JP6057724B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して試料を調整した。得られた試料を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM2010)で観察し、塗布層の厚みを測定した。フィルムの計15箇所を測定し、数値の大きい方から3点と、小さい方から3点を除いた9点の平均を塗布層厚みとする。
サンプルの測定面がむき出しとなる状態でケント紙と重ねて固定し、窒素雰囲気下で、150℃で90分間放置して熱処理を行う。
試料フィルムをJIS−K−7136に準じ、株式会社村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、フィルムヘーズを測定した。
まず試料フィルムの、本発明の塗布層が設けられた面とは反対側の面に下記塗布剤組成からなる塗布剤を、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃に設定した熱風乾燥式オーブンにて1分間乾燥させた。次いで、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約7秒間照射し、110mJ/cm2で硬化を行って、フィルム上に活性エネルギー線硬化樹脂層を設けた積層フィルムを得た。
《塗布剤組成》
日本合成化学工業株式会社製 紫光7600Bと、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製Irgacure651を、重量比で100/5で混合、メチルエチルケトンで濃度30重量%に希釈したものを使用した。
得られた試料のヘーズを(5)項の方法で測定した(ヘーズ1)。
次いで、試料の活性エネルギー線硬化樹脂層と反対の面を測定面として、(4)項の方法で加熱した後、(5)の方法でヘーズを測定した(ヘーズ2)。
ΔH=(ヘーズ2)−(ヘーズ1)
ΔHが低いほど、高温処理によるオリゴマーの析出が少ないことを示し、良好である。
ポリエステルフィルムを空気中、150℃で90分間加熱する。その後、熱処理をした当該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmになるように、測定面(塗布層)を内面として箱形の形状を作成する。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルスルホアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収し、液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製:LC−7A 移動相A:アセトニトリル、移動相B:2%酢酸水溶液、カラム:三菱化学株式会社製『MCI GEL ODS 1HU』、カラム温度:40℃、流速:1ml/分、検出波長:254nm)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とした。DMF中のエステル環状三量体は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。なお、標準試料の作成は、予め分取したエステル環状三量体を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し、作成した。
(ポリエステル1): テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル1の極限粘度は0.63であった。
(A1):グリオキサールに無水グルコースを反応させた多価アルデヒド系化合物。
(B1):けん化度=88モル%、重合度500のポリビニルアルコール。
(B2):対イオンがメチルスルホネートである、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー。数平均分子量:30000。
(C1):ヘキサメトキシメチロールメラミン。
(C2):下記方法で合成したブロックポリイソシアネート。
ヘキサメチレンジイソシアネート1000部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1部を加えた。4時間後、リン酸0.2部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8部、マロン酸ジエチル32.2部、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液0.88部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86部を添加して得られたブロックポリイソシアネート。
(C3):オキサゾリン化合物であるエポクロス WS−300(株式会社日本触媒製)。
(C4):ポリグリセロールポリグリシジルエーテルであるデナコールEX−521(株式会社ナガセケムテックス製)。
(C5):ポリカルボジイミド系化合物であるカルボジライト V−04(日清紡ケミカル株式会社製)
(F1):平均粒径0.07μmのシリカ粒子。
(F2):平均粒径0.02μmのアルミナ変性シリカ粒子。
ポリエステル1とポリエステル2とを重量比で90/10でブレンドしたものを表層、ポリエステル1のみのものを中間層の原料として、二台の押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融した後、2種3層(表層/中間層/表層=1:6:1の吐出量)の層構成で共押出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら、ロール周速差を利用して縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す水系の塗布液1を塗布し、テンター延伸機に導き、100℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、横方向に2%の弛緩処理を行い、塗布層の膜厚(乾燥後)が0.04μmの塗布層を有するフィルム厚みが50μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、加熱処理によるフィルムヘーズ上昇値(ΔH)やエステル環状三量体の析出量は良好であった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおり、加熱処理によるフィルムヘーズが大きく上昇し、エステル環状三量体の析出も多いものであった。
実施例1において、塗布層を設けないこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、熱処理によるフィルムヘーズが大きく上昇し、エステル環状三量体の析出も多いものであり、工程の汚染や、加熱後の白化による視認性の悪化が懸念されるものであった。
Claims (1)
- 多価アルデヒド系化合物およびメラミン化合物を含有する塗布液から形成された塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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