JP5127295B2 - 成型同時転写箔用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明のポリエステルフィルムは、内層とその両面に層を有する、少なくとも3層からなる積層フィルムであって、全ての層が押出し機の口金から共溶融押出しされる、いわゆる共押出し法によって押出されたものを、延伸および熱処理されたものとして得られる。以下、共押出し3層フィルムについて説明するが、本発明の要旨を越えない限り、本発明は3層フィルムに限定されず、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
(株)インテスコ製恒温槽付き引っ張り試験機(2001型)を使用し、その恒温槽を100℃に設定し、幅15mmのフィルムをチャック間50mmとなるように試験機にセットして2分間放置後、200mm/minの速度で引っ張り、引っ張り応力-ひずみ曲線より、次式から算出した。
FB(kg/mm2)=F/A
(上記式中、Fは破断時における荷重(kg)、Aは元のフィルムの断面積(mm2)を表す。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた)
(上記式中、Lは破断時のフィルムの長さ(mm)、L0は元のフィルムの長さ(mm)を表す。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた)
アタゴ製アッベ式屈折計を用い、単色光ナトリウムD線(589nm)を光源として、23℃で行った。測定はフィルム面内の屈折率の最大値(nγ)、それに直交方向の屈折率(nβ)およびフィルムの厚み方向の屈折率(nα)を測定し、次式よりΔPを算出した。
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
パーキンエルマー製示差熱走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度をTmとした。上述の方法により得た融解ピーク温度の内、内層の融点(Tm2)は、測定において先に得られる融解ピーク温度とし、内層の両面に接する層の融点(Tm1)は、Tm2のピーク温度後に得られる融解ピーク温度とした。
試料を無張力状態で170℃に保ったオーブン中、3分間処理し、その前後の試料長さを測定して次式にてSを算出した。
S(%)=100×(L0−L)/L0
(上記式中、L0は熱処理前のフィルムの長さ(mm)、Lは熱処理後のフィルムの長さ(mm)を表す。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた)
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚みを計算した。但し、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
ポリエステルフィルムに離型層、印刷層及び接着層を形成し、縦300mm、横200mm、最大深さ25mmの金型を用い、金型表面にフィルムを固定して、フィルムをIRヒーターで予備加熱後、金型内部に真空または圧空成型法により予備成型を実施した。予備加熱および予備成型によるフィルムの状況によりフィルムの耐熱性の評価を行った。
○:予備加熱に耐久でき、予備成型において均一な厚さで成型される
△:予備加熱に耐久でき、予備成型に追従できるが、局所的にフィルムが極めて薄い部分が存在する
×:予備加熱時にフィルム融解によるフィルム破れ、フィルム軟化によるフィルム膨張および予備成型時に局所的に極めて薄い部分が発生したことによるフィルム破れが発生する
上記(6)の方法にて予備成型を実施した後、樹脂を射出成型し、成型同時転写を行った。得られた成型品の外観、印刷の図柄のヌケや歪みの状態により、下記基準で成型性の評価を行った。
○:成型品の外観が良好で印刷ヌケや歪みが全くない
△:印刷ヌケや歪みはほとんどないが、樹脂射出によりフィルムが局所的に変形したことによる成型品へのシワ転写跡が発生する
×:樹脂射出時にフィルム軟化によるフィルム破れや、成型品にシワの転写跡、印刷ヌケおよび歪みが発生する
<ポリエステル(1)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物に平均粒径が2.3μmの非晶質シリカ粒子をエチレングリコールスラリーとして添加し、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(1)を製造した。ポリマー中での非晶質シリカ粒子の含有量は0.5重量%であった。
ポリエステル(1)の製造において、テレフタル酸ジメチル100重量部の替わりにテレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部とし、粒子を無添加としたこと以外はポリエステル(1)と同様の方法でポリエステル(2)を得た。
テレフタル酸ジメチル75モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル25モル%、エチレングリコール50モル%、1,4−ブタンジオール50モル%、テトラブチルチタネート0.005部を反応器にとり、反応開始温度を190℃とし、メタノールの留出とともに反応温度を徐徐に上昇させ、3時間後に225℃まで昇温した。さらに、常法により重縮合反応を行った。この反応は、温度を徐徐に高めると共に圧力を常圧より徐徐に減じ、2時間後、温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。
ポリエステル(1)60重量部と、ポリエステル(2)40重量部とを均一にブレンドしたものを最外層、共重合ポリエステル(A)80重量部と、ポリエステル(1)20重量部とを均一にブレンドしたものを内層として、別個の280℃に設定した押し出し機で溶融混練りし、これらのポリマーをフィードブロック内で合流して積層しスリット状ダイスより30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、積層未延伸シートを得た。得られた当該シートを縦方向に70℃で3.3倍、横方向に100℃で3.5倍に延伸し、さらに185℃で15秒間熱処理を施して、熱処理出口のクーリングゾーンで横方向に5%の弛緩を行いながら、外層/内層/外層の各層の厚さが3μm/69μm/3μmである積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、共重合ポリエステル(A)のテレフタル酸ジメチル85モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル15モル%、エチレングリコール70モル%、1,4−ブタンジオール30モル%とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
ポリエステル(1)60重量部と、ポリエステル(2)40重量部とを均一にブレンドしたものを両外層、共重合ポリエステル(A)60重量部と、ポリエステル(1)40重量部とを均一にブレンドしたものを内層とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
ポリエステル(1)35重量部と、ポリエステル(2)65重量部とを均一にブレンドしたものを両外層、共重合ポリエステル(A)80重量部と、ポリエステル(2)20重量部とを均一にブレンドしたものを内層とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、両外層をポリエステル(1)100重量部とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、内層を共重合ポリエステル(A)20重量部と、ポリエステル(1)80重量部とを均一にブレンドしたものとする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、共重合ポリエステル(A)のテレフタル酸ジメチル90モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル10モル%、エチレングリコール95モル%、1,4−ブタンジオール5モル%とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
ポリエステル(1)60重量部と、ポリエステル(2)40重量部とを均一にブレンドしたものを両外層、共重合ポリエステル(A)100重量部を内層として、別個の280℃に設定した押し出し機で溶融混練りし、これらのポリマーを積層してシート状に押し出し実施例1と同様の方法で二軸配向フィルムを製造しようとしたが、延伸性が乏しくフィルム破断が頻発して満足なフィルムが得られなかった。
ポリエステル(1)20重量部と、ポリエステル(2)80重量部とを均一にブレンドしたものを両外層、共重合ポリエステル(A)80重量部と、ポリエステル(2)20重量部とを均一にブレンドしたものを内層とする以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向フィルムを製造しようとしたが、比較例6と同じく延伸性が乏しくフィルム破断が頻発して満足なフィルムが得られなかった。
Claims (1)
- ジカルボン酸成分の70〜95モル%がテレフタル酸、5〜30モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸、グリコール成分の10〜60モル%が1,4−ブタンジオール、40〜90モル%がエチレングリコールである共重合ポリエステルを40〜90重量%含有するポリエステル組成物からなる層の両面にポリエチレンテレフタレート共重合体からなる層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムであって、170℃で3分処理後のフィルムの加熱収縮率の縦方向と横方向の平均値が4.0〜15%であることを特徴とする成型同時転写箔用ポリエステルフィルム。
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