルメタクリレートグラフトポリエステル(高松油脂製)
(B−2):ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製ゴーセノール)
(C−1):アルキロールメラミン/尿素共重合の架橋反応性化合物(大日本インキ化学工業製ベッカミン)
(ポリエステルフィルムの製造例)
ポリエステル(3)とポリエステル(4)とを35:65の配合比で室温にて十分に攪拌・混合したものを表層、ポリエステル(1)とポリエステル(2)とポリエステル(4)とを10:50:40の配合比で同様に攪拌・混合したものを中間層に相当するように、280℃でTダイを有する押出機より押出し、静電印加法を適用して急冷固化し、無定形シートを得た。得られたシートを縦方向に80℃で3.4倍延伸した後、続いて100℃で横方向に3.4倍延伸し、5%の幅方向の弛緩を行いながら182℃で熱処理を行った。得られたフィルムの平均厚さは75μmであった。
実施例1:
上記ポリエステルフィルムの製造例に示すとおりの工程の中で、長手方向への延伸後の一軸配向フィルムの片面に、下記に示すとおりの塗布組成物を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布組成物の乾燥を行い、以降はポリエステルフィルムの製造例と同様にし、フィルム厚みが75μmの基材フィルムの上に0.07g/mの量の離型層を積層したフィルムを得た。
・塗布液組成:(A−1)を20部、(B−1)を60部、(C−1)を20部
ただし「部」とあるのは、樹脂固形分での重量比を表す(以下においても、同義である)。
実施例2、3:
実施例1の工程において、塗布液の組成を下記に変更した以外は同様にして、フィルム厚みが75μmの基材フィルムの上に0.07g/mの量の離型層を積層したフィルムを得た。
・実施例2塗布液組成:(A−1)を30部、(B−1)を50部、(C−1)を20部
・実施例3塗布液組成:(A−1)を15部、(B−1)を70部、(C−1)を15部
比較例1:
実施例1の工程において、塗布液の組成を下記に変更し、フィルム厚みが75μmの基材フィルムの上に0.02g/mの量の離型層を積層した以外は同様にして、フィルムを得た。
・比較例1塗布液組成:(A−1)を40部、(B−1)を20部、(C−1)を40部
比較例2〜4:
実施例1の工程において、塗布液の組成を下記に変更し、フィルム厚みが75μmの基材フィルムの上に0.03g/mの量の離型層を積層した以外は同様にして、フィルムを得た。
・比較例2塗布液組成:(A−1)を70部、(C−1)を30部
・比較例3塗布液組成:(A−2)を30部、(B−2)を50部、(C−1)を20部・比較例4塗布液組成:(A−2)を80部、(C−1)を20部
以上、得られた離型フィルムの評価特性を下記表1に示す。
Figure 0005026857
本発明のフィルムの評価を行う成型同時転写装置の概念図である。
符号の説明
1 金型
2 射出成型機
3 フィルム
4 離型層、印刷層および接着層からなる層
本発明のフィルムは、例えば、成形同時転写用のベースフィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ワックス、バインダー樹脂および架橋反応性化合物を含む塗布剤を塗布してなる離型層を有するフィルムであり、当該離型層表面の剥離力が2.0〜3N/cmの範囲であることを特徴とする成型同時転写用離型フィルム。
JP2007128023A 2007-05-14 2007-05-14 成型同時転写用離型ポリエステルフィルム Active JP5026857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007128023A JP5026857B2 (ja) 2007-05-14 2007-05-14 成型同時転写用離型ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007128023A JP5026857B2 (ja) 2007-05-14 2007-05-14 成型同時転写用離型ポリエステルフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008279722A JP2008279722A (ja) 2008-11-20
JP5026857B2 true JP5026857B2 (ja) 2012-09-19

Family

ID=40140948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007128023A Active JP5026857B2 (ja) 2007-05-14 2007-05-14 成型同時転写用離型ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5026857B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010201858A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Mitsubishi Plastics Inc 成形同時転写用二軸延伸ポリエテルフィルム
JP5495609B2 (ja) * 2009-04-16 2014-05-21 三菱樹脂株式会社 離型フィルム
JP5334660B2 (ja) * 2009-04-16 2013-11-06 三菱樹脂株式会社 離型フィルム
JP5990983B2 (ja) * 2011-04-07 2016-09-14 東レ株式会社 成形同時転写用積層フィルム
JP5929078B2 (ja) * 2011-09-29 2016-06-01 大日本印刷株式会社 加飾シート及び加飾成形品
CN104768759B (zh) * 2013-01-11 2017-10-20 尤尼吉可株式会社 脱模膜及其制造方法
JP2021138105A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 三菱ケミカル株式会社 離型フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008279722A (ja) 2008-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5026857B2 (ja) 成型同時転写用離型ポリエステルフィルム
KR102322398B1 (ko) 이형 필름 및 그 제조방법
JP4951159B2 (ja) 転写材用ポリエステルフィルム
JP5911465B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP6365613B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムの製造方法
JP5937358B2 (ja) 離型フィルム
JP5553704B2 (ja) 離型ポリエステルフィルム
JP2017007192A (ja) 成型同時転写用ポリエステルフィルム
JPH1086303A (ja) 積層ポリエステルフィルム
KR100718920B1 (ko) 접착성이 우수한 폴리에스테르 필름의 제조방법
JP2010201858A (ja) 成形同時転写用二軸延伸ポリエテルフィルム
JP6969667B2 (ja) 金属板被覆用フィルム及び樹脂被覆金属板
JP5242899B2 (ja) 導電層積層ポリエステルフィルム
JP4407388B2 (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP3800069B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4182579B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2015160392A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP6531348B2 (ja) 離型フィルム
JP2009196321A (ja) 転写材用ポリエステルフィルム
JP5331272B2 (ja) インモールド転写箔用ポリエステルフィルム
JP2006015675A (ja) 建築材料用積層ポリエステルフィルム
JP5225828B2 (ja) インモールド転写箔用ポリエステルフィルム
JP6296129B2 (ja) 積層フィルムの製造方法
JP2016179673A (ja) 成型同時転写用ポリエステルフィルム
JP2017013449A (ja) 積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100429

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120619

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5026857

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350