JP2010201798A - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも2層からなる二軸配向積層ポリエステルフィルムであって、当該フィルムを構成する最外層のうち少なくとも一方の層(A層)がカルボキシル基の濃度が29当量/トン以下のポリエステルを原料とするものであることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明のポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押し出される、いわゆる押出法により押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムである。
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
改質剤としては、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、有機高分子、染料、顔料、安定剤などが挙げられる。これらは、活性エネルギー線による反応を阻害しない範囲で使用され、活性エネルギー線硬化樹脂層の特性を用途に応じて改良することができる。活性エネルギー線硬化樹脂層の組成物には、塗工時の作業性向上、塗工厚さのコントロールのため、有機溶剤を配合することができる。
さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
離型層は、非粘着で離型効果に優れているので、ベースフィルムであるポリエステルフィルムとの密着性が十分とは言い難いことが多いが、本発明においてはコロナ放電処理を行って臨界表面張力を特定範囲としているので塗布工程適性や密着性を高めることができる。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
共重合ポリエステル試料100mgを、ベンジルアルコール5mlに加熱溶解し、これにクロロホルム5mlを加えて希釈後、フェノールレッドを指示薬として、0.1N−水酸化ナトリウム/ベンジルアルコール溶液により滴定し、AV値を定量した。
無定型シートを縦延伸および横延伸した後のフィルムについて、延伸ムラ、ヘーズムラまたはヘーズスジ、白化の状況を次に示す3ランクにて判定評価した。この評価は、光学的均一性を示すもので、品質の良否を判別する重要な項目である。
△:薄く延伸ムラあるいはヘーズムラ、あるいは、ヘーズスジあるいは、白化が見え、光学的均一性に劣る
×:明瞭に延伸ムラ、ヘーズムラ、ヘーズスジ、あるいは、白化し、光学的均一性が全くない
[ポリエステル(1)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・4水塩0.13重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに除々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了したこの反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.05部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から除々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より除々に減じ最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.65、末端カルボキシル基は41当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、酢酸マグネシウム・四水塩の添加量を0.09部、エチルアシッドフォスフェートの添加量を0.04部とする以外はポリエステル(1)同様の方法でポリエステル(2)を得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.65、末端カルボキシル基は61当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、酢酸マグネシウム・四水塩の添加量を0.5部、エチルアシッドフォスフェートの添加量を0.08部とする以外はポリエステル(1)同様の方法でポリエステル(3)を得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.65、末端カルボキシル基は80当量/トンであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・4水塩0.13重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに除々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了したこの混合物に平均粒径が1.60μmのシリカ粒子を0.2重量部含有するエチレングリコールスラリー10量部を添加し、エチルアシッドフォスフェート0.05部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間30分重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から除々に昇温し280℃とし、圧力は常圧より除々に減じ最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間30分を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。次いで得られたポリマーを225℃で0.3mmHgの条件下、10時間固相重合を行った。得られたポリエステルの極限粘度は0.82、末端カルボキシル基は25当量/トンであった。
ポリエステル(4)の製造において、酢酸マグネシウム・4水塩の添加量を0.09重量部とする以外は、ポリエステル(4)同様の方法でポリエステル(5)を得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.71、末端カルボキシル基は20当量/トンであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・4水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに除々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了したこの混合物に平均粒径が1.60μmのシリカ粒子を0.2重量部含有するエチレングリコールスラリー10量部を添加し、エチルアシッドフォスフェート0.05部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間30分重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から除々に昇温し280℃とし、圧力は常圧より除々に減じ最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。次いで得られたポリマーを225℃で0.3mmHgの条件下、10時間固相重合を行った。得られたポリエステルの極限粘度は0.76、末端カルボキシル基は15当量/トンであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブチルチタネート0.004重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに除々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から除々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より除々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.62に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。次いで、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(7)を得た。ポリエステル(7)の固有粘度は0.74、ポリマーの末端カルボキシル基量は8当量/トンであった。
ポリエステル(2)の製造方おいてエチレングリコールに分散させた平均粒子径1.60μmのシリカ粒子を0.2部添加した以外はポリエステル(2)同様の方法でポリエステル(8)を得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.65、末端カルボキシル基は61当量/トンであった。
表層(A層)用原料をポリエステル(4)とし、内層(B層)用原料をポリエステル(1)として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、83℃で縦方向に3.7倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.9倍延伸し、さらに、220℃で熱処理を行い、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは、5/240/5μmの構成で、全厚みは250μmであった。
ポリエステル(4)をA層としポリエステル(1)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、15/200/15の構成で、全厚みは250μmであった。
ポリエステル(5)をA層としポリエステル(1)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、5/240/5の構成で、全厚みは250μmであった
ポリエステル(6)をA層としポリエステル(2)をB層として、A/Bの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、5/245の構成で、全厚みは250μmであった。
ポリエステル(7)をA層とし、ポリエステル(3)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、5/240/5μmの構成で、全厚みは250μmであった
ポリエステル(7)をA層とし、ポリエステル(1)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、5/28/5μmの構成で、全厚みは38μmであった
ポリエステル(7)をA層とし、ポリエステル(1)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、5/178/5μmの構成で、全厚みは188μmであった
ポリエステル(7)をA層とし、ポリエステル(1)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、15/220/15μmの構成で、全厚みは250μmであった
ポリエステル(7)をA層とし、ポリエステル(1)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、15/270/15μmの構成で、全厚みは300μmであった
ポリエステル(7)をA層とし、ポリエステル(1)をB層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、15/320/15μmの構成で、全厚みは300μmであった
ポリエステル(7)をA層とし、ポリエステル(1)をB層として、A/Bの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を製膜時に冷却ドラムに接する面をB層として積層して押し出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、15/485μmの構成で、全厚みは500μmであった
ポリエステル(8)をA層、B層として、A/B/Aの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を積層して押出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、5/240/5μmの構成で、全厚みは250μmであった。結晶化によるヘーズスジが発生し、光学的均一性が全くなかった。
ポリエステル(8)をA層、B層として、A/Bの構成の共押出積層フィルムを作成した。溶融押出機は、いずれもベント付き二軸混練機にて行い、マルチマニホールドダイを用いて2種の原料を製膜時に冷却ドラムに接する面をA層として積層して押し出した。延伸、熱処理条件等、製膜時の条件は、実施例1と同様とした。得られたフィルムの厚みは、30/220μmの構成で、全厚みは250μmであったが結晶化によるヘーズムラが発生し、光学的均一性が全くなかった。
Claims (2)
- 少なくとも2層からなる二軸配向積層ポリエステルフィルムであって、当該フィルムを構成する最外層のうち少なくとも一方の層(A層)がカルボキシル基の濃度が29当量/トン以下のポリエステルを原料とするものであることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
- A層と隣接する層を構成するポリエステル原料のカルボキシル基の濃度がA層原料のカルボキシル基濃度より大きいことを特徴とする請求項1記載の二軸配向積層フィルム。
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