JP2004196856A - 離型フィルム用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばセラミックスラリー等を離型フィルム上に設置した際に、設置した層の厚さムラを低減化し、かつ設置した層のピンホールが抑制できるようなポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】局所的なタルミが実質的に存在しないことを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルムであり、一方の表面(A面)の最大突起高さ(Rmax(A))が500nm以下であり、中心面平均粗さ(SRa(A))が30nm以下であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離型フィルムのベースフィルムに関し、詳しくは積層セラミックコンデンサーに使用するグリーンシートの成型などに好適に使用される離型フィルム用のベースフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層セラミックコンデンサー用にグリーンシート成形用キャリアフィルムとしてポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが使用されているが、近年の電子機器の小型化に応じて、コンデンサー自体の小型化が進んでおり、セラミックグリーンシート自体を薄膜化していくことが必要となっている。
【0003】
セラミックグリーンシートとは、離型フィルム上にセラミックスラリーを塗設することにより製造されるが、離型フィルム上に塗設したセラミック層の厚さバラツキが大きい場合、積層セラミックコンデンサーとした時のコンデンサーの静電容量のバラツキを発生させ実害となる場合がある。特に、セラミック層の厚さが例えば3μm以下の極薄層を多層で積層するいわゆる高積層タイプの場合においては、かかる厚さバラツキが静電容量のバラツキに顕著に影響を与える場合が多く、従来のポリエステルフィルムを使用した離型フィルムでは、使用に耐えない場合があることが判明した。そこで、特に高積層タイプのセラミックコンデンサーを製造する際に使用する離型フィルムにおいて、セラミック層の厚さバラツキをより小さくできるような離型フィルム用ポリエステルフィルムを提供することが必要となってきている。
【0004】
また、離型フィルムにおいて離型層表面の粗大突起の高さが高い場合、セラミックスラリー塗工時のスラリーのはじき、ピンホールの発生、また、グリーンシートの剥離時にはグリーンシートの破断等の不具合が生じる場合があり、離型フィルムの粗大突起高さの低減化、特にそのベースフィルムの粗大突起高さ低減化等の対策が必要となる場合もある。
さらには、ベースフィルムの粗大突起高さを著しく低減化した場合、若しくはベースフィルムの平均粗さを著しく低減化した場合、離型層を設置して巻き取る際にブロッキング発生や離型フィルムの搬送性悪化等の問題が生じる場合もある。
従来の離型フィルム用ポリエステルフィルムとしては、表面粗度を規定し、ピンホールの発生を抑止したもの(例えば、特許文献1参照)や、ポリエステルフィルムの加熱収縮率の分布を規定したもの(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、上記の問題を解決しうるものではない。
【0005】
【特許文献1】特開平14−160208号公報
【特許文献2】特開平7―227903号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、例えばセラミックスラリー等を離型フィルム上に設置した際に、設置した層の厚さムラを低減化し、かつ設置した層のピンホールが抑制できるようなポリエステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムにより、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、局所的なタルミが実質的に存在しないことを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルムに在する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
【0010】
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6―ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
【0011】
本発明のフィルムとしては、優れた強度や寸法安定性の観点から二軸延伸フィルムが好ましく用いられるが、本発明の要旨を越えない限り、未延伸または少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用いることもできる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの局所的なタルミが実質的に存在していないことが肝要であり、ポリエステルフィルムに局所的なタルミがある場合、離型フィルムとしてセラミック層等を塗設した際に、局所的にタルミのある部分に塗設した層の厚さが厚くなり、結果として塗設層の厚さバラツキを生じさせ、製品の不良となる。
【0012】
本発明でいうポリエステルフィルムの局所的なタルミとは、図1に例示するようなタルミのことである。一般的に、ポリエステルフィルムロールの場合、図2に例示するように、ロール端面からの吸湿の影響でロール端部に相当する位置にタルミ(以後、吸湿タルミと呼ぶ)を生じる場合があるが、離型フィルムとしてセラミック層等を塗設する工程においては、離型フィルム端部には塗設しないことが一般的であることから、吸湿タルミは特に問題とならない場合が多く、かかる吸湿タルミは、前記した局所タルミとは相別される。
【0013】
本発明のフィルムにおいて、離型層を設置する面となるフィルム表面(A面)のRmaxが500nm以下であり、SRa(A)が30nm以下であることが望ましく、Rmaxが200nm以下であることが特に望ましい。A面のRmaxが500nmより大きい場合、またはSRa(A)が30nmより大きい場合、離型層を設置した際に、離型層の抜け(ピンホール)や塗工ムラが起こり、実用上好ましくない場合がある。
【0014】
さらにA面の反対側の表面(C面)の中心面平均粗さSRa(C)は10〜50nm、特に15〜30nmであることが好ましい。SRa(C)が10nm未満の場合、離型フィルムとした際に、ブロッキングの発生や離型フィルムの搬送性悪化等の問題が生じる場合がある。また、SRa(C)が50nmを超える場合、離型層設置面への表面突起の転写、いわゆる裏写りが生じる場合がある。
【0015】
さらには、フィルム表面に著しいキズがある場合にも前述のピンホールの発生を引き起こす場合があり、フィルムの耐擦傷性が高い方が望ましい。
ポリエステルフィルム表面のRmax、SRaを前述の範囲とするには、不活性微粒子、例えばシリカ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ゼオライト等の無機粒子、またはシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、アクリル樹脂等の有機粒子を単独または混合体でフィルム中に配合させることが好ましい。この場合、使用する粒子の平均粒径、添加量、さらに粒径分布は、本発明の要旨を逸脱しない限り、特に限定されるものではないが、平均粒径は0.1〜4.0μm、添加量は0.01〜3.0重量%、粒径分布はその分散が小さい方がそれぞれ好ましい。特に酸化アルミニウムを添加することが好ましく、その添加濃度が0.3〜3.0重量%の範囲内である場合に、上記の表面性に加え、耐擦傷性も向上し特に好ましい。
【0016】
また、本発明のポリエステルフィルムは、本発明の要旨を越えない限り、単層フィルムであっても複数の層が積層された多層フィルムよいが、片面を極めて平滑にし、ピンホールの数や塗工ムラを低減化させ、同時に平滑面の反対面を粗面化することにより耐ブロッキング性を保持させようとした場合、例えば2種2層や3種3層といった構成で表裏異粗度であることが望ましく、さらには、例えば3種3層といった中間層と2つの表層とを相異なる原料配合としたフィルム構成とすることにより、中間層に微粒子を配合しなくとも、表層にのみ微粒子を添加するだけで本発明の要旨を満足する場合があり、微粒子を起因とする異物の削減や生産コスト低減化等が可能となり、より望ましい。
【0017】
以下、本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の効果を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0018】
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
【0019】
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その要求特性に応じて必要な特性、例えば帯電防止性、耐候性および表面硬度の向上のため、必要に応じて縦延伸終了後、横延伸のテンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥する、いわゆるインラインコートを行ってもよい。また、フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては、オフラインコーティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。
【0020】
また、本発明のポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等を混合することができる。
【0021】
本発明のポリエステルフィルムに離型層を設置する場合、離型層を構成する材料は離型性を有するものであれば特に限定されるものではなく、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。それらの中でも、硬化型シリコーン樹脂を主成分とした場合に離型性が良好な点で良い。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては溶剤付加型・溶剤縮合型・溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。実施例中、「%」は「重量%」を意味する。
【0023】
(1)局所タルミの測定
1000mm幅のポリエステルフィルムロールよりポリエステルフィルムを1000mm幅×3m長の大きさに切り出し、水平盤上に設置したオレフィン系樹脂製のカッティングマット上に切り出したフィルムを置き、フィルムに局所タルミが実質的に確認できなくなる程度まで、ゴムロールにてフィルムを扱く。この状態でフィルムを5分間放置した後、蛍光灯下で目視にてフィルムの面状を観察し、フィルムに局所的なタルミが生じている結果として現れる、空気を巻き込みフィルムが膨れた状態となっている部分(局所タルミ部分)の有無を以下の基準で判定した。ここで、図2に示すようなフィルム端部よりフィルム中央部に向けて連続的にタルミを生じているものを吸湿タルミとし、局所タルミと相別して判定した。
○:局所タルミが実質的になく、良好な平面性である
×:局所タルミが明瞭に観察され、不良な平面性である
また、ここでいう局所タルミが実質的にないことというのは、俯角が45〜90度の範囲内でフィルム面状を目視にて観察した際に、図1に示すような明瞭な局所タルミが観察されない状態のことである。
【0024】
(2)最大突起高さ(Rmax)の測定
3cm角のフィルム試料の表面にAl蒸着を行い、直接位相検出干渉法いわゆる2光束干渉法を用いた非接触式3次元粗さ計(マイクロマップ社製512)で、測定波長:554nm、対物レンズ倍率:20倍の条件にて、232μm×177μmの測定領域におけるA面のP−V値を50点にわたり測定し、50点のP−V値を平均して試料の最大突起高さ(Rmax)とした。
【0025】
(3)中心面平均粗さの測定
3cm角のフィルム試料の表面にAl蒸着を行い、直接位相検出干渉法、いわゆる2光束干渉法を用いた非接触式3次元粗さ計(マイクロマップ社製512)で、測定波長:554nm、対物レンズ倍率:20倍の条件にて、突起高さ分布曲線より、232μm×177μmの測定領域におけるA面、およびC面の中心面平均粗さSRaを50点にわたり測定し、50点のSRa値を平均して、フィルムのSRaを算出した。
【0026】
(4)スラリー塗工性の評価
A層の表面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離型剤を塗工量が0.1g/mmになるように塗布して離型フィルムを得た。その後、下記組成よりなるセラミックスラリーを湿潤状態で5μmとなるように離型面上に塗布し、その際のスラリー塗工性を下記判定基準にて判定を行った。
【0027】
<セラミックスラリー組成>
セラミック粉体(チタン酸バリウム) 100部、結合剤(ポリビニルブチラール樹脂) 5部、可塑剤(フタル酸ジオクチル) 1部、トルエン/MEK混合溶媒(1:1の配合比率) 10部
【0028】
<スラリー塗工性 判定基準>
◎:スラリーの塗工性が極めて良好
○:スラリーの塗工性が良好
△:微小なスラリーのはじきが見られる
×:スラリーをはじく
上記基準中、◎、○および△は実用上問題ないレベルである。
【0029】
(5)セラミックグリーンシートの厚さムラ評価
前(4)項で得た離型フィルムについて、前(4)項で使用したセラミックスラリーを公知の手法により湿潤状態で12μmとなるようにスロットダイを用いて離型面にセラミック層を塗設しセラミックグリーンシートを作成し、セラミックグリーンシートの厚さを非接触式のβ線厚さ計にてフィルム上における縦方向、横方向のセラミック層の厚さを実測し、その結果を基に下記判定基準にて判定を行った。
<グリーンシート厚さムラ判定基準>
◎:厚さムラが1%未満
○:厚さムラが1以上2%未満
△:厚さムラが2%以上3%未満
×:厚さムラが3%以上
上記基準中、△、○および◎は実用上問題のないレベルである。
【0030】
(6)耐擦傷性
大平理化工業(株)社製RUBBING TESTERを使用し、専用のフェルトで試料表面を10往復摩擦させた。この時の荷重は200gであった。摩擦後の表面を目視で観察し、以下のランクに分けた。
◎:キズが付かないか殆ど付かない
△:キズが少ない
×:キズが多い
上記基準中、△および◎が実用上問題のないレベルである。
【0031】
(7)離型フィルムのブロッキング性の評価
A層の表面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部より成る離型剤を塗工量が0.1g/mmになるように塗布して離型フィルムを得た。その後、作成した離型フィルムを10cm角に裁断し、離型面と離型層が設けられていない面が合わさるように10枚重ね、100℃、1時間、10Kg/cmの条件下でプレスした後、剥離時のブロッキング発生の程度を、下記判定基準にて判定した。
<判定基準>
◎:ブロッキングの発生が全く認められない。
○:ブロッキングの発生が殆どない。
△:ブロッキングの発生が認められる。
×:ブロッキングの発生が顕著に認められる。
上記基準中、◎、○および△は、実用上問題ないレベルである。
【0032】
実施例1
(ポリエステルチップの製造法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。
次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステルAを得た。
上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径0.7μmの炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステルBを得た。
さらに、上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径2.4μmの非晶質シリカを20000ppm添加し、ポリエステルCを得た。
さらに、上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径0.2μmの酸化アルミニウムを20000ppm添加し、ポリエステルDを得た。
【0033】
(ポリエステルフィルムの製造)
上記ポリエステルA、Dをそれぞれ50%、50%の割合でA層の原料とし、ポリエステルA、Cをそれぞれ95%、5%の割合でC層の原料とし、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層およびC層を最外層(表層)20℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種2層の層構成で共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.0倍の縦延伸倍率で延伸した後、テンター内で予熱工程を経て100℃で4.8倍の横延伸倍率で延伸し、210℃で10秒間の熱処理を行い38μmのポリエステルフィルムを得た。なお、各層の厚さは下記表1に示すとおりであった。
得られたポリエステルフィルムは、表1に示すような特性となり、局所タルミが実質的になく、グリーンシートの厚さムラ、スラリー塗工性、耐擦傷性、耐ブロッキング性に優れ、実用性に富んだポリエステルフィルムであった。
【0034】
実施例2
表1に示す原料配合にて、3台のベント式二軸押出機に各々の配合となるように原料を供給し、各々285℃で溶融した後、A層およびC層を最外層(表層)、B層を中間層として、20℃に冷却したキャスティングドラム上に、3種3層の層構成で共押出し冷却固化させて無配向シートを得、縦延伸倍率を2.8倍とした以外、実施例1と同様な方法にて製造し、ポリエステルフィルムを得た。なお、ポリエステルフィルムの各層の厚さは下記表2に示すとおりであった。
得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となり、いずれも実用性の高いフィルムであった。
【0035】
実施例3〜4
表1に示すような原料配合にて、延伸後の熱処理温度を200℃とした以外、実施例2と同様な方法にて38μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となり、いずれも実用性の高いフィルムであった。
【0036】
比較例1〜4
A層、B層、C層の原料配合を表2に示すとおりとし、縦延伸倍率、横延伸倍率を共に4.0倍とした以外、実施例2と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムは、表2に示すような特性であり、それぞれ実用性に欠けたフィルムであった。
【0037】
【表1】
Figure 2004196856
【0038】
【表2】
Figure 2004196856
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、例えばセラミックスラリー等を離型フィルム上に設置した際に、設置した層の厚さムラを低減化し、かつ設置した層のピンホールが抑制できるようなポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの局所タルミの観察例を示す説明図
【図2】フィルムの吸湿タルミの観察例を示す説明図
【符号の説明】
1…局所タルミ、2…ポリエステルフィルム、3…吸湿タルミ

Claims (5)

  1. 局所的なタルミが実質的に存在しないことを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルム。
  2. 一方の表面(A面)の最大突起高さ(Rmax(A))が500nm以下であり、中心線平均粗さ(SRa(A))が30nm以下であることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム用ポリエステルフィルム。
  3. A面の反対側の表面(C面)の中心線平均粗さ(SRa(C))が10〜50nmであることを特徴とする請求項2記載の離型フィルム用ポリエステルフィルム。
  4. 少なくとも2層以上の共押出積層構造であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の離型フィルム用ポリエステルフィルム。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のポリエステルフィルムの片面に離型層を設置してなることを特徴とするグリーンシート用離型フィルム。
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