JP4129543B2 - ドライフィルムレジスト用保護フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライフィルムレジスト用保護フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化によりプリント配線板の高密度化が要求されており、絶縁基板表面に形成される導体パターンの更なる細線化が急務となっている。プリント配線板製造時に用いられるドライフィルムレジストは、キャリアフィルム/フォトレジスト/保護フィルムの3層構成からなり、従来、ドライフィルムレジスト用保護フィルムとして、ポリエチレンフィルムが用いられてきたが、ポリエチレンフィルムの厚さ振れやフィッシュアイの多さがプリント配線板の高密度化の妨げの一因となっている。
【0003】
すなわち、ドライフィルムレジストは、キャリアフィルム上に塗布したフォトレジスト層を乾燥後、保護フィルムをフォトレジスト層にラミネートして製造されるが、保護フィルムのラミネート時にはフォトレジストは柔軟で、保護フィルム表面にフィッシュアイによる凹凸があると、これがフォトレジスト層に転写されてフォトレジスト層表面が凹凸となり、絶縁基板へのフォトレジスト層の密着不良を引き起こし、導体パターンの欠陥につながる。
【0004】
また、ポリエチレンフィルムは溶融押出しで成形するが、溶融粘度が高いために、押出し時に高性能フィルターでろ過することが極めて困難で、成形したシート中にフィッシュアイ等が存在する問題は不可避である。さらに、ポリエチレンフィルムの一般的な製膜法であるインフレーション法では、均一な厚みを得ることは困難であり、厚さ振れの問題も避けられない。
したがって、保護フィルムとしてポリエチレンを用いてプリント配線板の更なる高密度化の要求に応えることは難しくなってきている。
一方、特開平6−297565号公報に、ポリエチレンフィルムの代替としてポリエステルフィルムを使用したドライフィルムレジスト用ポリエステルフィルムが記載されている。しかしながら、離型性を確保するためにポリエチレンフィルム並みの柔軟性をポリエステルフィルムが求めるものであり、離型剤をコートして離型性を付与するとともに、長鎖脂肪族ジカルボン酸等の共重合成分および/またはポリオレフィンを配合して柔軟性を付与している。上記公報に記載のフィルムは、コート層による離型性が十分ではないために、ベースとなるフィルムに柔軟性を与える必要があった。しかし、ベースとなるフィルムに特殊な原料を使用するためにフィルムの再生が困難でコストアップの一因となる等の問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、離型性、表面性に優れたドライフィルムレジスト用保護フィルムを提供することを解決課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムが、ドライフィルムレジスト用保護フィルムとして極めて有用であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、分子内にフッ素を含有する重合体成分とメラミン系架橋剤由来の成分とを含有する、ポリエステルフィルム製造工程中で形成された塗布層を有するフィルムであって、前記メラミン系架橋剤由来の成分の塗布層乾燥固形分中の割合が10〜70重量%あり、塗布層表面の最大突起高さ(Rt)が0.1〜2.0μmであり、フィルムヘーズ(厚さ16μm換算)が7%以下であり、フィルム構成成分の80%以上がポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とするドライフィルムレジスト用保護フィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のドライフィルムレジスト用保護フィルムにおいて、ベースフィルムを構成する樹脂はポリエステルであることが好ましい。本発明で言うポリエステルとは、ジカルボン酸とジオールまたはヒドロキシカルボン酸の重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
【0009】
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示されるが、特に80%以上の成分がポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
本発明のドライフィルムレジスト用保護フィルムの最大突起高さ(Rt)は0.1〜2.0μm、好ましくは0.2〜1.0μmの範囲内にあることが肝要である。最大突起高さ(Rt)が0.1μm未満であると、ポリエステルフィルムをロール状に巻き取る際や保護フィルムをレジスト塗布フィルムとをラミネートした状態でロール状に巻き取る際にシワが発生するし、同時に高速で巻かれる際のフィルム随伴空気が抜け難く、ロールの端面ズレを生じさせ好ましくないものとなる。逆に最大突起高さ(Rt)が2.0μmを超えると、保護フィルムとフォトレジストの間にエア溜まりが発生し、酸素とレジストとの反応によるレジストの硬化が起こりやすくなる傾向にある。また表面形状転写により剥離後のレジスト表面荒れが大となり、基板銅箔への密着不良を引き起こし、回路欠陥につながり好ましくないものとなる。
【0010】
ポリエステルフィルムに0.1〜2.0μmの一定の突起高さを付与するために、フィルムまたはコート層に微粒子を添加する方法が好ましい。微粒子としては、有機架橋高分子粒子、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、バリウム塩等の各粒子が挙げられる。これら粒子の中からフィルムヘーズが低く、かつ粒子凝集や粗大粒径による粗大異物が少ないような粒子種、粒径、添加量を選択して用いるが、中でも透明性等の特性から有機架橋高分子粒子、非晶質シリカ粒子が好ましい。
【0011】
本発明のドライフィルムレジスト用保護フィルムのヘーズは厚さ16μm換算で7%以下であることが好ましい。ヘーズが7%を超える場合、フォトレジストの塗布抜け等の欠陥を確認しづらくなる傾向がある。
本発明のフィルムの厚さは25μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは16μm以下である。保護フィルムの厚さが25μm以上の場合には、フィルムの腰が強いために、保護フィルムを剥離する際、フォトレジスト表面に傷を与えてしまうる可能性がある。
本発明のフィルムにおいて、フィルム表面に塗設する塗布液として、フッ素を含有する重合体成分と、架橋剤とを使用する。
有されている必要がある。
【0012】
塗布剤成分として用いるフッ素含有重合体成分としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンなどを単量体とするフルオロオレフィン系共重合樹脂、ヒドロキシ基含有のフッ素樹脂共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系化合物または他の単量体とをグラフト重合してなるフッ素系共重合樹脂、パーフルオロアルキル基を有するビニル重合体等が挙げられる。中でもフルオロオレフィン系共重合樹脂が好ましい。具体的にはクロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンまたはフッ化ビニリデン等の含フッ素ビニル単量体類が約20〜約60モル%、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等の各種のカルボン酸ビニルエステル類が30〜70モル%およびマレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステルが5〜35モル%からなる共重合樹脂が具体的なものとして例示することができる。
【0013】
フッ素含重合体は水分散体として塗布液とすることが好ましく、水分散体とする方法としては、例えばカルボキシル基の一部を塩基性化合物にて中和させた後、水性媒体中に分散する方法、アニオン型、カチオン型、両性型、非イオン型などの界面活性剤を乳化剤として水媒体中で乳化重合する方法等がある。フッ素含有重合体の水分散体は、塗膜を形成させるために用いる塗布液中に、乾燥固形分割合として、通常20〜95重量%、好ましくは30〜90重量%配合して使用される。フッ素を含有する重合体が20重量%未満の場合には、フォトレジストからの離型性が低下する傾向にある。
【0014】
また、本発明は塗布層とフィルムとの接着性を向上し、塗布層のレジスト面への移行によるレジスト層の基板への密着性の低下を防ぐため、メラミン系架橋剤成分を混合して塗布することが必要である。メラミン系架橋剤は、最終の塗布層中の当該メラミン系架橋剤由来成分の割合が5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%となるように配合して使用される。架橋剤由来成分が80重量%を超える場合には、保護フィルムとフォトレジストの離型性が低下する傾向にあり、5重量%未満の場合には、塗布層とベースフィルムとの密着強度が低下し塗膜がレジスト面へ移行する傾向がある。
【0015】
塗布液には、塗布性を向上させるために本発明の効果を損なわない範囲で、潤滑剤、帯電防止剤、消泡剤、粒子等を含有させてもよい。
塗布方法としては、例えば、原崎勇次著、(株)総合技術センター、1990年発行、「コーティング装置と操作技術入門」に示されるような、正回転ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外のコーティング装置を使用することができる。
本発明のフィルムにおける塗布層は、フィルム製膜中にコーティングを行うインラインコーティング、フィルムを製膜した後にコーティングを行うオフラインコーティングまたはこれら以外の方式により設けることができるが、インラインコーティングにより設けられることが好ましい。
【0016】
インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程内で塗布を行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから二軸延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法である。通常は、溶融・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸シート、その後に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルム、熱固定前の二軸延伸フィルムの何れかに塗布する。これらの中では、一軸延伸フィルムに塗布した後に横方向に延伸する方法が優れている。かかる方法によれば、製膜と塗布層乾燥を同時に行うことができるため、製造コスト上のメリットがあり、塗布後に延伸を行うために薄膜塗布が容易であり、塗布後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温であるためにコート層とポリエステルフィルムが強固に密着する。
【0017】
本発明フィルムの塗布層の厚みは通常0.01〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。塗布厚みが0.01μm未満となると、塗布膜の均一性が悪くなり、離型性にバラツキが生じるようになる。逆に塗布層厚みが1.0μmを超えるとポリエステルフィルムとの界面で剥離が生ずるようになることがある。
【0018】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明における物性の評価方法は、まず、キャリアフィルムである2軸延伸ポリエステルフィルムにフォトレジスト層を塗布して乾燥し、本発明の保護フィルムの塗布面にロールで圧着させてキャリアフィルム/フォトレジスト/保護フィルムフィルムの3層からなるドライフィルムレジストを得、下記の評価を行った。
【0019】
(1)フィルムヘーズ
JIS−7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムのヘーズを測定した。
【0020】
(2)最大突起高さ(Rt)
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定器(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さ2.5mmの部分を抜き取り、その平均線に平行最大値と最小値の2直線で抜き取り部分を挟んだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定して、その値をマイクロメートル(μm)単位で表したものを抜き取り部分の最大突起高さ(Rt)とした。最大突起高さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。
【0021】
(3)離型性
評価試料を15mm巾にカットし、引張試験機でカバーフィルムを剥離して離型性やレジストの表面状態等を調べ、下記基準で評価した。
◎:接着力が200g/cm以下で、離型が非常にスムーズであり、レジスト表面に傷を与えないもの
〇:接着力が200〜500g/cmで、レジスト表面に傷を与えないもの
△:接着力が500g/cm以上で、カクカクと剥離するもののレジスト表面に傷を与えるほどではないもの
×:剥離がスムーズでなく、レジスト表面に傷を与えるもの
【0022】
(4)レジスト層の絶縁基板への密着性
◎:レジスト層を絶縁基板にラミネートする際、密着性が非常に優れていて、レジスト層が剥離しないもの
〇:レジスト層を絶縁基板にラミネートする際、密着性に優れ、容易にレジスト層が剥離しないもの
△:レジスト層を絶縁基板にラミネートする際、ごく一部レジスト層が剥離する箇所があるもの
×:レジスト層を絶縁基板にラミネートする際、密着性が悪く、レジスト層が容易に剥離するもの
【0023】
(5)ドライフィルムレジストの巻き特性
◎:レジスト層の巻き締まりや巻きずれ、ロールのしわが全くないもの
〇:レジスト層の巻き締まりや巻きずれ、ロールのしわがほとんどないもの
△:ごく一部でレジスト層の巻き締まりやロールのしわがあるもの
×:レジスト層の巻き締まりやロールのしわがあるもの
【0024】
(6)総合評価
以上の評価項目から、ドライフィルムレジスト用保護フィルムとしての性能を5段階で評価した。ドライフィルムレジスト用保護フィルムとしては、総合評価「5」のものが最も優れており、総合評価「1」ものが最も劣っている。総合評価「4」以上のものがドライフィルムレジスト用保護フィルムとして使用し得るものである。
【0025】
実施例1
平均粒径2μmの非晶質シリカ粒子を300ppm含有する、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートのチップを180℃で3時間乾燥した後、押出し機にて295℃で溶融押出し、冷却したキャスティングドラム上にシート状に固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.6倍延伸した後、下記に記載のフッ素を含有する重合体成分の水分散体と架橋剤成分の水分散体が混合された塗布液をコーティングし、テンター内で予熱工程を経て90℃で4倍横延伸、230℃で10秒間の熱処理を行い、厚さ16μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムをフォトレジスト層にラミネートしてキャリアフィルム/フォトレジスト/保護フィルムの3層からなるドライフィルムレジストを得て評価を行った。キャリアフィルムとしては16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
【0026】
<塗布液成分の内容>
・フッ素含有重合体:下記表1中においては、離型成分「重合体A」として示した。
クロロトリフルオロエチレン/プロピオン酸ビニル/脂肪酸ビニルエステル/マレイン酸モノブチル=40/47/3/10モル%からなるカルボキシル基含有フッ素共重合体を乾燥固形分割合で80重量%
・架橋剤成分:アルキロールメラミンを乾燥固形分割合で20重量%
下記表1の結果に示すとおり、本発明によるドライフィルムレジスト用保護フィルムはレジストからの離型性が良好である上、絶縁基板へのレジスト層の密着性も良く、いずれの評価項目についても優れていた。
【0027】
実施例2
塗布液中の架橋剤成分の割合を乾燥固形分割合として60重量%に変更したこと以外は実施例1と全く同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムは架橋剤成分が多いことにより、密着性に優れ、またレジスト塗布工程設備への汚染もなく良好なものであった。
【0028】
比較例1
実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートに含有する非晶質シリカ粒子の含有量を700ppmとし、塗布液中の架橋剤成分の割合を乾燥固形分割合で8重量%とする以外は実施例1と全く同じ条件で製膜した。得られたフィルムのフィルム特性、レジスト特性を表1に示した。
【0029】
実施例3
実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートに含有する粒子を、平均粒径0.9μmの非晶質シリカ粒子を500ppmとし、塗布液中の離型剤成分を下記に変更する以外は実施例1と全く同じ条件で製膜した。得られたフィルムのフィルム特性、レジスト特性を表1に示した。
・フッ素含有重合体:表1中においては、離型成分「重合体B」として示した。ヘキサフルオロプロピレン/酢酸ビニル/脂肪酸ビニルエステル/フマル酸モノエチル=30/40/12/18モル%からなるカルボキシル基含有フッ素共重合体
【0030】
比較例2
塗布液中の架橋剤成分を配合しない以外は実施例1と全く同じ条件で製膜した。得られたフィルムのフィルム特性、レジスト特性を表1に示した。架橋剤成分を配合しないため、レジスト層の基板への密着性が低下し、保護フィルムとして好ましくないものであった。
【0031】
比較例3
実施例1で用いた塗布液の成分を架橋剤成分100重量%とする以外は実施例1と全く同じ条件で製膜した。得られたフィルムは、フォトレジストとの間の接着力が大きく、フォトレジスト層から保護フィルムを容易に剥離できなかった。
【0032】
比較例4
実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートに含有する粒子を、平均粒径0.2μmの非晶質シリカ粒子に変更し、含有量を500ppmとし、さらに塗布液中のフッ素含有重合体成分および架橋剤成分の配合割合を表1のように変更した以外は実施例1と同じ条件で製膜した。得られたフィルムの特性、レジスト特性を表1に示した。得られたフィルムは最大突起高さが本発明下限以下となり、ドライフィルムレジストのロール巻き上げ時にシワやズレが生じ、また巻き締まりも大きく好ましくないものであった。
【0033】
比較例5
実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートに含有する粒子を、平均粒径3.7μmの非晶質シリカ粒子とし、含有量を1500ppmとする以外は実施例1と全く同じ条件で製膜した。得られたフィルムの特性、レジスト特性を表1に示した。得られたフィルムは最大突起高さが本発明上限を超えたものであり、保護フィルムとフォトレジストの間にエア溜まりが発生し、レジストの硬化が見られた。また、表面形状転写により剥離後のレジスト表面荒れが大となり、基板銅箔への密着不良も見られた。さらに、フィルムヘーズが高いため、フォトレジストの塗布抜け等の欠陥を確認しづらくなる傾向がある。
【0034】
比較例6
実施例1で用いた塗布液中の離型剤成分を下記に変更する以外は実施例1と全く同じ条件で製膜した。得られたフィルムのフィルム特性、レジスト特性を表1に示した。該重合体成分にはフッ素は含有しないため、レジストとの離型性が劣り、剥離後のレジスト表面はキズや凹凸が多く、表面性状は極めて悪いものであった。
・重合体:表1中においては、離型成分「重合体C」として示した。
ジクロロエチレン/酢酸ビニル/脂肪酸ビニルエステル/フマル酸モノエチル=30/40/12/18モル%からなる共重合体(フッ素を含有しない重合体成分)
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、離型性、表面性に優れたドライフィルムレジスト用保護フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、分子内にフッ素を含有する重合体成分とメラミン系架橋剤由来の成分とを含有する、ポリエステルフィルム製造工程中で形成された塗布層を有するフィルムであって、前記メラミン系架橋剤由来の成分の塗布層乾燥固形分中の割合が10〜70重量%あり、塗布層表面の最大突起高さ(Rt)が0.1〜2.0μmであり、フィルムヘーズ(厚さ16μm換算)が7%以下であり、フィルム構成成分の80%以上がポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とするドライフィルムレジスト用保護フィルム。
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