JP2003301052A - 離型フィルム用ポリエステルフィルム - Google Patents

離型フィルム用ポリエステルフィルム

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JP2003301052A JP2002105974A JP2002105974A JP2003301052A JP 2003301052 A JP2003301052 A JP 2003301052A JP 2002105974 A JP2002105974 A JP 2002105974A JP 2002105974 A JP2002105974 A JP 2002105974A JP 2003301052 A JP2003301052 A JP 2003301052A
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Hiroteru Okumura
博輝 奥村
Kenji Yoshihara
賢二 吉原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえば、セラミックスラリーを離型フィル
ム上に設置した際に、設置したセラミック層の厚みムラ
を著しく低減化することができ、かつセラミックスラリ
ー層のピンホールが抑制できるような優れた特性を有す
る、離型フィルムのベースフィルムとして有用なポリエ
ステルフィルムを提供する。 【解決手段】 フィルム長手方向の引張り弾性率(E
MD)が4.0GPa以上であることを特徴とする離型
フィルム用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型フィルムのベ
ースフィルムに関し、詳しくはセラミック積層コンデン
サーに使用するグリーンシート成型などに使用される離
型フィルムのベースフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック積層コンデンサー用に
グリーンシート成形用キャリアフィルムとしてポリエス
テルフィルムを基材とする離型フィルムが使用されてお
り、近年、電子機器の小型化に伴うコンデンサーの小型
化に伴い、セラミックグリーンシート自体が薄膜化され
ている。かかる状況の中、離型フィルム上にセラミック
スラリーを塗設したセラミックグリーンシート上のセラ
ミック層厚みのバラツキが大きい場合、かかるセラミッ
クグリーンシートを用いて積層セラミックコンデンサー
とした際の静電容量のバラツキを発生させる場合があり
実害となっている。そのため、セラミック層の厚さバラ
ツキを小さくなるような離型フィルム用ポリエステルフ
ィルムを提供することが必要となっている。
【0003】また、離型フィルムにおいて離型層表面の
粗大突起の高さが高い場合、セラミックスラリー塗工時
のスラリーのはじき、ピンホールの発生、グリーンシー
ト剥離時にはグリーンシートの破断等の不具合が生じる
場合があり、離型フィルムの粗大突起高さの低減化、特
にそのベースフィルムの粗大突起高さ低減化等の対策が
必要となる場合もある。さらには、ベースフィルムの粗
大突起高さを著しく低減化した場合、若しくはベースフ
ィルムの平均粗さを著しく低減化した場合、離型層を設
置して巻き取る際にブロッキング発生や離型フィルムの
搬送性悪化等の問題が生じる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、例えば、
セラミックスラリーを離型フィルム上に設置した際に、
セラミック層の厚みムラを低減化し、かつセラミックス
ラリー層のピンホールが抑制できるようなポリエステル
フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有す
るフィルムによれば、上記課題が容易に解決できること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、フィルム長手
方向の引張り弾性率(EMD)が4.0GPa以上であ
ることを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィル
ムに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオ
ールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合
によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸と
しては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
【0008】かかるポリマーの代表的なものとして、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6―ナフタレート等が例示され
る。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、
また第3成分を共重合させたものでもよい。本発明のフ
ィルムとしては、優れた強度や寸法安定性の観点から二
軸延伸フィルムが好ましく用いられるが、本発明の要旨
を越えない限り、未延伸または少なくとも一方に延伸さ
れたポリエステルフィルムを用いることもできる。本発
明のポリエステルフィルムは、フィルム長手方向の引張
り弾性率(EMD)が4.0GPa以上であることが必
要である。引張り弾性率が4.0GPa未満である場合
には、セラミックスラリーを塗布する際に一般的に使用
されているスロットダイと基材である離型層を設置され
たポリエステルフィルムとの間隔が変動する場合があ
り、結果としてセラミック層の厚さバラツキを引き起こ
す原因となり好ましくない。
【0009】また、通常は離型層を設置する面であるフ
ィルム表面(A面)のRmaxは、500nm以下であ
り、かつSRa(A)が30nm以下であることが望ま
しく、Rmaxが200nm以下であることが特に望ま
しい。離型層設置面のRmaxが500nmより大きい
場合、またはSRa(A)が30nmより大きい場合、
離型層を設置した際に、離型層の抜け(ピンホール)や
塗工ムラが起こり、実用上好ましくない場合がある。さ
らにA面の反対側のフィルム表面(C面)の中心面平均
粗さSRa(C)は10〜50nm、特に15〜30n
mであることが好ましい。SRa(C)が10nm未満
の場合、離型フィルムとした際に、ブロッキングの発生
や離型フィルムの搬送性悪化等の問題が生じる場合があ
り、好ましくない場合がある。またSRa(C)が50
nmを超える場合、離型層設置面への表面突起の転写、
いわゆる裏写りが生じる場合があり、好ましくない場合
がある。さらには、フィルム表面に著しいキズがある場
合にも前述のピンホールの発生を引き起こす場合があ
り、フィルムの耐擦傷性が高い方が望ましい。
【0010】かかるポリエステルフィルムのRmax、
SRaを前述の範囲とするには、不活性微粒子、例えば
シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、酸化
アルミニウム、硫酸バリウム、ゼオライト等の無機粒
子、またはシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、アクリ
ル樹脂等の有機粒子を単独または混合体でフィルム中に
配合させることが好ましい。この場合、使用する粒子の
平均粒径、添加量、さらに粒径分布は、本発明の要旨を
逸脱しない限り、特に限定されるものではないが、平均
粒径は0.1〜4.0μm、添加量は0.01〜3.0
重量%、粒径分布はその分散が小さい方がそれぞれ好ま
しい。特にA面のRmax、Raを前述の範囲とするに
は、酸化アルミニウムを添加することが好ましく、その
添加濃度が0.3〜3.0重量%の範囲内である場合に
耐擦傷性が向上し、特に好ましい。
【0011】また本発明のポリエステルフィルムのフィ
ルムヘーズは、20%以下であることが好ましく、特に
10%以下が好ましい。フィルムヘーズが20%以上で
あると、そのフィルムを用いてグリーンシートとした際
に、グリーンシートの検査として広く用いられている、
透過光を使用した目視によるグリーンシートのピンホー
ル検査の際に障害となることがあり、好ましくない場合
がある。また本発明のポリエステルフィルムは、本発明
の要旨を越えない限り、単層フィルムであっても複数の
層が積層された多層フィルムよいが、片面を極めて平滑
にし、ピンホールの数や塗工ムラを低減化させ、同時に
平滑面の反対面を粗面化することにより耐ブロッキング
性を保持させようとした場合、例えば2種2層や3種3
層といった構成で表裏異粗度であることが望ましく、さ
らには、例えば3種3層といった中間層と2つの表層と
を相異なる原料配合とすることができるようなフィルム
構成とすることにより、中間層に微粒子を配合しなくと
も、表層にのみ微粒子を添加するだけで本発明の要旨を
満足する場合があり、微粒子を起因とする異物の削減や
生産コスト低減化等が可能となり、より望ましい。
【0012】以下、本発明のフィルムの製造方法に関し
て具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、
本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。公
知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出
装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温
度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイ
から押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の
温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配
向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させ
るため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めるこ
とが好ましく、本発明においては静電印加密着法および
/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0013】本発明においては、このようにして得られ
たシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条
件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ま
しくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦
1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で
2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒
間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理
の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリン
グゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.
1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じ
て再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
【0014】本発明のポリエステルフィルムは、本発明
の要旨を損なわない範囲であれば、その要求特性に応じ
て、必要な特性、例えば帯電防止性、耐候性および表面
硬度の向上のため、必要に応じて縦延伸終了後、横延伸
のテンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥す
る、いわゆるインラインコートを行ってもよい。また、
フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行
ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれで
もよい。コーティングの材料としては、オフラインコー
ティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれで
もよいが、インラインコーティングの場合は水系または
水分散系が好ましい。また、本発明のポリエステルフィ
ルムには、本発明の要旨を損なわない範囲であれば、他
の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポ
リトリメチレンテレフタレート等を混合することができ
る。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔
料、蛍光増白剤等を混合することができる。
【0015】本発明のポリエステルフィルムに離型層を
設置する場合、離型層を構成する材料は離型性を有する
ものであれば特に限定されるものではなく、硬化型シリ
コーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂との
グラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用し
てもよい。それらの中でも、硬化型シリコーン樹脂を主
成分とした場合に離型性が良好な点で良い。硬化型シリ
コーン樹脂の種類としては、溶剤付加型・溶剤縮合型・
溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶
剤紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反
応タイプでも用いることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、
特性は以下のように測定、または定義されたものであ
る。実施例中、「%」は「重量%」を意味する。
【0017】(1)引張り弾性率の測定 (株)インテスコ製 引張試験機インテスコモデル20
01型を用いて、温度23℃ 湿度50%RHに調節さ
れた室内において、長さ300mm、幅20mmの試料
フィルムを、10%/分のひずみ速度で引張り、引張応
力−ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて下記式(1)
によって計算する。 E=(Δσ/Δε)×9.807 …(1) (上記式中、Eは引張弾性率(MPa)、Δσは直線上
の2点間の元の平均断面積による応力差、Δεは同じ2
点間のひずみ差を意味する)
【0018】(2)最大突起高さ(Rmax)の測定 3cm角のフィルム試料の表面にAl蒸着を行い、直接
位相検出干渉法、いわゆる2光束干渉法を用いた非接触
式3次元粗さ計(マイクロマップ社製512)で、測定
波長:554nm、対物レンズ倍率:20倍の条件に
て、232μm×177μmの測定領域におけるフィル
ム表面のP−V値を50点にわたり測定し、50点のP
−V値を平均して試料の最大突起高さ(Rmax)とし
た。
【0019】(3)中心面平均粗さの測定 3cm角のフィルム試料の表面にAl蒸着を行い、直接
位相検出干渉法、いわゆる2光束干渉法を用いた非接触
式3次元粗さ計(マイクロマップ社製512)で、測定
波長:554nm、対物レンズ倍率:20倍の条件に
て、突起高さ分布曲線より、232μm×177μmの
測定領域におけるフィルム表面の中心面平均粗さSRa
を50点にわたり測定し、50点のSRa値を平均し
て、フィルムのSRaを算出した。
【0020】(4)厚みムラの測定 安立電気社製連続フィルム厚み測定器(電子マイクロメ
ーター使用)により、二軸延伸フィルムの縦方向、およ
び横方向に沿って測定し、3m長さについて、下記式
(2)により算出した。 厚みムラ(%)=(最大厚み−最小厚み)×100/平均厚み …(2)
【0021】(5)フィルムヘーズの測定 JIS−K6714に準じ、日本電色工業社製分球式濁
度計NDH−20Dによりフィルムのヘーズを測定し
た。
【0022】(6)スラリー塗工性の評価 フィルム表面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学製
「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製
「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(M
EK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離型剤
を塗工量が0.1g/mmになるように塗布して離型
フィルムを得た。その後、下記組成より成るセラミック
スラリーを湿潤状態で5μmとなるように離型面上に塗
布し、その際のスラリー塗工性を下記判定基準にて判定
を行った。 <セラミックスラリー組成> セラミック粉体(チタン酸バリウム) 100部 結合剤(ポリビニルブチラール樹脂) 5部 可塑剤(フタル酸ジオクチル) 1部 トルエン/MEK混合溶媒(1:1の配合比率) 10部 <スラリー塗工性 判定基準> ◎:スラリーの塗工性が極めて良好 ○:スラリーの塗工性が良好 △:微小なスラリーのはじきが見られる ×:スラリーをはじく 上記基準中、◎、○および△は実用上問題ないレベルで
ある。
【0023】(7)セラミックグリーンシートの厚みム
ラ評価 フィルム表面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学製
「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製
「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(M
EK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離型剤
を塗工量が0.1g/mmになるように塗布して離型
フィルムを得た。その後、下記組成より成るセラミック
スラリーを公知の手法により湿潤状態で12μmとなる
ようにスロットダイを用いて離型面にセラミック層を塗
設してセラミックグリーンシートを作成し、セラミック
グリーンシートの厚さを非接触式のβ線厚み計にてフィ
ルム上における縦方向、横方向のセラミック層の厚みを
実測し、その結果を基に下記判定基準にて判定を行っ
た。 <セラミックスラリー組成> セラミック粉体(チタン酸バリウム) 100部 結合剤(ポリビニルブチラール樹脂) 5部 可塑剤(フタル酸ジオクチル) 1部 トルエン/MEK混合溶媒(1:1の配合比率) 10部 <グリーンシート厚みムラ判定基準> ◎:厚みムラが1%未満 ○:厚みムラが1以上2%未満 △:厚みムラが2%以上3%未満 ×:厚みムラが3%以上 上記基準中、◎、○および△は実用上問題ないレベルで
ある。
【0024】(8)耐擦傷性 大平理化工業(株)社製RUBBING TESTER
を使用し、専用のフェルトで試料表面を10往復摩擦さ
せた。この時の荷重は200gであった。摩擦後の表面
を目視で観察し、以下のランクに分けた。 ◎:キズが付かないか殆ど付かない △:キズが少ない ×:キズが多い 上記基準中、△および◎は実用上問題のないレベルであ
る。
【0025】(9)離型フィルムのブロッキング性の評
価 フィルム表面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学製
「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製
「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(M
EK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離型剤
を塗工量が0.1g/mmになるように塗布して離型
フィルムを得た。その後、作成した離型フィルムを10
cm角に裁断し、離型面と離型層が設けられていない面
が合わさるように10枚重ね、100℃、1時間、10
kg/cmの条件下でプレスした後、剥離時のブロッ
キング発生の程度を、下記判定基準にて判定した。 <判定基準> ◎:ブロッキングの発生が全く認められない。 ○:ブロッキングの発生が殆どない。 △:ブロッキングの発生が認められる。 ×:ブロッキングの発生が顕著に認められる。 上記基準中、◎、○、△は、実用上問題ないレベルであ
る。
【0026】実施例1 (ポリエステルチップの製造法)ジメチルテレフタレー
ト100部、エチレングリコール70部、および酢酸カ
ルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温す
ると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、
反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実
質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04
部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法
に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げ
て、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じ
て、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応
を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステルAを
得た。上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径0.
7μmの炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポ
リエステルBを得た。さらに、上記ポリエステルAを製
造する際、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを200
00ppm添加し、ポリエステルCを得た。さらに、上
記ポリエステルAを製造する際、平均粒径0.2μmの
酸化アルミニウムを20000ppm添加し、ポリエス
テルDを得た。
【0027】(ポリエステルフィルムの製造)上記ポリ
エステルA、Dをそれぞれ50%、50%の割合で混合
した混合原料1をA層の原料とし、ポリエステルA、C
をそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料2を
C層の原料とし、2台の押出機に各々を供給し、各々2
85℃で溶融した後、A層およびC層を最外層(表層)
20℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種2層
の層構成で共押出し冷却固化させて無配向シートを得
た。次いで、90℃にて縦方向に4.6倍の縦延伸倍率
で延伸した後、テンター内で予熱工程を経て100℃で
3.8倍の横延伸倍率で延伸し、230℃で10秒間の
熱処理を行い38μmのポリエステルフィルムを得た。
なお、各層の厚さは下記表1に示すとおりであった。得
られたポリエステルフィルムは、グリーンシートの厚み
ムラレベルが良く、スラリー塗工性、耐ブロッキング
性、透明性にも優れ実用性の高いフィルムであった。
【0028】実施例2 実施例1で縦延伸倍率、横延伸倍率をそれぞれ3.2
倍、4.2倍として延伸した以外、実施例1と同様な方
法にて38μmのポリエステルフィルムを得た。得られ
たポリエステルフィルムは、表1に示したような結果と
なり、いずれも実用性の高いフィルムであった。
【0029】実施例3 実施例1で縦延伸倍率、横延伸倍率をそれぞれ5.2
倍、4.3倍として延伸した以外、実施例1と同様な方
法にて38μmのポリエステルフィルムを得た。得られ
たポリエステルフィルムは、表1に示したような結果と
なり、いずれも実用性の高いフィルムであった。
【0030】実施例4〜6 表1に示す原料配合にて各層の混合原料を作成し、3台
の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、
A層およびC層を最外層(表層)、B層を中間層とし
て、20℃に冷却したキャスティングドラム上に、3種
3層の層構成で共押出し冷却固化させて無配向シートを
得た以外、実施例1と同様な方法にて製造し、ポリエス
テルフィルムを得た。尚、ポリエステルフィルムの各層
の厚さは表2に示すとおりであった。得られたポリエス
テルフィルムは、グリーンシートの厚みムラレベルが良
く、スラリー塗工性、耐ブロッキング性、透明性にも優
れ実用性の高いフィルムであった。
【0031】比較例1〜4 A層、B層、C層の原料配合を表2に示す通りとし、縦
延伸倍率、横延伸倍率を共に4.0倍とした以外、実施
例4と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得
た。得られたポリエステルフィルムは、表2に示すよう
な特性であり、それぞれ実用性に欠けたフィルムであっ
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、セラミックスラリーを
離型フィルム上に設置した際に、セラミック層の厚みム
ラを低減化し、かつセラミックスラリー層のピンホール
が抑制できるようなポリエステルフィルムを提供するこ
とができ、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44 AF20 AH12 BB08 BC01 BC10 BC15 BC16 4F100 AK41A AK41B AK52 AR00C BA03 BA05 BA10A BA10C DD07 EH202 EJ383 JK14 JL14C JN01 YY00 5E082 AB03 BC38 FG06 FG26 FG46 PP04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム長手方向の引張り弾性率
    (EMD)が4.0GPa以上であることを特徴とする
    離型フィルム用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】一方の面(A面)の最大突起高さ(Rma
    x(A))が500nm以下であり、中心面平均粗さ
    (SRa(A))が30nm以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の離型フィルム用ポリエステルフィル
    ム。
  3. 【請求項3】A面の反対面(C面)の中心線平均粗さS
    Ra(C)が10〜50nmであることを特徴とする請
    求項1または2記載の離型フィルム用ポリエステルフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】フィルムヘーズが20%以下であることを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の離型フィルム
    用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】少なくとも2層以上の共押出積層構造であ
    ることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の離型
    フィルム用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れかに記載のポリエステ
    ルフィルムのA面上に離型層を設置してなることを特徴
    とするグリーンシート用離型フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006069119A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Mitsubishi Polyester Film Copp キャスト法によるプラスチックフィルム製造用支持体フィルム
US20150050457A1 (en) * 2012-03-28 2015-02-19 Lintec Corporation Release film for ceramic green sheet production process
JPWO2014203702A1 (ja) * 2013-06-18 2017-02-23 東レ株式会社 離型用二軸配向積層ポリエステルフィルム
WO2018163924A1 (ja) * 2017-03-09 2018-09-13 リンテック株式会社 グリーンシート形成用剥離フィルム

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