JP3187135U - 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート - Google Patents

基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP3187135U
JP3187135U JP2013003468U JP2013003468U JP3187135U JP 3187135 U JP3187135 U JP 3187135U JP 2013003468 U JP2013003468 U JP 2013003468U JP 2013003468 U JP2013003468 U JP 2013003468U JP 3187135 U JP3187135 U JP 3187135U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive sheet
pressure
sensitive adhesive
base material
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2013003468U
Other languages
English (en)
Inventor
足立博
Original Assignee
ビイ アンド ビイ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ビイ アンド ビイ株式会社 filed Critical ビイ アンド ビイ株式会社
Priority to JP2013003468U priority Critical patent/JP3187135U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3187135U publication Critical patent/JP3187135U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

【課題】透明性やヘイズが良好で、透明な基材の表面に貼り付けることによって、基材の飛散を防止し、かつ基材に防汚性を付与する粘着シートを提供する。
【解決手段】保管時に接着剤層を保護する剥離シート11、基材の表面に粘着シートを貼り付けるための接着剤層12、基材が飛散することを防止するポリエチレンテレフタレートフィルム13、光触媒層を保護する保護層14、及び、酸化チタン粒子を含有する光触媒層15を、この順に積層してなる。保護層は、反応性シラン化合物を含有する塗液を用いて形成され、膜厚は1μm以上10μm以下が好ましい。また光触媒層の膜厚は0.03μm以上1μm以下が好ましい。
【選択図】図1

Description

本考案は、基材の飛散を防止すると共に基材に防汚性を付与する粘着シートに関し、更に詳しくは、透明な基材の表面に貼り付けることによって、該基材の飛散を防止し、該基材に防汚性を付与するようになっている粘着シートに関する。
従来から、基材の表面に光触媒粒子である酸化チタン粒子の層を設けることによって、防汚性を持たせるようにできることが知られている。
例えば、特許文献1には、紫外線吸収剤を含有する層の光触媒を含有する層を設けた光触媒コートポリエステルフィルムが記載されており、表面を親水性にし、防曇性、防汚性等に優れることが記載されている。
また、特許文献2には、光触媒機能を有する酸化チタンを含有する表面層を有し、硫酸イオン付着量を規定した窓ガラス粘着用フィルムが記載されている。
また、特許文献3には、プライマー層、ハードコート層、光触媒層を積層し、線膨張係数、厚さ等を規定した金属酸化物微粒子を有する光触媒ハードコートフィルムが記載されており、窓ガラス等に貼り付けて使用し、防汚機能、破片飛散防止機能等を有し、耐候性に優れる旨が記載されている。
しかしながら、従来から公知のフィルムは、主に、有機物よりなる接着剤層と触媒微粒子を含有する光触媒層による透明性の悪化、ヘイズの上昇等があり、それが貼り付けられる透明な基材の印象を悪くしていた。
また、機械的な衝撃を受けて基材が破損したときに、破片の飛散を防止する機能が十分ではなかった。
一方、近年の世界規模の人口増加、新興国の産業の発達及び生活水準の向上等に伴い、火力発電所、工場、自動車、飛行機等から多くの窒素酸化物や硫黄酸化物が排出されている。排出された窒素酸化物や硫黄酸化物が雨や雪等に取り込まれて地上に降下する酸性雨は、国境を越えた国際的な問題となってきている。
表面の防汚性、空気浄化機能等を有しつつ、基材が破損した際に飛散を防止し、透明性やヘイズが良好で、快適に生活できる、基材に貼り付けて使用する粘着シートが求められているが、かかる公知技術では、不十分であり、更なる改善の余地があった。
特開2001−047581号公報 特開2001−219496号公報 特開2006−272757号公報
本考案は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、透明な基材の表面に貼り付けることによって、該基材の飛散を防止し、かつ該基材に防汚性を付与する粘着シートを提供することにある。
本考案者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の層を重層することによって、飛散防止と光触媒層の効果を兼ね備えた粘着シートができることを見出して本考案を完成するに至った。
すなわち、本考案は、透明な基材の表面に貼り付けることによって、該基材の飛散を防止し、かつ該基材に防汚性を付与するようになっている粘着シートであって、少なくとも、保管時に接着剤層を保護する剥離シート、基材の表面に粘着シートを貼り付けるための接着剤層、基材が飛散することを防止するポリエチレンテレフタレートフィルム、光触媒層を保護する保護層、及び、酸化チタン粒子を含有する光触媒層を、この順に積層してなることを特徴とする粘着シートを提供するものである。
また、本考案は、上記剥離シートを剥離した状態でのヘイズが5%以下である上記の粘着シートを提供するものである。
また、本考案は、上記基材が、窓ガラス、車輛のウインドウガラス、一般道路若しくは高速道路の防音壁、道路標識、交通標識、ビニールハウスのシート、駅舎の出入口若しくは連絡通路にある基材、屋外看板、又は、屋外構造物である上記の粘着シートを提供するものである。
本考案によれば、上記問題点や課題を解決し、透明な基材の表面に貼り付けることによって、該透明な基材の透明性、ヘイズ、曇りの程度等を悪化させずに、該基材が衝撃で破損したときでも飛散を防止し、かつ該基材に防汚性を付与する粘着シートを提供することができる。
また、空気浄化機能を有し、大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物等の有害物質を除去し、酸性雨にも対処でき、また、防音効果も有している。
本考案の粘着シートは、窓ガラス、車輛のウインドウガラス、一般道路若しくは高速道路の防音壁又は標識、ビニールハウスのシート、看板等に貼り付けて使用することによって、上記効果を特に発揮することが可能である。
本考案の粘着シートの各層の構成を示す概略断面図である。(a)保護層を有さない場合、(b)保護層を有する場合
以下、本考案について説明するが、本考案は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本考案の粘着シートは、透明な基材の表面に貼り付けることによって、該基材の飛散を防止し、かつ該基材に防汚性を付与するようになっている粘着シートであって、少なくとも、保管時に接着剤層を保護する剥離シート、基材の表面に粘着シートを貼り付けるための接着剤層、基材が飛散することを防止するポリエチレンテレフタレートフィルム、光触媒層を保護する保護層、及び、酸化チタン粒子を含有する光触媒層を、この順に積層してなることを特徴とする。
<粘着シートの層構成>
本考案の粘着シートは、図1(a)にその概略断面図を示したように、少なくとも、剥離シート、接着剤層、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、光触媒層を、この順に積層してなっている。
また、本考案の粘着シートは、図1(b)にその概略断面図を示したように、少なくとも、剥離シート、接着剤層、ポリエチレンテレフタレートフィルム、保護層、及び、光触媒層を、この順に積層してなっている。
<<剥離シート>>
剥離シートは、保管時に粘着シート接着剤層を保護するために設けてあるものであり、使用時には、それを剥離して透明な基材の表面に貼り付ける。
該剥離シートは、一般に、離型紙、剥離フィルム等として知られているものを使用できる。
剥離シートは、それ自体、少なくとも、基材層、粘着層、離型層をこの順に積層してなるものが好ましい。基材層としては、ポリマーフィルム、紙等、公知のものが使用可能である。
粘着層は、離型性に優れるものの接着性に劣る離型層を基材層に密着させるためのもので、公知の粘着性組成物が使用可能である。
また、離型層は、本考案の粘着シートの接着剤層を、保管時には保護し、使用時には接着剤層から容易に剥離できるものなら特に限定はなく、公知のものが使用できる。
剥離シートの離型層の上に、下記する接着剤層が設けられる。離型層の離型性により、粘着シート使用時に、接着剤層から剥離シートが剥がせるようになっている。
剥離シートの厚さは特に限定はないが、好ましい範囲も含めて、後記するポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さと同様である。
<<接着剤層>>
接着剤層は、接着剤塗布液をポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し乾燥することにより形成され、ポリエチレンテレフタレートフィルムを、すなわち、剥離シート剥離した後の粘着シート全体を、窓ガラス等の透明な基材に接着させる作用を有している。
接着剤には、例えば、熱で反応する接着剤、又は、圧力を感じる接着剤を用いることができる。
熱で反応する接着剤としては、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
また、圧力を感じる接着剤としては、アクリルエステル系樹脂、塩素化オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
中でも、透明性の確保し、ヘイズを十分に低く維持する点から、スチレン樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等のビニル系樹脂;ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体;等が好ましいものとして挙げられる。
接着剤層の厚さは、特に限定はないが、0.01μm〜200μmが好ましく、0.1μm〜100μmがより好ましく、0.3μm〜30μmが特に好ましく、1μm〜10μmが更に好ましい。
上記接着剤の種類と厚さによっても、透明な基材の表面に貼り付けた際に、好適な透明性とヘイズが実現できる。
<<ポリエチレンテレフタレートフィルム>>
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、主に、本考案の粘着シートに機械的な強度を与えて、窓ガラス等の透明な基材への貼り付けを容易にすると共に、該基材が割れたとき等に、その破片の飛散を防止するように存在する。
日光等から受ける熱や紫外線への耐性や、機械的強度、基材に直接貼り合わせて使用されるための耐性処方が豊富等の点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、単に「PETフィルム」と略記する)が用いられる。
PETフィルムは、必要に応じて、酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、無機微粒子等の添加剤を含有していてもよいが、該添加剤は、本考案の目的である良好な透明性と十分に低いヘイズを損なわない範囲で配合される。
該PETフィルムとしては、二軸延伸等の延伸されたものも、上記理由から好ましく用いられる。
PETフィルムは、光触媒による劣化が少ないので保護層を設けなくてもよい場合があり、保護層の存在による透明性低下やヘイズ上昇を回避できる。
該PETフィルムの厚さは特に限定はないが、5μm〜500μmが好ましく、10μm〜300μmがより好ましく、15μm〜200μmが好ましく、20μm〜100μmが特に好ましく、30μm〜70μmが更に好ましい。
上記範囲であれば、基材の飛散を防止するに好ましい機械的強度を維持しつつ、透明性やヘイズを良好にすることが可能である。
該PETフィルムの引っ張り強さは、50N/25mm以上(N:ニュートン)であることが好ましく、該PETフィルムの伸度は、60%以上であることが好ましい。ここで、「引っ張り強さ」と「伸度」は、JIS規格A5759の測定方法に従って測定されたものとして定義される。
一般に、窓ガラス等の基材は、地震等の災害時に発生するサッシの変形、物体の衝突による衝撃等によって破損し、凶器となって飛散・落下する。このようなガラスの飛散・落下を防止するためには、粘着シートの(特に接着剤層の)基材に対する接着性、及び、PETフィルムの強度を十分に高くする必要がある。
<<保護層>>
本考案において、保護層は、有機物であるPETフィルムが光触媒層の光触媒機能によって劣化してしまうことがあるため、その劣化を抑えるために形成される。また、PETフィルムと光触媒層との密着性や、光触媒層の塗膜特性を向上させるために形成される。
保護層の塗液は、反応性シラン化合物を含有することが好ましい。反応性シラン化合物は、分子内にケイ素を含有し、重合又は架橋して保護層を形成するものであれば特に限定はないが、アルコキシシラン化合物が好ましい。アルコキシシラン化合物としては、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のオルガノトリアルコキシシラン;フルオロアルキルアルコキシシラン;ジオルガノポリシロキサン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン;等が好ましく用いられる。アルコキシシラン化合物等の反応性シラン化合物が塗布後に重合又は架橋することで、良好な保護層が形成される。
特に、形成方法としては特に限定はないが、PETフィルムの表面に、反応性シラン化合物を含有する塗液を、スプレーガンを用いて吹付けて形成させることが好ましい。保護層は、上記スプレーガンを用いて吹付けて形成させることで均一に層を形成でき、光触媒とPETフィルムの相互作用を良好に遮断することができる。
保護層の膜さは特に限定はないが、1μm〜10μmが好ましく、1.3μm〜6μmがより好ましく、2μm〜4μmが特に好ましい。ここで「厚さ」とは、塗液中の溶媒を留去し(乾燥させ)、重合又は架橋させた後の厚さをいう。
保護層の厚さが下限以上であると、光触媒粒子の光触媒機能による印刷物層中の有機物の劣化を抑えることができ、一方、保護層の厚さが上限以下であると、有機物の劣化を抑える効果を維持しつつコスト的に有利であり、塗布性能が優れ良好な保護層が形成できる。
反応性シラン化合物のうちの好ましいアルコキシシラン化合物は、アルコキシシリル基(例えば−Si(OR))を持ち、これが空気中の水分と加水分解を起こしシラノール(例えば、−Si(OH))に変わる。シラノールが更に、隣のシラノールと脱水反応を起こし、架橋反応が進み重合体(ポリマー)となる。形成されたケイ素−酸素架橋(シラン架橋)は化学的に安定であるため、光触媒機能遮断性、耐熱性、耐酸性、耐UV性等に優れた保護層を形成することができる。
保護層には、反応性シラン化合物以外にバインダーポリマー等としての樹脂を含有させることが好ましい。かかる樹脂は保護層の塗布性や塗膜性を向上させるために用いられるが、該樹脂の末端に又はペンダントに、上記反応性シラン化合物と結合し得る官能基を有していることが層全体の架橋性の向上等の点で特に好ましい。かかる官能基としては特に限定はないが、水酸基;カルボキシル基;アミノ基;エポキシ基;アルコキシシリル基等の架橋性シリル基;等が挙げられる。保護層中の樹脂(の主鎖)は、特に限定はないが、ビニル系樹脂、エステル系樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。特に好ましくは、反応性シラン化合物との相溶性、光触媒粒子の光触媒機能の遮断性等の点で、シリコーン樹脂である。保護層中で反応性シラン化合物と共に用いられる樹脂としては、架橋性能を有する官能基を持った変性シリコーン樹脂が特に好ましい。
保護層を形成するための塗液の溶媒は、特に限定はないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;等が挙げられる。
保護層はないことが、ヘイズを低く維持するために好ましい。保護層があると、ヘイズが高くなる場合があるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムと光触媒層との間に保護層を有さず、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムに直接光触媒層が設けられている粘着シートでは、透明性が高く、ヘイズが極めて低くできる。
そのため、観察する人に対して基材の反対側の景色等が、滲んだり白っぽく見えたりすることがない。
また、保護層がないと、光触媒層がポリエチレンテレフタレートフィルムに接触することになるが、光触媒層に含まれる光触媒によるPETフィルムへのダメージは、殆どなく許容範囲である。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、酸化チタン等の光触媒によるダメージを受け難く、たとえ若干のダメージを受けたとしても、保護層がないことによる、透明性の高さ、ヘイズの低さ、向こう側の景色等が、滲んだり白っぽく見えたりしない効果の方が勝っている。
<<光触媒層>>
本考案において、光触媒層は、光触媒粒子が光触媒機能を発揮し、防汚性を付与し、また、大気浄化のために形成される。基材に防汚性が付与されることによって、基材表面の汚れをとる拭き取り作業等の必要がなくなる、又は、定期的に拭き取り作業等をしている場合は、その頻度を少なくすることができる。
光触媒層の塗液は、光触媒粒子である、酸化チタン粒子、酸化タングステン粒子等を含有することが好ましい。光触媒粒子である酸化チタン粒子は、光触媒機能を有していれば特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができる。該酸化チタンは、アナターゼ(Anatase)型酸化チタン、ルチル(Rutile)型酸化チタン、ブルカイト(Brookite)型酸化チタンの何れでもよいが、光触媒機能に優れている点等から、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。
光触媒層を形成するための塗液の溶媒は、特に限定はないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;等が挙げられる。
形成方法としては特に限定はないが、上記保護層の表面に、光触媒粒子を含有する塗液を、スプレーガンを用いて吹付けて形成させることが好ましい。
スプレーガンを用いれば、低希釈率(高固形分)の光触媒粒子を塗布することができる。光触媒層の塗液は、光触媒粒子を含有していれば、その他の成分に特に限定はなく、例えばバインダー等の含有は問わない。バインダーを含有していない場合、光触媒粒子の希釈率は低くなる(高固形分濃度になる)ため、エアー霧化低圧方式のスプレーガンを用いることが特に好ましい。
スプレーガンを用いて得られた光触媒層においては、均一に塗布される等のため、光触媒粒子の実質的な表面積が増加し、高い触媒能力が得られる。
光触媒層の膜さは0.03μm〜1μmが好ましく、0.05μm〜0.3μmがより好ましく、0.1μm〜0.3μmが特に好ましい。ここで「厚さ」とは、塗液中の溶媒を留去した後の膜厚をいう。光触媒層の膜厚が厚すぎると、表面が虹色に見える干渉縞が生じたり、乾燥前に塗液が下方に流れて塗膜が不均一になったり、コスト的に不利になったりする場合がある。一方、膜厚が薄すぎると、十分な光触媒機能を有さない場合がある。膜さが可視光の波長、すなわち、0.4μm〜0.7μmのときは、干渉により表面が虹色に見え、外観に悪影響を及ぼす場合がある。
<透明性>
本考案の粘着シートは、透明な基材の表面に貼り付ける用途に用いられるので、剥離シートを剥離した状態で透明性があることが好ましい。「透明性」は、有色透明でもよいが、無色透明であることがより好ましい。
透過率は、粘着シート剥離シートを剥離して十分無色透明な基材に貼り付けた状態で、500nmの可視光線で測定し、そのように測定したものとして定義される。粘着シートの透過率は、99%以上が好ましく、99.9%以上が特に好ましい。
<ヘイズ>
本考案の粘着シートは、基材の外観を損なわないためにも、ヘイズが5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましく、0.3%以下であることが更に好ましく、0.1%以下であることが最も好ましい。
「粘着シートのヘイズ」は、剥離シートを剥離した後の接着剤層の表面の平滑性にも依存するので、粘着シートから剥離シートを剥離し、十分平滑で、かつ十分無色透明な基材に貼り付けた状態で測定され、そのように測定されたものとして定義される。
「ヘイズ」は、全光透過率に対する拡散透過率の百分率であり、本考案におけるヘイズは、村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」を用いて、可視光線のヘイズ、全光線透過率を測定したものとして定義される。
ヘイズが上記上限以下であると、透明な基材の外観が損なわれず、基板の反対側が滲まずに良く見え、基材のみである場合との区別が付き難くなる。
<用途>
本考案の粘着シートは、空気浄化機能を必要とする用途に使用されることも好ましい。本考案の粘着シートは、大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物を除去でき、また、窒素酸化物や硫黄酸化物が雨等に取り込まれて地上に降下する酸性雨に対処できる。
本考案の粘着シートは、また、更に、防音効果を必要とする用途に使用されることも好ましい。
<<基材>>
上記基材は、民家、ビル、建物等の窓ガラス;バス、自動車、電車等の車輛のウインドウガラス;一般道路若しくは高速道路の防音壁;道路標識、交通標識等の標識;ビニールハウスのシート;屋外看板、日よけ看板、駐車場看板等の看板;屋外構造物;駅舎の出入口、連絡通路等に設置された基材;等であることが、本考案の前記効果を奏し易い点で好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本考案を更に具体的に説明するが、本考案は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
PETフィルムとして、帝人デュポンフィルム(株)社製の厚さ300μmのPETフィルムを用い、PETフィルムの一方の側に、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体よりなる5μmの接着剤層を設けた。その後、汎用の市販の剥離シートで、該接着剤層を保護した。
該PETフィルムの反対側には、3μmの保護層を介して、0.2μmの光触媒層を設けた。
保護層は、石原産業(株)社製の2液型の「ST−K152」(固形分濃度10質量%)を、エアー霧化低圧方式のスプレーガンを使用した精和産業株式会社製「クリーンボーイ300E」を用いて、縦方向に1回、横方向に1回の計2回に分けて塗布した。2回の合計塗布量は60g/m、得られた保護層の全体の乾燥膜厚は3μmであった。用いたエアー霧化低圧方式のスプレーガンの空気圧力は39kPa、空気量は2000L/分であった。
上記石原産業(株)社製の2液型の「ST−K152」は、変性シリコーン樹脂を溶媒に溶解した主剤「ST−K152a」と、反応性シラン化合物であるアルコキシシラン化合物を溶媒に溶解した助剤「ST−K152c」の混合物である。主剤と助剤を塗布の直前に混合して塗布液とした。
上記のように塗布後、20℃で1日間(24時間)静置し、塗布液中の溶媒の乾燥と、シラン化合物の重合や変性シリコーン樹脂への架橋を進行させ保護層を設けた後、その保護層の上に以下のように光触媒層を設けた。
光触媒層として、光触媒として二酸化チタンを含有する石原産業(株)社製の「ST−K252」(固形分濃度0.4質量%)を、保護層の塗布の際に用いたものと同様のエアー霧化低圧方式のスプレーガンを使用した装置を用いて、縦方向に1回、横方向に1回の計2回に分けて塗布した。
2回の合計塗布量は50g/m、得られた保護層の全体の乾燥膜厚は0.2μmであった。
用いたエアー霧化低圧方式のスプレーガンの空気圧力は39kPa、空気量は2000L/分であった。光触媒層を塗布後、20℃で1時間静置し、塗布液中の溶媒を留去させて粘着シートを得た。
接着剤層、PETフィルム、保護層及び光触媒層は、ともに無色透明であった。
得られた粘着シートから、剥離シートを剥離し、可視光を完全に透過する石英板に貼り付け、500nmの可視光線で透過率を測定したところ、99%であった。
また、前記した方法で「ヘイズ」を測定したところ、1%であった。
縦横それぞれ1mの無色透明の窓ガラスに、上記粘着シートを貼り付けた。
目視で、窓の外の景色を観察したところ、粘着シートを貼りつける前の窓ガラスと殆ど変わらなかった。
直径3cmの鉄棒で、窓ガラスをたたいて壊したところ、窓ガラスは約1mm〜10cmの破片になったが、その破片は全く飛散しなかった。
従って、窓ガラスの付近に人がいても安全であることが保証された。
窓ガラスに貼り付けた後、1年間放置したが、汚れが全く付着していなかったので、拭き取り作業の必要がなかった。
実施例2
保護層を設けない以外は、実施例1と同様にして、粘着シートを得た。
得られた粘着シートから、剥離シートを剥離し、可視光を完全に透過する石英板に貼り付け、500nmの可視光線で透過率を測定したところ、99.9%であった。
また、前記した方法で「ヘイズ」を測定したところ、0.1%であった。
縦横それぞれ1mの無色透明の窓ガラスに、上記粘着シートを貼り付けた。
目視で、窓の外の景色を観察したところ、粘着シートを貼りつける前の窓ガラスと全く変わらなかった。すなわち、窓の外の景色は全く滲むこともなく、白っぽくなることもなかった。
保護層を設けなかった実施例2の場合の方が、保護層を設けた実施例1の場合より、透過率が大きく、ヘイズが小さく、窓ガラスに貼り付けた場合に、窓の外の景色がより滲まなかった。
また、触媒層に含まれる触媒による、触媒層に直接接しているPETフィルムへのダメージは、殆どなく許容範囲であった。
直径3cmの鉄棒で、窓ガラスをたたいて壊したところ、窓ガラスは約1mm〜10cmの破片になったが、その破片は全く飛散しなかった。
従って、窓ガラスの付近に人がいても安全であることが保証された。
窓ガラスに貼り付けた後、1年間放置したが、汚れが全く付着していなかったので、拭き取り作業の必要がなかった。
比較例1
市販のN社製の、窓ガラス飛散防止用シートを、保護層も光触媒層も設けずに、窓ガラスに貼り付けた。
窓ガラスのヘイズの増加と、透明性の低下が見られた。窓の外の景色は、粘着シートを貼りつける前の窓ガラスに比べて滲んで見え、白っぽくも見えた。
次いで、実施例1と同様に、3μmの保護層を介して光触媒層を1.2μmで設けて、実施例1と同様に、窓の外の景色を観察したところ、粘着シートを貼りつける前の窓ガラスに比較して、相当に白っぽく見え、更なるヘイズの増加と、透明性の低下が見られた。
本考案の粘着シートは、透明な基材の表面に貼り付けることによって、該基材の飛散を防止し、かつ該基材に防汚性を付与するので、特に、窓ガラス、車輛のウインドウガラス、一般道路若しくは高速道路の防音壁又は標識、ビニールハウスのシート、又は、看板に貼り付けるものとして、かかる分野に広く利用されるものである。
10 粘着シート
11 剥離シート
12 接着剤層
13 ポリエチレンテレフタレートフィルム
14 保護層
15 光触媒層

Claims (10)

  1. 透明な基材の表面に貼り付けることによって、該基材の飛散を防止し、かつ該基材に防汚性を付与するようになっている粘着シートであって、少なくとも、保管時に接着剤層を保護する剥離シート、基材の表面に粘着シートを貼り付けるための接着剤層、基材が飛散することを防止するポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、酸化チタン粒子を含有する光触媒層を、この順に積層してなることを特徴とする粘着シート。
  2. 上記剥離シートを剥離した状態でのヘイズが5%以下である請求項1に記載の粘着シート。
  3. 上記ポリエチレンテレフタレートフィルムと光触媒層との間に保護層を有する請求項1又は請求項2に記載の粘着シート。
  4. 上記保護層が、反応性シラン化合物を含有する塗液を用いて形成されたものである請求項3に記載の粘着シート。
  5. 上記光触媒層の膜厚が0.03μm以上1μm以下である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の粘着シート。
  6. 上記保護層の膜厚が1μm以上10μm以下である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の粘着シート。
  7. 上記ポリエチレンテレフタレートフィルムと光触媒層との間に保護層を有さず、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムに直接光触媒層が設けられている請求項1又は請求項2に記載の粘着シート。
  8. 更に、空気浄化機能を有する請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の粘着シート。
  9. 更に、防音効果を有する請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の粘着シート。
  10. 上記基材が、窓ガラス、車輛のウインドウガラス、一般道路若しくは高速道路の防音壁、道路標識、交通標識、ビニールハウスのシート、駅舎の出入口若しくは連絡通路にある基材、屋外看板、又は、屋外構造物である請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の粘着シート。
JP2013003468U 2013-06-19 2013-06-19 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート Expired - Lifetime JP3187135U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013003468U JP3187135U (ja) 2013-06-19 2013-06-19 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013003468U JP3187135U (ja) 2013-06-19 2013-06-19 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3187135U true JP3187135U (ja) 2013-11-14

Family

ID=50430721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013003468U Expired - Lifetime JP3187135U (ja) 2013-06-19 2013-06-19 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3187135U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016153204A (ja) * 2015-02-21 2016-08-25 三菱樹脂株式会社 離型フィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016153204A (ja) * 2015-02-21 2016-08-25 三菱樹脂株式会社 離型フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6483822B2 (ja) 塗膜
CN104797641B (zh) 具有增强的耐久性的纳米二氧化硅涂层组件
CN104769023B (zh) 用于阻碍露珠形成的纳米二氧化硅涂层
WO2011040406A1 (ja) 光触媒塗装体およびそのための光触媒コーティング液
JP2012096188A (ja) 光触媒塗装体および光触媒コーティング液
KR20050026555A (ko) 고내구성 광촉매 필름 및 그것을 사용한 표면에 광촉매기능을 갖는 구조물
JP3187135U (ja) 基材の飛散を防止して基材に防汚性を付与する粘着シート
JP2001038219A (ja) 水性の光触媒性親水性組成物、光触媒用水性プライマー及び、それらを用いた光触媒性親水性複合材
JP5538153B2 (ja) 大気浄化機能を有する広告・告知メディアの施工方法及びそれを用いて施工された大気浄化機能を有する広告・告知メディア
KR20180017387A (ko) 축광 광고물 부착 방지용 도료 조성물 및 이를 포함하는 축광 광고물 부착 방지시트
JP2005194309A (ja) 接着層形成用組成物および光触媒担持構造体
CN103302934A (zh) 一种防污调光隔热膜
JP2005131552A (ja) 透明光触媒層形成組成物及びその用途
JP2011016105A (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP2011031125A (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
KR100777606B1 (ko) 코팅 필름
JP5327714B2 (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP5327713B2 (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP2011050871A (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP2011031130A (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP2015102621A (ja) 耐光性反射防止フィルム
JP5418972B2 (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP2011031123A (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP2011051246A (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
JP2011050866A (ja) 光触媒塗装体、および光触媒コーティング液

Legal Events

Date Code Title Description
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3187135

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term