JP2011224904A - 基材レス両面粘着シート用離型フィルム - Google Patents

基材レス両面粘着シート用離型フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 例えば、タッチパネル、液晶偏光板、位相差板等の液晶構成部材製造用、PDP構成部材製造用、有機EL構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用のほか、各種光学用途等の視認性が重要とされる部材として用いられる場合の基材レス両面粘着シート検査工程において好適な基材レス両面粘着シート用離型フィルムを提供する。
【解決手段】 両面に粘着性を有する粘着層の両面に積層されて使用される離型フィルムであり、当該離型フィルムが、二軸配向ポリエステルフィルムの片面に離型剤層を有し、フィルムヘーズ値が10〜25%であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用離型フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は基材レス両面粘着シートに用いる離型フィルムに関し、特に離型層表面へのオリゴマー析出量が極力少ない離型フィルムに関するものであり、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する場合がある)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する場合がある)、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する場合がある)等の光学用途に用いられる基材レス両面粘着シート用に好適な離型フィルムを提供するものである。
従来、物体間を面接着する粘着シートは種々知られており、粘着シートの1つとして基材レス両面粘着シートが知られている。
基材レス両面粘着シートは、粘着剤層の両面に剥離力の相対的に低い軽剥離シートと、剥離力の相対的に高い重剥離シートが積層されて構成され、両面の剥離シートを除去した後には、支持基材を有さない粘着剤層のみとなる両面粘着シートである。
基材レス両面粘着シートは、まず軽剥離シートが剥がされ、露出された粘着剤層の一方の面が物体面に接着され、その接着後、さらに重剥離シートが剥がされ、露出された粘着剤層の他方の面が、異なる物体面に接着され、これにより物体間が面接着される。
近年、基材レス両面粘着シートは、その用途が広がりつつあり、各種光学用途の部材等にも用いられている。例えば、LCDの部材として、基材レス両面粘着剤の片側に偏光板、その反対面側に離型フィルムを用いた時に、クロスニコル法での検査時に、異物等の欠点検出を容易とするため、離型フィルムに用いる二軸配向ポリエステルフィルムの配向主軸の傾きを小さくする提案がなされている。(例えば、特開2009−220496号)
このように、基材レス両面粘着シートを、光学用途に用いる場合は、基材レス両面粘着シートだけでなく、それに用いられる離型フィルムも、今まで以上に欠点検出が容易であることが重要な問題となっている。
特開2009−220496号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、例えば、タッチパネル、液晶偏光板、位相差板等の液晶構成部材製造用、PDP構成部材製造用、有機EL構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用のほか、各種光学用途等の視認性が重要とされる部材として用いられる場合の基材レス両面粘着シート検査工程において好適な基材レス両面粘着シート用離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有する離型フィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、両面に粘着性を有する粘着層の両面に積層されて使用される離型フィルムであり、当該離型フィルムが、二軸配向ポリエステルフィルムの片面に離型剤層を有し、フィルムヘーズ値が2〜10%であることを特徴とする、基材レス両面粘着シート用離型フィルムに存する。
本発明によれば、基材レス両面粘着シート検査工程において好適な基材レス両面粘着シート用離型フィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明の離型フィルム基材を形成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。その他には、ポリエチレンイソフタレート、ポリ−1,4−ブチレンテレフタレート等が挙げられる。
上記の優位構成成分以外の共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸およびオキシモノカルボン酸等のエステル形成性誘導体を使用することができる。
また、ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することができる。ポリエチレンテレフタレートにブレンドする樹脂の例としては、例えばイソフタル酸共重合体、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート共重合体、ポリエチレングリコール共重合体等の各種共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよび共重合ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムの極限粘度は、通常0.40〜0.90、好ましくは0.45〜0.80、さらに好ましくは0.50〜0.70の範囲である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかったり、製造コストがかかったりする等の問題が生じる場合がある。
従来、フィルムのオリゴマーを低減する方法しては、固相重合により予めポリマー中のオリゴマー量を低減させておき、最終フィルムのオリゴマーを少なくする処方が用いられているが、固相重合の場合は、極限粘度が高くなったり、工程が増えたりするためにコストが上昇してしまう問題がある。また、フィルム製造工程の押出機で溶融温度が高かったり、滞留時間が長くなったりする場合には、オリゴマーを低減させた効果が見られなくなる。
本発明で使用するポリエステルフィルムを構成するポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、フィルム原料の製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.05〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの範囲である。平均粒径が0.05μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において種々の表面機能層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
本発明において、フィルムのヘーズは10〜25%であることが必要であり、さらに好ましくは14〜20%である。フィルムのヘーズが10%を下回る場合、両面に離型フィルムを設けた基材レス両面粘着シートを光が透過する際には散乱光が少なく検査性は良好であるが、最外面に存在するフィルム表面キズや異物が目立ち、検体自身の欠点の検査が正確に行えなくなる。フィルムヘーズが25%を超える場合、視野が白濁して検査に支障を来す。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリマーを製造する任意の段階において添加することができる。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤が使用される。アクリル系粘着剤は、官能基含有モノマーと、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等の他のモノマーとを共重合して得られるアクリル系共重合体が主成分として構成され、必要に応じて溶媒、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等をさらに含んでいてもよい。
官能基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーが挙げられる。官能基含有モノマーは、アクリル系共重合体を構成するモノマー全体を基準(100質量%)として、モノマー単位として0.3〜5.0質量%含むことが好ましい。
アクリル系共重合体は、官能基を含有することにより、架橋剤との反応で凝集力を調整することができ、粘着剤の基材からのはみ出しを抑制すると共に、粘着力および耐熱性を向上させることができる。粘着剤に使用される架橋剤としては、特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において慣用されているものの中から適宜選択して用いられ、例えば、ポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが用いられ、好ましくはポリイソシアネート化合物が用いられる。
本発明において、離型層は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定されるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂を含有するものによれば離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明における離型層の塗布量は、通常0.01〜1g/mの範囲である。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、塗布層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
離型フィルムの粘着剤層に対する剥離力が異なるものを両面粘着シートそれぞれの面に積層することが好ましい。一方の面に使用する離型フィルムの剥離力は3〜50mN/cmが好ましく、さらに好ましくは5〜25mN/cmである。離型フィルムの剥離力を低く抑えることにより、もう一方の粘着層面に使用する離型フィルムの剥離力を低くしても、両離型フィルムの剥離力差を大きくすることができる。
また、一方の離型フィルムの剥離力を一定の値以上とすることによって、使用前に当該離型フィルムが粘着剤層から不意に剥がれたり、粘着剤層から浮いたりすることが防止される。
重剥離側に相当するもう一方の離型フィルムの粘着剤層に対する剥離力は、10〜100mN/cmが好ましく、さらに好ましくは15〜50mN/cmである。当該離型フィルムの剥離力を低く抑えることによって、当該離型フィルムを剥離したときに生じる、当該離型フィルムへの粘着剤の残留や、ジッピング等を防止することができる。
本発明の離型フィルム厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲で、かつ、離型フィルムとしての加工が可能であれば特に限定されるものではないが、通常10〜100μm、好ましくは15〜50μmの範囲である。フィルム厚みが10μm未満では、フィルムに腰がないことがあり、離型フィルムを剥がす工程でトラブルを生じるおそれがある。フィルム厚みが100μmを超える場合は、製造コストが上がることになる。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては離型フィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法とは、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
ポリエステルフィルムの表面に塗布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布後、フィルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。
また、塗布層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。
ポリエステルフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマルジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよい。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
次に、実施例をあげて本説明をさらに説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における物性の評価方法は以下のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)フィルムヘーズ
JISーK6714に準じ、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの濁度を測定した。
(4)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(5)実用特性
<異物認知性A>
両面に離型フィルムを設けた、基材レス両面粘着シート作成する際、粘着剤と第2離型フィルムとの間に50μm以上の大きさを持つ黒色の金属粉(異物)を50個/mとなるように混入させた。このようにして得られた異物を混入させた基材レス両面粘着シートを目視にて第1離型フィルム側から観察し、混入させた異物の検出状況により評価した。
○:異物認知性は良好であり、光学用途の検査レベルとして十分である。
△:異物認知性は劣るが、実用検査上支障の無いレベル。
×:異物が確認できず、光学用としては不適切な検査レベルである。
<異物認知性B>
異物認知性1で得られた異物を混入させた基材レス両面粘着シートを目視にて第2離型フィルム側から観察し、混入させた異物の検出状況により評価した。
○:異物認知性は良好であり、光学用途の検査レベルとして十分である。
△:異物認知性は劣るが、実用検査上支障の無いレベル。
×:異物が確認できず、光学用としては不適切な検査レベルである。
<ポリエステル(A)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(A)を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63であった。
<ポリエステル(B)の製造> CaCO3 0.8μm
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェートを添加後、平均粒子径0.8μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は極限粘度0.63であった。
<ポリエステル(C)の製造> CaCO3 1.5μm
ポリエステル(B)の製造方法において、添加粒子を、平均粒子径1.5μmの合成炭酸カルシウム粒子に、ポリエステルに対する含有量を、1重量%にした以外は、ポリエステル(B)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は極限粘度0.63であった。
・ポリエステルフィルム−1
中間層の原料として、ポリエステル(A)100wt%、表層の原料として、ポリエステル(A)85wt%とポリエステル(C)15wt%を混合し、2台のベント付き押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、この縦延伸フィルムの表面に塗布液―Aを塗布し、テンター内で予熱工程を経て120℃で5.1倍の横延伸を施した後、220℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、幅4000mmのマスターロールを得た。このマスターロールの端から1400mmの位置よりスリットを行い、コアに1000m巻き取りし、ポリエステルフィルム−1を得た。得られたフィルムの全厚みは38μm、それぞれの層厚みは4μm/30μm/4μmであった。
・ポリエステルフィルム−2
ポリエステルフィルム−1において、原料配合を表1に示す原料配合―2に変更する以外は、ポリエステルフィルム−1と同様にしてポリエステルフィルム−2を得た。
・ポリエステルフィルム−3
ポリエステルフィルム−1において、原料配合を表1に示す原料配合―3に変更する以外は、ポリエステルフィルム−1と同様にしてポリエステルフィルム−3を得た。
・ポリエステルフィルム−4
ポリエステルフィルム−1において、原料配合を表1に示す原料配合―4に変更する以外は、ポリエステルフィルム−1と同様にしてポリエステルフィルム−4を得た。
・ポリエステルフィルム−5
ポリエステルフィルム−1において、原料配合を表1に示す原料配合―5に変更する以外は、ポリエステルフィルム−1と同様にしてポリエステルフィルム−5を得た。
Figure 2011224904
実施例1:
<離型フィルムの製造>
ポリエステルフィルム−1に下記組成からなる離型層を塗布量が0.1g/m(乾燥後)になるように設けて第1離型フィルムと第2離型フィルムを得た。
・第1離型フィルムの離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
・第2離型フィルムの離型剤組成
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製) 95部
重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製) 5部
硬化剤(PL−50T:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
<基材レス両面粘着シートの製造>
得られた第2離型フィルムの離型剤層の上に、アクリル系粘着剤溶液を乾燥後の膜厚が25μmとなるように、アプリケータを用いて塗工した後、その塗工膜を120℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。アクリル系粘着剤溶液は、アクリル酸ブチルとアクリル酸とのモノマー基準の質量比が99:1の共重合体溶液(溶媒:トルエン、固形分濃度40質量%)100質量部に、ポリイソシアネート系架橋剤(東洋インキ製造(株)製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5質量%)1質量部を添加混合して得られたものであった。次いで、第1離型フィルムの離型剤層と粘着剤層とを貼り合わせて実施例1の基材レス両面粘着シートを得た。
実施例2:
実施例1のポリエステルフィルム−1をポリエステルフィルム−2に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2の基材レス両面粘着シートを得た。
実施例3:
実施例1のポリエステルフィルム−1をポリエステルフィルム−3に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例3の基材レス両面粘着シートを得た。
比較例1:
実施例1のポリエステルフィルム−1をポリエステルフィルム−4に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例1の基材レス両面粘着シートを得た。
比較例2:
実施例1のポリエステルフィルム−1をポリエステルフィルム−5に変更する以外は、実施例1と同様にして比較例2の基材レス両面粘着シートを得た。
各実施例、比較例で得られたフィルムの評価結果をまとめて表2に示す。
Figure 2011224904
本発明の離型フィルムは、光学用に用いる基材レス両面粘着シート用の離型フィルムとして、好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 両面に粘着性を有する粘着層の両面に積層されて使用される離型フィルムであり、当該離型フィルムが、二軸配向ポリエステルフィルムの片面に離型剤層を有し、フィルムヘーズ値が10〜25%であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用離型フィルム。
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