JP2002225130A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2002225130A JP2001362326A JP2001362326A JP2002225130A JP 2002225130 A JP2002225130 A JP 2002225130A JP 2001362326 A JP2001362326 A JP 2001362326A JP 2001362326 A JP2001362326 A JP 2001362326A JP 2002225130 A JP2002225130 A JP 2002225130A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状再現性や階調性に優れた転写画像が得ら
れ、破断が少なく生産性に優れた、平面性の良い熱転写
リボン用ベースフィルムに有用な二軸配向ポリエステル
フィルムの提供。 【解決手段】 同時二軸延伸法によって製膜された二軸
配向ポリエステルフィルムであって、平均粒径が0.5
〜5μmの多孔質シリカ微粒子を0.1〜2重量%含有
し、フィルム表面の高さ0.8μm以上の突起が100
個/mm2以上であり、かつ200℃、10分における
縦方向の熱収縮率(HS:%)と常温(約23℃)で測
定した縦方向のF―5値(F5:N/mm2)が下記式
の関係を満足することを特徴とする二軸配向ポリエステ
ルフィルム。 (HS/F5)≦0.028

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二軸配向ポリエステ
ルフィルムに関する。更に詳しくは、同時二軸延伸法に
よって製膜された二軸配向ポリエステルフィルムであっ
て、高速で印字してもインクの転写斑がなく印字性能に
優れ、工程または使用中に切断が無く、また生産工程で
削れが少なく生産性に優れた熱転写リボンのベースフィ
ルムに好適に用いられる二軸配向ポリエステルフィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写プリンター用転写リボンのベース
フィルムとしては、表面粗さを規定したもの(特開昭6
2−299389号公報)が知られている。
【0003】ところで、熱転写記録方式の中でも昇華転
写記録方式は高画質のフルカラー画像を簡便に出力でき
る記録方式として需要が拡大しつつある。この昇華型感
熱転写は熱昇華性染料がバインダー中にあり、熱によっ
て染料のみが昇華し、被転写紙の受像層に吸収されて階
調性のある画像を形成させる方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】昇華転写記録方式にお
いて、近年、印字速度の高速化が求められるようになっ
ている。高速化の方法としては、印画時のサーマルヘッ
ドからの熱を効率よく伝える方法が有効であり、このた
めにベースフィルムに対して薄膜化の要求がされてい
る。
【0005】しかし、従来の延伸フィルムの厚みを単に
薄くするだけで、この要求に対応しようとすると、次の
ような問題、例えばフィルムの薄膜化に伴い、染料イン
キを塗布する場合や、スリット工程における作業性が悪
くなる問題が新たに出てくる。
【0006】この作業性はフィルムの滑り性に関するも
のである。フィルムの滑り性を改良する方法として、一
般に、フィルム表面に微小な凹凸を形成する方法が用い
ら、この具体例として、不活性粒子をフィルムの原料で
ある熱可塑性重合体の重合時、又は重合後に添加する方
法(外部粒子添加方式)、熱可塑性重合体の重合時に使
用する触媒等の一部又は全部を反応工程でポリマー中に
析出させる方法(内部粒子析出方式)等が知られてい
る。
【0007】しかし、極薄フィルムの製造方法において
は、不活性無機微粒子を普通のフィルムの場合と同じ濃
度で含有させたポリエステルを用いて薄膜化すると、単
位面積当たりの不活性無機微粒子の数が減少し、フィル
ム表面における微粒子の間隔が広がり、フィルム表面が
平坦になりすぎ、滑り性が低下する傾向にある。従っ
て、薄膜化に伴う滑り性低下を補うには、フィルム厚み
を薄くすればするほど、含有させる不活性微粒子の濃度
を高めるか、或いは粒径を大きくする必要があった。
【0008】この場合、特にドラフト比の高い溶融押出
し時や延伸の際に不活性無機微粒子とポリエステルの親
和性が乏しいことに起因して、ボイドが界面すなわち不
活性無機微粒子の周りに多発し、このボイドの多発の結
果、得られたフィルムから微粒子が削り取れやすくな
り、ローラーとの接触により削れ粉が発生し、工程を汚
してしまうだけでなく、破断が発生しやすくなり、生産
性の低下、製造条件の安定性に欠ける問題があった。特
にスリット断面に粗大粒子があるとそれを起点に破れが
発生することがある。
【0009】また、昇華型感熱転写の場合、サーマルヘ
ッドの熱でリボンが変形することがあり、画像の再現性
を低下させることがある。
【0010】本発明は、これら問題点を解決し、形状再
現性や階調性に優れた転写画像が得られ、更に破断が少
なく生産性に優れた、平面性の良い熱転写リボン用ベー
スフィルムに有用な二軸配向ポリエステルフィルムを提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、同時二軸延伸法によって製膜された二軸配向
ポリエステルフィルムであって、平均粒径が0.5〜5
μmの多孔質シリカ微粒子を0.1〜2重量%含有し、
フィルム表面の高さ0.8μm以上の突起が100個/
mm2以上であり、かつ200℃、10分における縦方
向の熱収縮率(HS:%)と常温(約23℃)で測定し
た縦方向のF―5値(F5:N/mm2)が下記式の関
係を満足することを特徴とする二軸配向ポリエステルフ
ィルムによって達成される。
【0012】
【数2】(HS/F5)≦0.028 ここで、HSは200℃、10分の熱処理における縦方
向の熱収縮率(%)、F5は常温(約23℃)で測定し
た縦方向のF―5値(N/mm2)である。
【0013】本発明は、好ましい態様として、多孔質
シリカ微粒子と共に、平均粒径が平均フィルム厚みより
小さくかつ0.01〜0.8μmであり、粒径比(長径
/短径)が1.0〜1.2である球状シリカ微粒子を
0.05〜2重量%含有すること、フィルムの厚み方
向の屈折率nzが1.495以上であること、ポリエ
ステルがエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレ
ートを主成分とするポリエステルであること、ポリエ
ステルが、全カルボン酸成分に対し0.05〜40mm
ol%のスルホン酸4級ホスホニウム塩を含有するこ
と、溶融フィルムの交流体積抵抗率が6×108Ωc
m以下であること、フィルムが片面に熱可塑性樹脂か
らなる接着層を有すること、フィルムが感熱転写リボ
ンに用いられること等を含む。
【0014】[ポリエステル]本発明におけるポリエス
テルとしては、エチレン―2,6―ナフタレンジカルボ
キシレートまたはエチレンテレフテレートを主成分とす
るポリエステルが好ましい。さらには、フィルムの機械
的強度が大きく、比較的厚みの薄いフィルムを製造する
ことができ、該フィルムはサーマルヘッドの熱を昇華型
染料に伝えやすいこと、同時二軸延伸により、弱点であ
る引裂き抵抗が改良されること等の理由から、エチレン
―2,6―ナフタレンジカルボキシレートを主成分とす
るポリエステルが好ましい。
【0015】前記エチレン―2,6―ナフタレンジカル
ボキシレートを主成分とするポリエステル(以下、ポリ
エチレン―2,6―ナフタンジカルボキシレートという
ことがある)としては、さらに具体的には、エチレン―
2,6―ナフタレンジカルボキシレートを繰り返し単位
とする成分が全繰り返し単位の90モル%以上、特に9
5%以上であるポリエステルが好ましい。このポリエス
テルの融点は250℃以上であることが好ましい。共重
合成分の例としては、2個のエステル形成性官能基を有
する化合物、例えば蓚酸、アジピン酸、フタル酸、セバ
シン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク酸、5―ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、2―カリウムスルホテレフタル酸、2,7―ナフタ
レンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン
酸、4,4’―ジフェニルジカルボン酸、フェニルイン
ダンジカルボン酸、ジフェニルエ―テルジカルボン酸、
p―オキシエトキシ安息香酸等の如きオキシカルボン
酸、プロピレングリコ―ル、1,2―プロパンジオ―
ル、1,3―ブタンジオ―ル、1,4―ブタンジオ―
ル、1,5―ペンタンジオ―ル、1,6―ヘキサンジオ
―ル、1,2―シクロヘキサンジメタノ―ル、1,3―
シクロヘキサンジメタノ―ル、1,4―シクロヘキサン
ジメタノ―ル、p―キシリレングリコ―ル、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールス
ルホンのエチレンオキサイド付加物、トリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテトラ
メチレンオキシドグリコール、ネオペンチルグリコール
等を挙げることができる。これらの中で、イソフタル酸
成分が1〜5モル%の共重合ポリマーが好ましく、また
エチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートから
実質的になるホモポリマーも好ましい。
【0016】前記ポリエチレン―2,6―ナフタンジカ
ルボキシレートを構成する主たるジカルボン酸成分は
2,6―ナフタレンジカルボン酸であり、主たるグリコ
ール成分はエチレングリコールである。
【0017】前記ポリエチレン―2,6―ナフタレンジ
カルボキシレートは、例えば安息香酸、メトキシポリア
ルキレングリコール等の1官能性化合物によって、重合
体鎖末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部
または全部を封鎖したものであってもよく、あるいは例
えば極少量のグリセリン、ペンタエリスリトールなどの
如き3官能以上のエステル形成化合物で実質的に線状の
ポリマーが得られる範囲内で変性されたものであっても
よい。
【0018】前記ポリエチレン―2,6―ナフタレンジ
カルボキシレートは公知であり、従来から知られている
方法で製造することができるが、エステル交換法、すな
わち、2,6―ナフタレンジカルボン酸のエステル形成
性誘導体(特に、ジメチルエステル)とエチレングリコ
ールとをエスエル交換反応させ、次いで得られた反応生
成物を高温高真空下で重縮合反応させて所望の重合度の
ポリエステルとする方法で製造するのが好ましい。上記
の方法(溶融重合)により得られたポリエチレン―2,
6―ナフタレンジカルボキシレートは、必要に応じて固
相状態での重合方法(固相重合)により、さらに重合度
の高いポリマーとすることができる。その際、エステル
交換反応触媒としては、マンガン化合物が好ましく用い
られる。このマンガン化合物としては、酸化物、塩化
物、炭酸塩、カルボン酸塩等が挙げられる。これらの
中、酢酸塩が特に好ましく用いられる。また、エステル
交換反応が実質的に終了した時点で燐化合物を添加し、
エステル交換触媒を失活させることが好ましい。この燐
化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート及び正燐
酸が好ましく使用できる。これらの中、トリメチルホス
フェートが特に好ましい。さらにまた、重縮合触媒とし
ては、アンチモン化合物が好ましく用いられ、アンチモ
ン化合物としては三酸化アンチモンが特に好ましく用い
られる。
【0019】本発明においては、前記ポリエチレン―
2,6―ナフタレンジカルボキシレート以外のポリエス
テルとして、前記したように、エチレンテレフタレート
を主成分とするポリエステル(以下、ポリエチレンテレ
フタレートということがある)が好ましく用いられる。
このポリエステルは、ホモポリマーであってもエチレン
テレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリ
マーでもよい。
【0020】該共重合ポリマーの場合、共重合成分は、
ジカルボン酸成分でもジオール成分でもよい。このジカ
ルボン酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示で
き、またジオール成分としては1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール
等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如
き芳香族ジオールが例示できる。これらは単独または二
種以上を使用することができる。これらの中では、イソ
フタル酸成分がフィルムの引裂き強度を高くするので、
特に好ましい。
【0021】かかる共重合成分の割合は、その種類にも
よるが、結果としてポリマー融点が250〜258℃
(ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー)の範囲
になる割合である。この融点が250℃未満では、フィ
ルムの耐熱性が劣ることになり、また熱収縮率が大き
い。例えば、共重合成分がイソフタル酸の場合、3モル
%以内の割合が好ましい。
【0022】ここで、ポリエステルの融点測定は、Du
Pont Instruments 910 DSC
を用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法
による。なお、サンプル量は約20mgとする。
【0023】前記ポリエチレンテレフタレートは、その
製法により限定されることはないが、テレフタル酸とエ
チレングリコールを、共重合ポリエステルの場合は更に
共重合成分を加えてエステル化反応させ、次いで得られ
た反応生成物を目的とする重合度になるまで高温高真空
下で重縮合反応させてポリエチレンテレフタレートとす
る方法、あるいはテレフタル酸ジメチルエステルとエチ
レングリコールを、共重合ポリエステルの場合は更に共
重合成分を加えてエステル交換反応させ、次いで得られ
た反応生成物を目的とする重合度になるまで高温高真空
下で重縮合反応させてポリエチレンテレフタレートとす
る方法で製造することができる。上記の方法(溶融重
合)により得られたポリエチレンテレフタレートは、必
要に応じて固相状態での重合方法(固相重合)により、
さらに重合度の高いポリマーとすることができる。その
際、前記重縮合反応に使用する触媒として、アンチモン
化合物(Sb化合物)、チタン化合物(Ti化合物)、
ゲルマニウム化合物(Ge化合物)などが好ましく挙げ
られる。
【0024】本発明におけるポリエステルには、必要に
応じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、
色相改良剤、滑剤、核剤などの添加剤を加えることがで
きる。
【0025】前記ポリエステルの固有粘度(オルトクロ
ロフェノール、35℃)は0.50〜1.10であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.52〜0.95、
特に好ましくは0.54〜0.75である。この固有粘
度が0.50未満の場合には製膜したフィルムの引裂き
強度が不足することがあり、好ましくない。他方、固有
粘度が1.10を超える場合には、原料製造工程および
フィルム製膜工程における生産性が損なわれる、ので好
ましくない。
【0026】[不活性粒子]本発明においては、二軸配
向ポリエステルフィルムに好ましい滑り性を付与するた
め、フィルム中に不活性粒子を少量含有させる。すなわ
ち、この不活性粒子としては、平均粒径が0.5〜5μ
m、好ましくは1〜3μmである多孔質シリカ微粒子を
0.1〜2重量%含有させる。さらには、該多孔質シリ
カ微粒子と共に、平均粒径が平均フィルム厚さより小さ
くかつ0.01〜0.8μmであり、粒径比(長径/短
径)が1.0〜1.2である球状シリカ微粒子を0.0
5〜2重量%含有させることが好ましい。この多孔質シ
リカ微粒子は、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカ
ルボキシレートやポリエチレンテレフタレートに対し、
高い親和性を示す。
【0027】多孔質シリカ微粒子の平均粒径が0.5μ
m未満では、フィルムをマスターロール又は製品ロール
等ロール状に巻き取る際、エアースクイーズ性が不良
(巻き込み空気が逃げにくい)であるためしわが発生し
やすく、また滑り性(スリップ性)が不充分で加工工程
での作業性が低下し好ましくない。また平均粒径が5μ
mを超えると、フィルム表面が粗れすぎ、インキ塗布時
に塗布斑が発生し、インクリボンとした時に印画斑とな
るため好ましくない。この多孔質シリカ微粒子の平均粒
径はフィルム厚みより大きくてもかまわない。これは本
発明で用いる多孔質シリカ微粒子がポリエステル、特に
ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート
とポリエチレンテレフタレートに対し高い親和性を持つ
ためである。
【0028】前記多孔質シリカ微粒子の製造法の例とし
て、シリカの1次粒子を水中に分散せしめてコロイド状
粒子を形成し、そのゾルを乾燥し、特定の多孔質ゲルを
生成させる方法(特開昭52−52876号公報)が知
られている。
【0029】所定の平均粒径の粒子を得るためには従来
から知られている粒子調製法を用いることができ、例え
ば粉砕処理、分級操作等を施工して所定の平均粒径、粒
度分布に調製することが好ましい。
【0030】多孔質シリカ微粒子の粒度分布については
約10μm以上の粗大粒子をほとんど含まず、微細側に
シャープな分布を持つものが好ましい。ここで「平均粒
径」とは、測定した全粒子の50重量%の点にある粒子
の「等価球形直径」を意味する。「等価球形直径」とは
粒子と同じ容積を有する想像上の球(理想球)の直径を
意味し、粒子の電子顕微鏡写真又は通常の沈降法による
測定から計算することができる。
【0031】本発明において、前記多孔質シリカ微粒子
の含有量は、ポリエステルに対して0.1〜2重量%と
する必要があり、好ましくは0.1〜1重量%である。
この含有量が0.1重量%未満であると、巻き取りの際
のエアースクイーズ性が不良となり、一方2重量%を超
えると、フィルム表面が粗れすぎ、インキ塗布時に塗布
斑が発生し、好ましくない。
【0032】本発明では、特に極薄フィルムにおいて、
ポリエステルに前記多孔質シリカと共に、球状シリカ微
粒子を分散含有させることが更に好ましい。この球状シ
リカ微粒子は平均粒径がフィルム厚みより小さく、0.
01〜0.8μmであり、かつ粒径比(長径/短径)が
1.0〜1.2のものである。この球状シリカ微粒子は
個々の微粒子の形状が極めて球に近い形状のものであ
る。この平均粒径がフィルム厚みより大きくなると、球
状シリカ微粒子による突起の周りのフィルムにひび割れ
が生じ、延伸、熱固定等の工程でフィルム破断が多発す
るので好ましくない。従って、この球状シリカ微粒子の
平均粒径は、好ましくはフィルム厚みの90%以下、さ
らに好ましくはフィルム厚みの80%以下である。
【0033】更に、球状シリカ微粒子の平均粒径は、フ
ィルムの厚みより小さい範囲で、好ましくは0.1〜1
μm、更に好ましくは0.2〜0.8μmである。この
平均粒径が0.1μm未満では、フィルムの滑り性が不
充分で加工工程での作業性が低下し好ましくない。ま
た、平均粒径が1μmを超えると、フィルム表面が粗れ
すぎ、インキ塗布時に塗布斑が発生し好ましくない。さ
らに、球状シリカ微粒子の粒径比(長径/短径)は、好
ましくは1.0〜1.2、更に好ましくは1.0〜1.
15、特に好ましくは1.0〜1.1である。この粒径
比が1.0であることは、粒子が実質的に真球状である
ことを意味する。
【0034】前記球状シリカ微粒子は、上述の条件を満
たせば、その製法、その他に何ら限定されるものではな
い。例えば、球状シリカ微粒子は、オルトケイ酸エチル
[Si(OC25)]4の加水分解から含水シリカ[S
i(OH)4]単分散球を作り、さらにこの含水シリカ
単分散球を脱水化処理して下記シリカ結合を三次元的に
成長させることで製造できる(日本化学会誌、’81,
No.9,P.1503)。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】本発明において球状シリカ微粒子の含有量
は、ポリエステルに対して0.02〜2重量%とするこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.8重量
%、特に好ましくは0.1〜0.6重量%である。この
含有量が0.02重量%未満では、滑り性改良効果が不
充分であり、一方1重量%を超えると、製膜性、機械的
強度等の低下をもたらし、好ましくない。多孔質シリカ
微粒子あるいは球状シリカ微粒子の含有量が少なすぎる
と、2種の粒子を用いる相乗効果が得られず、巻き取り
の際のエアースクイーズ性又は加工時の滑り性が不足す
るので好ましくない。
【0038】多孔質シリカ微粒子と球状シリカ微粒子の
ポリエステルヘの添加時期は、ポリエステルの重合完了
前であることが好ましく、エステル交換反応の終了前に
(好ましくはグリコール中のスラリーとして)反応系中
に添加することが好ましい。また、多孔質シリカ微粒
子、球状シリカ微粒子を個々に含有するポリエステルを
製造し、これらをブレンドして所定の組成物とすること
もできる。
【0039】本発明におけるポリエステルは、全カルボ
ン酸成分に対し、0.05〜40mmo1%のスルホン
酸4級ホスホニウム塩を含有することが好ましい。この
スルホン酸4級ホスホニウム塩の含有には、ポリエステ
ルのポリマー鎖と結合した状態で含有する場合と、該ポ
リマー鎖と結合しないで、ブレンド状態でポリエステル
中に含有する場合とがあるが、通常は前者の方である。
【0040】ポリエステルにスルホン酸4級ホスホニウ
ム塩を含有させるには、エステル形成性官能基を有する
スルホン酸4級ホスホニウム塩化合物を用いることが好
ましい。
【0041】前記エステル形成性官能基を有するスルホ
ン酸4級ホスホニウム塩化合物としては、例えば下記式
【0042】
【化3】
【0043】(ここで、Aはn+2価の炭素数2〜18
の脂肪族基又は芳香族基であり、X 1およびX2は、同一
もしくは異なり、水素原子又はエステル形成性官能基で
あり、nは1又は2であり、そして、R1、R2、R3
およびR4は、同一もしくは異なり、炭素数1〜18の
アルキル基、ベンジル基又は炭素数6〜12のアリール
基である、但し、X1およびX2が同時に水素であるこ
とはない)で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0044】上記式において、Aは、n+2価、例えば
3価(n=1の場合)あるいは4価(n=2の場合)等
の炭素数2〜18の脂肪族基又は芳香族基である。脂肪
族基としては、例えば炭素数2〜10の、直鎖状又は分
岐鎖状の、飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましい。芳
香族基としては、炭素数6〜18の芳香族基が好まし
く、例えば3価又は4価のベンゼン骨格、ナフタレン骨
格あるいはビフェニル骨格をより好ましいものとして挙
げることができる。かかる芳香族基は、X1、X2および
スルホン酸4級ホスホニウム塩基の他に、例えば炭素数
1〜12のアルキル基等で置換されていてもよい。
【0045】X1およびX2は、同一もしくは異なること
ができ、水素又はエステル形成性官能基である。X1
よびX2が同時に水素である場合には、ポリエステル鎖
中に共重合される基を欠くことになる。X1およびX2
同時に水素原子であることはなく、少なくとも一方がエ
ステル形成性官能基でなければならない。このエステル
形成性官能基としては、例えば水酸基、カルボシル基、
これらのエステル形成性誘導体等を挙げることができ
る。
【0046】上記スルホン酸4級ホスホニウム塩化合物
の好ましい具体例としては、3,5―ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5―
ジカルボキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホス
ホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸
ベンジルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウ
ム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラ
フェニルホスホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸エチルトリフェニルホスホニウム塩、3,
5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニ
ルホスホニウム塩、3,5―ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、3,5―
ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカル
ボメトキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホス
ホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、3,5―ジカ
ルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホ
ニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホン
酸エチルトリフェニルホスホニウム塩、3,5―ジカル
ボメトキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニルホス
ホニウム塩、3,5―ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、3―カルボ
キシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
3―カルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホス
ホニウム塩、3―カルボメトキシベンゼンスルホン酸テ
トラブチルホスホニウム塩、3―カルボメトキシベンゼ
ンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3,5―
ジ(β―ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5―ジ(β―
ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テ
トラフェニルホスホニウム塩、3―(β―ヒドロキシエ
トキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩、3―(β―ヒドロキシエトキシカルボニ
ル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム
塩、4―ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩、ビスフェノールA−3,3’―
ジ(スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩)、2,6
―ジカルボキシナフタレン―4―スルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、α―テトラブチルホスホニウムスル
ホコハク酸等をあげることができる。上記スルホン酸4
級ホスホニウム塩化合物は―種のみを単独で用いても二
種以上併用してもよい。
【0047】このようなスルホン酸4級ホスホニウム塩
化合物は、―般に、対応するスルホン酸とホスフィン類
とのそれ自体公知の反応又は対応するスルホン酸金属塩
と4級ホスホニウムハライド類とのそれ自体公知の反応
で容易に製造することができる。
【0048】上記スルホン酸4級ホスホニウム塩の含有
量は、ポリエステルの全カルボン酸成分に対し、0.0
5〜40mmol%が好ましく、更に好ましくは0.1
〜20mmol%、特に好ましくは0.3〜10mmo
l%である。この量が0.05mmol%より少ない
と、多孔質シリカとの相互作用が小さくなり、フィルム
搬送時に削れやすいフィルムとなる。また、冷却ドラム
への静電密着が正常に作用し難くなる。一方、40mm
ol%よりも多いと、相互作用が強くなりすぎ多孔質シ
リカが凝集するので好ましくない。
【0049】また、他の交流体積抵抗調節剤、例えばテ
トラエチルホスホニウムヒドロキシドを用いることがで
きる。この剤の含有量は、スルホン酸4級ホスホニウム
塩の含有量と同じで、ポリエステルの全カルボン酸成分
に対し、0.05〜40mmol%が好ましく、更に好
ましくは0.1〜20mmol%、特に好ましくは0.
3〜10mmol%である。
【0050】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムには、上述のシリカ微粒子、スルホン酸4級ホスホ
ニウム塩の他、添加剤、例えば安定剤、染料、紫外線吸
収剤、および難燃剤などを所望により含有させることが
できる。
【0051】[フィルム物性]本発明における二軸配向
ポリエステルフィルムは、その表面に前述の多孔質シリ
カに由来する多数の突起を有するが、この突起は0.8
μm以上の突起の密度が100個/mm2以上である必
要がある。また、この突起の密度は400個/mm2
下であることが好ましい。この突起の密度が100個/
mm2未満であると、巻き取り時にしわが発生しやすく
なるなど巻き取り性に劣るフィルムとなる。一方、40
0個/mm2を超えると、破断の原因ともなり、好まし
くない。また、1.5μm以上の粗大突起は、巻き取り
性にあまり寄与せず、破断の原因となることがあり、機
械的強度が低くなることがあるため少ない方が好まし
く、50個/mm2以下が好ましい。
【0052】前記二軸配向ポリエステルフィルムは、さ
らに、200℃、10分における縦方向の熱収縮率(H
S:%)と常温(約23℃)で測定した縦方向のF―5
値(F5:N/mm2)が下記式の関係を満足すること
を要とする。
【0053】
【数3】(HS/F5)≦0.028 なお、上記式中の、HSは200℃、10分の熱処理に
おける縦方向熱収縮率(%)、F5は常温(約23℃)
で測定した縦方向のF―5値(N/mm2)である。
【0054】この関係が満足されてない場合は、200
℃、10分における縦方向の熱収縮率が過大及び/又は
常温(約23℃)で測定した縦方向のF―5値(伸度―
荷重曲線において5%伸度時の荷重)が過小であること
を意味する。前者の場合、サーマルヘッドの熱でリボン
の基材であるフィルムの収縮やしわの発生が生じやす
く、印画の色ずれや画像の歪みとなり、避けなければな
らない。後者の場合は、縦方向のヤング率が不足してお
り、リボンの起動停止時の張力で伸び変形を生じること
や、プリンター内の張力で、しわ、切断が生じることが
あり、避けなければならない。
【0055】200℃、10分における縦方向の熱収縮
率を小さくするには、延伸処理後の熱固定温度を高くす
るか、同時二軸延伸機によっては熱固定時に縦弛緩を付
与できるものがあり、それを利用するとよい。常温(約
23℃)で測定した縦方向のF―5値を大きくするには
縦方向の延伸倍率を大きくするのが望ましい。これらを
両立させるには、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジ
カルボキシレートを主成分とするフィルムが好適であ
る。
【0056】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、厚み方向の屈折率(nz)が1.495以上で
あることが好ましい。この厚み方向の屈折率が1.49
5より小さいと、特にポリエチレン―2,6―ナフタレ
ンジカルボキシレートフィルムの場合デラミネーション
(層状剥離)しやすく、加工中や使用中に破断や表層剥
離を生じることがある。このような値を得るためには、
同時二軸延伸法により製膜することが望ましい。また、
この厚み方向の屈折率は1.525以下であることが好
ましい。
【0057】前記二軸配向ポリエステルフィルムは、厚
み斑が10%以下であることが好ましい。さらに好まし
くは8%以下である。このとき、フィルムは厚みが極め
て均一なフィルムとなり、易接剤を塗布する時に塗り斑
の発生しない、また染料を塗布する時にも塗り斑が発生
しないという優れた効果を達成できる。
【0058】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、そのスペースファクターが3以上23%以下で
あることが好ましい。この値が3%未満では、フィルム
の滑り性、作業性(ハンドリング性)が不十分であり、
一方23%を超えると、表面が粗くなりすぎ、場合によ
っては破断の原因となり好ましくない。前記の不活性微
粒子を添加することにより、このスペースファクターは
達成できる。
【0059】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、厚さが0.5〜10μmであることが好まし
い。この厚さが10μmを超えると、熱伝導に時間がか
かり、高速印字に好適ではない。逆に、厚さが0.5μ
m未満であると、作業性が低く加工適性に劣る。さらに
リボンとして必要な強度が得られない。
【0060】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、溶融フィルムにおける交流体積抵抗率が6.0
×108Ωcm以下であることが好ましい。その場合、
ダイから押出された溶融フィルムに、比較的早く回転す
る冷却ドラム上にも密着するに十分な静電荷量を付与で
きるため、厚みの均一性を低下することなく、高い生産
性でかつ安定に製膜できる。さらには、交流体積抵抗率
は6.0×106Ωcm以上であることが好ましい。こ
のような交流体積抵抗率は、前記のスルホン酸4級ホス
ホニウム塩の添加により得られる。
【0061】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、表面の中心線平均粗さ(SRa)および10点
平均粗さ(SRz)がそれぞれ10〜80nm、700
〜1500nmであることが好ましい。この中心線平均
粗さ(SRa)が10nm未満であるか、10点平均粗
さ(SRz)が700nm未満であると、フィルムの滑
り性が低下するため好ましくなく、他方中心線平均粗さ
(SRa)が80nmを超えるか、10点平均粗さ(S
Rz)が1500nmを超えると、巻き取り性が低下す
るので好ましくない。このような表面粗さは、上述の不
活性粒子の添加で調整することができる。
【0062】本発明におけるポリエステルフィルムの面
配向度(ΔP)は、0.176〜0.300の範囲であ
ることが好ましい。例えば、感熱転写印刷において、印
画の際に基材のポリエステルフィルムは縦方向の張力を
受けつつ印画熱を受け、これは印刷速度を上げること
で、張力はもちろん、受ける印画熱のエネルギーも増大
する。そのため、面配向度が0.176を下回る場合は
大きな張力に耐え難く、さらに高エネルギーの印画熱に
よって基材が寸法変化することがある。一方、面配向度
が0.300を超える場合は基材の機械強度は上がる
が、高エネルギーの印画熱により基材の収縮が著しく、
やはり、基材の寸法を保持することが困難に成りやす
い。特に、ポリエステルがポリエチレンテレフタレート
を主体とする基材では面配向度の下限は0.176であ
ることが好ましく、0.180であることが更に好まし
い。また、上限は0.250であることが好ましく、
0.220であることが更に好ましい。また、ポリエス
テルがポリエチレンチレン―2,6―ナフタレンジカル
ボキシレートを主体とする基材では面配向度の下限は
0.200であることが好ましく、0.221であるこ
とが更に好ましい。また、上限は0.290であること
が好ましく、0.280であることが更に好ましい。
【0063】本発明におけるポリエステルフィルムの平
均屈折率(nav)は、ポリエチレンテレフタレートを
主体とする基材では1.600〜1.610の範囲、ポ
リエチレンチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレ
ートを主体とする基材では1.660〜1,680の範
囲であることが好ましい。また、ポリエステルフィルム
の複屈折率(Δn)は、ポリエチレンテレフタレートを
主体とする基材では0.000〜0.100の範囲、ポ
リエチレンチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレ
ートを主体とする基材では0.100〜0.300の範
囲が好ましい。
【0064】本発明におけるポリエステルフィルムの結
晶化度(Xc)は、30%以上であることが好ましい。
このポリエステルフィルムの結晶化度(%)は、フィル
ムの密度から求まる数値であって、ポリエステルがポリ
エチレンテレフタレートの場合は下記式(i)で、ポリ
エステルがポリエチレンチレン―2,6―ナフタレンジ
カルボキシレートの場合は下記式(ii)で定義される
ものである。このXcの値は、フィルム中の滑剤含有割
合が3.0重量%以下であれば滑剤を含んだフィルムの
値であってもよく、また、塗布層の厚みが1μm以下で
あれば塗布層を含んだフィルムの値であってもよい。
【0065】
【数4】 Xc=100×(ρf−1.335)/0.120…(i) Xc=100×(ρf−1.325)/0.082…(ii) (上記式(i)および(ii)中の、ρfはフィルムの
密度(g/cm3)を表わす。) このポリエステルフィルムの結晶化度(%)の下限は、
ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合は4
0%、特に50%であることが感熱転写印刷の画像が鮮
明になるので好ましい。またポリエステルがポリエチレ
ンチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートの場
合はフィルムの結晶化度(%)の下限は、35%、特に
40%であることが感熱転写印刷の画像が鮮明になるの
で好ましい。
【0066】本発明におけるポリエステルフィルムの長
手方向及び幅方向の厚み斑は、それぞれ0〜15%の範
囲にあることが好ましい。厚み斑が15%より大きくな
ると背面層及びインキ層を均一に塗布することができ
ず、印刷時の走行性や印刷の解像度などが悪化すること
がある。
【0067】[製膜法]本発明における二軸配向ポリエ
ステルフィルムは、同時二軸延伸法により製造されてい
る必要がある。同時二軸延伸機の縦方向の延伸機構に
は、従来の方式であるスクリューの溝にクリップを乗せ
てクリップ間隔を拡げていくスクリュー方式、パンタグ
ラフを用いてクリップ間隔を拡げていくパンタグラフ方
式がある。これらは、製膜速度が遅い、延伸倍率等の条
件変更が容易でない等の問題を抱えているが、既にこの
ような設備を所有する場合、前記二軸配向ポリエステル
フィルムの製造に用いることができる。一方、近年、リ
ニアモーター方式の同時二軸テンターが開発され、その
製膜速度の高さ等から注目を集めている。リニアモータ
ー方式の同時二軸延伸では、これらの問題を一挙に解決
できる。従って、新規に同時二軸延伸機を導入する場合
には、この方式の設備を使用するのが好ましい。また、
同時二軸延伸では、逐次二軸延伸のように縦延伸ローラ
ーを使用しないため、フィルム表面の傷が少なくなると
いう長所がある。その他、逐次二軸延伸ではポリエステ
ルのベンゼン環又はナフタレン環の面がフィルム面と平
行になりやすく、厚み方向の屈折率nzが小さくなり、
引裂き伝播抵抗が小さく、層状剥離し易いが、同時二軸
延伸ではこれが改善される。また、熱固定領域で縦弛緩
できる構造のものでは、200℃の縦方向の熱収縮率を
より一層小さくできる。これらの特徴が、感熱転写リボ
ンへの要求特性と合致するので、本発明においては同時
二軸延伸法で製膜する必要がある。
【0068】本発明でいう同時二軸延伸とは、フィルム
の縦方向、横方向に同時に配向を与えるための延伸であ
り、同時二軸延伸機を用い、フィルムの両端をクリップ
で把持しながら搬送して、縦方向および横方向に延伸す
る操作をいう。尚、ここで、フィルムの縦方向とはフィ
ルムの長手方向であり、横方向とはフィルムの幅方向で
ある。もちろん、縦方向と横方向の延伸が時間的に同時
に延伸されている部分があればよいのであって、従っ
て、横方向または縦方向に単独に先に延伸した後に、縦
方向と横方向とを同時に延伸する方法や、さらに同時二
軸延伸後に横方向または縦方向に単独に更に延伸する方
法なども本発明の範囲に含まれる。
【0069】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを
製造するには、ポリエステルに所定の不活性微粒子を含
有させた後、例えば通常の押出温度、すなわち融点(以
下Tmと表わす)以上(Tm+70℃)以下の温度で溶
融押出されたフィルム状溶融物を回転冷却ドラムの表面
で急冷し、固有粘度が0.40〜0.90dl/gの未
延伸フィルムを得る。ポリエチレン―2,6―ナフタレ
ンジカルボキシレートを例にすれば、乾燥は170℃6
時間程度、押出し温度は300℃近辺、冷却ドラムの表
面温度は60℃程度である。この工程でフィルム状溶融
物と回転冷却ドラムの密着性を高める目的で、フィルム
状溶融物に静電荷を付与する静電密着法が知られてい
る。ポリエステルは溶融物の電気抵抗が高いため、上記
静電密着が不十分である場合があるが、この対策とし
て、本発明ではポリエステルに、全カルボン酸成分に対
し0.05〜40mmol%のスルホン酸4級ホスホニ
ウムを含有させるのが好ましい。
【0070】次いで、この未延伸フィルムを、同時二軸
延伸機に該フィルムの両端部をクリップで把持して導
き、予熱ゾーンで、(ポリエステルのTg−10)〜
(Tg+70)℃に加熱し、一段階もしくは二段階以上
の多段階で、面積倍率10〜40倍の同時二軸延伸を施
し、その後、(ポリエステルの融点Tm−120)〜
(Tm−10)℃の温度範囲で、一段階もしくは二段階
以上の多段階で、面積倍率2〜5倍に同時二軸延伸す
る。続いて、(Tm−70)〜(Tm)℃の温度範囲で
定長熱固定を施した後、熱固定からの冷却過程で、好ま
しくは100〜200℃の温度範囲で縦および横方向
に、好ましくは各方向に対して1〜10%の範囲で弛緩
処理を行う。ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカル
ボキシレートの場合、予熱温度は140℃程度、延伸温
度は145℃程度、熱固定温度は235℃程度が好まし
い。その後、フィルムを室温まで、必要なら縦および横
方向に弛緩処理を施しながら、フィルムを冷やして巻き
取り、目的とする同時二軸配向ポリエステルフィルムを
得る。
【0071】尚、本発明では、フィルムの表面特性を付
与するため、例えば易接着性、易滑性、離型性、制電性
を付与するために、同時二軸延伸の前または後の工程
で、ポリエステルフィルムの表面に塗剤をコーテングす
ることも好ましく行うことができる。
【0072】例えば、本発明の二軸配向ポリエステルフ
ィルムを感熱転写リボンに用いるに際しては、該ポリエ
ステルフィルムのインキ層を塗布する側の表面に、熱可
塑性樹脂からなる接着層を設けることが、昇華性染料と
樹脂バインダーとからなるインキ層と、ポリエステルフ
ィルムとの接着性を高められることから好ましい。ま
た、この接着層は、ポリエステルフィルムとの接着性が
高まることから、同時二軸延伸が完了するまでに、フィ
ルム面に塗布されていることが好ましい。さらにまた、
同時二軸延伸が完了するまでといった工程の途中で塗布
するには、接着層を構成する熱可塑性樹脂として、水溶
性または水分散性樹脂のものを採用することが、作業性
や環境面から好ましい。以下、接着層について、説明す
る。
【0073】[熱可塑性樹脂]本発明において、接着層
を形成する熱可塑性樹脂は、水に分散可能(水分散性)
もしくは水に溶解可能(水溶性)な熱可塑性樹脂または
溶剤に溶解可能な熱可塑性樹脂である。このような熱可
塑性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、アクリル変性ポリエステル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、エポキシ系樹脂、
ポリエーテル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、帯電防止性樹脂、ゼラチン
類を挙げることができる。これら樹脂を一種以上用いる
ことができる。これらの樹脂のうち、水分散性又は水溶
性(以下、併せて「水性」ということがある)の熱可塑性
樹脂が、接着層を水性塗液で塗設することができるので
特に好ましい。また、ポリエステルフィルムとの接着性
や機能層との密着性が高めやすいことから、これらの樹
脂のなかでも、アクリル系樹脂とポリエステル系樹脂と
の混合物またはアクリル系樹脂とポリエステル系樹脂と
の共重合であるアクリル変性ポリエステル系樹脂が好ま
しい。以下に、接着層を形成する熱可塑性樹脂を具体的
に説明する。
【0074】[アクリル系樹脂]接着層用熱可塑性樹脂
として用いるアクリル系樹脂は、アクリル系単量体を主
成分とする重合体或いは共重合体である。アクリル系樹
脂は、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アク
リル酸アンモニウム、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸グリシジル、2―ヒドロキシエチルアクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メトキシ
メチルアクリルアミド、N―メチロールアクリルアミド
等で示されるアクリル系単量体を主成分とする重合体或
いは共重合体であり、数平均分子量が5,000〜25
0,000のものが好ましい。
【0075】アクリル系単量体としては、アルキルアク
リレート、アルキルメタクリレート(アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピ
ル基、n―ブチル基、イソブチル基、t―ブチル基、2
―エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2―ヒド
ロキシエチルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、2
―ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含
有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基
含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸、フマール酸、クロトン酸及びその塩
(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級
アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有する
モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N―ア
ルキルアクリルアミド、N―アルキルメタクリルアミ
ド、N,N―ジアルキルアクリルアミド、N,N―ジア
ルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル
基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n―
ブチル基、イソブチル基、t―ブチル基、2―エチルヘ
キシル基、シクロヘキシル基等)、N―アルコキシアク
リルアミド、N―アルコキシメタクリルアミド、N、N
―ジアルコキシアクリルアミド、N,N―ジアルコキシ
メタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、ア
クリロイルモルホリン、N―メチロールアクリルアミ
ド、N―メチロールメタクリルアミド、N―フェニルア
クリルアミド、N―フェニルメタクリルアミド等のアミ
ド基を含有するモノマー等を挙げることができる。これ
らモノマーを2種以上用いて共重合することもできる。
【0076】また、アクリル系樹脂の共重合成分として
用いることができるモノマーとしては、ビニルイソシア
ネート、アリルイソシアネート、スチレン、α―メチル
スチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシ
シラン、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルエーテ
ル、ビニルスルホン酸ソーダ、ブタジエン、メタクリル
酸ソーダ等のモノマーを挙げることができる。
【0077】アクリル系樹脂は、特にアルキルアクリレ
ートあるいはアルキルメタクリレートを主要な成分とす
るものが好ましく、当該成分が30〜90モル%であ
り、共重合可能でかつ官能基を有するビニル単量体成分
70〜10モル%を含有する水溶性または水分散性樹脂
であることが好ましい。アルキルアクリレートあるいは
アルキルメタクリレートと共重合可能でかつ官能基を有
するビニル単量体は、官能基としてカルボキシル基また
はその塩、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩、ア
ミド基またはアルキロール化されたアミド基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)またはアルキロール化されたア
ミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポキシ基などを
有するビニル単量体である。これらの中でも特に好まし
いものはカルボキシル基またはその塩、酸無水物基、エ
ポキシ基などである。これらの基は樹脂中に2種類以上
含有されていてもよい。アルキルアクリレートおよびア
ルキルメタクリレートのアルキル基の例としては、メチ
ル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n
―ブチル基、イソブチル基、t―ブチル基、2―エチル
ヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシ
ル基などが挙げられる。
【0078】[ポリエステル系樹脂]本発明において、
接着層を形成する熱可塑性樹脂として用いるポリエステ
ル系樹脂は、多塩基酸成分とポリオール成分からなる線
状ポリエステルであり、数平均分子量が5,000〜2
5,000のものが好ましい。
【0079】この多塩基酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6―ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸、4,
4’―ジフエニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5
―ナトリウムスルホイソフタル酸、ドデカンジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等を挙げることができ
る。これら酸成分の2種以上を用いることもできる。ま
た、若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イ
タコン酸等及びP―ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロ
キシカルボン酸を用いることもできる。
【0080】また、ポリオール成分としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1,3―プロパンジオ
ール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5―ペンタンジオール、1,6―ヘキサンジオ
ール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ビスフェノールA―アルキレンオキシド付加体、水
添ビスフェノールA―アルキレンオキシド付加体、1,
4―シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等を挙げることが
できる。
【0081】このポリエステル系樹脂には親水性を付与
するためにスルホン酸塩基を有する成分を共重合するこ
とができる。ポリエステル系樹脂に親水性を付与する
と、水性塗液を用いて薄膜を積層する場合に水性塗液中
での分散性が良好となるので好ましい。かかる成分とし
ては、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−Kスル
ホイソフタル酸等を挙げることができる。
【0082】ポリエステル系樹脂は、三官能以上の多価
カルボン酸成分、ポリオール成分を実質的に線状のポリ
マーとなる範囲で少量(例えば5モル%以下)共重合し
たものであってもよい。かかる三官能以上の多価カルボ
ン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、メチ
ロールプロピオン酸等を挙げることができ、ポリオール
としては、グリセリン、トリメチロールプロパン等を挙
げることができる。
【0083】[アクリル変性ポリエステル系樹脂]接着
層用熱可塑性樹脂として用いるアクリル変性ポリエステ
ル系樹脂は、前記ポリエステル樹脂の存在下でアクリル
酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、2
―ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N―メトキシメチルアクリルアミド、
N―メチロールアクリルアミド等で示されるアクリル系
単量体を重合させた共重合体であり、数平均分子量が
5,000〜250,000のものが好ましい。
【0084】アクリル変性ポリエステル系樹脂はスチレ
ン、α―メチルスチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルエー
テル、ビニルスルホン酸ソーダ、メタリル酸ソーダ等の
単量体を共重合成分として含むものであってもよい。
【0085】[ポリウレタン系樹脂]接着層用熱可塑性
樹脂として用いるポリウレタン系樹脂は、多価イソシア
ネート化合物と多価ヒドロキシ化合物とから得られる重
合体或いは共重合体であり、数平均分子量が5,000
〜25,000のものが好ましい。
【0086】ウレタン系樹脂を構成する成分として以下
のような多価ヒドロキシ化合物、多価イソシアネート化
合物、鎖長延長剤、架橋剤などを例示できる。すなわ
ち、多価ヒドロキシ化合物としては、ポリオキシエチレ
ングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシテトラメチレングリコールのようなポリエーテル
類、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン―ブチレン
アジペート、ポリカプロラクトンのようなポリエステル
類、ポリカーボネート類、アクリル系ポリオール、ひま
し油、などを用いることができる。多価イソシアネート
化合物としては、トリレンジイソシアネート、フェニレ
ンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、4,4’―ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、などを用いることができる。鎖長延長剤あるいは架
橋剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、エチレンジアミン―ナトリウムアクリレート付加
物、4,4’―ジアミノジフェニルメタン、4,4’―
ジアミノジシクロヘキシルメタン、水などを用いること
ができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ
以上選択して、常法の重縮合―架橋反応によりポリウレ
タン系樹脂を合成することができる、これらのうち、例
えばジイソシアネート、ポリエーテル、ポリエステル、
グリコール、ジアミン、ジメチロールプロピオン酸塩等
を用いて得られる、エマルジョンや水溶液としたウレタ
ン系樹脂が特に好ましい。
【0087】[ポリシロキサン系樹脂]接着層用熱可塑
性樹脂として用いるポリシロキサン系樹脂は、シランカ
ップリング剤の縮合物或いはジメチルポリシロキサン等
分子内にシロキサン結合を有する線状又は網目状構造の
高分子である。
【0088】[エポキシ系樹脂]接着層用熱可塑性樹脂
として用いるエポキシ系樹脂とは、エポキシ基を有する
化合物から得られる重合体或いは共重合体であり、数平
均分子量が150〜30,000のものが好ましい。エ
ポキシ基を有する化合物としては、例えばビスフェノー
ルグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエー
テル、アミノグリシジルエーテル等を挙げることができ
る。
【0089】[ポリエーテル系樹脂]接着層用熱可塑性
樹脂として用いるポリエーテル系樹脂とは、骨格内にエ
―テル結合(―C―O―C―)を有する重合体或いは共
重合体であり、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、フェノキシ樹脂等を好ましく挙げるこ
とができ、数平均分子量が800〜400,000のも
のが特に好ましい。
【0090】[ビニル系樹脂]接着層用熱可塑性樹脂と
して用いるビニル系樹脂とは、分子内に不飽和結合を有
する単量体(ビニル化合物)を付加重合して得られる重
合体或いは共重合体であり、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニルのような水
性の重合体或いは共重合体を好ましい例として挙げるこ
とができる。
【0091】[セルロース系樹脂]接着層用熱可塑性樹
脂として用いるセルロース系樹脂とは、分子内にセルロ
ース構造を有する樹脂であり、例えばメチルセルロース
等のセルロースエーテル類、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロース等のセルロースエステル類のような水性の重合
体或いは共重合体を好ましい例として挙げることができ
る。
【0092】[ゼラチン類]接着層用熱可塑性樹脂とし
て用いるゼラチン類とは、高分子量のポリペプチドのこ
とであり、コラーゲン等のタンパク質原料から得られる
ものを好ましい例として挙げることができる。
【0093】[ポリオレフィン系樹脂]接着層用熱可塑
性樹脂として用いるポリオレフィン系樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等を挙げ
ることができ、これらのうち水分散型のポリブタジエン
またはその共重合体を好ましい例として挙げることがで
きる。
【0094】[帯電防止性樹脂]接着層用熱可塑性樹脂
として用いる帯電防止性樹脂は第四級アミン塩カチオン
を分子内に有するポリマー、スルホン酸塩を分子内に有
するポリマー或いはリン酸塩を分子内に有するポリマー
等帯電防止性を有するポリマーである。かかるポリマー
としてはポリスチレンスルホン酸ソーダ、ポリイソプレ
ンスルホン酸ソーダ、リン酸アルキルエステルNa塩基
を分子内に有するポリアクリル酸エステル系ポリマー、
第四級ポリアルキルアミン/アルキル硫酸塩基置換アク
リルアミド/エチレン共重合体等を挙げることができ、
数平均分子量が2,000〜70,000のものが好ま
しい。
【0095】[架橋剤]本発明における接着層は、前記
の熱可塑性樹脂とともに架橋剤が添加されていること
が、接着層の凝集力を高めて印画時の耐熱性を向上でき
ることから好ましい。架橋剤としては、イソシアネート
化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミ
ン化合物等を挙げることができ、これらの架橋剤の一種
以上を添加することがことができる。以下に、架橋剤を
具体的に説明する。
【0096】[イソシアネート化合物]架橋剤として用
いるイソシアネート化合物としては、例えば、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタン―4,4’―ジイ
ソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレン―1,6―ジイソシアネート、1,6―ジイ
ソシアネートヘキサン、トリレンジイソシアネートとヘ
キサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネート
とトリメチロールプロパンの付加物、ポリオール変性ジ
フェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、カルボ
ジイミド変性ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、1,5―ナフタ
レンジイソシアネート、3,3’―ビトリレン―4,
4’―ジイソシアネート、3,3’―ジメチルジフェニ
ルメタン―4,4’―ジイソシアネート、メタフェニレ
ンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0097】[エポキシ化合物]架橋剤として用いるエ
ポキシ化合物としては、例えば、ポリエポキシ化合物、
ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルア
ミン化合物等を挙げることができ、ポリエポキシ化合物
としては、例えば、ソルビトール、ポリグリシジルエー
テル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス
(2―ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロー
ルポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポ
リグリシジルエーテル等を、ジエポキシ化合物として
は、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、1,6―ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエ
ーテル等を、モノエポキシ化合物としては、例えば、ア
リルグリシジルエーテル、2―エチルヘキシルグリシジ
ルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル
アミン化合物としてはN,N,N’,N’,―テトラグ
リシジル―m―キシリレンジアミン、1,3―ビス
(N,N―ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等を挙
げることができる。
【0098】[オキサゾリン化合物]架橋剤として用い
るオキサゾリン化合物には、オキサゾリン基を含有する
重合体が好ましく、これらは付加重合性オキサゾリン基
含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によっ
て作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマー
としては、2―ビニル―2―オキサゾリン、2―ビニル
―4―メチル―2―オキサゾリン、2―ビニル―5―メ
チル―2―オキサゾリン、2―イソプロペニル―2―オ
キサゾリン、2―イソプロペニル―4―メチル―2―オ
キサゾリン、2―イソプロペニル―5―エチル―2―オ
キサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または
2種以上の混合物を使用することができる。
【0099】これらの中でも2―イソプロペニル―2―
オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他
のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー
と共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアル
キルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル
基としては、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イ
ソプロピル基、n―ブチル基、イソブチル基、t―ブチ
ル基、2―エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の
ア(メタ)クリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン
酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不
飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等の不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N―アルキルアクリルアミド、N―アルキル
メタクリルアミド、N,N―ジアルキルアクリルアミ
ド、N,N―ジアルキルメタクリレート(アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプ
ロピル基、n―ブチル基、イソブチル基、t―ブチル
基、2―エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の
不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレ
ン等のα―オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα、β―不飽和モノマ
ー類;スチレン、α―メチルスチレン等のα、β―不飽
和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種
または2種以上のモノマーを使用することができる。
【0100】[メラミン化合物]架橋剤として用いるメ
ラミン化合物としては、メラミンとホルムアルデヒドを
縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アル
コールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール等を反応させてエーテル化した化
合物及びそれらの混合物が好ましい。メチロールメラミ
ン誘導体としては、例えば、モノメチロールメラミン、
ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テト
ラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘ
キサメチロールメラミン等を挙げることができる。
【0101】[接着層]本発明における接着層は、ポリ
エステルフィルムの少なくとも片面に、熱可塑性樹脂を
含む塗液を塗布し、乾燥、延伸、更に熱処理を施して得
られるものである。この接着層は、インキ層等機能層と
ポリエステルフィルムとの接着性を向上できることから
好ましい。インキ層、特に感熱転写用のインキ層との接
着性を良好なものとするためには、接着層はアクリル系
樹脂(A)とポリエステル系樹脂(B)の混合物または
共重合体であることが好ましく、ポリエステル成分とア
クリル成分の接着層中の重量比は、10:90〜90:
10の範囲が好ましい。接着層中のアクリル系樹脂が少
なすぎたり、ポリエステル系樹脂が多すぎたりすると、
インキ層と接着層との密着性が不足することがある。一
方、接着層中のポリエステル系樹脂が少なすぎたり、接
着層中のアクリル系樹脂が多すぎたりすると、基材と接
着層との接着性が不足することがあり、さらに接着層の
柔軟性が不足することがある。
【0102】本発明における接着層の厚みは、0.00
1〜1μmの範囲が好ましい。厚みの下限は、0.01
μmであることが更に好ましく、上限は、0.5μmで
あることが更に好ましい。接着層の厚みを0.001〜
1μmの範囲とすることにより、接着層とポリエステル
フィルムとの接着性が良好となり、接着層を塗設したフ
ィルムをロール状にまいたときにブロッキングが発生し
難くなる。
【0103】また、本発明における接着層表面の中心線
平均粗さは、0.01〜0.3μmの範囲であることが
好ましい。接着層表面の中心線平均粗さを0.01〜
0.3μmの範囲とすることにより、接着層を塗設した
フィルムの滑り性を良好なものとすることができ、かつ
本発明のポリエステルフィルムを感熱転写用に用いた場
合、優れた画像を得ることができる。
【0104】本発明において、接着層を塗設するのに用
いる塗液は、熱可塑性樹脂を溶解した水溶液または溶剤
溶液もしくは、熱可塑性樹脂を分散した水分散液など、
熱可塑性樹脂をポリエステルフィルムの表面に均一に塗
布できるものであれば良いが、水溶液または水分散液
(水性塗液)であることが好ましい。
【0105】塗液が水性塗液の場合には他の添加物に影
響を与えない限り、若干の有機溶剤を含んでいてもよ
い。この水性塗液はアニオン型界面活性剤、カチオン型
界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤を必
要量添加して用いることができる。
【0106】かかる界面活性剤としては水性塗液の表面
張力を40mN/m以下に低下でき、ポリエステルフィ
ルムヘの濡れを促進するものが好ましく、例えばポリオ
キシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、ア
ルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、第4級アンモニウムクロライド塩、アルキ
ルアミン塩酸、ベタイン型界面活性剤等を挙げることが
できる。さらに本発明の効果を消失させない範囲で、例
えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フィラー、
無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤等の他の添
加剤を併用することができる。
【0107】本発明において、接着層を塗設方法は、熱
可塑性樹脂を含む塗液をフィルムの片面に塗布し、乾
燥、延伸、更に熱処理を施す方法を好ましく挙げること
ができる。この塗液はポリエステルフィルム製造工程中
で未延伸のポリエステルフィルムの片面または両面に塗
工するのが好ましい。ポリエステルフィルム製造工程と
切り離して塗工してもよいが、この場合では塵、挨等を
巻き込みやすく、その部分が印刷時の欠点となるのでク
リーンな雰囲気が望ましく、更には好適なフィルムを比
較的安価で製造でき、これらの点から製造工程中の塗工
が好ましい。その際塗布液の固形分濃度は通常0.5〜
30重量%であり、更に好ましくは1〜20重量%であ
る。塗布量は走行中のフィルム1m2当り1〜50gが
好ましい。塗工方法としては公知の方法が適用できる。
例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブ
ラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、含浸
法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて適用
するとよい。
【0108】[熱転写インク層]本発明の二軸配向ポリ
エステルフィルムを感熱転写リボンに用いる場合、熱転
写インク層は、特に限定されるものではなく、公知のも
のを用いることができる。すなわち、バインダー成分、
着色成分などを主成分とし、必要に応じて柔軟剤、可塑
剤、分散剤などを適量添加して構成される。上記主成分
の具体例としては、バインダー成分として、カルナウバ
ワックス、パラフィンワックスなど公知のワックス類や
セルロース類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルア
ルコール部分アセタール化物、ポリアミド類、低融点の
各種高分子物質等が用いられ、着色剤としては、カーボ
ンブラック主体とし、その他各種の染料、あるいは有
機、無機の顔料が用いられる。また、熱転写インキ層
は、昇華性の染料を含んでいてもよい。昇華性染料とし
ては各種分散染料、塩基性染料などを用いることができ
る。
【0109】熱転写インキ層をポリエステルフィルムの
接着層面に設ける方法としては、公知の方法、例えばホ
ットメルト塗工、溶剤を添加した状態でグラビア、リバ
ース、スリットダイ方式などの溶液塗工方法を用いるこ
とができる。
【0110】[融着防止層]感熱転写リボンに用いる前
記二軸配向ポリエステルフィルムには、サーマルヘッド
部のスティッキングを防ぐために、熱転写インキ層の設
けていない側に、例えば従来から知られている又は用い
られている融着防止層を設けることができる。さらには
ポリウレタンと界面活性剤としてのリン酸ポリエステル
系化合物を含む融着防止層を形成するのが好ましい。こ
のポリウレタンを形成するポリオールとしては、例えば
水酸基を有する、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ア
クリルポリオール、ニトロセルロース樹脂、セルロース
アセテート樹脂、酢酸セルロース樹脂、ウレタンやエポ
キシのプレポリマー等のポリアルコールを好ましく用い
ることができる。さらに、融着防止層を設けるのは、未
延伸フィルムに行っても良く、また一旦二軸配向フィル
ムとして巻き取った後に行っても良い。このようにする
ことにより、感熱転写リボンに加工した後に、サーマル
ヘッドから、フィルムベースにかかる熱履歴を減らすこ
とができ、好ましい。
【0111】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお、本発明における種々の物性値および特性は、
以下の如く測定されたものであり、かつ定義される。ま
た、例中の「部」は重量部を意味する。
【0112】(1)粒子の平均粒径 (株)島津製作所製CP−50型セントリフュグルパー
ティクルサイズアナライザー(Centrifuga1
Paticle Size Ana1yzer)を用
いて測定した。得られた遠心沈降曲線を基に算出した各
粒径の粒子とその残存量との積算曲線から、50マスパ
ーセントに相当する粒径を読みとり、この値を上記平均
粒径とした(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞社
発行、1975年、頁242〜247参照)。
【0113】(2)不活性粒子が凝集粒子の場合の平均
粒径 添加した不活性粒子が1次粒子の凝集による2次粒子で
ある場合は(1)に示す方法での平均粒径測定で得られ
た粒径は実際の平均粒径より小さくなる場合があるた
め、下記方法を採用した。粒子を含有したフィルムを断
面方向に厚さ100nmの超薄切片とし、透過電子顕微
鏡(例えば日本電子製JEM―1200EX)を用い
て、1万倍程度の倍率で粒子を観察し、凝集粒子(2次
粒子)を観察した。この写真を用いて個々の粒子の円面
積相当の直径を画像解析装置等を用いて粒子1000個
について測定し、数平均した粒子径を平均2次粒径とし
た。なお、粒子種の同定はSEM−XMA,ICPによ
る金属元素の定量分析などを使用して行うことができ
る。平均1次粒径は透過電子顕微鏡の倍率を10万〜1
00万倍にて撮影するほかは平均2次粒径粒径測定の方
法に準じて測定した。
【0114】(3)厚み方向の屈折率(nz) アッベ屈折計(株式会社アタゴ製)を用い、光源にはN
a−D線を用いて、25℃にてフィルム厚み方向の屈折
率を測定した。フィルムサンプルの表裏両面について測
定し、その平均値を屈折率nzとする。
【0115】(4)高さ0.8μm以上の突起数 非接触式3次元粗さ計(小坂研究所製、ET30HK)
を用いて波長780nmの半導体レーザー、ビーム径
1.6μmの光触針で測定長(LX)1mm、サンプリ
ングピッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方向拡
大倍率1万倍、横方向拡大倍率200倍、走査線数10
0本(従って、Y方向の測定長LY=0.2mm)の条
件にてフィルム表面の突起プロファイルを測定し、各高
さにおける突起数(個/mm2)を得た。
【0116】(5)熱収縮率 温度200℃に設定されたオーブン中に予め正確な長さ
を測定した長さ約30cm四方のフィルムをフィルムの
長手方向(製膜方向)に懸垂し、無荷重下に10分間保
持処理した後取り出し、室温に戻してからその寸法の変
化を計測した。そして、下記式から熱収縮率を算出し
た。なお、測定は、10枚の試料を同様に測定し、それ
らの平均値を熱収縮率とした。
【0117】
【数5】熱収縮率=(ΔL/L0)×100(%) ΔL=|L0−L| 上記式中の、L0:熱処理前のフィルムの長さ、L:熱
処理後のフィルムの同方向の長さである。なお、熱収縮
率は、フィルムの長手方向について10枚の試料を測定
した、平均値を求めた。
【0118】(6)F―5値 引張試験機(ORIENTEC TENSILON T
C−100型)を用いて、温度23℃、相対湿度50%
に調節された室内において、幅10mm、長さ100m
mの該フィルム試験片を、引張速度100mm/分で引
っ張り、チャート上に荷伸曲線(応力−歪み曲線)を得
た。この荷伸曲線から5%伸度での荷重値を求め、F―
5値とする。
【0119】(7)フィルムの体積抵抗率の測定 図1に示す装置を用いて測定した。測定サンプルは厚さ
約150μmになるようにフィルムを重ねた。直径20
cmの円柱状下部電極2の上面に、150μmの平行な
間隙が保持出来る直径5.6cm、厚さ0.2cmの上
部電極3を配し、この間に測定サンプルが電極と密着す
るようにして挿入した。
【0120】下部電極は加電装置4と温度検出端5を内
蔵し、下部電極の表面温度の測定面におけるバラツキが
1℃以内、検出端部分との温度差が昇温速度8℃/分に
おいて2℃以内となるように構成した。なお、検出温度
は読取温度計7で測定した。電極の全体は保温箱11中
に配置した。電源8はその発生電圧を標準抵抗9を介し
て両電極間に印加するが、該電源は100V、50Hz
を発生する電源である。この回路に流れる電流は標準抵
抗9の両端に発生する電圧を内部インピーダンスが10
0MΩ以上のエレクトロンメーター10で読み取った。
【0121】本発明における溶融フィルムの交流体積抵
抗率測定は、上記装置により、下部電極の昇温測速度が
8℃/分、該電極がポリマーのDSCによる融点+20
℃の温度(ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボ
キシレートの場合290℃)にて行い、交流体積抵抗率
Zは、印加電圧E、電流I、電極面積S、電極間隔dよ
り、次式で求められる。
【0122】
【数6】Z=(E/I)×(S/d)
【0123】(8)フィルム厚みおよび厚み斑 アンリツ(株)製電子マイクロメータ(K−312A
型)を用いて、針圧30g、走行速度25mm/秒でフ
ィルムの縦方向5mの長さにわたって測定し、連続厚み
チャートを得た。このチャートから最大厚みと最小厚み
を読み取った。さらに、同じサンプルについて幅(c
m)、長さ(cm)、重量(g)、密度(g/cm3)
から厚み(μm)を下式で算出し、平均厚みとした。上
述の最大厚みと最小厚みの差の平均厚みに対する割合を
下式で算出し、厚み斑とした。
【0124】
【数7】平均厚み(μm)={重量/(幅×長さ×密
度)}×10000 厚み斑(%)={(最大厚み−最小厚み)/平均厚み}
×100
【0125】(9)デラミネーション試験(折目デラミ
ネーション白化率) 80×80mmの大きさにフィルムサンプル(1枚)を
切り出し、折目が出来るように手で軽く2つに折りなが
ら、平坦な一対の金属板で挟んだ後、プレス機により所
定の圧力P1(kgf/cm2)で20秒間プレスし
た。プレス後プレスを開放し、次いで2つ折りのフィル
ムサンプルを手で元の状態に戻し、前記金属板に挟んで
圧力P1(kgf/cm2)で20秒間プレスした。そ
の後、フィルムサンプルを取り出し、折目にあらわれた
白化部分の長さ(mm)を顕微鏡で測定した。それぞれ
新しいサンプルを使用し、プレス圧P1=1,2,3,
4,5,6(kgf/cm2)について測定を繰り返
す。各プレス圧における白化部分の長さ(mm)の合計
の平均値が折目の全長(80mm)に占める割合をもっ
て折目デラミネーション白化率とし、この値をフィルム
のデラミネーション(層間剥離)の起こり易さを示す指
標として使用した。この折目デラミネーション白化率の
値が小さい方が耐デラミネーション性が良好といえる。
【0126】(10)スペースファクター(SF) 試料100cm2のフィルム重量w(g)と密度d(g
/cm3)から求めた重量法厚みをt1(μm)、10c
m角の試料フィルムを10枚重ね、マイクロメータを用
いて求めた試料フィルム1枚分の厚みをt2(μm)と
したとき、下記式より算出した。
【0127】
【数8】SF(%)=100−(t1/t2)×100
【0128】(11)面配向度(ΔP) アッベ式屈折計を用いて、フィルム面内の屈折率の最大
値nx、それに直角方向の屈折率ny、およびフィルム
の厚さ方向の屈折率nzを測定し、下記式より面配向度
を算出する。なお屈折率の測定は、ナトリウムD線(5
89nm)を用い、マウント液にはヨウ化メチレンもし
くはヨウ化メチレンと硫黄の混合体を用いて、23℃、
65%RHにて測定する。
【0129】
【数9】ΔP=[(nx+ny)/2]−nz
【0130】(12)複屈折率(Δn) 面配向度の場合と同様に、フィルム面内の屈折率の最大
値nx、それに直角方向の屈折率ny、およびフィルム
の厚さ方向の屈折率nzを測定し、下記式より複屈折率
を算出する。
【0131】
【数10】Δn=nx−nz
【0132】(13)平均屈折率(nav) 面配向度の場合と同様に、フィルム面内の屈折率の最大
値nx、それに直角方向の屈折率ny、およびフィルムの
厚さ方向の屈折率nzを測定し、下記式より平均屈折率
を算出する。
【0133】
【数11】nav=(nx+ny+nz)/3
【0134】(14)密度 硝酸カルシウム水溶液を用いた密度勾配管中、25℃で
浮沈法により測定した。
【0135】(15)ガラス転移温度(Tg) パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)を用
いて測定した。測定方法は次の通りである。試料10m
gをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶
融した後、液体窒素中で急冷する。この急冷試料を20
℃/分で昇温し、ベースラインに不連続が現れる領域の
中点の温度をTgとする。
【0136】(16)塗布層の厚み 塗布液の1m2当りの塗布量と固形分濃度より算出す
る。
【0137】(17)中心線表面粗さ(Ra) 測定には小坂研究所(株)製の非接触式表面粗さ計(E
T30HK)を用いて波長780nmの半導体レーザ
ー、ビーム径1.6μmの光触針で測定長1mm、サン
プリングピッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方
向拡大倍率1万倍(この場合フィルム厚み方向の倍率を
指す)の条件で、中心線平均粗さの測定を行なった。
【0138】(18)製膜性 ポリマーをフィルム状に溶融押出しする際、厚みの均一
性を低下することなく安定に製膜できるかどうかについ
て、フィルムの製膜性を観察し、下記の基準で評価し
た。 ランクA:破断は起こらず、極めて安定に製膜が可能。 ランクB:破断はほとんど起こらず、安定な製膜が可
能。 ランクC:時々破断が起こり、製膜が不安定。 ランクD:破断が多発し、実質的に安定な製膜が不可
能。
【0139】(19)削れ性 巻き取り後のフィルムロール形状について観察し、下記
の基準で評価した。 ランクA:巻き取り後のロールフィルムに「削れ」によ
る異物が混入していない ランクB:巻き取り後のロールフィルムに「削れ」によ
る異物がほとんど混入していない ランクC:巻き取り後のロールフィルムに「削れ」によ
る異物が混入することがある ランクD:巻き取り後のロールフィルムに「削れ」によ
る異物が多数混入している
【0140】(20)印画性 受像シートVY・200((株)日立製作所製 標準ペ
ーパー 商品名)に、プリンター日立VY・200
((株)日立製作所製 商品名)で光学濃度最大になる
ように印画した。作製した感熱転写リボンについて、次
の鮮明性およびリボンに生じるしわの基準により、印画
性を評価した。 ◎:極めて鮮明に印画できる ○:鮮明に印画できる △:印画濃度が均一とならない ×:リボンにしわが入り印画が乱れる。
【0141】(21)接着性 受像シートVY・200((株)日立製作所製 標準ペ
ーパー 商品名)に、プリンター日立VY・200
((株)日立製作所製 商品名)で光学濃度最大になる
ように、受像紙の中央に幅15cm、長さ25cmのベ
タ印字を行い、インキ層の異常転写の状態を目視観察
し、次の基準により、接着性を評価した。 ○ :インキ層の異常転写が全くない △ :インキ層の異常転写が1%未満 × :インキ層の異常転写が1%以上10%未満 ××:インキ層の異常転写が10%以上
【0142】[実施例1]2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチル100部及びエチレングリコール60部の
混合物に酢酸マンガン・4水塩0.03部を添加し、1
50℃から240℃に徐々に昇温しながらエステル交換
反応を行った。途中反応温度が170℃に達した時点で
三酸化アンチモン0.024部を添加し、さらに表1記
載の粒径を有する多孔質シリカ微粒子及び球状シリカ粒
子を表1記載の量添加して、次いで220℃に達した時
点で3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩0.021部(1mmol%に相
当)を添加した。引き続いてエステル交換反応を行い、
エステル交換反応終了後燐酸トリメチル0.023部を
添加した。その後、反応生成物を重合反応器に移し、2
90℃まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空下にて
重縮合反応を行って25℃のo―クロロフェノール溶液
で測定した固有粘度が0.61dl/gのポリエチレン
―2,6―ナフタレンジカルボキシレートポリマーを得
た。
【0143】このポリマーを用い、押し出し機とTダイ
でシート状に溶融押し出し、水冷キャスティングドラム
に37.5m/分の速度で密着させて冷却固化し、未延
伸シートを得た。このシートのインキ層を塗布する側に
易接着層として下記組成1の塗液(以下、塗液1−1と
称する。)を乾燥後の塗膜厚みが0.1μmになるよう
にグラビアコーターで塗工した。この未延伸フィルム
を、同時二軸延伸機に導入し、140℃で予熱した後、
145℃で縦方向に4.5倍、横方向に4.0倍クリッ
プで把持しながら同時に延伸した。その後、第1、2、
3熱固定ゾーンにおいて、それぞれ200、230、2
35℃で2秒間ずつ熱固定および3%の縦弛緩し、厚み
が3.0μmの二軸配向フィルムを得た。
【0144】塗液の組成(塗液1−1) ・塗液1−1の固形分は、アクリル樹脂42重量%、ポ
リエステル樹脂42重量%、エポキシ化合物10重量%
および濡れ剤10重量%からなり、具体的な成分は以下
のとおりである。 ・アクリル樹脂:メチルメタクリレート65モル%/エ
チルアクリレート28モル%/2―ヒドロキシエチルメ
タクリレート2モル%/N―メチロールアクリルアミド
5モル% ・ボリエステル樹脂:成分がテレフタル酸35モル%/
イソフタル酸13モル%/5―ナトリウムスルホイソフ
タル酸2モル%、グリコール成分がエチレングリコール
45モル%/ジエチレングリコール5モル% ・エポキシ系架橋剤:てN,N,N’,N’,―テトラ
グリシジル―m―キシリレンジアミン ・濡れ剤:ラウリルポリオキシエチレン 得られた二軸配向ポリエステルフィルムについて、各特
性を測定および評価した。
【0145】次に、インキ層を塗布しない側に、融着防
止層として下記組成の塗液を乾燥後の塗膜厚みが0.5
μmになるようにグラビアコーターで塗工し、下記組成
の転写インクを、塗膜厚みが1.0μmになるようにグ
ラビアコーターで先に設けた接着層面の上に塗工し、感
熱転写リボンを作製した。融着防止層の組成 ・アクリル酸エステル 14.0重量% ・アミノ変性シリコーン 5.9重量% ・イソシアネート 0.1重量% ・水 80.0重量% 熱転写インクの組成 ・マゼンタ染料(MSRedG) 3.5重量% ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.5重量% ・メチルエチルケトン 46.5重量% ・トルエン 46.5重量% 得られた感熱転写用リボンについてインキの接着性およ
び印画性を評価した。感熱転写用リボンの評価結果を表
1に示す。
【0146】[実施例2]多孔質シリカと球状シリカの
添加量および平均粒径を表1に示すとおり変更し、か
つ、接着層用の塗液として、実施例1の塗液1−1の架
橋材を2−イソプロペニル―2―オキサゾリンに変更し
た塗液(以下、塗液1−2)と称する。)とした以外は
実施例1同様な操作を繰り返した。
【0147】得られた二軸配向ポリエステルフィルムお
よび感熱転写用リボンの特性を表1に示す。
【0148】[実施例3]多孔質シリカと球状シリカの
添加量および平均粒径ならびに延伸倍率を表1に示すと
おり変更し、かつ、接着層用の塗液として、実施例1の
塗液1−1の架橋材をジフェニルメタンー4,4’−ジ
イソシアネートに変更した塗液(以下、塗液1−3と称
する。)とした以外は実施例1同様な操作を繰り返し
た。
【0149】[実施例4]多孔質シリカと球状シリカの
添加量および平均粒径を表1に示すとおり変更し、か
つ、接着層用の塗液として、実施例1の塗液1−1の架
橋材をトリメチロールメラミンに変更した塗液(以下、
塗液1−4)と称する。)とした以外は実施例1同様な
操作を繰り返した。
【0150】得られた二軸配向ポリエステルフィルムお
よび感熱転写用リボンの特性を表1に示す。
【0151】[実施例5]多孔質シリカと球状シリカの
添加量および平均粒径を表1に示すとおり変更し、かつ
接着装用の戸液を、下記に示す塗液(以下、塗液2−1
と称する。)に変更した以外は実施例1同様に行なっ
た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよび感熱
転写用リボンの特性を表1に示す。
【0152】接着層用塗液(塗液2−1)の組成 ・塗液は、固形分重量を基準として、アクリル樹脂44
重量%、ポリエステル樹脂44重量%、架橋剤2重量
%、濡れ剤10重量%からなる。 ・アクリル樹脂:メチルメタクリレート65モル%/エ
チルアクリレート28モル%/2―ヒドロキシエチルメ
タクリレート2モル%/N―メチロールアクリルアミド
5モル% ・ボリエステル樹脂:酸成分がテレフタル酸35モル%
/イソフタル酸13モル%/5―ナトリウムスルホイソ
フタル酸2モル%、グリコール成分がエチレングリコー
ル45モル%/ジエチレングリコール5モル% ・架橋剤:1,3―ビス(N,N―ジグリシジルアミ
ン)シクロヘキサン ・濡れ剤:ラウリルポリオキシエチレン
【0153】[実施例6]実施例1の固有粘度0.61
dl/gのポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボ
キシレートポリマーを、25℃のO−クロロフェノール
中で測定した極限粘度0.61dl/gのポリエチレン
テレフタレートに、また、多孔質シリカと球状シリカの
平均粒径及び添加量を表1に示すとおり変更したポリマ
ーをTダイから押出し、これを約20℃に維持してある
回転冷却ドラム上で静電印加しつつ急冷して未延伸フィ
ルムを得た。次いでこの未延伸フィルムのインキ層を塗
布する側に、前述の塗液2−1の架橋材を1,3―ビス
(N,N−ジグリシジルアミン)シクロヘキサンに変更
した塗液(以下、塗液2−2と称する。)を塗布した。
塗布された未延伸フィルムを同時二軸延伸機に導入し、
115℃で予熱した後、115℃で縦方向に4.2倍、
横方向に3.8倍クリップで把持しながら同時に延伸し
た。その後、第1、2、3熱固定ゾーンにおいてそれぞ
れ200、220、210℃で2秒間ずつ熱固定し、厚
みが4.5μmのニ軸配向フィルムを得た。得られた二
軸配向ポリエステルフィルムおよび感熱転写用リボンの
特性を表1に示す。
【0154】[比較例1]不活性粒子を表1に示すとお
り変更し、かつ接着層を設けなかった以外は実施例1同
様な操作を繰り返した。得られた二軸配向ポリエステル
フィルムおよび感熱転写用リボンの特性を表1に示す。
【0155】[比較例2]3,5―ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加しない
以外は、実施例1と同様な操作を繰り返して未延伸フィ
ルムを作成した。得られた未延伸フィルムを、140℃
で予熱した後、赤外線ヒータで加熱しながら高低速ロー
ラー間で縦方向に4.5倍延伸し、前述の塗液1−1を
インキ層を塗布する側に接着層用として乾燥後の塗膜厚
みが0.1μmになるようにグラビアコーターで塗工し
た後、横延伸機で145℃の温度で横方向に4.0倍ク
リップで把持しながら延伸し、その後、235℃で3秒
間熱固定し、厚みが3.0μmの二軸配向ポリエステル
フィルムを得た。また、実施例1と同様な操作を繰り返
して、融着防止層とインキ層を設け、感熱転写リボンを
作成した。
【0156】得られた二軸配向ポリエステルフィルムお
よび感熱転写用リボンの特性を表1に示す。
【0157】
【表1】
【0158】
【発明の効果】本発明によれば、機械的強度が高く厚み
を薄くできるポリエステル、中でもポリエチレン―2,
6―ナフタレンジカルボキシレートフィルムの高温時の
熱寸法安定性を生かし、欠点であるデラミネーション耐
性を改善した、感熱転写リボンのベースフィルムに好適
なフィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの体積抵抗率を測定する装置の説明図
である。
【符号の説明】 1 測定サンプル 2 円柱状下部電極 3 上部電極 4 加電装置 5 温度検出端 6 トランス 7 読取温度計 8 電源 9 標準抵抗 10 エレクトロンメーター 11 保温箱
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA45 AB26 AC15 AF39 AF61 AH17 AH19 BB06 BB08 BC01 BC12 BC14 4F100 AA20A AH03B AH07B AK01B AK41A AK42A BA01 BA02 BA15 CA02B EJ38A GB90 JA03A JA20A JB16B JG04A JL11B JN18A YY00A 4F210 AA24 AA26 AB17 AF16 AG01 AG03 AH81 QC07 QG01 QG15 QG18 4J002 CF041 CF081 DJ016 EW177 FA096 FD016 GC00 GM00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同時二軸延伸法によって製膜された二軸
    配向ポリエステルフィルムであって、平均粒径が0.5
    〜5μmの多孔質シリカ微粒子を0.1〜2重量%含有
    し、フィルム表面の高さ0.8μm以上の突起が100
    個/mm2以上であり、かつ200℃、10分における
    縦方向の熱収縮率(HS:%)と常温(約23℃)で測
    定した縦方向のF―5値(F5:N/mm2)が下記式
    の関係を満足することを特徴とする二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。 【数1】(HS/F5)≦0.028 (ここで、HSは200℃、10分の熱処理における縦
    方向の熱収縮率(%)、F5は常温(約23℃)で測定
    した縦方向のF―5値(N/mm2)である。)
  2. 【請求項2】 多孔質シリカ微粒子と共に、平均粒径が
    平均フィルム厚みより小さくかつ0.01〜0.8μm
    であり、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2である
    球状シリカ微粒子を0.05〜2重量%含有する請求項
    1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムの厚み方向の屈折率nzが1.
    495以上である請求項1または2に記載の二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルがエチレン―2,6―ナフ
    タレンジカルボキシレートを主成分とするポリエステル
    である請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルが、全カルボン酸成分に対
    し0.05〜40mmol%のスルホン酸4級ホスホニ
    ウム塩を含有する請求項1または4に記載の二軸配向ポ
    リエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 溶融フィルムの交流体積抵抗率が6×1
    8Ωcm以下である請求項1または5に記載の二軸配
    向ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 少なくとも片面に熱可塑性樹脂からなる
    接着層を有する請求項1記載の二軸配向ポリエステルフ
    ィルム。
  8. 【請求項8】 接着層を構成する熱可塑性樹脂が、アク
    リル系樹脂とポリエステル系樹脂とからなる請求項7記
    載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 接着層が熱可塑性樹脂とともに、イソシ
    アネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物
    およびメラミン化合物からなる群より選ばれる少なくと
    も1種の架橋剤を含有する請求項7または8のいずれか
    に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 感熱転写リボンのベースフィルムに用
    いられる請求項1〜9のいずれかに記載の二軸配向ポリ
    エステルフィルム。
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