JP2022057020A - 離型フィルム - Google Patents

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Ryoko Tanaka
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Abstract

【課題】基材フィルム上に樹脂層を有する離型フィルムであって、樹脂層上に形成した感光性樹脂層における、抜けや、浮きなどの欠点の視認性に優れるとともに、露光後の感光性樹脂層との離型性にも優れる離型フィルムを提供する。【解決手段】基材フィルム上に樹脂層を有する離型フィルムであって、樹脂層は、粒子を30質量%以上含有し、表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であり、離型フィルムのヘイズ(H1)と、離型フィルムの樹脂層上に感光性樹脂層を形成した積層フィルムの露光前のヘイズ(H2)との差(ΔH=H1-H2)が5以上であり、露光後の積層フィルムにおける、離型フィルムと感光性樹脂層との剥離強度が1N/10mm以下であることを特徴とする離型フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、離型フィルムに関する。
プリント配線板、半導体パッケージ、フレキシブル基板などの製造においては、感光性樹脂層を基板上でパターン露光して露光部を重合硬化させ、未露光部を除去して基板上にレジストパターンを形成する工程がある。
近年では、電子機器の小型化、回路の集積化が進み、電子機器に実装される積層型電子部品の小型化の要求に伴って、感光性樹脂層には、微細なレジストパターンの形成が可能な、高い解像度が求められている。
一方、基板上に形成された感光性樹脂層は、基板のハンドリングにおいて、キズが発生することがあり、生産される配線基板は、歩留りが低下することが問題となっている。そこで、特許文献1には、感光性樹脂層の表面に凹凸を付与することで、感光性樹脂層のキズの発生を抑制することが開示されている。特許文献1においては、表面に凹凸を有する感光性樹脂層は、粗面化された離型フィルムに感光性樹脂組成物の塗工液を塗布することによって形成されている。
特開2018-116255号公報
特許文献1に記載された感光性樹脂層は、凹凸を有する離型フィルム上に形成され、基板に貼り合わされて使用される。しかしながら、特許文献1の離型フィルムは、その上に感光性樹脂層が塗布により形成された状態において、感光性樹脂層の抜け、浮きなどの欠点を確認することができないという問題があった。
本発明は、これらの問題点に鑑み、基材フィルム上に樹脂層を有する離型フィルムであって、樹脂層上に形成した感光性樹脂層における、抜けや、浮きなどの欠点の視認性に優れるとともに、露光後の感光性樹脂層との離型性にも優れる離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、離型フィルムの樹脂層が、特定の組成からなり、特定の表面形状を有すると、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
(1)基材フィルム上に樹脂層を有する離型フィルムであって、
樹脂層は、粒子を30質量%以上含有し、表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であり、
離型フィルムのヘイズ(H)と、離型フィルムの樹脂層上に感光性樹脂層を形成した積層フィルムの露光前のヘイズ(H)との差(ΔH=H-H)が5以上であり、
露光後の積層フィルムにおける、離型フィルムと感光性樹脂層との剥離強度が1N/10mm以下であることを特徴とする離型フィルム。
(2)樹脂層表面の60度光沢度が50%以下であることを特徴とする(1)に記載の離型フィルム。
(3)樹脂層が酸変性ポリオレフィン樹脂および架橋剤を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の離型フィルム。
(4)粒子の平均粒子径が0.001~2μmであることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の離型フィルム。
(5)上記(1)~(4)のいずれかに記載の離型フィルムを製造するための方法であって、基材フィルムの少なくとも片面に、樹脂層形成用塗工液を塗布する工程を含むことを特徴とする離型フィルムの製造方法。
(6)上記(1)~(4)のいずれかに記載の離型フィルムを製造するための方法であって、基材フィルムの少なくとも片面に樹脂層を形成した後、延伸する工程を含むことを特徴とする離型フィルムの製造方法。
本発明の離型フィルムは、樹脂層が特定の表面形状であるため、感光性樹脂層が接する箇所においてはヘイズが低下する。しかし、感光性樹脂層にムラ、抜け、浮きが発生し、感光性樹脂層が樹脂層に接しない箇所においてはヘイズが低下しないことから、本発明の離型フィルムは、発生した欠点を容易に認識することができ、欠点の視認性に優れ、また、露光後の感光性樹脂層との離型性にも優れる。
本発明の離型フィルムは、基材フィルム上に樹脂層を有するものである。
<樹脂層>
(粒子)
本発明の離型フィルムを構成する樹脂層は、粒子を含有することが必要である。樹脂層は、粒子を含有することにより、樹脂層表面の粗さを調整し、樹脂層上に感光性樹脂層を形成した際の、感光性樹脂層のムラ、抜け、浮きなどの欠点の認識を容易にすることが可能になる。
粒子の含有量は、樹脂層の全質量の30質量%以上であることが必要であり、30~70質量%であることが好ましく、32~65質量%であることがより好ましく、35~60質量%であることがさらに好ましい。樹脂層は、粒子の含有量が少ないと、十分な表面粗さを得ることができず、感光性樹脂層のムラ、抜け、浮きなどの欠点の視認性が十分なものにならないことがある。一方、樹脂層における粒子の含有量が多すぎると、樹脂層を形成するための液状物の安定性が低下することがあり、離型フィルムの外観が劣ることがある。
粒子の粒径は、0.001~2μmであることが好ましく、0.01~1μmであることがより好ましく、0.05~0.8μmであることがさらに好ましく、0.2~0.8μmであることが最も好ましい。粒子の粒径が大きすぎても、小さすぎても、樹脂層上に感光性樹脂層を形成した際の、感光性樹脂層のムラ、抜け、浮きなどの欠点の認識を容易にするような表面粗さを得ることが難しくなる。
粒子の形状は、特に限定されないが、不定形、球状、連鎖状、中空、扁平、針状、平板状等が挙げられる。
粒子としては、有機粒子や無機粒子を挙げることができ、併用してもよく、いずれか一方を使用してもよい。
有機粒子としては、特に限定されないが、架橋アクリル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋メラミン粒子、有機シリコーン粒子、架橋スチレン-アクリル粒子などが挙げられる。有機粒子は、単成分を用いてもよく、また2成分以上を同時に用いてもよい。
無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、クレー、タルク、マイカ等が挙げられる。
(樹脂)
本発明において、樹脂層を構成する樹脂は、酸変性ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、オレフィン成分を主成分とし、酸成分により変性された樹脂である。
オレフィン成分として、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2-ブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等の炭素数2~6のアルケン等が挙げられ、これらの混合物であってもよい。
本発明では、感光性樹脂層との離型性の観点で、オレフィン成分は、プロピレンを含有することが好ましい。また、平行光線透過率向上の観点で、オレフィン成分は、ブテンを含有しないことが好ましい。オレフィン成分におけるプロピレンの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂を構成する酸変性成分としては、不飽和カルボン酸成分が挙げられ、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でも、後述する樹脂の水性分散化において、樹脂を安定的に分散するために、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。これらの酸変性成分は酸変性ポリオレフィン樹脂中に2種類以上含まれていてもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂における酸変性成分の含有量は、1~10質量%であることが好ましく、2~10質量%がより好ましく、2~9質量%であることがさらに好ましい。酸変性成分の含有量が1質量%未満の場合は、樹脂層に含まれる酸変性ポリオレフィン樹脂中の極性基の割合が少なくなるため、樹脂層は、基材フィルムとの十分な密着性が得られない傾向にあり、樹脂層から離型した被着体を汚染することがある。さらに後述する樹脂の水性分散化において、樹脂を安定的に分散するのが困難になる傾向がある。一方、酸変性成分の含有量が10質量%を超える場合は、極性基の割合が多くなるため、樹脂層と基材フィルムとの密着性が十分にはなるが、樹脂層と被着体との密着性も同時に高くなるため、被着体との離型性が低下する傾向がある。
また、基材フィルムとの密着性をさらに向上させる理由から、酸変性ポリオレフィン樹脂は、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和成分を含有してもよい。
側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1~30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1~20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、ポリエステルフィルムとの接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがさらに好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。「(メタ)アクリル酸~」とは、「アクリル酸~またはメタクリル酸~」を意味する。
側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和成分は、酸変性成分と同様、分子内に極性基を有している。そのため側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和成分を酸変性ポリオレフィン樹脂中に含めることによって、樹脂層は、基材フィルムとの密着性が高くなる。しかし、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和成分量が多すぎると、オレフィン由来の樹脂の性質が失われ、樹脂層は、被着体との離型性が低下する可能性がある。酸変性ポリオレフィン樹脂中における、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和成分の含有量は、1~40質量%であることが好ましく、2~35質量%であることがより好ましく、3~30質量%であることがさらに好ましく、6~18質量%であること特に好ましい。
なお、側鎖に酸素原子を含むエチレン性不飽和成分を含有する酸変性ポリオレフィン樹脂を用いても、基材フィルムとの密着性以外に樹脂層が有する離型性を損ねることがない。
本発明において、樹脂層は、上記酸変性ポリオレフィン樹脂とともに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤を含有することにより、樹脂層は、構成成分が架橋して離型性が向上し、樹脂層の凝集力が向上して被着体への移行を抑制することができる。
架橋剤の含有量は、感光性樹脂層との離型性の観点で、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、5~35質量部であることが好ましく、10~35質量部であることがより好ましく、15~25質量部であることがさらに好ましい。架橋剤の含有量が5質量部未満であると、樹脂層は、感光性樹脂層との離型性が低下したり、凝集力が弱くなることで、基材フィルムとの密着性に劣り、被着体に移行しやすくなる傾向にある。一方、架橋剤の含有量が35質量部を超えると、樹脂層を形成するための液状物は、増粘し、安定性が低下する場合があり、得られた樹脂層は、感光性樹脂層との離型性に乏しくなる場合がある。
架橋剤としては、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物等を用いることができ、多官能エポキシ化合物;多官能イソシアネート化合物;多官能アジリジン化合物;カルボジイミド基含有化合物;オキサゾリン基含有化合物;フェノール樹脂;および尿素化合物、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種類を使用しても2種類以上を併用してもよい。このうち、多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、多官能エポキシ化合物、カルボジイミド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物等が好ましく、カルボジイミド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物がより好ましく、オキサゾリン基含有化合物がさらに好ましい。オキサゾリン基含有化合物を用いることにより、被着体との離型性、基材との密着性に優れた離型フィルムを得ることが可能となる。また、これらの架橋剤は組み合わせて使用してもよい。
本発明において、樹脂層は、ポリビニルアルコールを含有してもよい。樹脂層は、ポリビニルアルコールを含有することで、感光性樹脂層との離型性を向上させることができる。
本発明において、ポリビニルアルコールは、ケン化率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ポリビニルアルコールのケン化率が80%未満であると、樹脂層を形成するための液状物の安定性が低下する傾向がある。
ポリビニルアルコールの含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して10~1000質量部であることが好ましく、20~900質量部であることがより好ましく、30~800質量部であることがさらに好ましい。樹脂層は、ポリビニルアルコールの含有量が1000質量部を超えると、被着体に移行しやすくなる。一方、樹脂層は、ポリビニルアルコールの含有量が10質量部未満であると、被着体との離型性に乏しくなることがある。
本発明においては、ポリビニルアルコールとして市販のものを使用することができ、例えば、日本酢ビ・ポバール社製の「J-ポバール」の「JP-15」や「JT-05」、「JF-05」、「JL-05E」、「JM-17」、「VC-10」、クラレ社製の「クラレポバール」の「PVA-CST」、「PVA-624」、「PVA-203」、「PVA-220」、「PVA-405」などを使用することができる。
本発明において、樹脂層は、ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体を含有してもよい。
ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体の具体例としては、特に制限はないが、例えば、ビニルピロリドンのホモポリマー、ビニルピロリドンを主成分とする共重合体等が挙げられる。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体の含有量は、特に制限はないが、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、10~1000質量部であることが好ましく、50~900質量部であることがより好ましく、210~800質量部であることがさらに好ましく、300~600質量部であることが最も好ましい。ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体の含有量が1000質量部を超えると、樹脂層を形成するための液状物は、粘度が高くなり、塗工ムラを生じやすくなったり、また樹脂層は、基材フィルムとの密着性が低下する。一方、ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体の含有量が10質量部未満であると、樹脂層は、アクリル系被着体に対して優れた離型性が発現しにくくなる傾向にある。
ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体の重量平均分子量は、特に制限はないが、10,000~1,100,000であることが好ましく、30,000~1,000,000であることがより好ましく、100,000~800,000であることがさらに好ましい。ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体の重量平均分子量が10,000未満であると、樹脂層は、離型性が低下する傾向にある。一方、ポリビニルピロリドンおよび/またはその共重合体の重量平均分子量が1,100,000を超えると、樹脂層を形成するための液状物は、粘度が高くなり、作業工程上の取り扱い性が低下し、塗工性が低下し、形成された樹脂層表面に、スジ状欠点が発生する傾向にある。
<基材フィルム>
本発明において、基材フィルムを構成する樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ乳酸などのポリエステル樹脂、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリアミド6、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド4T、ポリアミド6T、ポリアミド9Tなどのポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリイミド樹脂などの他、これらの樹脂の混合体や共重合体などが挙げられる。
基材フィルムは、上記樹脂からなる単層フィルムで構成されても、複層フィルムで構成されてもよい。複層フィルムの場合、同種樹脂からなるフィルムで構成されてもよく、また、例えば、ポリアミド6/MXD6ナイロン/ポリアミド6、ポリアミド6/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ポリアミド6などの異種樹脂からなるフィルムで構成されてもよい。
基材フィルムは、機械的強度や寸法安定性を有するポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムが好ましく、ポリエステルフィルムがより好ましい。
基材フィルムを構成する樹脂の固有粘度は0.55~0.90であることが好ましく、0.60~0.85であることがより好ましい。基材フィルムを構成する樹脂は、固有粘度が上記範囲未満であると、製膜時に切断が起こり易く、安定的にフィルムを生産することが困難であり、また、得られたフィルムは強度が低いことがある。一方、樹脂の固有粘度が上記範囲を超えると、フィルムの生産工程において溶融押出時に剪断発熱が大きくなり、押出機にかかる負荷が大きくなり、生産速度を犠牲にせざるを得なかったり、フィルムの厚み制御も難しくなる等、フィルムの生産性が低下することがある。また、得られたフィルムは、熱分解やゲル化物が増加して、表面欠点や異物、表面粗大突起が増加することがある。また、あまりに固有粘度の高いものは、重合時間や重合プロセスが長く、コストを押し上げる要因となることもある。
基材フィルムを構成する樹脂の重合方法は特に限定されず、例えばポリエステルの場合であれば、エステル交換法、直接重合法等が挙げられる。エステル交換触媒としては、Mg、Mn、Zn、Ca、Li、Tiなどの酸化物、酢酸塩等の化合物が挙げられる。また、重縮合触媒としては、Sb、Ti、Geなどの酸化物、酢酸塩等の化合物が挙げられる。
重合後のポリエステルは、モノマーやオリゴマー、副生成物のアセトアルデヒド等を含有しているため、減圧もしくは不活性ガス流通下、200℃以上の温度で固相重合してもよい。
基材フィルムは、樹脂層表面の光沢度をより低くできることから、粒子を含有してもよい。
基材フィルムが含有する無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、クレー、タルク、マイカ等の粒子が挙げられる。また、有機粒子としては、例えば、メラミン樹脂、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル-スチレン共重合体等の粒子が挙げられる。特に酸化ケイ素(シリカ)は粒径分布が優れ、安価なことから好適である。
基材フィルムにおける粒子の含有量は0.01~10質量%であることが好ましく、0.05~5質量%であることがより好ましい。光沢度を低くするために粒子の含有量は多い方が好ましいが、一定量以上含有しても光沢度が低くならない。
基材フィルムは、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、ピニング剤等の添加剤を含有することができる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられ、熱安定剤としては、リン系化合物等が挙げられる。
<離型フィルムの特性>
本発明の離型フィルムの樹脂層の表面は、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であることが必要であり、9μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。樹脂層は、表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μmを超えると、樹脂層上に感光性樹脂層を形成した際の、感光性樹脂層のムラ、抜け、浮きなどの欠点を十分に認識できない場合がある。
本発明の離型フィルムは、離型フィルムのヘイズ(H)と、離型フィルムの樹脂層上に感光性樹脂層を形成した積層フィルムの露光前のヘイズ(H)との差(ΔH=H-H)が5以上であることが必要であり、6以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましい。本発明の離型フィルムは、このように、感光性樹脂層が接する箇所においてはヘイズが低下するが、樹脂層上に形成した感光性樹脂層にムラ、抜け、浮きなどの欠点があって、感光性樹脂層が樹脂層に接しない箇所においてはヘイズが低下しない。したがって、離型フィルムは、感光性樹脂層を形成した場合のヘイズ差(ΔH)が5未満であり、ヘイズの低下が少ないものであると、欠点の箇所を、十分に認識することができない場合があり、例えば、積層フィルムを走行させて目視で欠点を確認する作業において、欠点を確認できずに見落とす場合がある。
本発明の離型フィルムは、離型性に優れるものであり、樹脂層上に感光性樹脂層を形成した積層フィルムは、露光後において、離型フィルムと感光性樹脂層との剥離強度が1N/10mm以下であることが必要であり、0.7N/10mm以下であることが好ましく、0.4N/10mm以下であることがより好ましい。
本発明の離型フィルムにおける樹脂層の厚みは、0.01~2μmであることが好ましく、0.01~1μmであることがより好ましく、0.01~0.5μmであることがさらに好ましい。樹脂層の厚みが0.01μm未満であると、被着体に対する十分な離型性が得られず、2μmを超えると、被着体に移行しやすくなり、またコストアップとなるため好ましくない。
また、本発明の離型フィルムは、加工適性の観点で、厚みが12μm以上であることが好ましく、なかでも、平行光線透過率とのバランスの観点で、15~100μmであることがより好ましく、18~65μmであることがさらに好ましく、20μmを超え60μm以下であることが特に好ましい。離型フィルムは、厚みが12μm未満であると、コシがなく、感光性樹脂層の形成が難しくなることがある。
<離型フィルムの製造方法>
次に、基材フィルムとしてポリエステルフィルムを使用した場合の離型フィルムの製造方法の一例を説明する。
まず、十分に乾燥されたポリエステルを、押出機に供給し、十分に可塑化され、流動性を示す温度以上で溶融し、必要に応じて選ばれたフィルターを通過させ、その後Tダイを通じてシート状に押出す。このシートを、ポリエステルのガラス転移温度(Tg)以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて、未延伸フィルムを得る。
得られた未延伸フィルムを一軸延伸法により一軸配向させるか、もしくは二軸延伸法により二軸配向させる。二軸延伸法としては、特に限定はされないが、逐次二軸延伸法や同時二軸延伸法を用いることができる。
離型フィルムを構成するポリエステルフィルムは、単層でも複層でもよいが、2層以上の複層フィルムであることが好ましい。複層フィルムの製造方法としては、例えば、それぞれの層を構成する樹脂を別々に溶融して、複層ダイスを用いて押出し、固化前に積層融着させた後、二軸延伸、熱固定する方法や、2種以上の樹脂を別々に溶融、押出してそれぞれフィルム化し、未延伸状態で、または延伸後に、それらを積層融着させる方法などによって製造することができる。プロセスの簡便性から、複層ダイスを用い、固化前に積層融着させることが好ましい。
基材フィルムに樹脂層を形成する方法としては、例えば、塗布、転写、ラミネート等の方法が挙げられる。
本発明における樹脂層は、樹脂層を構成する成分を含有する樹脂層形成用液状物を、基材フィルムに塗布し、乾燥、延伸および熱処理する方法によって、工業的に簡便に形成することができる。
本発明において、樹脂層形成用液状物を構成する液状媒体は、水性媒体であることが好ましい。水性媒体とは、水と両親媒性有機溶剤とを含み、水の含有量が2質量%以上である溶媒を意味し、水のみでもよい。
両親媒性有機溶剤とは、20℃における有機溶剤に対する水の溶解性が5質量%以上である有機溶剤をいう(20℃における有機溶剤に対する水の溶解性については、例えば「溶剤ハンドブック」(講談社サイエンティフィク、1990年第10版)等の文献に記載されている)。
両親媒性有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール-n-ブチルエーテル等のエチレングリコール誘導体類、そのほか、アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン等の有機アミン化合物、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドンなどのラクタム類等を挙げることができる。
樹脂層形成用液状物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等を挙げることができる。
本発明においては、樹脂層形成用液状物を基材フィルムの製造工程中に塗布する工程と、基材フィルムと共に乾燥、配向延伸および熱固定処理する工程を含むことが好ましい。製造工程中にインラインで塗布することにより、基材フィルム表面の配向結晶化の程度が小さい状態で樹脂層を形成することができるため、基材フィルムと樹脂層の密着力が向上する。また、基材フィルムが緊張した状態で、より高温で樹脂層を熱処理できるので、基材フィルムの品位を低下させることなく、露光後の感光性樹脂層の離型性や、基材フィルムと樹脂層との密着性を向上させることができる。さらに、オフラインでの塗布に比べると、製造工程を簡略化することができるばかりか、樹脂層の薄膜化によりコスト面でも有利である。なお、逐次二軸延伸法を採用する場合には、一軸方向に延伸された基材フィルムに前記液状物を塗布し、液状物の塗布された基材フィルムを乾燥、その後、基材フィルムを前記方向と直交する方向にさらに延伸し、熱処理することが、簡便さや操業上の理由から好ましい。
<用途>
本発明の離型フィルムは、感光性樹脂層以外の様々な被着体に対しても良好な離型性を有しているため、樹脂層を介して、他の被着体に積層することで積層体とし、その後に離型する用途において、好適に用いられる。
具体的には、基板上にレジストパターンを作成するための感光性樹脂板を製造する際の工程材料、粘着材料や液晶ディスプレー用部品などの保護材料、プリント配線板を製造する際の工程材料、建材用の不飽和ポリエステルシートや表面の保護層を転写する際の工程材料、イオン交換膜やセラミックグリーンシートなどのシート状構造体成形工程材料、半導体およびLED素子のパッケージの製造工程材料として好適に使用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。なお、後述する各種の特性は、以下の方法によって測定または評価した。下記(1)~(6)の測定項目においては、離型フィルムを幅方向に3分割し、3分割したそれぞれのフィルムの中央部を試料として測定し、その平均値を求めた。
(1)厚み
JIS K 7130(1999)に基づき、厚み計(HEIDENHAIN社製 MT-12B)を用いて、離型フィルムの厚みを任意に10点測定し、その平均値を求めた。
また、樹脂層の厚みは、樹脂層を溶剤で拭き取り、上記と同様にして、基材フィルムの厚みを測定し、離型フィルムの厚みとの差分を計算して求めた。
(2)粗さ曲線の平均長さ(RSm)
離型フィルムの樹脂層表面において、三次元測定レーザー顕微鏡(オリンパス社製 OLS4100)を用い、λc、λs、λfのいずれも無しの設定で測定を行った。観察面内で各3点測定し、得られた平均値を粗さ曲線の平均長さ(RSm)とした。
(3)ヘイズ
JIS K 7136(2000)に基づき、濁度計(日本電色工業社製 NDH-4000)を用いて、離型フィルムのヘイズ(H)、および、下記の方法で作製した、離型フィルムの樹脂層上に感光性樹脂層を形成した積層フィルムの露光前のヘイズ(H)を測定し、ヘイズ差(ΔH=H-H)を求めた。なお、離型フィルムの測定に際しては、樹脂層表面に、また、積層フィルムの測定に際しては、感光性樹脂層表面に、それぞれ光が入射するように試料を配置した。
(離型フィルムの樹脂層に感光性樹脂層を形成した積層フィルムの作製方法)
離型フィルムの樹脂上に、下記感光性樹脂組成物を塗布し、150℃で90秒間、乾燥し、厚み40μmの感光性樹脂層を形成して、積層フィルムを作製した。
(感光性樹脂組成物)
市販のレジスト用組成物(住友化学社製 スミレジスト PAR-855S75(J))を用いた。
(4)視認性
上記(3)において作製した積層フィルムの感光性樹脂層上に、ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 S-25)を貼り合わせ、加圧して、積層体を作製した。
得られた積層体を、透過照明による検視板が設置されたアンワインダーに設置し、速度10m/minで走行させ、幅0.3m、長さ10mの領域において、目視で確認される欠点数をカウントした(N)。
さらに、走行状態で欠点の目視確認した上記領域について、静止した状態で、再度、目視で確認される欠点数をカウントし(N)、走行時に確認された欠点数との割合(N/N)によって視認性を評価した。
(5)離型性
上記(3)において作製した積層フィルムの感光性樹脂層上に、銅箔基板を貼り合わせ、加圧して、感光性樹脂構成体を作製した。
次に、タカノ機械製作所社製の感光性樹脂凸版製版機タカノプロセッサーA3-PRINTERモデルを用いて、感光性樹脂構成体の離型フィルム側から、紫外線低圧水銀ランプ40Wを用い、照射光量約500mJ/cmで露光した。
感光性樹脂層が露光硬化した感光性樹脂構成体を、巾10mm、長さ150mm(MD)に切り取り、剥離強度測定用試料とした。剥離強度測定用試料の感光性樹脂層と離型フィルムとの剥離強度を、23℃の恒温室で引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS-100B)にて、剥離角度180度、剥離速度300mm/分の条件で測定した。剥離強度の測定は試料数3とし、その平均値を求め、離型性を評価した。
(6)光沢度(60度)
JIS Z8741に規定された方法に従って、グロスメーター(日本電色社製 VG7000)を用いて、離型フィルムの樹脂層表面について、60度光沢度を測定した。
樹脂層形成用液状物を調製するために、酸変性ポリオレフィン樹脂およびその水性分散体を、以下の方法により製造した。
<酸変性ポリオレフィン樹脂A-1の水性分散体の製造>
プロピレン-エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=99.0/1.0(質量比))280gを、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を170℃に保って攪拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸32.0gとラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド6.0gをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、酸変性ポリオレフィン樹脂A-1を得た。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、上記方法で製造した60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂と、45.0gのエチレングリコール-n-ブチルエーテルと、6.9gのN,N-ジメチルエタノールアミン(樹脂中の無水マレイン酸単位のカルボキシル基に対して1.0倍当量)と、188.1gの蒸留水とを、上記のガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。そうしたところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)することで、乳白黄色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂A-1の水性分散体(固形分濃度25質量%)を得た。
<酸変性ポリオレフィン樹脂A-2の水性分散体の製造>
上記酸変性ポリオレフィン樹脂A-1の製造において、プロピレン-エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=99.0/1.0(質量比))をプロピレン-ブテン-エチレン三元共重合体(プロピレン/ブテン/エチレン=68.0/16.0/16.0(質量比))に変更する以外は、同様にして、酸変性ポリオレフィン樹脂A-2の水性分散体(固形分濃度25質量%)を得た。
樹脂層形成用液状物を調製するために、架橋剤、ポリビニルアルコール、粒子として、以下のものを使用した。
C-1:オキサゾリン基含有化合物の水性溶液(日本触媒社製 エポクロスWS-700、固形分濃度25質量%)
V-1:ポリビニルアルコール水溶液(日本酢ビ・ポバール社製 VC-10、重合度1,000、固形分濃度:8質量%)
P-1:アクリル微粒子(日本触媒社製 エポスターMX300W、平均粒子径0.45μm)
P-2:アクリル微粒子(日本触媒社製 エポスターMX100W、平均粒子径0.15μm)
P-3:不定形微粉状シリカ(富士シリシア化学社製 サイリシア310P、平均粒子径2.0μm)
P-4:アモルファスシリカ(日本触媒社製 シーホスターKE-P10、平均粒子径0.11μm)
P-5:コロイダルシリカ(日産化学社製 スノーテックスST-C、平均粒子径0.005μm)
P―6:アクリル微粒子(綜研化学社製 MX-500、平均粒子径5μm)
基材フィルムを製造するために、下記のポリエステル樹脂を使用した。
B-1:ポリエチレンテレフタレート(重合触媒 三酸化アンチモン、固有粘度0.62、ガラス転移温度78℃、融点255℃)
B-2:B-1に平均粒径2.3μmの無定形シリカ粒子を1.5質量%添加したもの
B-3:B-1に平均粒径2.3μmの無定形シリカ粒子を0.08質量%添加したもの
B-4:B-1に平均粒径2.3μmの無定形シリカ粒子を0.6質量%添加したもの
B-5:B-1に平均粒径4.0μmの無定形シリカ粒子を1.5質量%添加したもの
実施例1
<樹脂層形成用液状物の調製>
酸変性ポリオレフィン樹脂A-1水性分散体と、架橋剤C-1、ポリビニルアルコールV-1と粒子P-1を、それぞれ固形分の質量割合が表の通りとなるように混合し、最終固形分濃度が6.0質量%になるように水で調整して、樹脂層形成用液状物を得た。
<離型フィルムの製造>
ポリエチレンテレフタレートB-1を、押出機I(スクリュー径:65mm)に、またポリエチレンテレフタレートB-2を、押出機II(スクリュー径:50mm)にそれぞれ投入して280℃で溶融後、それぞれの溶融体をTダイの出口に至る前で層状に合流積層させた。層の厚み比(II/I/II)が1/13/1となり、総厚みが400μmとなるよう調整してTダイ出口より押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムをロール式縦延伸機で85℃の条件下、3.5倍に延伸して縦延伸フィルムを得た。
次いで、樹脂層形成用液状物を、縦延伸フィルムの、押出機IIからのフィルム層の表面に、120メッシュのグラビアロールで5g/mとなるように塗布した後、連続的に縦延伸フィルムの端部をフラット式延伸機のクリップに把持させ、100℃の条件下、横4.5倍に延伸を施し、その後、横方向の弛緩率を3%として、243℃で3秒間の熱処理を施して、2種3層のポリエステルフィルムからなる基材フィルムの片面に厚み0.1μmの樹脂層が設けられた厚み25μmの離型フィルムを得た。
実施例2~20、比較例2~5
表1に記載した構成になるように、ポリエステル樹脂を用いて基材フィルムを製膜し、また、樹脂層形成用液状物を調製し、この液状物を用いて樹脂層を設けた以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
実施例21
ポリエチレンテレフタレートB-1を、押出機I(スクリュー径:65mm)に、またポリエチレンテレフタレートB-3を、押出機II(スクリュー径:50mm)にそれぞれ投入して280℃で溶融後、それぞれの溶融体をTダイの出口に至る前で層状に合流積層させた。層の厚み比(I/II)が6/4となり、総厚みが400μmとなるよう調整してTダイ出口より押出し、急冷固化して未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムをロール式縦延伸機で85℃の条件下、3.5倍に延伸して縦延伸フィルムを得た。
次いで、表1に記載した樹脂層形成用液状物を、縦延伸フィルムの、押出機IIからのフィルム層の表面に、120メッシュのグラビアロールで5g/mとなるように塗布した後、連続的に縦延伸フィルムの端部をフラット式延伸機のクリップに把持させ、100℃の条件下、横4.5倍に延伸を施し、その後、横方向の弛緩率を3%として、243℃で3秒間の熱処理を施して、2種2層のポリエステルフィルムからなる基材フィルムの片面に厚み0.1μmの樹脂層が設けられた厚み25μmの離型フィルムを得た。
比較例1
実施例1において、得られた縦延伸フィルムに樹脂層形成用液状物を塗布することなく、実施例1と同様に、横延伸、熱処理を施して、2種3層のポリエステルフィルムからなる基材フィルムを製造して、樹脂層が設けられていない基材フィルムについて、評価した。
比較例6、7
比較例1で得られた基材フィルムの片面に、表1に記載した樹脂層形成用液状物を300メッシュのグラビアロールで2g/mとなるように塗布した後、150℃で乾燥し、厚み0.2μmの樹脂層が設けられた厚み25μmの離型フィルムを得た。
比較例7
CM-25(ユニチカ社製、マットポリエステルフィルム)を評価した。
比較例8
SM-38(ユニチカ社製、サンドマット処理ポリエステルフィルム)を評価した。
実施例、比較例で得られた離型フィルムについて各種評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2022057020000001
実施例の離型フィルムは、樹脂層表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であり、樹脂層上に形成した感光性樹脂層における欠点の視認性に優れるだけでなく、離型性が良好であり、基材フィルムと樹脂層の密着性にも優れていた。
比較例1のフィルムは、粒子を含有する樹脂層が設けられていないため、また、比較例2~4の離型フィルムは、樹脂層における粒子の含有量が、本発明で規定する量に満たないため、RSmが10μmを超え、形成した感光性樹脂層における欠点の視認性が不十分であった。
比較例5のフィルムは粒子径が大きいため、RSmが10μmを超え、形成した感光性樹脂層における欠点の視認性が不十分であった。
比較例6~7の離型フィルムは、樹脂層がオフラインでの塗布により形成されたため、離型性が不十分であった。

Claims (6)

  1. 基材フィルム上に樹脂層を有する離型フィルムであって、
    樹脂層は、粒子を30質量%以上含有し、表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が10μm以下であり、
    離型フィルムのヘイズ(H)と、離型フィルムの樹脂層上に感光性樹脂層を形成した積層フィルムの露光前のヘイズ(H)との差(ΔH=H-H)が5以上であり、
    露光後の積層フィルムにおける、離型フィルムと感光性樹脂層との剥離強度が1N/10mm以下であることを特徴とする離型フィルム。
  2. 樹脂層表面の60度光沢度が50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 樹脂層が酸変性ポリオレフィン樹脂および架橋剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 粒子の平均粒子径が0.001~2μmであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の離型フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の離型フィルムを製造するための方法であって、基材フィルムの少なくとも片面に、樹脂層形成用塗工液を塗布する工程を含むことを特徴とする離型フィルムの製造方法。
  6. 請求項1~4のいずれかに記載の離型フィルムを製造するための方法であって、基材フィルムの少なくとも片面に樹脂層を形成した後、延伸する工程を含むことを特徴とする離型フィルムの製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024070623A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 富士フイルム株式会社 フィルム、積層フィルム、及び、フィルムの製造方法

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