JP2009215350A - 離型用ポリエステルフィルム - Google Patents

離型用ポリエステルフィルム

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Abstract

【課題】
小型化に適した、加工特性が良く品質の良い成形体を成形することが出来る離型用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】
150℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率がフィルム長手方向で1.0〜2.5%、フィルム幅方向で0.2〜1.6%であり、100℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率がフィルム長手方向で0.2〜0.8%、フィルム幅方向で−0.2〜0.5%であり、150℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であり、150℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であり、100℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下であり、100℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下である離型用ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種離型用ポリエステルフィルムに関するものであり、具体的にはセラミックコンデンサ生産時に使用されるグリーンシート用、液晶偏光板用、フォトレジスト用、またポリエステルフィルム上にエポキシ樹脂等をコ−ティングして製造される多層基板用などに好適な各種離型用フィルムに関するものである。
従来から、離型用フィルムは、ポリエステルフィルムを基材として、離型性のある樹脂層、例えばシリコ−ン樹脂やエポキシ樹脂などを塗布し形成される。特に、グリーンシート製造用、液晶偏光板用離型用、液晶保護フィルム用離型用、フォトレジスト用、多層基板用などの各種離型用途として使用されている。ポリエステルフィルム中には、加工適性、例えば、滑り性、巻き特性などを良くするために粒子を適量配合しフィルム表面に様々な突起を形成することが一般的である。さらに、加工に耐え得るフィルム物性を確保するため、二軸延伸によって製膜される(特許文献1〜4)。
特開平11−320524号公報 特開平11−320764号公報 特開2001−323079号公報 特開2004−323766号公報
しかし、最近の各種用途の精密化などに伴い、使用される離型フィルムについても微細な欠点の無い、均一な品質が要求されるようになって来た。離型用フィルムから成形される成形体の品質は、基材として使用されるフィルムの精度や品質、特に表面欠点の有無に依存している。フィルムの欠点を減少するため、フィルム表面の粗大突起を低減するなどいろいろな改善が図られてきたが、小型化、高性能化などの市場の要求には十分応えられなかった。
特にセラミックコンデンサや積層インダクタ素子などに用いられるセラミックグリーンシートを製造する際に用いられる工程用離型フィルムは、最近の電子機器における小型化、軽量化の要請に伴い、それを構成する部品の薄膜化が必要となっている。セラミックコンデンサを製造するには、高誘電率セラミック粉体とバインダーを含む有機溶剤スラリーをポリエステルフィルム上に塗布乾燥しセラミックグリーンシートを作製する。ついで、導体ペーストを用いてスクリーン印刷などで導電パターンを形成し、セラミックグリーンシートを剥離する。この印刷されたセラミックグリーンシートを所定の順序で多数積層し、加熱圧着後、裁断し、所定のチップとし、焼成・焼結を行う方法が用いられる。このような工程では、前記のとおり、小型化の要求により、セラミックグリーンシートの厚さも薄いものが要求されている。グリーンシートの厚さが薄くなると工程フィルムとして用いるポリエステルフィルムも表面の平滑性ならびに加工特性を要求されている。以前よりセラミックグリーンシートの厚さを薄くするために様々な検討が行われているが、シリコーンコーティング工程の広幅化に伴い、ポリエステルフィルムの幅方向での熱収縮率差を小さくすることが、離型フィルムへの新たなる要求特性として望まれていた。
本発明者らは、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、従来技術のとおり、セラミックスラリー塗工時のスラリーはじき、あるいはピンホールの発生、グリーンシート剥離時のグリーンシート破断などの不具合の原因となるフィルム表面の粗大突起の低減に加え、ポリエステルフィルムの熱収縮率差を小さくすることにより、シリコーンコーティング工程での加工適正向上を可能とした。これにより、小型化に要求される離型用フィルムとして好適であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
150℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率がフィルム長手方向で1.0〜2.5%、フィルム幅方向で0.2〜1.6%であり、
100℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率がフィルム長手方向で0.2〜0.8%、フィルム幅方向で−0.2〜0.5%であり、
150℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であり、
150℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であり、
100℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下であり、
100℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下である離型用ポリエステルフィルム、である。
本発明により、小型化に適した、加工特性が良く品質の良い成形体を成形することが出来る離型用基材として好適なポリエステルフィルムが得られる。このフィルムを用いることにより、離型用ポリエステルフィルムとしては従来なし得なかった1500mm以上の製品幅の離型フィルムを提供することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルフィルムとは、分子配向により高強度フィルムとなるポリエステルであれば特に限定しないが、主としてポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称することがある)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートからなることが好ましい。特に好ましくは価格的にも優位なポリエチレンテレフタレートである。エチレンテレフタレート以外のポリエステル共重合体成分としては、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが目的とするフィルム物性を阻害しない範囲で使用できる。
上記ポリエステルは公知の方法で製造することができ、固有粘度は0.4〜0.9、好ましくは0.5〜0.7、さらに好ましくは0.55〜0.65である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくともポリエステルA層およびポリエステルB層からなる積層フィルムであることが好ましい。2層であるA層(表層)/B層(表層)であっても、さらに中間層(内層)を有するA層(表層)/C層(内層)/B層(表層)もしくはA層(表層)/B層(内層)/A層(表層)の3層であっても良い。3層構造の場合は、表層部の添加粒子量を制御することで、内層部にフィルム表面の特性に悪影響を与えない範囲で、製膜工程で発生するエッジ部分の回収原料、あるいは他の製膜工程のリサイクル原料などを適時混合して使用することで、コスト的なメリットを得ることが可能である。また、本発明の要旨を越えない限り、これらに限定されず、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
本発明のフィルムは、フィルム表面の粗さについては目標とするグリーンシート厚みにより決まるが、グリーンシート厚み1〜2μmを目標とする場合、少なくとも一方の表面の中心線粗さSRaが15〜25nm、十点平均粗さSRzが400nm以下で、高さ100nm以上300nm未満の表面突起個数が250個/mm以上、高さ300nmの表面突起個数が10個/mm以下であることが好ましい。ここで、SRa、SRzは三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られたる表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601に準じて測定を行って得る。
また、グリーンシート厚み2〜3μmを目標とする場合、少なくとも片面の表面の中心線粗さSRaが25〜35nm、十点平均粗さSRzが1000nm以下で、高さ300nm以上700nm未満の表面突起個数が200個/mm以上、高さ700nm以上の表面突起個数が10個/mm以下であることが好ましい。
本発明のフィルムの総厚みは23〜50μm、好ましくは25〜40μmである。また本発明のフィルムが2層構造である場合、A層/B層におけるA層、中間層(内層)を有する3層である場合、A層/C層/B層におけるA層およびB層、A層/B層/A層におけるA層の積層厚さは0.3〜3μm、好ましくは0.8〜2.5μm、さらに好ましくは0.8〜2μmである。積層厚さが0.3μm未満では、積層部(表層部)に含有される粒子が脱落する場合があり、一方、積層厚さが3μmを越えると、積層部に含有される粒子基づく形成突起の均一性が損なわれることがあり、好ましくない。
上記フィルムの表面粗さ特性は、フィルム中に微細な不活性粒子を含有させ、不活性粒子の平均粒径、含有量を制御することで達成できる。グリーンシート厚み1〜2μmを目標とする場合、フィルムに好ましくは平均粒子径0.2〜0.8μm、さらに好ましくは0.3〜0.6μmの不活性粒子を0.05〜0.6質量%、さらに好ましくは0.15〜0.4質量%含有することで達成できる。
含有する粒子は1種類であっても2種類以上であっても良いが、微細な不活性粒子Iと粒径が不活性粒子Iより小さい不活性粒子IIを併用することがとくに好ましい。平均粒子径が0.2〜0.4μmの不活性粒子IIを0.05〜0.2質量%と、平均粒子径が0.2〜0.8μm、好ましくは0.3〜0.6μmの不活性粒子Iを0.05〜0.6質量%、好ましくは0.15〜0.4質量%を併用して含有させると好ましく達成できる。
なお、フィルムが積層フィルムである場合、少なくとも一方の表層に上記の不活性粒子を上記の量含有させることによって達成することが出来る。
また、グリーンシート厚み2〜3μmを目標とする場合、フィルムに好ましくは平均粒径0.5〜2.0μm、さらに好ましくは0.8〜1.3μmの不活性粒子を0.05〜0.8質量%、さらに好ましくは0.3〜0.6質量%含有することで達成できる。
この場合も、含有する粒子は1種類であっても2種類以上であっても良いが、微細な不活性粒子IIと粒径が不活性粒子IIより大きい不活性粒子Iを併用することがとくに好ましい。平均粒径が0.2〜0.4μmの不活性粒子IIを0.05〜0.2質量%と、平均粒径が0.5〜2.0μm、好ましくは0.8〜1.3μmの不活性粒子Iを0.05〜0.8質量%、好ましくは0.3〜0.6質量%を併用して含有させると好ましく達成できる。
なお、フィルムが積層フィルムである場合、少なくとも一方の表層に上記の不活性粒子を上記の量含有させることによって達成することが出来る。
上記不活性粒子Iおよび不活性粒子IIは、異種の粒子であっても、同種の粒子であっても良い。さらに、不活性粒子は、球状シリカ、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機粒子、またその他有機系高分子粒子としては、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン−アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒子等が好ましい。特に不活性粒子Iおよび不活性粒子IIが共に有機粒子であることが好ましい。いずれの粒子についても、粒子形状・粒子径分布は均一なものが好ましく、とくに粒子形状は球形に近いものが好ましく、体積形状係数は好ましくはf=0.3〜π/6であり、より好ましくはf=0.4〜π/6である。体積形状係数fは、次式で表される。
f=V/Dm
ここでVは粒子体積(μm),Dmは粒子の投影面における最大径(μm)である。
なお、体積形状係数fは粒子が球の時、最大のπ/6(=0.52)をとる。また、必要に応じて濾過などを行うことにより、凝集粒子や粗大粒子などを除去することが好ましい。中でも、乳化重合法で等で合成された、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が好適に使用できるが、とくに架橋ポリスチレン粒子、架橋シリコーン、さらに球状シリカなどは体積形状係数が真球に近く、粒径分布が極めて均一であり、粒径の異なる不活性粒子I、不活性粒子IIとして使用した場合でも、小径粒子である不活性粒子IIの粒径分布に加え、大径粒子である不活性粒子Iの起因するダブルの存在ピークを持つ粒径分布を構成でき、フィルム表面突起形成の面で好ましい。
さらに、これらの粒子については界面活性剤などによる表処理を施すことにより、ポリエステルとの親和性の改善を図ることが可能であり、脱落の少ない突起を形成することが可能で好ましい。
また、不活性粒子を含有する粒子含有層を有する2層以上の積層フィルムとする場合、該不活性粒子の平均1次粒径dと粒子含有層の厚さtの比d/tは0.05以上2以下であることが好ましく、0.2以上1以下であるとさらに好ましい。d/tが0.05未満であると積層部に含有する粒子による均一な突起形成に劣り、一方、d/tが2を超えると積層部に含有している粒子の脱落などの懸念がある。
また必要に応じて、地肌補強の観点から一次粒径が0.005〜0.10μm、好ましくは0.01〜0.05μmのα型アルミナ、γ型アルミナ、δ型アルミナ、θ型アルミナ、ジルコニア、シリカ、チタン粒子などから選ばれる不活性粒子を表面突起形成に影響を及ぼさない範囲で含有してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、長手方向および横方向の破断強度の和が400〜600MPaであることが好ましく、さらに好ましくは520〜560MPaである。また、幅方向の破断強度が長手向の破断強度と同等以上が好ましく、その差は、0〜90MPaであり、さらに、その差が0〜40MPaの場合がさらに好ましい。
また、フィルムの破断伸度は80〜220%、好ましくは140〜190%であり、さらに、長手方向の破断伸度が横方向の破断伸度と同等以上が好ましく、その差が0〜50%の場合がさらに好ましく、さらに、長手方向の破断伸度が160〜190%、横方向の破断伸度が130〜170%で、長手方向の破断伸度が横方向の破断伸度より10〜40%大きい場合がさらに好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルムの長手方向の厚み斑が2μm以下であることが好ましく、さらに、好ましくは1.4μm以下である。従来から、フィルムの厚み斑を少なくすることはフィルムを製造する上での課題であったが、本発明の離型用フィルム、特に薄膜セラミックスコンデンサーの製造に適用される離型フィルムへ適用するには長手方向の厚み斑を前記範囲とすることがグリーンシートの厚さを薄くする上で好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルム表面に存在する高さ0.54μm以上の粗大突起が30個/100cm以下であることが好ましく、10個/100cm以下であるとさらに好ましい。0.81μm以上の粗大突起は、3個/100cm以下であることが好ましく、より好ましくは1個/100cm以下であり、実質的に無いことが最も好ましい。粗大突起数が上記の値を超えると、離型剤を塗布時、塗布ムラ、ピンホール状の塗布抜け欠点を生じる場合があり好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいては、熱収縮率を適性にコントロールすることが必要で、製膜条件における弛緩処理等の公知の方法により適宜調整することにより達成出来る。具体的には150℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率が長手方向で1.0〜2.5%、幅方向で0.2〜1.6%であることが必要であり、長手方向で1.3〜2.3%、幅方向で0.3〜1.3%であることがさらに好ましい。
また、100℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率が長手方向で0.2〜0.8%、幅方向で−0.2〜0.5%であることが必要であり、長手方向で0.3〜0.7%、幅方向で−0.1〜0.3%であることがさらに好ましい。
さらに、150℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であり、150℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であることが必要であり、0.08%/m以下であることがさらに好ましい。
さらに、100℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下であり、100℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下で、であることが必要であり、0.03%/m以下であることがさらに好ましい。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について説明する。ポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、粗大突起の発生を抑制でき好ましい。また粒子の水スラリーを直接、所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も本発明の効果に有効である。
このようにして準備した、粒子含有マスターペレットと粒子などを実質的に含有しないペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給し、ポリマーをフィルターにより濾過する。
また、ごく小さな異物もフィルム欠陥となるため、フィルターには例えば5μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。続いてスリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2から3台の押出機、2から3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば矩形合流部を有する合流ブロック)を用いて2層または3層に積層し、口金からシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。この場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
延伸方法は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。特に、同時二軸延伸においてはロールによる延伸を伴わないため、フィルム表面の局所的な加熱ムラを抑制し、均一な品質が得られると共に、延伸時にロール延伸に伴うフィルムとロールとの接触場所での速度差、ロールの微少傷の転写などによる特に窪み傷の発生を抑制でき好ましい。同時二軸延伸においては未延伸フィルムを、まず長手および幅方向に延伸温度を80〜130℃、好ましくは85〜110℃として同時に延伸する。延伸温度が80℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなると十分な強度が得られないため好ましくない。また、延伸ムラを防止する観点から、長手方向と幅方向の合計延伸倍率は4〜20倍、好ましくは6〜15倍である。合計延伸倍率が4倍よりも小さいと本発明の対象とする必要十分な強度が得られにくい。一方、倍率が20倍よりも大きくなると、フィルム破断が起こりやすく、安定したフィルムの製造が難しい。必要な強度を得るためには、温度140〜200℃、好ましは160〜190℃で長手方向及び/又は幅方向に1.02〜1.5、好ましくは1.05〜1.2倍で再度延伸を行うことが好ましく、合計延伸倍率が、長手方向で3〜4.5倍、好ましくは3.2〜4倍、幅方向に3.2〜5倍、好ましくは3.8〜4.5倍である。
その後、205〜240℃好ましくは220〜240℃で0.5〜20秒、好ましくは1〜15秒熱固定を行う。熱固定温度が205℃よりも低いとフィルムの結晶化が進まないため目標とする熱収縮率などが安定しにくいため好ましくない。また、フィルム物性を安定させるため、熱固定工程におけるフィルムの上面と下面の温度差が20℃以下であることが好ましく、より好ましくは10℃以下、更に好ましくは5℃以下である。フィルムの上面と下面での温度差が20℃よりも大きいと、熱固定時に微小平面性の悪化を引き起こしやすいため好ましくない。その後、長手及び/又は幅方向に0.5〜7.0%の弛緩処理を施す。
同時二軸延伸では後述する逐次二軸延伸とは異なり、高温空気によってフィルムが加熱される。そのため、フィルム表面のみ局所的に加熱されて粘着が発生することはなく、延伸方式として逐次延伸より好ましい。一方で、同時二軸延伸は最初の延伸温度である90℃前後から熱固定温度である240℃前後までのゾーンが全て長手方向につながっているため、随伴気流など高温空気の自由な流れによりフィルムの上面と下面との温度差が発生しやすかったり、幅方向に温度差が発生しやすい延伸方法でもある。温度差を低減する方法としては特に限定されないが、温度の異なるゾーンの間に高温空気の自由な流れを抑制するシャッターなどの設備を設けることが有効である。フィルムとシャッターの隙間は1〜250mm、好ましくは2〜100mm、更には3〜50mmであることが好ましい。隙間が1mmよりも小さいとフィルムがシャッターに接触し破れやすいため、製造が難しく好ましくない。しかしながら、250mmよりも大きいと熱特性のばらつきが大きくなり微小平面性が悪化しやすく好ましくない。フィルムとシャッターが接触しないようにするためには、ノズルから吹き出す風速を適宜調整することが有効である。
一方、本発明のポリエステルフィルムは、逐次二軸延伸を用いて製造することもできる。この場合、最初の長手方向の延伸が重要であり延伸温度は90〜130℃、好ましくは100〜120℃である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。また、延伸ムラ、及びキズを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、長手方向または幅方向における合計倍率は長手方向に3〜4.5倍、好ましくは3.5〜4倍であり、幅方向に3.2〜5倍、好ましくは3.9〜4.5倍である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいはフィルム破断などの問題を引き起こし、本発明の特徴とするフィルムが得られにくいため好ましくない。必要に応じて再度長手方向および/または幅方向に延伸した後、205〜240℃、好ましくは210〜230℃で0.5〜20秒、好ましくは1〜15秒熱固定を行う。特に熱固定温度が205℃よりも低くなるとフィルムの結晶化が進まないために構造が安定せず、目標とする熱収縮率などの特性が得られず好ましくない。
逐次二軸延伸においては、延伸過程で、フィルムとロールの接触が避けられず、ロールの周速とフィルムの速度差を極力抑えるようにするとともに、延伸ロールとしては、表面の粗さなどを制御しやすい非粘着性のシリコーンロールが好ましい。従来技術のようにセラミックスやテフロン(登録商標)更には金属のロールを用いても可能であるが、フィルム表面のみが局所的に加熱されて粘着が発生し、フィルム表面に傷を発生する場合があり、好ましくない。
さらに延伸ロールの表面粗さRaは、0.005〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.6μmである。Raが1.0μmよりも大きいと延伸時ロール表面の凸凹がフィルム表面に転写するため好ましくなく、一方0.005μmよりも小さいとロールとフィルム地肌が粘着し、フィルムが熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。表面粗さを制御するためには研磨剤の粒度、研磨回数などを適宜調整することが有効であるが、特に延伸ロールについては、懸念されるポリエステルの分解物、オリゴマーの付着、蓄積は回避するため、頻度の高いロール研磨が好ましい。
さらに、延伸部におけるロールとフィルムが接触する時間の合計は0.1秒以下、好ましくは0.08秒以下にすることがフィルムを製造する上で特に有効である。ロールとフィルムの接触時間が0.1秒よりも大きくなると、延伸ロールの熱によりフィルム表面のみが局所的に加熱され、引いては熱負荷時の微小平面性悪化を引き起こすこともあり、さらに、フィルムに傷を発生する場合もあり、好ましくない。接触時間を短くする方法としては、例えばフィルムを延伸ロールに巻き付けず、ニップロール間で平行に延伸することが有効である。
以下、実施例で本発明を詳細に説明する。
本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次の通りである。
(1)粒子の平均粒径
フィルムからポリマーをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像をイメージアナライザで処理する。SEMの倍率は粒径により、およそ5000〜20000倍から適宜選択する。観察箇所をかえて粒子数5000個以上で粒径とその体積分率から、次式で体積平均径dを得る。粒径の異なる2種類以上の粒子を含有している場合には、それぞれの粒子について同様の測定を行い、粒径を求めた。
d=Σ(di・Nvi)
ここで、diは粒径、Nviはその体積分率である。
粒子がプラズマ低温灰化処理法で大幅にダメージを受ける場合には、フィルム断面に透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、粒径により、3000〜20000倍で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所をかえて500視野以上測定し、上記式から体積平均径dを求める。
(2)粒子の体積形状係数
走査型電子顕微鏡で、粒子の写真を例えば5000倍で10視野撮影した上、画像解析処理装置を用いて、投影面最大径および粒子の平均体積を算出し、下記式により体積形状係数を得た。
f = V / Dm
ここで、Vは粒子の平均体積(μm)、Dmは投影面の最大径(μm)である。
(3)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いた。すなわち、
ηsp/C=[η]+K[η]・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とする)であり、[η]が固有粘度である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。固有粘度の単位は[dl/g]で示す。
(4)フィルム積層厚み
表面からエッチングしながらXPS(X線光電子光法)、IR(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、その粒子濃度のデプスプロファイルを測定する。積層フィルムの場合、最表層では、表面という空気−樹脂の界面のために粒子濃度は低く、表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。そして、深さ[I]で一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](ここで、II>I)を積層厚さとした。さらに、無機粒子などが含有されている場合には、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィルム中の粒子のうち最も高濃度の粒子の起因する元素の濃度(M+)とポリエステルの炭素元素の濃度(C+)の比(M+/C+)を粒子濃度とし、フィルム表面からの深さ(厚さ)方向の分析を行う。そして上記同様の手法から積層厚さを得る。
(5)破断伸度および破断強度
JIS C2151−1990に準じ、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロン”万能試験機RTC−1210)を用いて測定した。幅10mmの試料フィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/分の条件で引っ張り試験を行い、フィルムが破断した時の応力を求めて破断強度とし、フィルムが破断した時の歪み(伸び率)を求めて破断伸度とした。測定は23℃、湿度65%RHで行った。
(6)フィルム長手方向、幅方向の平均熱収縮率、および熱収縮率の最大値と最小値の差
製膜後のフィルムにおいて、図1に示すように幅方向の一方の端部をA端、もう一方の端部をB端とする。次いで、A端とB端の中点をC点とする(すなわち、幅方向の中点をC点とする)。次いで該C点からA端側に500mmの移動した地点をD点とする(すなわち、C点から幅方向に500mmの移動した地点をD点とする)。また、C点からB端側に500mmの移動した地点をE点とする。また、C点から長手方向に500mmの移動した地点をF点とする。また、C点から長手方向にF点とは反対方向に500mm移動した地点をG点とする。
a)100℃で30分間熱処理したときの幅方向の平均熱収縮率
C点、D点、E点において、フィルムサンプルを採取する。フィルムサンプルの大きさは幅10mm、長さ150mmとする。このとき、フィルムサンプルの長さ方向が、製膜後のフィルムの幅方向と一致するよう採取する。また、フィルムサンプルの重心がC点、D点、E点にそれぞれ一致するようサンプルを採取するものとする。
該フィルムサンプルの表面に、フィルムサンプルの長さ方向に対して間隔が約100mmとなるようにフィルムサンプルの幅方向に平行な2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を23℃で正確に測定しこれをL0とする。このフィルムサンプルをオーブン中にフィルムサンプルの長さ方向が上下方向となるよう、1.5gの荷重をかけて垂直に吊るした。次いで、100℃で30分間熱処理した後、再び2本のライン間の距離を23℃で測定しこれをL1とし、下式により熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0]×100。
C点、D点、E点で採取したそれぞれのサンプルについて得られた熱収縮率の平均を100℃で30分間熱処理したときの幅方向の平均熱収縮率とする。
b)100℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差
上記a)で得られたC点、D点、E点で採取したそれぞれのサンプルについて得られた熱収縮率の最大値と最小値の差を求め、これを100℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差とする。
c)150℃で30分間熱処理したときの幅方向の平均熱収縮率
熱処理温度を150℃とする以外はa)と同様の方法を用いて150℃で30分間熱処理したときの幅方向の平均熱収縮率を得るものとする。
d)150℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差
上記c)で得られたC点、D点、E点で採取したそれぞれのサンプルについて得られた熱収縮率の最大値と最小値の差を求め、これを150℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差とする。
e)100℃で30分間熱処理したときの長手方向の平均熱収縮率
C点、F点、G点においてフィルムサンプルを採取し、このとき、フィルムサンプルの長さ方向が、製膜後のフィルムの長手方向と一致するよう採取する以外はa)と同様の方法を用いて、100℃で30分間熱処理したときの長手方向の平均熱収縮率を得るものとする。
f)100℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差
上記e)で得られたC点、F点、G点で採取したそれぞれのサンプルについて得られた熱収縮率の最大値と最小値の差を求め、これを100℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差とする。
g)150℃で30分間熱処理したときの長手方向の平均熱収縮率
熱処理温度を150℃とする以外はe)と同様の方法を用いて150℃で30分間熱処理したときの長手方向の平均熱収縮率を得るものとする。
h)150℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差
上記g)で得られたC点、F点、G点で採取したそれぞれのサンプルについて得られた熱収縮率の最大値と最小値の差を求め、これを150℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差とする。
(7)フィルム表面粗さ(SRa、SRz値),表面突起個数
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られたる表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601に準じ、算術平均粗さSRa値、十点平均面粗さSRz値を求めた。突起高さは、切断面による切り口の面積率が70%になる切断面を基準とし高さを算出した。上記条件で測定した、高さ0nm以上の突起数について、10nm刻みでそれぞれを個/mmに換算した。測定条件は下記のとおり。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒。
Y方向送りピッチ:5μm、Y方向ライン数:40本。
カットオフ:0.25mm。
触針圧:0.02mN。
高さ(Z方向)拡大倍率:5万倍。
(8)粗大突起数
粗大突起数は10cm四方の大きさのフィルムを測定する面同士を2枚重ね合わせて、印可電圧をかけて静電気力で密着し、フィルム表面の粗大突起により発生する干渉縞から高さを推定する。干渉縞が1重環で0.270μmであり、2重環0.540μmおよび3重環0.810μm以上の粗大突起個数を測定した。光源としては、ハロゲンランプに564nmのバンドパルスフィルターをかけたものを用いた。
(9)長手方向の厚み斑
下記の構成の安立電気製フィルム厚み連続測定器を用いて、フィルム長手方向に15m測定し、記録されたフィルム厚さチャートから、最大厚みと最小厚みの差を厚み斑(μm)として測定した。測定条件は下記のとおりである。なお、本装置に制限されるものでなく、他のフィルム厚み測定装置でも可能であり、少なくとも長手方向15mのフィルム厚みの最大値と最小値の差を厚み斑とすることによって得られる。
構成:K−306C広範囲電子マイクロメータ、K−310Cレコーダー、フィルム送り装置。
フィルム幅:45mm、測定長:15m、フィルム送り速度:3m/分
検出器:3Rルビー端子、測定力:15±5g。
(10)延伸ロールの表面粗さ
Mitutoyo(株)製の表面粗さ計サーフテスト301を使用して、カットオフ0.25mmにてロール幅方向3点において中心面平均粗さを測定し、その平均値を採用した。
実施例1
ジメチルテレフタレート(DMT)に、DMT・1モルに対し1.9モルのエチレングリコールおよび酢酸マグネシウム・4水塩をDMT100質量部に対し0.05質量部、リン酸を同じくDMT100質量部に対し0.015質量部を加え加熱エステル交換を行い、引き続き三酸化アンチモンをDMT100質量部に対し0.025質量部を加え、加熱昇温し真空化で重縮合反応を行い、粒子を実質的に含有しない、固有粘度0.63のホモポリエステル(PET)ペレットを得た。
さらに、平均粒子径0.45μm、体積形状係数f=0.51のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに、ベント式二軸混練機を用いて含有させ、平均粒子経0.45μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し1質量%含有するマスターペレットを得た。同様に、平均粒子経0.3μm、体積形状係数f=0.51のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記と同様に実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに、ベント式二軸混練機を用いて含有させ、平均粒子経0.3μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し2質量%含有するマスターペレットを得た。
次に、ジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を含有するマスターペレットおよび実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットを混合し、平均粒子径0.3μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を0.10質量%、平均粒子経0.45μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を0.20質量%含有するポリエステルAを調整した。
さらに、本発明の製膜工程で発生したエッジ部分などを主体とする回収フィルムからなるホモポリエステル(PET)原料を60%、および実質的に粒子を含有しないホモポリエステル(PET)ペレットを40%の重量比で混合し、ポリエステルBを調整した。
このポリエステルA,Bをそれぞれ160℃で8時間減圧乾燥した後、別々の押出機に供給し、275℃で溶融押出して高精度濾過した後、矩形の3層用合流ブロックで合流積層し、ポリエステルAからなるA層/ポリエステルBからなるB層/ポリエステルAからなるA層の3層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。
この未延伸フィルムを長手方向に3.60倍延伸し、続いてステンタにて110℃の熱風下で幅方向に4.45倍延伸し、該ステンタにて220℃で熱固定を行い、厚み31μm、ポリエステルA層の厚みが1.5μm、ポリエステルB層の厚みが28μm、幅方向の長さが1.5mの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2、3、比較例1〜5
A層に添加する粒子種、粒径、添加量、フィルム総厚み、A層の厚み、B層の厚み、延伸条件等を変更する以外は実施例1と同様にして幅方向の長さが1.5mの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1〜4に示す。
Figure 2009215350
Figure 2009215350
Figure 2009215350
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本発明のフィルムは、各種離型用ポリエステルフィルムとして利用可能である。特にセラミックコンデンサ生産時に使用されるグリーンシート用、液晶偏光板用、フォトレジスト用、またポリエステルフィルム上にエポキシ樹脂等をコ−ティングして製造される多層基板用などに好適な各種離型用フィルムとして利用することができる。
熱収縮率測定用サンプルの採取説明図である。
符号の説明
1:フィルム

Claims (8)

  1. 150℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率がフィルム長手方向で1.0〜2.5%、フィルム幅方向で0.2〜1.6%であり、
    100℃で30分間熱処理したときの平均熱収縮率がフィルム長手方向で0.2〜0.8%、フィルム幅方向で−0.2〜0.5%であり、
    150℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であり、
    150℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.12%/m以下であり、
    100℃で30分間熱処理したときのフィルム長手方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下であり、
    100℃で30分間熱処理したときのフィルム幅方向の熱収縮率の最大値と最小値の差が0.05%/m以下である離型用ポリエステルフィルム。
  2. 逐次二軸延伸法によって製造されたことを特徴とする請求項1に記載の離型用ポリエステルフィルム。
  3. 平均1次粒子径が300〜600nmの不活性粒子を含有し、
    少なくとも一方の表面の中心線平均粗さSRaが15〜25nm、十点平均粗さSRzが400nm以下であり、
    かつ高さ100nm以上300nm未満の表面突起個数が250個/mm以上、高さ300nm以上の表面突起個数が10個/mm以下である請求項1または2に記載の離型用ポリエステルフィルム。
  4. 平均1次粒子径が600〜1500nmの不活性粒子を含有し、
    少なくとも一方の表面の中心線平均粗さSRaが25〜35nm、十点平均粗さSRzが1000nm以下であり、
    かつ高さ300nm以上700nm未満の表面突起個数が200個/mm以上、高さ700nm以上の表面突起個数が10個/mm以下である請求項1または2に記載の離型用ポリエステルフィルム。
  5. 長手方向および幅方向の破断強度の和が400〜600MPaである請求項1〜4のいずれかに記載の離型用ポリエステルフィルム。
  6. 2層以上の積層構造を有する積層フィルムであって、少なくとも一方の表層に平均粒子経の異なる2種類の有機粒子を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の離型用ポリエステルフィルム。
  7. 高さ0.81μm以上の粗大突起数が3個/100cm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の離型用ポリエステルフィルム。
  8. 不活性粒子を含有する粒子含有層を有する2層以上の積層フィルムであって、不活性粒子の平均1次粒径dと粒子含有層の厚さtの比d/tが0.05以上2以下である粒子含有層を有する請求項1〜7のいずれかに記載の離型用ポリエステルフィルム。
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