JP3443338B2 - 二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムに関する。更に詳
しくは、熱転写プリンター用リボンとして用いた場合、
生産性に優れ、高速で印字してもインクのかすれのな
い、かつヘッドとのこすれによりリボンにしわの生じな
い印字性能に優れた二軸配向ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写プリンター用リボンのベースフィ
ルムとしては、表面粗さを規定したもの(特開昭62−
299389号公報)が知られている。
【0003】感熱転写記録方式の中でも昇華転写記録方
式は高画質のフルカラー画像を簡便に出力できる記録方
式として非常に伸びている。昇華型感熱転写方式は熱昇
華性染料がバインダー中にあり、熱によって染料のみが
昇華し、被転写紙の受像層に吸収され階調性の画像を形
成させる方式である。近年印字速度の高速化が求められ
るようになるにつれて、印字時のサーマルヘッドの温度
が高くなった結果、熱転写プリンターリボンの受ける熱
量が多くなった。このため、リボンの基材に使用されて
いるフィルムの変形が大きくなり、印字の際に印字が不
鮮明になったり、リボンに皺が発生して、極端な場合に
は全く印字不能になる等のトラブルを生じ、この改善が
必要であった。
【0004】さらに、昇華型感熱転写方式では熱昇華性
染料がバインダー中にあり、熱によって染料のみが昇華
し、被転写紙の受像層に吸収され階調性の画像を形成さ
せる。染料のみを昇華させるためバインダーと基材フィ
ルムとの高い密着性が必要であり、さらには環境変化や
経時による密着性の低下がないことが必須要件である。
密着性不足の場合はバインダー層が被転写紙に移行し著
しく階調性を損ない、過転写という現象が発生する。一
般にポリエステルフィルムは高度に結晶配向しているた
め、接着性に乏しく直接インク層を塗布しても全く密着
しない。このためインク層との接着性を上げるためにフ
ィルム表面に物理的、化学的処理をするが充分な接着性
を得られない。
【0005】また、フィルムを安価に提供するために、
製膜時に破断を少なくし安定して製膜しフィルムの生産
性を上げる事が望ましい。ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(以下PENと略することがある)を含むポリ
エステルフィルムは通常、押出し口金より溶融押出した
フィルム状溶融物を回転冷却ドラムの表面で急冷した
後、縦、横方向に二軸延伸して製造する。この場合フィ
ルムの表面欠点をなくし厚みの均一性を高めるには該フ
ィルム状溶融物と回転冷却ドラム表面との密着性を高め
なければならない。この密着性を高める方法として、押
出し口金と回転冷却ドラムの表面にワイヤー状の電極を
設けてフィルム状溶融物の表面に静電荷を析出させ、該
フィルム状溶融物回転冷却ドラム表面上にを密着させな
がら急冷する方法(以下、静電キャスト法という)が知
られている。ところが、PENの溶融電気抵抗は大き
く、転写リボン用フィルムのような薄いフィルムを製膜
するための未延伸フィルムは薄いためフィルム状物表面
への単位面積静電荷量が少なくなり、フィルム状物とド
ラム表面の密着性が低下し、フィルム表面にピン状欠点
を誘発し、フィルムの厚みの均一性を低下し、転写リボ
ン用フィルムのような薄いフィルムを製膜する時破断の
原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決せしめ、熱転写用リボンとして用いた場合、熱
時のフィルムの変形が小さく、熱転写インク層との密着
性にも優れ、階調性に優れた転写画像を得られ、更に破
断の少ない生産性に優れた平面性の良い二軸配向PEN
フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートを主たる構成成分とする二軸配
向ポリエステルフィルムであって、該二軸配向ポリエス
テルフィルムが2官能性カルボン酸成分に対し0.1〜
40mmol%のエステル形成性官能基を有するスルホ
ン酸4級ホスホニウム塩を含有し、かつ溶融した二軸配
向ポリエステルフィルムの交流体積抵抗率が6×108
Ω・cm以下であることを特徴とする二軸配向ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムである。
【0008】[ポリエチレン−2,6−ナフタレート]
本発明の二軸配向PENフィルムはポリエチレン−2,
6−ナフタレートを主たる成分としてなり、かつ2官能
性カルボン酸成分に対し0.1〜40mmol%のエス
テル形成官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩
を含有する。エステル形成性官能基を有するスルホン酸
4級ホスホニウム塩としては、例えば下記式(1)で表
わされる化合物が好ましく用いられる。
【0009】
【化2】
【0010】上記式において、nは1または2の整数、
Aはn+2価、例えば3価(n=1の場合)あるいは4
価あるいは(n=2の場合)の炭素数2〜18の脂肪族
基又は芳香族基である。脂肪族基としては、例えば炭素
数2〜10の、直鎖状又は分岐鎖状の、飽和又は不飽和
の炭化水素基がより好ましい。また芳香族基としては、
炭素数6〜18の芳香族基が好ましく、例えば3価又は
4価のベンゼン骨格、ナフタレン骨格あるいはビフェニ
ル骨格をより好ましいものとして挙げることができる。
かかる芳香族基は、X1、X2およびスルホン酸4級ホス
ホニウム塩基の他に、例えば炭素数1〜12のアルキル
基等で置換されていてもよい。
【0011】X1およびX2は、同一もしくは異なること
ができ、水素又はエステル形成性官能基である。X1
よびX2が同時に水素である場合には、ポリエステル鎖
中に共重合される基を欠くことになる。X1およびX2
同時に水素原子であることはなく、少くとも一方がエス
テル形成性官能基でなければならない。
【0012】エステル形成性官能基としては、例えば、
−OOCR5、−COOH、−COOR6、−Cm2m
H、−(OCp2pqOH、−CH2−(OCr2rs
OH等を挙げることができる。これらの基中、R5およ
びR6はそれぞれ炭素数1〜4の低級アルキル基又はフ
ェニル基であり、mは2〜10の整数であり、pおよび
rはそれぞれ2〜4の整数であり、そしてqおよびsは
それぞれ1以上の整数例えば1〜100の整数である。
【0013】R5およびR6の低級アルキル基は直鎖状お
よび分岐鎖状のいずれであってもよく、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル等を好ましいものとして挙げること
ができる。
【0014】また、スルホン酸ホスホニウム塩基の部分
を構成する基R1、R2、R3およびR4は、同一もしくは
互いに異なり、炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル
基又は炭素数6〜12のアリール基である。炭素数1〜
18のアルキル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状のいずれ
であってもよい。例えばメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ドデシル、ステアリル等を挙げることができる。
炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニ
ル、ナフチル、ビフェニル等を好ましいものとして挙げ
ることができる。これらのアリール基又はベンジル基の
フェニル部分は例えばハロゲン原子、ニトロ基あるいは
炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよ
い。
【0015】上記スルホン酸4級ホスホニウム塩の好ま
しい具体例としては、3,5−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジカル
ボキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウ
ム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ベンジ
ルトリブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニ
ルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸エチルトリフェニルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニルホス
ホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸
ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、3,5−ジカル
ボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸エ
チルトリブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメト
キシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウ
ム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸フ
ェニルトリブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメ
トキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム
塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸エチ
ルトリフェニルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメト
キシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウ
ム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ベ
ンジルトリフェニルホスホニウム塩、3−カルボキシベ
ンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3−カ
ルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウ
ム塩、3−カルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼンスル
ホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3,5−ジ(β
−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジ(β−ヒドロ
キシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフ
ェニルホスホニウム塩、3−(β−ヒドロキシエトキシ
カルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム塩、3−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベ
ンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、4−
ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩、ビスフェノールA−3,3′−ジ(スル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩)、2,6−ジカル
ボキシナフタレン−4−スルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩、α−テトラブチルホスホニウムスルホコハク
酸等をあげることができる。上記スルホン酸4級ホスホ
ニウム塩は一種のみを単独で用いても二種以上併用して
もよい。
【0016】このようなスルホン酸4級ホスホニウム塩
は、一般に、対応するスルホン酸とホスフィン類とのそ
れ自体公知の反応又は対応するスルホン酸金属塩と4級
ホスホニウムハライド類とのそれ自体公知の反応に容易
に製造することができる。
【0017】本発明におけるPENフィルムは、上記の
如きスルホン酸4級ホスホニウム塩を、芳香族ポリエス
テルを構成する2官能性カルボン酸成分に対し、0.1
〜40mmol%、好ましくは0.1〜20mmol
%、さらに好ましくは0.2〜10mmol%の量含有
させる。すなわち、本発明で対象とする芳香族ポリエス
テルは、例えばスルホン酸4級ホスホニウム塩をカチオ
ン染料の染着座席とするに十分な量で含有する改質ポリ
エステルなどとは技術的思想が異なり、スルホン酸4級
ホスホニウム塩を含有することによる芳香族ポリエステ
ルの物性の低下、例えば軟化点の低下等が実質的に無視
しうる程度であり、スルホン酸4級ホスホニウム塩を含
有しない芳香族ポリエステルの物性にほぼ匹敵する物性
を示す。
【0018】本発明において、PENフィルムにスルホ
ン酸4級ホスホニウム塩を含有させる方法としては、公
知の任意の方法をとることができる。例えば、PENポ
リマーの重合時に該化合物を添加し共重合する方法。フ
ィルム製膜前に該化合物をPENポリマーに添加する方
法、該化合物を高濃度含むポリマー組成物(マスターチ
ップ)を作成し、PENポリマーを溶融する前に所定量
混合する方法などが挙げられる。いずれの方法によって
もスルホン酸4級ホスホニウム塩を最終的にPENフィ
ルムに所定量含有させれば、効果は発現する。
【0019】上記成分とエチレン−2,6−ナフタレー
ト単位を構成する成分以外の成分としては、全成分中の
少なくとも80モル%がエチレン−2,6−ナフタレー
ト単位を構成する成分であるコポリマーが好ましく用い
られる。かかる成分構成であるとPEN本来の特性を極
端に失うことなく、高温での寸法変化が少ないフィルム
となる。
【0020】好適な共重合成分としては2個のエステル
形成性官能基を有する化合物、例えばシュウ酸、アジピ
ン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、
コハク酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、テレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸及びこれらの低級アルキルエステル;
p−オキシエトキシ安息香酸等の如きオキシカルボン酸
及びその低級アルキルエステル;プロピレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリ
レングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加
体、トリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドグ
リコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ネ
オペンチルグリコール等を挙げることができる。
【0021】また、PENは例えば安息香酸、メトキシ
ポリアルキレングリコール等の1官能性化合物により、
末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部また
は全部を封鎖したものであってもよく、あるいは例えば
極少量のグリセリン、ペンタエリスリトールなどの如き
3官能以上のエステル形成化合物で実質的に線状のポリ
マーが得られる範囲内で変成されたものであってもよ
い。
【0022】[添加剤]本発明の二軸配向PENフィル
ムには添加剤、例えば安定剤、染料、滑剤、紫外線吸収
剤、および難燃剤などを所望により含有させることがで
きる。
【0023】フィルムに好ましい滑り性を付与するため
には不活性粒子を少量割合含有させることが好ましい。
かかる不活性粒子としては、例えば球状シリカ、多孔質
シリカ、炭酸カルシウム、シリカアルミナ、アルミナ、
二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウム、ゼオラ
イトのごとき無機粒子、あるいはシリコン樹脂粒子、架
橋ポリスチレン粒子のごとき有機粒子をあげることがで
きる。無機粒子は粒径が均一であることなどの理由で天
然品よりも合成品であることが好ましく、あらゆる結晶
形態、硬度、比重、色の無機粒子を使用することができ
る。
【0024】上記の不活性微粒子の平均粒径は0.05
〜5.0μmの範囲であることが好ましく、0.1〜
3.0μmであることが更に好ましい。また、不活性微
粒子の含有量は0.001〜1.0重量%であることが
好ましく、0.03〜0.5重量%であることが更に好
ましい。フィルムに添加する不活性粒子は上記に例示し
た中から選ばれた単一成分でもよく、二成分あるいは三
成分以上を含む多成分でもよい。不活性粒子の添加時期
は、PENを製膜するまでの段階であれば特に制限はな
く、例えば重合段階で添加してもよく、また製膜の際に
添加してもよい。
【0025】このように滑剤を添加することにより、平
均表面粗さが0.01〜0.2μmの二軸配向ポリエス
テルフィルムを得ることができる。フィルムの平均表面
粗さが0.01μmより小さいと、十分な滑り性が得ら
れず、巻き取ることが困難になる。また、平均表面粗さ
が0.2μmより大きいと、熱転写プリンターで高速印
字する際、熱伝導が悪化し印字が不鮮明となる。添加す
る無機または有機滑剤の粒径が0.05μmより小さい
と、十分な表面粗さを得ることができず巻き取り性が低
下し生産性が低下する。5μmより大きいと、延伸工程
でフィルム破れが発生しやすくなる。
【0026】[体積抵抗率]溶融フィルムの交流体積抵
抗率は、溶融フィルムの直流体積抵抗率よりも、芳香族
ポリエステルの溶融フィルムの面上に付与しうる電荷量
と密接な関係を示し、溶融フィルムの交流体積抵抗率の
値が6.0×108Ω・cm以下の芳香族ポリエステル
は比較的早く回転する冷却ドラム上にも密着するに十分
な電荷量を付与できる。
【0027】本発明の二軸配向PENフィルムは、溶融
フィルムの交流体積抵抗率の値が好ましくは0.07×
108〜6.0×108Ω・cmの範囲にある。
【0028】本発明の二軸配向PENフィルムの製造方
法としては、上記の如き芳香族ポリエステルの溶融物を
スリットを通して回転冷却ドラム上に例えば10〜20
0μmの厚さに押出し、次いで該冷却ドラム上に該フィ
ルムを均一に密着させ該冷却ドラム上で該フィルムを冷
却させることによって行なわれる。回転冷却ドラム上に
押出された溶融フィルムは、該ドラム上に到達する近傍
(直前)において、非接触的に例えばフィルム面から3
〜10mm離れた空間に設けられた電極から電荷を強制
的に付与される。本発明で対象とする上記芳香族ポリエ
ステルは、上記の如くスルホン酸第4級ホスホニウム塩
を0.1〜40mmol%含有し且つ6.0×108Ω
・cm以下の溶融フィルムの交流体積抵抗率を示し、か
かる電荷の付与を受けて薄いフィルム状物でも回転する
冷却ドラムに均一に密着する。
【0029】[スペースファクター]本発明の二軸配向
PENフィルムは、そのスペースファクターが1〜23
%であることが好ましい。この値が1%未満では、フィ
ルムの滑り性、作業性(ハンドリング性)がやや不十分
であり、一方23%を超えると表面が粗くなりすぎ、場
合によっては破断の原因となる。
【0030】[厚み]本発明の二軸配向PENフィルム
の厚さは0.5〜10μmが好ましい。厚さが10μm
を超えると、熱伝導に時間がかかり高速印字に好適でな
い。逆に、厚さが0.5μm未満であると、強力が低く
加工適性に劣る。さらにリボンとして必要な強度に劣り
好ましくない。
【0031】[屈折率]本発明の二軸配向PENフィル
ムは、厚み方向の屈折率(nz)が1.493〜1.5
05、さらに1.495〜1.500が好ましい。厚み
方向の屈折率が1.493より小さいとスリット性が悪
く破断しやすいフィルムとなり、1.505より大きく
なるとスリット性は良いが、厚み斑が大きくなり平面性
が悪くなる。
【0032】[吸熱サブピーク温度]本発明の二軸配向
PENフィルムは、DSC(示差熱走査熱量計)で測定
される融点以外の製膜時の熱固定に起因する吸熱サブピ
ーク温度が225℃以上に存在することが好ましい。こ
の温度はさらに230℃以上、特に235℃以上、最も
240℃以上であることが好ましい。ただし、吸熱サブ
ピーク温度が240℃付近では製膜時の熱固定に起因す
るピークは融点のピークと重なってくるためショルダー
ピークになることがあるが、その場合は、融点ピークの
バックグランドを引いた時に観察されるピークを吸熱サ
ブピークとする。
【0033】二軸配向PENフィルムは、その製造工程
内の熱固定処理により、処理温度までの熱に安定して耐
えることができ、寸法安定性が向上する。処理温度以上
の熱がフィルムに与えられた場合に熱寸法安定性が悪く
なる。吸熱サブピークの上限は特に定めないが、248
℃以下が好ましい。この温度よりも高いと、平面性が低
下する。さらに、延伸により高度に配向した分子鎖の緩
和量が大きくなり強度が低下しリボンとして用いた場
合、プリンタの張力に耐えられず破れてしまうことがあ
る。
【0034】[熱収縮率]本発明の二軸配向PENフィ
ルムは、以下の熱処理後の長手方向および幅方向の熱収
縮率が両方向とも以下の値を全て満足することが好まし
い。 (a) 150℃×30分後、 3%以下、さらに好ましく
は2%以下 (b) 200℃×10分後、 6%以下、さらに好ましく
は5%以下 (c) 230℃×10分後、10%以下、さらに好ましく
は6%以下 これらの熱収縮率の範囲が1つでも満足しない場合、ベ
ースフィルムと熱ヘッドとのこすれにより、ベースフィ
ルムが収縮し寸法安定性が悪くなる他、しわが発生す
る。
【0035】[密度]本発明の二軸配向PENフィルム
は、そのフィルムの密度が1.3500〜1.3599
g/cm3、さらに1.353〜1.3596g/cm3
が好ましい。この範囲より密度が小さいと結晶化度が小
さく熱寸法安定性に劣るフィルムになる。また、この値
より密度が大きいと結晶化度が大きすぎて厚み斑の原因
となり平面性が悪くなる。
【0036】[易接着性層]本発明の二軸配向PENフ
ィルムのインキ層を塗布する側の表面に、ウレタン、ポ
リエステル、アクリルおよびビニル系樹脂変性ポリエス
テルの群から選ばれた少なくとも一種の水溶性または水
分散性樹脂からなる塗布層を有している事が必要であ
る。この塗布層は、昇華性染料と樹脂バインダーとから
なるインキ層と、フィルムとの接着性を高めるために必
要である。本発明のフィルムの塗布層として用いる事の
できる水溶性あるいは水分散性体樹脂は、以下のウレタ
ン、ポリエステル、アクリル、およびビニル系樹脂変性
ポリエステルがあげられる。
【0037】塗布層に用いるウレタン系樹脂は、それを
構成する成分として以下の如き多価ヒドロキシ化合物、
多価イソシアネート化合物、鎖長延長剤、架橋剤などを
例示できる。すなわち、多価ヒドロキシ化合物として
は、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール
のようなポリエーテル類、ポリエチレンアジペート、ポ
リエチレン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトン
のようなポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリ
ル系ポリオール、ひまし油などを用いることができる。
多価イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシ
アネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネートなどを用いることができる。鎖長延
長剤あるいは架橋剤の例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン−ナトリ
ウムアクリレート付加物、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、水などが挙げられる。これらの化合物の中から、そ
れぞれ適宜1つ以上選択して、常法の重縮合−架橋反応
によりポリウレタン系樹脂を合成する。
【0038】塗布層に用いるポリエステルは、それを構
成する成分として以下のような多価カルボン酸および多
価ヒドロキシ化合物を例示できる。すなわち、多価カル
ボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルト
フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カ
リウムスルホテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタ
ル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカ
リウム塩、およびそれらのエステル形成性誘導体等を用
いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、
ビスフェノールA−エチレングリコール付加物、ビスフ
ェノールA−1,2−プロピレングリコール付加物、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド
グリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン
酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム等を
用いることができる。これらの化合物の中から、多価カ
ルボン酸1つ以上および多価ヒドロキシ化合物1つ以上
選択して、常法の重縮合反応によりポリエステルを合成
する。なお、上記のほか、ポリエステルポリオールをイ
ソシアネートで鎖延長したポリエステルポリウレタンな
どのポリエステル成分を有する複合高分子も本発明でい
うポリエステル系樹脂に含まれる。
【0039】塗布層に用いるアクリル樹脂は、アルキル
アクリレートあるいはアルキルメタクリレートを主要な
成分とするものが好ましく、当該成分が30〜90モル
%であり、共重合可能でかつ官能基を有するビニル単量
体成分70〜10モル%を含有する水溶性あるいは水分
散性樹脂である。アルキルアクリレートあるいはアルキ
ルメタクリレートと共重合可能でかつ官能基を有するビ
ニル単量体は、官能基としてカルボキシル基またはその
塩、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩、アミド基
またはアルキロール化されたアミド基、アミノ基(置換
アミノ基を含む)またはアルキロール化されたアミノ基
あるいはそれらの塩、水酸基、エポキシ基などを有する
ビニル単量体である。これらの中でも特に好ましいもの
はカルボキシル基またはその塩、酸無水物基、エポキシ
基などである。これらの基は樹脂中に2種類以上含有さ
れていてもよい。アルキルアクリレートおよびアルキル
メタクリレートのアルキル基の例としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシ
ル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基な
どが挙げられる。
【0040】アルキルアクリレートあるいはアルキルメ
タクリレートと共重合する官能基を有するビニル系単量
体は、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水性基など
の官能基を有する下記の化合物類が使用できる。カルボ
キシル基またはその塩、酸無水物基を有する化合物とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、これらのカルボン酸のナトリウムなどとの金属
塩、アンモニウム塩あるいは無水マレイン酸などが挙げ
られる。スルホン酸基またはその塩を有する化合物とし
ては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これら
のスルホン酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモニウ
ム塩などが挙げられる。アミド基あるいはアルキロール
化されたアミド基を有する化合物としては、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタク
リルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウレイドイ
ソブチルビニルエーテル、ウレイドエチルアクリレート
などが挙げられる。アミノ基あるいはアルキロール化さ
れたアミノ基あるいはそれらの塩を有する化合物として
は、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノ
エチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエー
テル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビニル
エーテル、それらのアミノ基をメチロール化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り4級化したものなどが挙げられる。水酸基を有する化
合物としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β
−ヒドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、β−ヒドロキシエチルビニルエーテル、5−ヒ
ドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキ
シルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアク
リレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノメタクリレートなどが挙げら
れる、エポキシ基を有する化合物としては、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げら
れる。その他官能基を有する化合物として、ビニルイソ
シアネート、アリルイソシアネートなどが挙げられる。
さらに、エチレン、プロピレン、メチルペンテン、ブタ
ジエン、スチレン、α−メチルスチレンなどのオレフィ
ン類や、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルトリアルコキシシラン、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、フ
ッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、酢酸ビニルなども
ビニル系単量体化合物として挙げられる。
【0041】塗布層に用いるビニル系樹脂変性ポリエス
テル系樹脂の水溶性または水分散性樹脂はポリエステル
の水溶性または水分散性樹脂中においてビニル系樹脂を
共重合することによって合成できる。このポリエステル
を構成する成分として以下のような多塩基酸またはその
エステル形成性誘導体とポリオールまたはそのエステル
形成性誘導体を例示できる。すなわち、多塩基酸成分と
してはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸、、ダイマー酸等が挙
げられる。これらの酸成分を2種以上を用いて共重合ポ
リエステル樹脂を合成する。また、若干量ながら不飽和
多塩基酸成分のマレイン酸、イタコン酸等及びp−ヒド
ロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を用いる
ことができる。また、ポリオール成分としては、エチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシ
レングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール等が挙げられる。これらは2種以上を用
いることができる。また、ビニル系樹脂成分以下に例示
するようなビニル系モノマーが挙げられる。このビニル
系モノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキル
メタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル
基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリル
アミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジア
ルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレ
ート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘ
キシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−ア
ルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアク
リルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド
(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基、イソブトキシ基等)、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェ
ニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等
のアミド基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等
のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン
酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のガ
ルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;無水マレ
イン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニ
ルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキル
マレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエス
テル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン
等のモノマーが挙げられる。また、これらモノマーが挙
げられるがこれらに限定されるものではない。これらモ
ノマーは1種あるいは2種以上を用いて共重合すること
ができる。
【0042】本発明の易接着性層を形成する塗布液は上
記樹脂の水溶性または水分散性樹脂や他の添加物に影響
を与えない限り、若干の有機溶剤を含んでいてもよい。
この塗布液はアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活
性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤を必要量添
加して用いることができる。かかる界面活性剤としては
水性塗布液の表面張力を40dyne/cm以下に低下
でき、ポリエステルフィルムへの濡れを促進するものが
好ましく、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンー脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂
肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニウムク
ロライド塩、アルキルアミン塩酸、ベタイン型界面活性
剤等を挙げることができる。
【0043】本発明の二軸配向PENフィルムの塗布層
には、固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、
機械的強度の改良のために架橋剤としてイソシアネート
系化合物、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合物、
アジリジン化合物、メラミン系化合物、シランカップリ
ング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネート
系カップリング剤などを含有しても良い。また、樹脂成
分に架橋反応点があれば、過酸化物、アミン類などの反
応開始剤や、感光性樹脂などに増感剤を含有しても良
い。また、固着性や滑り性改良のために、塗布層中に無
機系微粒子としてシリカ、シリカゾル、アルミナ、アル
ミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸
カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリ
ウム、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチ
モンゾルなどを、有機系微粒子として、ポリスチレン、
ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリ
ル酸エステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素
樹脂などを含有してもよい。さらに必要に応じて、消泡
剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑
剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料などを含有しても
良い。
【0044】この塗布液は二軸配向PENフィルム製造
工程中で結晶配向が完了する前の二軸配向PENフィル
ムの片面または両面に塗工するのが好ましい。フィルム
製造工程と切り離して塗工してもよいが、この場合では
塵、埃等を巻き込みやすく、その部分が印刷時の欠点と
なるので、クリーンな雰囲気が望ましく、更には好適な
フィルムを比較的安価で製造でき、これらの点から製造
工程中の塗工が好ましい。その際塗布液の固形分濃度は
通常0.1〜30重量%であり、更に好ましくは1〜1
0重量%である。塗布量は走行中のフィルム1m2当り
0.5〜50gが好ましい。
【0045】塗工方法としては公知の方法が適用でき
る。例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロー
ルブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、
含浸法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて
適用するとよい。
【0046】[フィルムの製造方法]本発明の二軸配向
PENフィルムは通常の方法により得た未延伸フィルム
を二軸延伸し熱固定することで製造することができ、ま
た熱固定後に弛緩処理を行うことによってさらに有利に
製造することができる。例えば、未延伸フィルムをTg
〜(Tg+60)℃の温度で縦方向、横方向に倍率2.
0〜6.0倍で二軸延伸し、225℃以上好ましくは2
35〜250℃の範囲で1〜100秒間熱固定する。熱
固定はゾーンを2分割以上好ましくは4分割以上に分け
られている事がゾーンごとに温度コントロールを行え望
ましい。熱固定ゾーンの温度は最終ゾーンの温度を22
5℃以上好ましくは235℃以上でかつ最も高くする事
により、熱固定により形成される構造が安定化する。延
伸は一般に用いられる方法、例えばIRヒーターによる
方法やロールによる方法やテンターを用いる方法で行う
ことができ、縦方向、横方向を同時に延伸してもよく、
また縦方向、横方向に逐次延伸してもよい。
【0047】さらに弛緩処理を行う場合は、熱固定後ロ
ールに巻き取るまでの間で弛緩処理を行うが、弛緩処理
方法としては熱固定ゾーンの途中でテンター幅を縮めフ
ィルム幅方向に0〜3%の弛緩処理を行う方法、フィル
ムの両端部を切り離しフィルムのTg以上融解温度以下
の温度条件下においてフィルムの供給速度に対して引き
取り速度を減速させる方法、2つの速度の異なる搬送ロ
ールの間においてIRヒーターで加熱する方法、加熱搬
送ロール上にフィルムを搬送させ加熱搬送ロール後の搬
送ロールの速度を減速させる方法、熱固定後熱風を吹き
出すノズルの上にフィルムを搬送させながら、供給の速
度よりも引き取りの速度を減速する方法、あるいは製膜
機で巻き取った後、加熱搬送ロール上にフィルムを搬送
させ搬送ロールの速度を減速する方法、あるいは加熱オ
ーブン内やIRヒーターによる加熱ゾーンを搬送させな
がら加熱ゾーン後のロール速度を加熱ゾーン前のロール
速度より減速する方法があり、いずれの方法を用いても
良く、供給側の速度に対して引き取り側の速度の減速率
を0.1〜3%にして弛緩処理を行う。また、熱収縮率
を本発明の範囲にするために、弛緩処理のほか、熱固定
ゾーンの途中でテンターの幅を広げフィルム幅方向に緊
張処理を0〜3%施してもよい。このような処理は熱収
が本発明の範囲内に収まるような方法であればこれらに
限定されるものではない。また、処理の位置は最も温度
の高い最終熱固定ゾーンで行う事が寸法安定構造を形成
する上で好ましい。
【0048】本発明の二軸配向PENフィルムは熱転写
リボンとして有用である。以下に熱転写リボンの構成に
ついて記述する。
【0049】[熱転写インク層]本発明の二軸配向PE
Nフィルムの片面に、易接着性層を設けた場合は易接着
性層面に、熱転写インク層を設けて熱転写リボンを作成
する。
【0050】熱転写インク層は、特に限定されるもので
はなく、公知のものを用いることができる。すなわち、
バインダー成分、着色成分などを主成分とし、必要に応
じて柔軟剤、可塑剤、分散剤などを適量添加して構成さ
れる。上記主成分の具体例としては、バインダー成分と
して、カルナウバワックス、パラフィンワックスなど公
知のワックス類やセルロース類、ポリビニルアルコール
類、ポリビニルアルコール部分アセタール化物、ポリア
ミド類、低融点の各種高分子物質等が用いられ、着色剤
としては、カーボンブラック主体とし、その他各種の染
料、あるいは有機、無機の顔料が用いられる。また、熱
転写インキ層は、昇華性の染料を含んでいてもよい。昇
華性染料としては各種分散染料、塩基性染料などを用い
ることができる。
【0051】熱転写インキ層を基材層の易接着層面に設
ける方法としては、公知の方法、例えばホットメルト塗
工、溶剤を添加した状態でグラビア、リバース、スリッ
トダイ方式などの溶液塗工方法などを用いることができ
る。
【0052】[融着防止層]サーマルヘッド部のスティ
ックキングを防ぐために、熱転写インキ層の設けていな
い側に、好ましくは、ポリオール、例えばポリアルコー
ルとポリイソシアネート化合物及びリン酸ポリエステル
系化合物から形成する。この様なポリアルコールとして
は、水酸基を有するポリビニルブチラール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、
アクリルポリオール、ニトロセルロース樹脂、セルロー
スアセテート樹脂、酢酸セルロース樹脂、ウレタンやエ
ポキシのプレポリマー等のなかから好ましく用いる事が
できる。さらに、融着防止層を設けるのは、未延伸また
は縦延伸後に行っても、一旦、二軸フィルムとして巻き
取った後に行っても良い。このようにすることにより、
転写リボンに加工した後に、サーマルヘッドから、ベー
スにかかる熱履歴を減らすことができ好ましい。
【0053】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳し
く説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。なお、特性値の測定方法と評価方法を
以下に述べる。
【0054】(1)製膜性 ポリマーをフィルム状に溶融押出しする口金部の近くで
かつ押出したフィルムの上部に設置した電極により冷却
ドラムとの間に7000Vの電圧を印加してキヤステイ
ングする際、ピン状欠点(pinner bubble)を生じず、
厚みの均一性を低下することなく安定に製膜できる。こ
の時のフィルムの製膜性を観察し、下記の基準で評価し
た。 ランクA:破断は起こらず、極めて安定に製膜が可能。 ランクB:破断はほとんど起こらず、安定な製膜が可
能。 ランクC:時々破断が起こり、製膜が不安定。 ランクD:破断が多発し、実質的に安定な製膜が不可
能。
【0055】(2)交流体積抵抗率 第1図に示す装置を用いて測定した。測定サンプルは厚
さが約150μmになるようにフィルムを重ねる。直径
20cmの円柱状下部電極2の上面に、150μmの平
行な間隙が保持出来る直径5.6cm、厚さ0.2cm
の上部電極3を配し、この間に測定サンプルが電極と密
着するようにして挿入する。
【0056】下部電極は加電装置4と温度検出端5を内
蔵し、下部電極の表面温度の測定面におけるバラツキが
1℃以内、検出端部分との温度差が昇温速度8℃/分に
おいて2℃以内となるように構成する。なお、検出温度
は読取温度計7で測定する。電極の全体は保温箱11中
に配置する。
【0057】電源8はその発生電圧を標準抵抗9を介し
て両電極間に印加するが、該電源はフィルムの直流体積
抵抗率を測定する場合は100Vの直流を発生する電源
であって、フィルムの交流体積抵抗率を測定する場合は
100V、50Hzを発生する電源である。この回路に
流れる電流は標準抵抗9の両端に発生する電圧を、内部
インピーダンスが100MΩ以上のエレクトロンメータ
ー10で読取る。
【0058】本発明における溶融時のフィルムの交流体
積抵抗率の測定は、上記装置により、下部電極の昇温測
速度が8℃/分、該電極がポリマーのDSCで測定した
融点+20℃の温度(ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートの場合290℃)にて行ない、交流体積抵抗率Z
は、印加電圧E、電流I、電極面積S、電極間隔dより
次式で求められる。 Z=(E/I)×(S/d)
【0059】(3)屈折率 アッベ屈折計を用いNaD線(589nm)を光源とし
て屈折率を測定し下記式により求める。nzはフィルム
面垂直方向の屈折率を表わす。
【0060】(4)熱収縮率 各温度(150,200,230℃)に設定されたオー
ブンの中に無緊張状態で各設定時間(150℃は30
分、200,230℃は10分)フィルムを保持し、加
熱処理前後での寸法変化を熱収縮率として下式により算
出する。 熱収縮率%=((L0−L)/L0)×100 L0:熱処理前の標点間距離 L :熱処理後の標点間距離
【0061】(5)密度 硝酸カルシウム水溶液を用いた密度勾配管中、25℃で
浮沈法により測定した値である。
【0062】(6)フィルム厚み 試料フィルムの幅をW(cm)、長さを1(cm)、重
量をG(g)、密度をd(g/cm3)とした時、フィ
ルム厚みt(μm)を下記式で算出した。 t=G/(W×1×d)×10000
【0063】(7)スペースファクター(SF) 試料100cm2のフィルム重量w(g)と密度d(g
/cm3)から求めた重量法厚みをt1(μm)、10c
m角の試料フィルムを10枚重ね、マイクロメーターを
用いて求めた試料フィルム1枚分の厚みをt2(μm)
とした時、下記式より算出した。 SF(%)=100−t1/t2×100
【0064】(8)吸熱サブピーク温度(℃) フィルム10mgをセイコー電子工業(株)製熱分析シ
ステム(示差熱走査熱量計、DSC)SSC5200、
DSC220にセットし、窒素気流中で20℃/分の昇
温速度で加熱し、該フィルムの吸熱挙動を1次微分、2
次微分で解析し、ピークを示す温度を決定し、これを吸
熱サブピーク温度とする。この時、吸熱サブピークとは
融点のピークではなく、熱固定により形成される構造が
部分融解する事に起因するピークである。
【0065】(9)接着性 作製した熱転写リボンのインキ層面に、住友スリーエム
(株)製のメンディングテープ810を貼り付け急速剥
離を行い、インク層の剥離の程度によって接着性を以下
のように評価する。 5;インク層剥離が全くない 4;インク層剥離面積が10%未満 3;インク層剥離面積が10〜30% 2;インク層剥離面積が30〜80% 1;インク層剥離面積が80%超える
【0066】(10)印画性 受像シートVY・200((株)日立製作所製 標準ペ
ーパー 商品名)に、プリンター日立VY・200
((株)日立製作所製 商品名)で光学濃度最大になる
ように印画した。作製した熱転写リボンについて、次の
基準により、印画性およびリボンに生じる皺を評価し
た。 ○:鮮明に印画 △:印画濃度が均一とならない。 ×:リボンに皺が入り印画が乱れる。
【0067】[実施例1〜6、比較例1〜4]2,6−
ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部をエチレ
ングリコール60部の混合物に酢酸マンガン4水塩0.
03部を添加し、150℃から240℃に徐々に昇温し
ながらエステル交換反応を行なつた。途中反応温度が1
70℃に達した時点で三酸化アンチモン0.024部を
添加し、さらに平均粒径が1.2μmの球状シリカ粒子
0.4重量部を添加し、次いで220℃に達した時点で
表1に示すスルホン酸4級ホスホニウム塩を表1に示す
量をエチレングリコール0.124部に加え、この混合
物を40℃に加熱した溶液として添加した。引続いてエ
ステル交換反応を行ない、エステル交換反応終了後、リ
ン酸トリメチルをエチレングリコール中で135℃、5
時間、1.1〜1.6kg/cm2の加圧下で加熱処理
した溶液(リン酸トリメチル換算量で0.023部)を
添加した。その後反応生成物を重合反応器に移し、29
0℃まで昇温し、0.2mmHg以下の高真空下にて重
縮合反応を行なつて25℃のo−クロロフェノール中で
測定した固有粘度が0.62の共重合PENポリマーを
得た。
【0068】この共重合PENポリマーを、押し出し機
とTダイでシート状に溶融押し出し、水冷キャスティン
グドラムに37.5m/分の速度で密着させて冷却固化
し、未延伸シートを得た。この未延伸フィルムを、ロー
ル延伸により縦方向(機械軸方向)に高速ロール150
m/分で144℃で表1に示す倍率で延伸した。
【0069】この縦延伸後のフィルムのインキ層を塗布
しない側に、融着防止層として下記組成の塗剤を乾燥後
の塗膜厚みが0.5μmになるようにグラビアコーター
で塗工し、インキ層を塗布する側に易接着層として下記
組成の塗剤を乾燥後の塗膜厚みが0.1μmになるよう
にグラビアコーターで塗工した。、その後、横方向(幅
方向)に140℃で表1に示す倍率で逐次二軸延伸して
第1、2,3熱固定ゾーンでそれぞれ表1に示す温度で
2秒間ずつ熱固定し第3熱固定ゾーンで幅方向に緊張処
理を表1に示す条件で行い、表1に示す厚みの二軸配向
フィルムを得た。
【0070】<融着防止層用塗剤組成> アクリル酸エステル 14.0重量% アミノ変性シリコーン 5.9重量% イソシアネート 0.1重量% 水 80.0重量% <易接着性層用塗剤組成(アクリル+ポリエステル+エ
ポキシ)> アクリル樹脂 42固形分重量%(メチルメタクリ
レート65モル%/エチルアクレート28モル%/2−
ヒドロキシエチルメタクリレート2モル%/N−メチロ
ールアクリルアミド5モル%) ポリエステル樹脂 42固形分重量%(酸成分:テレフ
タル酸35モル%/イソフタル酸モル13モル%/5−
ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%、グリコール成
分:エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコ
ール5モル%) エポキシ系架橋剤 6固形分重量%(N,N,N’,
N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン) 濡れ剤 10固形分重量%(ラウリルポリオ
キシエチレン) 得られた二軸配向PENフィルムについて、交流体積抵
抗率、屈折率、吸熱サブピーク、縦、横方向熱収縮率、
配向度、密度、厚みおよびスペースファクターを測定、
評価した。
【0071】次に、下記組成の熱転写インクを、塗膜厚
みが1.0μmになるようにグラビアコーターで融着防
止層とは反対面に塗工し、熱転写リボンを作製した。 <熱転写インク組成> マゼンタ染料(MSRedG) 3.5重量% ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.5重量% メチルエチルケトン 46.5重量% トルエン 46.5重量% 作製した熱転写用リボンについてインキの接着性および
印字性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0072】[比較例5]25℃のo−クロロフィノー
ル溶融で測定した固有粘度が0.61で、3,5−ジカ
ルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩を2.0mmol%含み粒径が1.2μmの球状シリ
カ粒子を0.4重量%含有したポリエチレンテレフタレ
ートを用い、縦方向に125℃で4.0倍、テンターオ
ーブンで110℃、4.0倍の横延伸を行った。次に、
表1中に示す熱固定温度で熱処理弛緩処理を行う以外は
実施例1と同じ方法で二軸配向ポリエステルフィルムを
作成した。次に、実施例1と同じ方法で熱転写用リボン
を作製し評価した。評価結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、熱時のフィルムの変形
が小さく、熱転写インク層との密着性にも優れ、階調性
に優れた転写画像を得られ、更に破断の少ない生産性に
優れた平面性の良い二軸配向PENフィルムを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】交流体積抵抗率測定器の概略図である。
【符号の説明】
1:測定サンプル 2:円柱状下部電極(直径20cm) 3:上部電極(直径5.6cm、厚さ0.2cm) 4:加電装置 5:温度検出端 6:電源 7:温度表示部 8:電源 9:標準抵抗 10:エレクトロンメーター 11:保温箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 賢司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (56)参考文献 特開 平9−314766(JP,A) 特開 平9−314771(JP,A) 特開 平10−67082(JP,A) 特開 平10−128915(JP,A) 特開 平6−41407(JP,A) 特開 平6−41408(JP,A) 特開 平8−318601(JP,A) 特開 平10−180866(JP,A) 国際公開94/019722(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン−2,6−ナフタレート
    を主たる構成成分とする二軸配向ポリエステルフィルム
    であって、該二軸配向ポリエステルフィルムが2官能性
    カルボン酸成分に対し0.1〜40mmol%のエステ
    ル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩
    を含有し、かつ溶融した二軸配向ポリエステルフィルム
    の交流体積抵抗率が6×108Ω・cm以下であり、さ
    らに厚み方向の屈折率(nz)が1.493〜1.50
    5であり、DSCで測定される融点以外の吸熱サブピー
    ク温度が225℃以上であり、150℃×30分処理後
    の長手方向および幅方向の収縮率がそれぞれ3%以下、
    200℃×10分処理後の長手方向および幅方向の収縮
    率がそれぞれ5%以下、230℃×10分処理後の長手
    方向および幅方向の収縮率がそれぞれ10%以下であ
    り、密度が1.3500〜1.3599g/cm 3 であ
    り、かつスペースファクターが1〜23%であることを
    特徴とする二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレー
    トフィルム。
  2. 【請求項2】 ウレタン、ポリエステル、アクリルおよ
    びビニル系樹脂変性ポリエステルの水溶性または水分散
    性樹脂の群から選ばれた少なくとも1種類の樹脂が、配
    向結晶化の完了前に少なくともフィルム片面に塗布され
    た後、乾燥・延伸・熱固定を施された塗布層を有する請
    求項1記載の二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレ
    ートフィルム。
  3. 【請求項3】 エステル形成性官能基を有するスルホン
    酸4級ホスホニウム塩が下記式(1)で表わされる化合
    物である請求項1記載の二軸配向ポリエチレン−2,6
    −ナフタレートフィルム。 【化1】 (式(1)中、nは1または2であり、Aはn+2価の
    炭素数2〜18の脂肪族基又は芳香族基であり、X1
    よびX2は、それぞれ水素原子又はエステル形成性官能
    基であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ炭素数
    1〜18のアルキル基、ベンジル基または炭素数6〜1
    2のアリール基である。但し、X1およびX2は互いに同
    一あるいは異なっていてもよいが両者が水素原子である
    ことはない。また、R1、R2、R3およびR4は互いに同
    一あるいは異なっていてもよい。)
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