JP5970116B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに、沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製「LC−7A」)に供給して、DMF中のエステル環状三量体量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有エステル環状三量体量(重量%)とする。DMF中のエステル環状三量体量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学株式会社製「MCI GEL ODS 1HU」
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(3)の方法で得られたポリエステル原料に含有される含有エステル環状三量体量を基に算出した。
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して試料を調整した。得られた試料を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM2010)で観察し、塗布層の厚みを測定した。フィルムの計15箇所を測定し、数値の大きい方から3点と、小さい方から3点を除いた9点の平均を塗布層厚みとする。
サンプルの測定面がむき出しとなる状態でケント紙と重ねて固定し、窒素雰囲気下で、150℃で90分間放置して熱処理を行う。
試料フィルムをJIS−K−7136に準じ、株式会社村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、フィルムヘーズを測定した。
まず試料フィルムの、本発明の塗布層が設けられた面とは反対側の面に下記塗布剤組成からなる塗布剤を、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃に設定した熱風乾燥式オーブンにて1分間乾燥させた。次いで、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約7秒間照射し、110mJ/cm2で硬化を行って、フィルム上に活性エネルギー線硬化樹脂層を設けた積層フィルムを得た。
《塗布剤組成》
日本合成化学工業株式会社製 紫光7600Bと、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製Irgacure651を、重量比で100/5で混合、メチルエチルケトンで濃度30重量%に希釈したものを使用した。
得られた試料のヘーズを(7)項の方法で測定した(ヘーズ1)。
次いで、試料の活性エネルギー線硬化樹脂層と反対の面を測定面として、(6)項の方法で加熱した後、(7)の方法でヘーズを測定した(ヘーズ2)。
ΔH=(ヘーズ2)−(ヘーズ1)
ΔHが低いほど、高温処理によるオリゴマーの析出が少ないことを示し、良好である。
ポリエステルフィルムを空気中、150℃で90分間加熱する。その後、熱処理をした当該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmになるように、測定面(塗布層)を内面として箱形の形状を作成する。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルスルホアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のエステル環状三量体量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面に析出するエステル環状三量体量(mg/m2)とした。なお、DMF中のエステル環状三量体量は上記(3)ポリエステル原料に含有される含有オリゴマー量の測定方法に記載の絶対検量線法に従い算出した。
ポリエステルフィルムの塗膜形成面に下記塗布剤組成から構成される活性エネルギー線硬化樹脂を#16ワイヤーバーにより塗布し、80℃で1分間乾燥し溶剤を除去した後、紫外線照射機から紫外線をメタルハライドランプ120Wで180mJ/cm2照射し、厚み5μmのハードコート層を形成した。得られたフィルムに対して、100個の升目状の切り傷を、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を升目上の切り傷面に貼り付け、2.0kgのローラーを20往復して完全に付着させた後、180度の剥離角度で急激に剥がした後の剥離面を観察し、剥離面積が5%未満ならば◎、5%以上20%未満なら○、20%以上50%未満なら△、50%以上ならば×とした。
《活性エネルギー線硬化樹脂組成》
ジペンタエリスリトールアクリレート72重量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート18重量部、光重合開始剤(Irgacure 651、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製)1重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合塗液。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63、エステル環状三量体の含有量は0.97重量%であった。
ポリエステル(A)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、エステル環状三量体の含有量が0.46重量%のポリエステル(B)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エチルアシッドフォスフェートを生成ポリエステルに対して30ppm、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して100ppmを窒素雰囲気下、260℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、テトラブチルチタネートを生成ポリエステルに対して50ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.3kPaまで減圧し、さらに80分、溶融重縮合させ、極限粘度0.61のポリエステル(A)エステル環状三量体の含有量が1.02重量%のポリエステル(C)を得た。
ポリエステル(C)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度210℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.72、エステル環状三量体の含有量が0.50重量%のポリエステル(D)を得た。
ポリエステル1の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径(d50)が1.6μmのシリカ粒子を0.5部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.65、エステル環状三量体の含有量は0.82重量%であった。
(A1):ヘキサメトキシメチロールメラミン。
(A2):オキサゾリン化合物であるエポクロス(株式会社日本触媒製)。オキサゾリン基量7.7mmol/g。
(A3):オキサゾリン化合物であるエポクロス(株式会社日本触媒製)。オキサゾリン基量4.5mmol/g。
(A4):ポリグリセロールポリグリシジルエーテル。
ヘキサメチレンジイソシアネート1000部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1部を加えた。4時間後、リン酸0.2部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8部、マロン酸ジエチル32.2部、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液0.88部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86部を添加して得られたブロックポリイソシアネート。
(B1):下記の組成で重合した、ガラス転移点が40℃のアクリル樹脂水分散体
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
(B2):テレフタル酸315重量部、イソフタル酸299重量部、エチレングリコール74重量部、およびジエチレングリコール265重量部を成分とするポリエステルポリオールを(B2a)としたとき、(B2a)953重量部、イソホロンジイソシアネート267重量部、エチレングリコール56重量部、およびジメチロールプロピオン酸67重量部を構成成分としたポリエステルポリウレタンをアンモニアで中和して水分散させたもの(濃度23%、25℃での粘度30mPa・s)
(C1):メラミン架橋触媒である、2−アミノ−2−メチルプロパノールハイドロクロライド
(F1):平均粒径0.07μmのシリカ粒子。
(F2):平均粒径0.02μmのアルミナ変性シリカ粒子。
ポリエステル(B)、(E)を重量比で80/20でブレンドしたものを表層、ポリエステル(A)のみのものを中間層の原料として、二台の押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、2種3層(A/B/A)で厚み構成比がA/B/A=2.5/45/2.5になるよう共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら、ロール周速差を利用して縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す水系の塗布液1を塗布し、テンター延伸機に導き、100℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、横方向に2%の弛緩処理を行い、塗布層の膜厚(乾燥後)が0.04μmの塗布層を有するフィルム厚みが50μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を表1および表2に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは表3に示す特性を有し、加熱処理によるエステル環状三量体の析出量は少なく、密着性も良好であった。
ポリエステル(D)、(E)を重量比で80/20でブレンドしたものを表層、ポリエステル(D)のみのものを中間層の原料として、二台の押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、2種3層(A/B/A)で厚み構成比がA/B/A=1.5/20/1.5になるよう共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら、ロール周速差を利用して縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す水系の塗布液7を塗布し、テンター延伸機に導き、100℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、横方向に2%の弛緩処理を行い、塗布層の膜厚(乾燥後)が0.04μmの塗布層を有するフィルム厚みが23μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例24において、厚み構成比をA/B/A=2.5/45/2.5に変更し、厚みを50μmに変更した以外は、実施例24と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を表3に示す。
実施例24において、厚み構成比をA/B/A=5/115/5に変更し、厚みを125μmに変更した以外は、実施例24と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を表3に示す。
ポリエステル(A)、(E)を重量比で80/20でブレンドしたものを表層、ポリエステル(A)のみのものを中間層の原料として、二台の押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、2種3層(A/B/A)で厚み構成比がA/B/A=2.5/45/2.5になるよう共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら、ロール周速差を利用して縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す水系の塗布液1を塗布し、テンター延伸機に導き、100℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、横方向に2%の弛緩処理を行い、塗布層の膜厚(乾燥後)が0.04μmの塗布層を有するフィルム厚みが50μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
比較例1において、塗布剤組成を表1および表2に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表3に示すとおり、比較例2〜4は加熱処理によるフィルムヘーズが大きく上昇し、エステル環状三量体の析出も多いものであった。
実施例1において、塗布剤組成を表1および表2に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表3に示すとおり、比較例5〜7は加熱処理によるフィルムヘーズが大きく上昇し、エステル環状三量体の析出も多いものであった。比較例8は密着性に劣る結果であった。
実施例1において、塗布層を設けないこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、熱処理によるフィルムヘーズが大きく上昇し、エステル環状三量体の析出も多いものであり、工程の汚染や、加熱後の白化による視認性の悪化が懸念されるものであった。
Claims (5)
- エステル環状三量体が0.7重量%以下のポリエステル層を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、不揮発成分に対して70重量%以上の架橋剤を含有する塗布液から形成された塗布層を有し、前記架橋剤の少なくとも1種が、オキサゾリン基量が0.5〜10mmol/gのオキサゾリンであることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
- 塗布液がメラミンを含有する請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
- 塗布層がポリマーを10重量%以下含有する請求項1または2に記載の積層ポリエステルフィルム。
- 150℃、90分間熱処理後のフィルムヘーズ変化量(ΔH)が1.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
- 150℃、90分間熱処理後、フィルム表面からジメチルホルムアミドにより抽出されるエステル環状三量体が1.2mg/m2以下である請求項1〜4のいずれかに記載の積層ポリエステルフィルム。
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