JP2016153204A - 離型フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、下引き層と離型層とが順次設けられたフィルムであり、前記下引き層が、スチレン構造および(メタ)アクリル酸構造を有する樹脂を含有することを特徴とする離型フィルム。
【選択図】 なし
Description
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、更に、沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製「LC−7A」)に供給して、DMF中のエステル環状三量体量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有エステル環状三量体量(重量%)とする。DMF中のエステル環状三量体量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学株式会社製「MCI GEL ODS 1HU」
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(3)の方法で得られたポリエステル原料に含有される含有エステル環状三量体量を基に算出した。
塗布層の表面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO4で染色し、塗布層断面をTEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定した。なお、膜厚は粒子の部分を含まない箇所で測定した。
サンプルの測定面がむき出しとなる状態でケント紙と重ねて固定し、窒素雰囲気下で、180℃で30分間放置して熱処理を行う。
まず離型層を加工する前のポリエステルフィルムの、本発明の下引き層が設けられた面とは反対側の面に下記塗布剤組成からなる塗布剤を、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃に設定した熱風乾燥式オーブンにて1分間乾燥させた。次いで、紫外線を照射して、硬化させ、ハードコート層を形成した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80重量部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート20重量部、光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製)5重量部、メチルエチルケトン200重量部の混合塗液を使用した。
得られた試料のヘーズをJIS−K−7136に準じ、株式会社村上指色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、フィルムヘーズを測定した(ヘーズ1)。
次いで、試料の活性エネルギー線硬化樹脂層と反対の面を測定面として、(6)項の方法で加熱した後、上述した方法でヘーズを測定した(ヘーズ2)。
ΔH=(ヘーズ2)−(ヘーズ1)
ΔHが低いほど、高温処理によるエステル環状三量体の析出が少ないことを示し、良好である。
離型層を加工する前のポリエステルフィルムを空気中、180℃で30分間加熱する。その後、熱処理をした当該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmになるように、測定面(下引き層)を内面として箱形の形状を作成する。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMFを4ml入れて、3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のエステル環状三量体量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面に析出するエステル環状三量体量(mg/m2)とした。なお、DMF中のエステル環状三量体量は上記(3)ポリエステル原料に含有される含有オリゴマー量の測定方法に記載の絶対検量線法に従い算出した。
本発明で得られた離型フィルムの離型面に、アクリル系粘着剤 コーポニールN−2233(日本合成化学工業株式会社製)を乾燥後3μmになるように塗布し、粘着層を設けた。この粘着層を介し、離型フィルムをガラス板に貼りつけた後、窒素雰囲気下、150℃で1時間放置し、熱処理を行った。次いで、80℃で300時間加熱した後、粘着層内に生じた異物を光学顕微鏡下で検査した。検査は、50mm×50mmの面積を、試料の任意の箇所から12箇所選択し、5μm以上の大きさのエステル環状三量体の結晶個数をカウントした。全12箇所の検査範囲のうち、結晶個数が最も多かった2箇所を除き、10箇所の検査範囲内での結晶個数から、以下の基準で判定した。
○:エステル環状三量体の結晶が見つからない
△:エステル環状三量体の結晶が1個以上、3個未満(実用上やや問題になる)
×:エステル環状三量体の結晶が3個以上(実用上問題になる)
塗工後気温23℃、相対湿度50%に調整された恒温恒湿室にて10日間保管した試料フィルムの離型面を人差し指の腹で一方向に3回擦り、離型層の脱落程度を擦った部分の粘着テープの剥離によって判定した。シリコーンの基材密着性が悪いと摩擦により塗膜が脱落し、その部分の剥離が重くなる。
《判定基準》
○:擦った部分と擦っていない部分の剥離力に差がなくスムーズに剥離できた。
△:擦った部分で少し重くなったが概ねスムーズに剥離できた。
×:擦った部分で引っ掛かり、スムーズに剥離できなかった。
本発明で得られた離型フィルムの離型面に粘着テープ(日東電工株式会社製「No.31B」基材厚み25μm)を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、23℃,50%RHの測定雰囲気で1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は株式会社インテスコ製「インテスコモデル2001型」を使用し、引張速度0.3(m/min)の条件下、180°剥離を行った。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63、エステル環状三量体の含有量は0.97重量%であった。
ポリエステル(A)を、あらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、エステル環状三量体の含有量が0.46重量%のポリエステル(B)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エチルアシッドフォスフェートを生成ポリエステルに対して30ppm、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して100ppmを窒素雰囲気下、260℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、テトラブチルチタネートを生成ポリエステルに対して50ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.3kPaまで減圧し、さらに80分、溶融重縮合させ、極限粘度0.61のポリエステル(A)エステル環状三量体の含有量が1.02重量%のポリエステル(C)を得た。
ポリエステル(C)を、あらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度210℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.72、エステル環状三量体の含有量が0.50重量%のポリエステル(D)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径(d50)が1.6μmのシリカ粒子を0.5部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル1の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル(E)は、極限粘度0.65、エステル環状三量体の含有量は0.82重量%であった。
(A1):下記組成で重合したスチレンアクリル共重合体
スチレン/アクリル酸=80/20(モル%)で共重合したスチレンアクリル共重合体。
(A2):下記組成で重合したスチレンアクリル共重合体
スチレン/アクリル酸/ヒドロキシエチルアクリルアミド=70/20/10(モル%)で共重合したスチレンアクリル共重合体。
(B2):オキサゾリン化合物であるエポクロス(株式会社日本触媒製)。オキサゾリン基量7.7mmol/g。
(B3):オキサゾリン化合物であるエポクロス(株式会社日本触媒製)。オキサゾリン基量4.5mmol/g。
(B4):ポリグリセロールポリグリシジルエーテル。
ヘキサメチレンジイソシアネート1000部を60℃で攪拌し、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1部を加えた。4時間後、リン酸0.2部を添加して反応を停止させ、イソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物を得た。得られたイソシアヌレート型ポリイソシアネート組成物100部、数平均分子量400のメトキシポリエチレングリコール42.3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート29.5部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を60℃に保持し、イソブタノイル酢酸メチル35.8部、マロン酸ジエチル32.2部、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液0.88部を添加し、4時間保持した。n−ブタノール58.9部を添加し、反応液温度80℃で2時間保持し、その後、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート0.86部を添加して得られたブロックポリイソシアネート。
(B6):ポリカルボジイミド系化合物であるカルボジライト(日清紡ケミカル株式会社製)。カルボジイミド当量340。
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
(C2):下記組成で重合したスチレン酢酸ビニル共重合体
スチレン/酢酸ビニル/2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル=65/35/1(モル%)で共重合したスチレン酢酸ビニル共重合体。
(D1):メラミン架橋触媒である、2−アミノ−2−メチルプロパノールハイドロクロライド
(E1):平均粒径0.07μmのシリカ粒子
<離型剤溶液の調整>
硬化型シリコーン樹脂:KS−847H(信越化学株式会社製) 100重量部
白金含有触媒:catPL−50T(信越化学株式会社性) 1重量部
これらをMEK/トルエン/イソオクタンの混合溶媒(混合重量比率は1:4:5)にて希釈し、固形分濃度2重量%の塗布液を作成した。
ポリエステル(B)、(E)を重量比で80/20でブレンドしたものを表層、ポリエステル(A)のみのものを中間層の原料として、二台の押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、2種3層(A/B/A)で厚み構成比がA/B/A=2.5/45/2.5になるよう共押出し、静電密着法を用いて表面温度45℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら、ロール周速差を利用して縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す水系の塗布液1を塗布し、テンター延伸機に導き、100℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、横方向に2%の弛緩処理を行い、下引き層の膜厚(乾燥後)が0.05μmの下引き層を有するフィルム厚みが50μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルムにさらに、離型剤溶液を、乾燥後の塗布量が0.1g/m2になるように、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃、30秒間乾燥、熱処理し、ポリエステルフィルムの上に、順に、下引き層、離型層が積層された離型フィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を表1および表2に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは表3に示す特性を有し、加熱処理によるポリエステル表面、および粘着層中へのエステル環状三量体の結晶の析出も抑制され、良好であった。また、離型層の性能も良好な結果であった。
実施例8において、ポリエステルフィルムの厚みを25μm、厚み構成比をA/B/A=5/15/5に変更した以外は、実施例8と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表3に示す。
実施例8において、ポリエステルフィルムの厚みを125μm、厚み構成比をA/B/A=5/115/5に変更した以外は、実施例8と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表3に示す。
ポリエステル(D)、(E)を重量比で80/20でブレンドしたものを表層、ポリエステル(D)のみのものを中間層の原料として、二台の押出機にそれぞれを供給し、285℃に加熱溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、2種3層(A/B/A)で厚み構成比がA/B/A=2.5/45/2.5になるよう共押出し、静電密着法を用いて表面温度45℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら、ロール周速差を利用して縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す水系の塗布液7を塗布し、テンター延伸機に導き、100℃で横方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施した後、横方向に2%の弛緩処理を行い、下引き層の膜厚(乾燥後)が0.05μmの下引き層を有するフィルム厚みが50μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。なお、離型層は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは表3に示す特性を有し、加熱処理によるオリゴマー結晶の析出も抑制され、良好であった。また、ラブオフ試験や剥離力も良好な結果であった。
実施例1において、下引き層を設けないこと以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。でき上がった離型フィルムを評価したところ、加熱処理によるオリゴマー結晶の析出が確認され、ラブオフ試験も悪化する結果であった。
実施例8において、離型層を設けないこと以外は実施例1と同様にして製造した。でき上がったフィルムを評価したところ、加熱処理によるオリゴマー結晶の析出は抑制されているが、剥離力が乏しい結果であった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。でき上がった離型フィルムを評価したところ、表3に示すとおり、加熱処理によるポリエステル表面、粘着層中へのオリゴマー結晶の析出が確認された。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、下引き層と離型層とが順次設けられたフィルムであり、前記下引き層が、スチレン構造および(メタ)アクリル酸構造を有する樹脂を含有することを特徴とする離型フィルム。
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