JP3187135U - 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】保管時に接着剤層を保護する剥離シート11、基材の表面に粘着シートを貼り付けるための接着剤層12、基材が飛散することを防止するポリエチレンテレフタレートフィルム13、光触媒層を保護する保護層14、及び、酸化チタン粒子を含有する光触媒層15を、この順に積層してなる。保護層は、反応性シラン化合物を含有する塗液を用いて形成され、膜厚は1μm以上10μm以下が好ましい。また光触媒層の膜厚は0.03μm以上1μm以下が好ましい。
【選択図】図1
Description
また、機械的な衝撃を受けて基材が破損したときに、破片の飛散を防止する機能が十分ではなかった。
また、空気浄化機能を有し、大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害物質を除去し、酸性雨にも対処でき、また、防音効果も有している。
本考案の粘着シートは、図1(a)にその概略断面図を示したように、少なくとも、剥離シート、接着剤層、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、光触媒層を、この順に積層してなっている。
また、本考案の粘着シートは、図1(b)にその概略断面図を示したように、少なくとも、剥離シート、接着剤層、ポリエチレンテレフタレートフィルム、保護層、及び、光触媒層を、この順に積層してなっている。
剥離シートは、保管時に粘着シート接着剤層を保護するために設けてあるものであり、使用時には、それを剥離して透明な基材の表面に貼り付ける。
該剥離シートは、一般に、離型紙、剥離フィルム等として知られているものを使用できる。
粘着層は、離型性に優れるものの接着性に劣る離型層を基材層に密着させるためのもので、公知の粘着性組成物が使用可能である。
また、離型層は、本考案の粘着シートの接着剤層を、保管時には保護し、使用時には接着剤層から容易に剥離できるものなら特に限定はなく、公知のものが使用できる。
剥離シートの厚さは特に限定はないが、好ましい範囲も含めて、後記するポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さと同様である。
接着剤層は、接着剤塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し乾燥することにより形成され、ポリエチレンテレフタレートフィルムを、すなわち、剥離シート剥離した後の粘着シート全体を、窓ガラス等の透明な基材に接着させる作用を有している。
熱で反応する接着剤としては、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
また、圧力を感じる接着剤としては、アクリルエステル系樹脂、塩素化オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
上記接着剤の種類と厚さによっても、透明な基材の表面に貼り付けた際に、好適な透明性とヘイズが実現できる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、主に、本考案の粘着シートに機械的な強度を与えて、窓ガラス等の透明な基材への貼り付けを容易にすると共に、該基材が割れたとき等に、その破片の飛散を防止するように存在する。
日光等から受ける熱や紫外線への耐性や、機械的強度、基材に直接貼り合わせて使用されるための耐性処方が豊富等の点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、単に「PETフィルム」と略記する)が用いられる。
該PETフィルムとしては、二軸延伸等の延伸されたものも、上記理由から好ましく用いられる。
PETフィルムは、光触媒による劣化が少ないので保護層を設けなくてもよい場合があり、保護層の存在による透明性低下やヘイズ上昇を回避できる。
上記範囲であれば、基材の飛散を防止するに好ましい機械的強度を維持しつつ、透明性やヘイズを良好にすることが可能である。
本考案において、保護層は、有機物であるPETフィルムが光触媒層の光触媒機能によって劣化してしまうことがあるため、その劣化を抑えるために形成される。また、PETフィルムと光触媒層との密着性や、光触媒層の塗膜特性を向上させるために形成される。
保護層の厚さが下限以上であると、光触媒粒子の光触媒機能による印刷物層中の有機物の劣化を抑えることができ、一方、保護層の厚さが上限以下であると、有機物の劣化を抑える効果を維持しつつコスト的に有利であり、塗布性能が優れ良好な保護層が形成できる。
そのため、観察する人に対して基材の反対側の景色等が、滲んだり白っぽく見えたりすることがない。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、酸化チタン等の光触媒によるダメージを受け難く、たとえ若干のダメージを受けたとしても、保護層がないことによる、透明性の高さ、ヘイズの低さ、向こう側の景色等が、滲んだり白っぽく見えたりしない効果の方が勝っている。
本考案において、光触媒層は、光触媒粒子が光触媒機能を発揮し、防汚性を付与し、また、大気浄化のために形成される。基材に防汚性が付与されることによって、基材表面の汚れをとる拭き取り作業等の必要がなくなる、又は、定期的に拭き取り作業等をしている場合は、その頻度を少なくすることができる。
スプレーガンを用いれば、低希釈率(高固形分)の光触媒粒子を塗布することができる。光触媒層の塗液は、光触媒粒子を含有していれば、その他の成分に特に限定はなく、例えばバインダー等の含有は問わない。バインダーを含有していない場合、光触媒粒子の希釈率は低くなる(高固形分濃度になる)ため、エアー霧化低圧方式のスプレーガンを用いることが特に好ましい。
スプレーガンを用いて得られた光触媒層においては、均一に塗布される等のため、光触媒粒子の実質的な表面積が増加し、高い触媒能力が得られる。
本考案の粘着シートは、透明な基材の表面に貼り付ける用途に用いられるので、剥離シートを剥離した状態で透明性があることが好ましい。「透明性」は、有色透明でもよいが、無色透明であることがより好ましい。
透過率は、粘着シート剥離シートを剥離して十分無色透明な基材に貼り付けた状態で、500nmの可視光線で測定し、そのように測定したものとして定義される。粘着シートの透過率は、99%以上が好ましく、99.9%以上が特に好ましい。
本考案の粘着シートは、基材の外観を損なわないためにも、ヘイズが5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましく、0.3%以下であることが更に好ましく、0.1%以下であることが最も好ましい。
「粘着シートのヘイズ」は、剥離シートを剥離した後の接着剤層の表面の平滑性にも依存するので、粘着シートから剥離シートを剥離し、十分平滑で、かつ十分無色透明な基材に貼り付けた状態で測定され、そのように測定されたものとして定義される。
ヘイズが上記上限以下であると、透明な基材の外観が損なわれず、基板の反対側が滲まずに良く見え、基材のみである場合との区別が付き難くなる。
本考案の粘着シートは、空気浄化機能を必要とする用途に使用されることも好ましい。本考案の粘着シートは、大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物を除去でき、また、窒素酸化物や硫黄酸化物が雨等に取り込まれて地上に降下する酸性雨に対処できる。
本考案の粘着シートは、また、更に、防音効果を必要とする用途に使用されることも好ましい。
上記基材は、民家、ビル、建物等の窓ガラス;バス、自動車、電車等の車輛のウインドウガラス;一般道路若しくは高速道路の防音壁;道路標識、交通標識等の標識;ビニールハウスのシート;屋外看板、日よけ看板、駐車場看板等の看板;屋外構造物;駅舎の出入口、連絡通路等に設置された基材;等であることが、本考案の前記効果を奏し易い点で好ましい。
PETフィルムとして、帝人デュポンフィルム(株)社製の厚さ300μmのPETフィルムを用い、PETフィルムの一方の側に、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体よりなる5μmの接着剤層を設けた。その後、汎用の市販の剥離シートで、該接着剤層を保護した。
該PETフィルムの反対側には、3μmの保護層を介して、0.2μmの光触媒層を設けた。
2回の合計塗布量は50g/m2、得られた保護層の全体の乾燥膜厚は0.2μmであった。
用いたエアー霧化低圧方式のスプレーガンの空気圧力は39kPa、空気量は2000L/分であった。光触媒層を塗布後、20℃で1時間静置し、塗布液中の溶媒を留去させて粘着シートを得た。
得られた粘着シートから、剥離シートを剥離し、可視光を完全に透過する石英板に貼り付け、500nmの可視光線で透過率を測定したところ、99%であった。
また、前記した方法で「ヘイズ」を測定したところ、1%であった。
目視で、窓の外の景色を観察したところ、粘着シートを貼りつける前の窓ガラスと殆ど変わらなかった。
従って、窓ガラスの付近に人がいても安全であることが保証された。
保護層を設けない以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを得た。
得られた粘着シートから、剥離シートを剥離し、可視光を完全に透過する石英板に貼り付け、500nmの可視光線で透過率を測定したところ、99.9%であった。
また、前記した方法で「ヘイズ」を測定したところ、0.1%であった。
目視で、窓の外の景色を観察したところ、粘着シートを貼りつける前の窓ガラスと全く変わらなかった。すなわち、窓の外の景色は全く滲むこともなく、白っぽくなることもなかった。
保護層を設けなかった実施例2の場合の方が、保護層を設けた実施例1の場合より、透過率が大きく、ヘイズが小さく、窓ガラスに貼り付けた場合に、窓の外の景色がより滲まなかった。
また、触媒層に含まれる触媒による、触媒層に直接接しているPETフィルムへのダメージは、殆どなく許容範囲であった。
従って、窓ガラスの付近に人がいても安全であることが保証された。
市販のN社製の、窓ガラス飛散防止用シートを、保護層も光触媒層も設けずに、窓ガラスに貼り付けた。
窓ガラスのヘイズの増加と、透明性の低下が見られた。窓の外の景色は、粘着シートを貼りつける前の窓ガラスに比べて滲んで見え、白っぽくも見えた。
11 剥離シート
12 接着剤層
13 ポリエチレンテレフタレートフィルム
14 保護層
15 光触媒層
Claims (10)
- 透明な基材の表面に貼り付けることによって、該基材の飛散を防止し、かつ該基材に防汚性を付与するようになっている粘着シートであって、少なくとも、保管時に接着剤層を保護する剥離シート、基材の表面に粘着シートを貼り付けるための接着剤層、基材が飛散することを防止するポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、酸化チタン粒子を含有する光触媒層を、この順に積層してなることを特徴とする粘着シート。
- 上記剥離シートを剥離した状態でのヘイズが5%以下である請求項1に記載の粘着シート。
- 上記ポリエチレンテレフタレートフィルムと光触媒層との間に保護層を有する請求項1又は請求項2に記載の粘着シート。
- 上記保護層が、反応性シラン化合物を含有する塗液を用いて形成されたものである請求項3に記載の粘着シート。
- 上記光触媒層の膜厚が0.03μm以上1μm以下である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の粘着シート。
- 上記保護層の膜厚が1μm以上10μm以下である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の粘着シート。
- 上記ポリエチレンテレフタレートフィルムと光触媒層との間に保護層を有さず、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムに直接光触媒層が設けられている請求項1又は請求項2に記載の粘着シート。
- 更に、空気浄化機能を有する請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の粘着シート。
- 更に、防音効果を有する請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の粘着シート。
- 上記基材が、窓ガラス、車輛のウインドウガラス、一般道路若しくは高速道路の防音壁、道路標識、交通標識、ビニールハウスのシート、駅舎の出入口若しくは連絡通路にある基材、屋外看板、又は、屋外構造物である請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の粘着シート。
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JP2013003468U JP3187135U (ja) | 2013-06-19 | 2013-06-19 | 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート |
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JP2016153204A (ja) * | 2015-02-21 | 2016-08-25 | 三菱樹脂株式会社 | 離型フィルム |
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2013
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