JP4951159B2 - 転写材用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、転写材用として好適に使用できるポリエステルフィルムに関する。
一般的に転写材は、プラスチックの基材フィルムの片面に順次、図柄層および接着層などの転写層を積層して構成されている。目的に応じ、転写層として、ハードコート層や金属蒸着層も積層されている。
これら転写材の転写方法としては、転写装置を用いて加熱ロールで被転写物に転写する、いわゆるホットスタンピング法や、射出成形機やブロー成形機の金型に接着層が成形樹脂と接するように転写材をセッティングした後、成形樹脂を射出またはブローし、成形と同時に転写し、冷却後金型より成形品を取り出す、いわゆる成形同時転写法等が一般的に知られている。
転写材においては、この転写層が基材フィルムから円滑に剥離されることが必要となる。転写層と基材フィルムとの剥離性が悪いと、被転写物の表面の外観が悪化したり、転写層が基材フィルム側に残ったりするという不具合がある。そのため、基材フィルムとして、転写層に対して離型性を有するフィルムを用いることが行われている。
基材フィルムに離型性を付与するために、熱硬化性樹脂層からなる離型層を設けたフィルムが知られている(特許文献1)。しかし、転写層との間に十分な離型性を持たせるためには、熱硬化層に相当の高温もしくは長時間の加熱処理を与える必要があり、基材フィルムの変形、あるいはコストアップを招くという問題がある。
またその他に、ポリエステルフィルム上にワックス成分を塗布したフィルムも提案されている(特許文献2)。しかしかかるワックス成分は耐熱性に甚だしく劣り、転写層の積層工程や転写工程でかかる熱により軟化し、離型性が不安定になったり、転写層表面をワックスで汚染したりする問題がある。
特開昭61−297172号公報 特開平6−286090号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、転写層が円滑に被転写物に転写される転写材用ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に関して鋭意検討を重ねた結果、特定の構成のフィルムが有用であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、片面にインラインコーティングにより設けられた離型層を有するポリエステルフィルムであり、フッ素含有樹脂が離型層を構成する成分の一つであり、離型層の常態剥離力が2000mN/cm以下であることを特徴とする成型同時転写材用ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の転写材用ポリエステルフィルムに用いるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明のポリエステルとしては、代表的には、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられるが、その他に上記の酸成分やグリコール成分を共重合したポリエステルであってもよく、必要に応じて他の成分や添加剤を含有していてもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、離型層が設けられた後の表面が平坦であることが好ましい。より平坦なフィルムを使用すると、転写後の製品表面の光沢が向上するのである。そのため、これらポリエステルでは、離型層を設ける面には、実質的に粒子を含有しないか、粒子を含有しても、離型層表面の中心面平均粗さ(SRa)が0.020μm以下、好ましくは、0.015μm以下になる範囲内で、フィルムの走行性を確保したり、キズが入ることを防いだりする等目的で含有させることができる。
また、本発明の中で平坦面をより活かすには、離型層表面の最大突起高さ(Rmax)を0.50μm以下にすることが好ましい。
用いる粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を含有させることができる。これら粒子の粒径や量は目的に応じ適宜決めることができる。
離型層表面を平坦とするためには、フィルム内部の粒子に由来する突起を覆うように、厚く離型層を設ける方法もあるが、本発明においては、あらかじめフィルムを平坦化し、その上に離型層を設ける方が好ましい。このようにすることで、離型層を薄くすることができ、工程が簡略化できたり、コストアップを防いだりすることができる。
また、適宜、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を離型層中に加えることもできる。
本発明のフィルムの製膜方法としては、通常知られている製膜法を採用でき、特に制限はない。例えば、まず溶融押出によって得られたシートを、ロール延伸法により、70〜145℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得、次いで、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に80〜160℃で2〜6倍に延伸し、さらに、150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行うことでフィルムが得られる。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、単層または多層構造である。多層構造の場合は、表層と内層、あるいは両表層を目的に応じ異なるポリエステルとすることができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、12〜188μmの範囲が好ましい。
本発明においては、ポリエステルフィルムの片面に離型層を有するが、該離型層は常態剥離力が2000mN/cm以下であることを特徴としており、好ましくは1500mN/cm以下であり、さらに好ましくは1000mN/cm以下である。
本発明では、かかる離型層を構成する成分の一つとして、フッ素含有樹脂が好ましく用いられる。フッ素含有樹脂としては、例えば、フルオロオレフィンあるいはパーフルオロアルキル基を含有する重合体などが挙げられる。特に、パーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体と、他のエチレン性不飽和単量体とを反応させた重合体は、ポリエステルフィルムとの親和性などの面から、好適に使用できる。パーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004951159
上記一般式(1)中、RはHまたはCHであり、Rは炭素原子数が1〜10のアルキレン基またはCON(R)−R−、SON(R)−R−であり、Rfは炭素原子数が4〜20のパーフルオロアルキル基である。Rは炭素原子数が1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数が1〜10のアルキレン基である。
さらに離型層中には、必要に応じて架橋反応性化合物を含んでいてもよい。架橋反応性化合物は、主にフッ素含有樹脂中に含まれる官能基との架橋反応や、自己架橋によって、塗布層の凝集性、表面硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、耐水性を改良することができ好ましい。使用することのできる架橋反応性化合物としては、メラミン系、ベンゾグアナミン系、尿素系などのアミノ樹脂や、オキサゾリン系、エポキシ系などが好適に用いられる。他のポリマー骨格に反応性基を持たせた、ポリマー型架橋反応性化合物も含まれる。
さらに必要に応じて、水溶性または水分散性のバインダー樹脂の1種もしくは2種以上を併用することができる。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。
本発明における離型層には、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
離型層構成成分中に占める、フッ素含有樹脂の比率は、通常15重量%以上、好ましくは20重量%以上である。比率がこれらの範囲より低すぎる場合は、十分な離型性能が得られない場合がある。上限は、樹脂単体(100重量%)で使用しても差し支えないものの、好ましくは95重量%以下、さらに好ましくは90重量%以下である。比率が高すぎると、造膜性、塗膜強度などに劣る場合がある。
本発明による離型層は塗布により設けられることが好ましく、塗布はフィルム製膜中に行うインラインコーティング、フィルムを製膜した後に塗布を行うオフラインコーティングまたはこれら以外の方式により設けることができる。特に本発明では、インラインコーティングにより設けられることが好ましい。
インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程内でコーティングを行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階でコーティングを行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかにコーティングする。これらの中では、一軸延伸フィルムにコーティングした後にテンターにおいて乾燥および横方向への延伸を行い、さらに基材フィルムと共に熱処理をする方法が優れている。かかる方法によれば、製膜と塗布層塗設を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがあり、コーティング後に延伸を行うために薄膜コーティングが容易であり、コーティング後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温であるために塗布層の造膜性が向上し、また塗布層とポリエステルフィルムが強固に密着する。特に転写材用の離型フィルムとして用いる場合には、離型層は、層内もしくはフィルムとの層間において、破壊、剥離が起こることは好ましくないが、インラインコーティングによる離型層は、この点で優れた様態を示す。特に、塗布層に架橋反応性化合物を含有する場合には、インラインコーティングの高温の熱処理により、反応残基が残りにくくなるというメリットがある。転写材用の離型フィルムとして用いる場合に、離型層中に反応残基があることは、後の工程で転写層の成分と反応し剥離性が悪化することがあり好ましくない。
ポリエステルフィルムに塗布液を塗布する方法としては、例えば、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるような塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、バーコーター等のような技術が挙げられる。
本発明において用いる塗布液は、取扱い上、作業環境上、水溶液または水分散液であることが望ましいが、水を主たる媒体としており、本発明の要旨を越えない範囲であれば、有機溶剤を含有していてもよい。
離型層の塗工量は、通常0.003〜1.5g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.3g/mである。離型層の塗工量が0.003g/m未満の場合は十分な性能が得られない恐れがあり、1.5g/mを超える離型層は、外観の悪化や、コストアップを招き好ましくない。
本発明においては、離型層の反対面には、他の塗布層や処理が設けられていても構わない。
本発明によれば、転写材の基材として好適に使用できるポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的な利用価値は高い。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。
(1)常態剥離力[mN/cm]
離型層表面に、粘着テープ「No.502」(日東電工(株)製)を貼り付けて、室温にて1時間放置後、引張試験機にて引張速度300mm/分で180°剥離を行い、剥離が安定した領域における平均剥離荷重を粘着テープ幅で除した値を剥離力とした。
(2)中心面平均粗さ(SRa)の測定方法
3cm角のフィルム試料の表面にAl蒸着を行い、直接位相検出干渉法、いわゆる2光束干渉法を用いた非接触式3次元粗さ計(マイクロマップ社製512)で、測定波長:554nm、対物レンズ倍率:20倍の条件にて、突起高さ分布曲線より、232μm×177μmの測定領域におけるフィルム表面の中心面平均粗さSRaを50点にわたり測定し、50点のSRa値を平均して、フィルムの中心面平均粗さ(SRa)とした。
(3)最大突起高さ(Rmax)の測定方法
3cm角のフィルム試料の表面にAl蒸着を行い、直接位相検出干渉法、いわゆる2光束干渉法を用いた非接触式3次元粗さ計(マイクロマップ社製512)で、測定波長:554nm、対物レンズ倍率:20倍の条件にて、232μm×177μmの測定領域におけるフィルム表面のP−V値を50点にわたり測定し、50点のP−V値を平均してフィルムの最大突起高さ(Rmax)とした。
(4)転写性評価
ポリエステルフィルムの表面(下記実施例、比較例において、離型層を設けている面)に、下記に示すとおりの剥離層組成物を乾燥後厚みが2.5μmとなるように塗布、乾燥し、次いで、下記に示すとおりの接着層組成物を乾燥後厚みが1.5μmとなるように塗布、乾燥し、総厚み4μmの転写層を設ける。各層とも塗布後、90℃で30秒間乾燥した。このようにして作成した転写箔試験片を、ABS樹脂に対し成型同時転写箔として用い、得られた成型体の表面を目視観察で評価した。なお樹脂は250℃で溶融、射出し、金型は50℃とした。
(剥離層組成):アクリル樹脂/塩化ビニル樹脂を重量比で80/10の溶液。ただし溶媒はトルエン/MEKが重量比1/1。
(接着層組成):塩化ビニル樹脂の溶液。ただし溶媒はトルエン/MEKが重量比1/1。
実施例、比較例中で使用したポリエステル原料は次の通りである。
(ポリエステル1):実質的に粒子を含有しない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレートのチップ
(ポリエステル2):平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.3重量部含有する、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレートのチップ
また、離型層の塗布組成物としては以下を用いた。
(F−1):ガラス製反応容器中に、パーフルオロアルキル基含有アクリレートであるCF(CFCHCHOCOCH=CH(n=5〜11、nの平均=9)80.0g、アセトアセトキシエチルメタクリレート20.0g、ドデシルメルカプタン0.8g、脱酸素した純水354.7g、アセトン40.0g、C1633N(CHCl1.0gおよびC17O(CHCHO)nH(n=8)3.0gを入れ、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩0.5gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しつつ60℃で10時間共重合反応させて得られたフッ素含有樹脂エマルジョン。
(B−1):ガラス転移温度=16℃となるような、アクリル酸/スチレン共重合体、重量平均分子量は約150000。
(C−1):アルキロールメラミン/尿素共重合の架橋性樹脂。
(W−1):軟化点が110℃の酸化ポリエチレンワックス。
実施例1:
ポリエステル1とポリエステル2を重量比で97/3でブレンドし、十分に乾燥した後、280〜300℃に加熱溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムに、下記に示すとおりの組成で樹脂が分散された水性塗布液をメイヤーバーにより塗布した。そのフィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施し、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.03g/mの量の離型層を設けた積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムの離型層の常態剥離力は650mN/cm、離型層表面のSRaは0.013μm、Rmaxは0.42μmであった。このフィルムを基材として、転写性評価を行うと、成型体の表面光沢の良い、良好なものであった。
・塗布液組成:樹脂(F−1)を80部、樹脂(C−1)を20部、ただし「部」とあるのは、樹脂固形分での重量比を表す。
実施例2:
実施例1の工程において、塗布液の組成を下記に変更した以外は同様にして、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.03g/mの量の離型層を設けた積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムの離型層の常態剥離力は1240mN/cm、離型層表面のSRaは0.013μm、Rmaxは0.42μmであった。このフィルムを基材として転写性評価を行うと、成型体の表面光沢は実施例1よりは若干劣るが、良好なものであった。なお、光沢の若干の悪化は、転写層の剥離の円滑さが僅かに実施例1よりも低いためと推測される。
・塗布液組成:樹脂(F−1)を40部、樹脂(B−1)を40部、樹脂(C−1)を20部、ただし「部」とあるのは、樹脂固形分での重量比を表す。
実施例3:
実施例1の工程において、ポリエステル1とポリエステル2の重量比を73/27に変更した以外は同様にして、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.03g/mの量の離型層を設けた積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムの離型層の常態剥離力は690mN/cm、離型層表面のSRaは0.035μm、Rmaxは0.68μmであった。このフィルムを基材として転写性評価を行うと、成型体の表面が、フィルム表面凹凸の転写によってややくすんだ外観となったが、転写は円滑で問題はなく使用できた。
比較例1:
実施例1の工程において、塗布を行わない以外は同様にして、フィルム厚みが38μmの二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルム表面の常態剥離力は3580mN/cm、離型層表面のSRaは0.013μm、Rmaxは0.42μmであった。このフィルムを基材として転写性評価を行うと、転写層が成型体に転写されずに残る部分が多発し、不良であった。
比較例2
比較例1と同様にして、フィルム厚みが38μmの二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。次いで、このフィルム表面に実施例1と同様の組成の塗布液をメイヤーバーで塗布し、150℃で1分間乾燥し、0.05g/mの量の離型層を設けた。このフィルム表面の常態剥離力は830mN/cm、離型層表面のSRaは0.013μm、Rmaxは0.42μmであった。このフィルムを基材として転写性評価を行うと、転写は円滑に行われ、成型体の表面光沢も良好なものであった。しかし、離型層が破壊され転写層側へ移行していると見られる、数mm角の極薄い跡が、一部に散見されたため、僅かに外観に劣る印象を与えた。
比較例
実施例1の工程において、塗布液の組成を下記に変更した以外は同様にして、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.03g/mの量の離型層を設けた積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムの離型層の常態剥離力は2520mN/cm、離型層表面のSRaは0.013μm、Rmaxは0.42μmであった。このフィルムを基材として転写性評価を行うと、転写層が成型体に転写されずに残る部分が多発し、不良であった。
・塗布液組成:樹脂(F−1)を10部、樹脂(C−1)を90部、ただし「部」とあるのは、樹脂固形分での重量比を表す。
実施例
実施例1の工程において、塗布液の組成を下記に変更した以外は同様にして、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.03g/mの量の離型層を設けた積層二軸延伸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムの離型層の常態剥離力は1080mN/cm、離型層表面のSRaは0.013μm、Rmaxは0.42μmであった。このフィルムを基材として転写性評価を行うと、転写は円滑に行われたが、僅かに成型体表面にくすみが見られた。転写層を設ける工程もしくは成型時の熱によって、離型層が軟化し、離型力の不安定化や転写層表面への移行が起きたためと見られる。
・塗布液組成:樹脂(W−1)を100部、ただし「部」とあるのは、樹脂固形分での重量比を表す。
本発明のフィルムは、例えば、転写材用として好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 片面にインラインコーティングにより設けられた離型層を有するポリエステルフィルムであり、フッ素含有樹脂が離型層を構成する成分の一つであり、離型層の常態剥離力が2000mN/cm以下であることを特徴とする成型同時転写材用ポリエステルフィルム。
  2. 離型層表面の中心面平均粗さ(SRa)が0.020μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の成型同時転写材用ポリエステルフィルム。
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