JP6531348B2 - 離型フィルム - Google Patents
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関するものである。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
種々の組み合わせを検討した結果、オキサゾリン系、エポキシ系を併用する、ないし、アミノ樹脂系、オキサゾリン系、エポキシ系を併用すると、特に得られる効果が高い。
なお、離型層の厚みを前述のように透過型電子顕微鏡にて断面から確認し、比重で割ることで塗布量を求めることもできる。一般的に硬化性シリコーンの比重は0.9〜1.2程度が多い。厚み0.1μmの離型層の塗布量は、比重1の時0.1g/m2である。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに、沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−7A」)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有オリゴマー量(重量%)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製「MCI GEL ODS 1HU」
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して試料を調整した。得られた試料を、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)で観察し、塗布層の厚みを測定した。フィルムの計15箇所を測定し、数値の大きい方から3点と、小さい方から3点を除いた9点の平均を塗布層厚みとする。
離型フィルムの離型面に、アクリル系粘着剤 コーポニールN−2233(日本合成化学製)を乾燥後厚さ4μmになるように塗布し、粘着層を設けた。この粘着層を介し、離型フィルムをガラス板に貼り付けた後、150℃で1時間加熱した。その後、粘着層内に生じた異物を光学顕微鏡下で検査した。検査は、100mm×100mmの面積を、試料の任意の箇所から12箇所選択し、5μm以上の大きさの異物個数をカウントした。全12箇所の検査範囲のうち、異物個数が最も多かった2箇所を除き、10箇所の検査範囲内での異物個数の合計から、以下の基準で判定した。
○:異物が見つからない
△:異物が1個以上、3個未満(実用上やや問題になる)
×:異物が3個以上(実用上問題になる)
上記粘着層光学欠陥検査1と同様の処理で150℃で1.5時間加熱した試験片から離型フィルムを剥離し、さらにガラス板に貼り付けて、2枚のガラス板で粘着層が挟まれた状態の試験片を作成した。次にこの試験片を60℃、90%RHの環境下で1週間エージング処理を行った。このエージング処理により、粘着層に溶解していたオリゴマーが結晶成長し、より異物として顕在化しやすくなる。この試験片の粘着層内に生じた異物を光学顕微鏡下で検査した。検査は、100mm×100mmの面積を、試料の任意の箇所から12箇所選択し、5μm以上の大きさの異物個数をカウントした。全12箇所の検査範囲のうち、異物個数が最も多かった2箇所を除き、10箇所の検査範囲内での異物個数の合計から、以下の基準で判定した。
○:異物が見つからない
△:異物が1個以上、3個未満(実用上やや問題になる)
×:異物が3個以上(実用上問題になる)
(ポリエステル1):
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル1の極限粘度は0.63、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.97重量%であった。
ポリエステル1を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、オリゴマー(環状三量体)含有量0.46重量%のポリエステル2を得た。
ポリエステル1の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径(d50)が1.6μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル3を得た。得られたポリエステル3は、極限粘度0.65、オリゴマー(環状三量体)含有量0.91重量%であった。
(C1):
オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤(株式会社日本触媒製エポクロス)。オキサゾリン基量=7.7mmol/g
(C2):
オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤(株式会社日本触媒製エポクロス)。オキサゾリン基量=4.5mmol/g
(C3):
エポキシ含量=5.5(eq/kg)のポリグリセロールポリグリシジルエーテル。
(C4):
イミノ基/メチロール基/メトキシ基が1.5/2/2.5のモル比である、ヘキサメトキシメチロール化メラミン。
2−アミノ−2−メチルプロパノールハイドロクロライド
(B1):
下記の組成で重合した、ガラス展移転が44℃の水溶性アクリル樹脂
メチルメタクリレート/イソブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=50/30/10
(B2):
反応性乳化剤としてアルコキシポリエチレングリコールメタクリレートを存在下に、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸、N−メチロールアクリルアミドを主成分として共重合した、ガラス転移点が50℃、酸価が14mgKOH、平均粒径が0.05μmであるアクリル樹脂水分散体。
BET法による平均粒径が0.07μmのシリカ粒子
(S1):
界面活性剤サーフィノール465(エアープロダクツ製)
離型層の組成物としては以下を用いた。
(R1):
硬化型シリコーン樹脂(LTC303E:東レ・ダウコーニング製)
(R2):
硬化剤(SRX212:東レ・ダウコーニング製)
製造例1
ポリエステル1とポリエステル3とを重量比で90/10でブレンドしたものをA層、ポリエステル1のみのものをB層の原料として、二台のベント式二軸押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融し、A層を二分配して再外層(表層)、B層を中間層とする二種三層(A層/B層/A層)の層構成で共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、厚み構成比がA層/B層/A層=5/90/5となる未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、幅方向に2%の弛緩処理を行い、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
ポリエステル2とポリエステル3とを重量比で93/7でブレンドしたものをA層、ポリエステル1のみのものをB層の原料として、二台のベント式二軸押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融し、A層を二分配して再外層(表層)、B層を中間層とする二種三層(A層/B層/A層)の層構成で共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、厚み構成比がA層/B層/A層=5/90/5となる未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、幅方向に2%の弛緩処理を行い、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
製造例1の工程において、得られた一軸配向フィルムの片面に、表1に示すとおりの塗布液を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布液の乾燥、熱処理を行いつつ、製造例1と同様の工程によって、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、表1に示す厚さの下引き層を設けた積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムにさらに、以下の離型層塗料1を、乾燥後の塗布量が0.1g/m2になるように、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃、30秒間乾燥、熱処理し、離型フィルムを得た。
製造例2の工程において、得られた一軸配向フィルムの片面に、表1に示すとおりの塗布液を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布液の乾燥、熱処理を行いつつ、製造例2と同様の工程によって、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、表1に示す厚さの下引き層を設けた積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムにさらに、以下の離型層塗料1を、乾燥後の塗布量が0.1g/m2になるように、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃、30秒間乾燥、熱処理し、離型フィルムを得た。
(R1) 100部
(R2) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)1500部
製造例2において得られたフィルムにさらに、以下の離型層塗料1を、乾燥後の塗布量が0.1g/m2になるように、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃、30秒間乾燥、熱処理し、離型フィルムを得た。
(R1) 100部
(R2) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)1500部
実施例、参考例、比較例において得られたフィルムの特性を下記表2に示す。
Claims (3)
- 二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材に、下引き層(A)および硬化型シリコーン樹脂を含有する離型層(B)が順次積層されてなる離型フィルムであり、下引き層(A)が、全不揮発成分に対する架橋剤の比率が70重量%以上である塗布液を塗布した後、乾燥して得られたものであって、当該架橋剤が、オキサゾリン基の含有量が5〜8mmol/gであるオキサゾリン系架橋剤を含む2種類以上の架橋剤からなる、ことを特徴とする離型フィルム。
- 下引き層(A)に接するポリエステル面を構成する層が、オリゴマー含有量0.7重量%以下のポリエステル80重量%以上から構成された、厚み4μm以上の層である請求項1に記載の離型フィルム。
- 請求項1または2に記載の離型フィルムと、粘着剤および透明導電フィルムとを貼り合せた積層体。
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