JP6154626B2 - 軟質化ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は、従来のポリエステルフィルムにない軟質性を発現し、比較的低温度および低圧力下で成型性に優れる軟質化ポリエステルフィルムに関するものである。
成型用シートとしては、塩化ビニル樹脂が最も一般的である。しかしながら、塩化ビニル樹脂を使用した場合、当該フィルムに配合された可塑剤が貼り合せ面の接着剤層に移行して接着不良の原因となり、また、塩化ビニル樹脂の熱寸法安定性が悪いため、熱による伸縮が生じてシワの発生原因になる等の問題がある。さらに近年、焼却時の環境問題から、塩化ビニル樹脂を使用しない基材の要望が高まっている。
そんな中、環境負荷の小さい成型用シートとしてアクリル樹脂フィルムが使用されてきている。しかしながら、アクリル樹脂フィルムは耐熱性や耐溶剤性が劣るため、用途範囲が限定されるなどの欠点がある。
また近年、低温度および低圧力下で複雑な立体形状に馴染むことができる成型性(柔軟性)の高い基材が求められており、成型時のトリミング工程等においては厚さがより薄いフィルム、さらに意匠性においては透明性が高いフィルムが求められているが、アクリル樹脂フィルムではフィルムの薄膜化することができないなどの欠点がある。
上述の要望を満たすべく成型用二軸配向ポリエステルフィルムが提案されている。ネオペンチルグリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸といった共重合成分を含有させることによって成型性を向上させることは既に知られている。しかしながら、従来の技術ではアクリル樹脂同等の低弾性率には至っておらず、市場の要求を満たせていない。
加えて、アクリル代替として成型品の表面に貼り合わせる所謂インサート用フィルムとしては、フィルムに高度の透明性を合わせ持つことが必要である。
特開2010−229416号公報 特開2010−189593号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その解決課題は、比較的低温度および低圧力下で複雑な立体形状に成型が可能で、かつ透明性に優れる軟質化ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に関して鋭意検討した結果、特定の原料構成からなるフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることをみいだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、フィルムの弾性率E’が120℃において20MPa以下であり、かつ180℃において5MPa以下であり、フィルムヘーズが1.0%以下であり、フィルム厚さが16〜75μmであり、ジオール構成成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を29〜32モル%含有し、ジカルボン酸構成成分としてイソフタル酸単位を含まないことを特徴とする軟質化ポリエステルフィルムに存する。

本発明によれば、塩化ビニル樹脂のような焼却時の環境問題を生じることがなく、アクリル樹脂よりも耐熱性や耐溶剤性が改良され、かつ複雑な立体形状の成型性および高度の透明性を合わせ持つポリエステルフィルムが提供され、その工業的価値は非常に大きい。
本発明のポリエステルフィルムの構成成分としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸が好ましく、これのほかに、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの公知のジカルボン酸の一種以上を、共重合成分として含んでもよい。また、ジオール成分として、エチレングリコールが好ましく、これらのほかに、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの公知のジオールの一種以上を、共重合成分として含んでもよい。
複雑な立体形状に成型するためには、ポリエステルフィルムを軟質化させる必要がある。そのため、ジカルボン酸成分および/またはジオール成分の主たる構成成分以外の共重合成分を一種以上含ませることは、従来採用されている手法であるが、さらに本発明では、ジオール構成成分としてCHDM単位を29〜32モル%という特定の濃度で含有させることを必要とする。また、フィルム構成成分として他の共重合成分(例えばイソフタル酸)を含む場合、高温成型時にフィルムの白曇り現象が発生しヘーズが高まるため、意匠性の観点から好ましくない。
重合触媒としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物やゲルマニウム化合物やチタン化合物が挙げられる。チタン化合物では、例えばテトラアルキルチタネート、テトラアリールチタネート、シュウ酸チタニル塩類、シュウ酸チタニル、チタンを含むキレート化合物、チタンのテトラカルボキシレート等であり、具体的にはテトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、シュウ酸チタニルアンモニウム、シュウ酸チタニルカリウム、チタントリアセチルアセトネート等が挙げられる。
また、本発明のポリエステルフィルムには、無機粒子、有機塩粒子や架橋高分子粒子を添加することが好ましい。用いることのできる無機粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム等が挙げられる。一方、有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。また、架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体が挙げられる。その他ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機粒子を用いてもよい。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明のフィルムは、弾性率E’が120℃において20MPa以下、好ましくは15MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下である。弾性率が120℃で20MPaを超えると成型性が劣り、部分破れや成型しわが起きやすくなる。
本発明のフィルムは、弾性率E’が180℃において5MPa以下、好ましくは3MPa以下である。弾性率が180℃で5MPaを超えると成型性が劣り、成型用金型にフィルムが追従できずに部分破れが起きやすくなる傾向がある。
本発明のフィルムは、単層構成/積層構成のどちらでもよいが、フィルム全層換算でみたCHDM単位は、29〜32モル%であることが必要である。全層換算でみたCHDM単位が29モル%未満の場合、成型性が劣り、成型用金型にフィルムが追従できずに部分破れが起きやすくなる。一方、全層換算でみたCHDM単位が32モル%を超える場合、ふぃるむ厚さふれが大きくなり加工適性が損なわれる。
さらにフィルム最外層のCHDM単位は、29〜32モル%であることが好ましい。フィルム最外層のCHDM単位が32モル%を超える場合は、テンター法でフィルムを製膜する際に、クリップへフィルムが融着し破断が多発する傾向がある。フィルム最外層のCHDM単位が29モル%未満である場合は、成型性が劣り、成型用金型にフィルムが追従できずに部分破れが起きやすくなる傾向がある。
また、フィルム最外層に共重合成分としてイソフタル酸単位を含む場合、成型時の加熱の際、フィルムが部分融解して白曇る現象が起こり、インサート成型し貼り合わせた成型品の光沢感が損なわれ、意匠性の観点から好ましくない。
本発明において、フィルムのヘーズ値は1.0%以下であることが必要であり、好ましくは0.6%以下である。ヘーズ値が1.0%を超える場合は、インサート成型し貼り合わせた成型品の透明性が損なわれる。
本発明のフィルムの厚さは、通常12〜120μmであり、好ましくは16〜75μm、さらに好ましくは25〜50μmである。フィルム厚さが12μm未満の場合、インサート成型加工に際し、シワ等の加工不具合が発生しやすくなる傾向がある。また、フィルムの厚さが120μmを超える場合、複雑な立体形状にうまく成型できない傾向がある。 次に、本発明のフィルムの製造法を具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示のみに限定されるものではない。
滑り剤として、有機、無機の微粒子を適量配合してチップ化したポリエステル組成物を、200〜320℃でシートに押出す。押出しに際しては、ポリエステルの溶融押出機を1台または2台以上用いて、単層または共押出しによる2層以上の積層フィルムとすることができる。積層フィルムの構成としては、A原料とB原料とを用いたA/B、A/B/A構成またはそれ以外の構成のフィルムとすることができる。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明において、このようにして得られた未延伸シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍に延伸し、110℃〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。共重合を多く含有するフィルムにおいては通常ポリエステルフィルムの製膜よりも低い温度110℃〜195℃で熱処理することがより好ましい。また、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、フィルムの諸物性の測定及び評価方法を以下に示す。
(1)弾性率(E’)
アイティー計測制御社製動的粘弾性測定装置(DVA−200型)を使用した。幅5mmのフィルムをチャック間20mmとなるように測定装置にセットし、0℃から300℃まで10℃/min.の速度で昇温させながら、周波数10Hzで粘弾性の推移を測定した。この測定結果より120、150、180℃の貯蔵弾性率(E’)を求めた。
(2)フィルムヘーズ
JISーK7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDHー300Aによりフィルムの濁度を測定した。
(3)フィルム積層厚さ
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚さを求めた。但し、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
(4)成型性
インラインコーティングまたはオフラインコーティングを用いて片面に接着層を設けたロール状のフィルムサンプルを8MPaのテンションで巻出し、厚さ1mmのABS樹脂と貼り合せたフィルムを作成した。作成した貼り合せフィルムを、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ50mmの円筒状に100個/分の速度で連続成型した。得られた成型品の状態を目視観察し、以下の基準にて判定した。
○:100個中、成型不良が5個以下
△:100個中、成型不良が6個以上15個以下
×:100個中、成型不良が16個以上
(5)厚さふれ
幅1mの製品フィルムにつき、幅方向に均等に20箇所をJIS1級マイクロメータで測定し、最大厚さ(mμ)−最小厚さ(mμ)を厚さふれと定義した。
(6)生産性
ポリエステルフィルムを生産する際に発生する破断(フィルム破れ)の回数を以下の基準で判定した。
○:8時間当たり0回
△:8時間当たり1〜2回
×:8時間当たり3回以上
以下の例において使用したポリエステル原料について説明する。
<ポリエステル1>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとする滑剤粒子を含有しないポリエステルチップを製造した。
<ポリエステル2>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとし平均粒径3.1μmの無定形シリカを0.20重量%含有するポリエステルチップを製造した。
<ポリエステル3>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノール単位は33mol%であった。
<ポリエステル4>
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジカルボン酸成分中のイソフタル酸単位は22mol%であった。
実施例1:
ポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を6:4:90の重量比率で配合し、押出機にて溶融させて、積層ダイの外層Aに供給し、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を5:95の重量比率で供給した。外層A/内層B/外層Aの構成からなる2種3層の積層ポリエステル樹脂をフィルム状に押出して、35℃の冷却ドラム上にキャストして急冷固化した未延伸フィルムを作製した。次いで75℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒータと加熱ロールを併用して80℃のロール間で縦方向に3.2倍延伸した。続いてフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、100℃の温度で加熱しつつ横方向に4.0倍延伸し、5%の幅方向の弛緩を行いながら175℃で熱処理を行った。フィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであり、優れた特性を示した。
実施例2:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を16:4:80とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を10:90とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、僅かに成型不良が見受けられた。
実施例3:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル2とポリエステル3を4:96とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を3:97とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、僅かに生産性が劣った。
実施例4:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル3を100とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を6:94した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルム表層が製膜機のクリップに粘着し僅かに生産性が劣った。
比較例1:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を31:4:65とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を10:90とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、成型時に金型に追従していない成型品が多発した。
比較例2:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を5:4:91とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル3を100とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルム表層が製膜機のクリップに粘着し生産性が劣った。
比較例3:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3とポリエステル4を6:4:80:10とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、成型時の加熱の際、フィルムが白曇る現象が起こった。
比較例4:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル3を100とし、積層ダイの内層Bにもポリエステル3を100とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得ようとしたが、破断が頻発しサンプルを採取することができなかった。
比較例5:
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を11:4:85とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を15:85とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、この結果より、成型時に金型に追従していない成型品が多発した。
Figure 0006154626
Figure 0006154626
上記表1および2中、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、IPAはイソフタル酸である。
本発明フィルムは、例えばインサート成型において、成型樹脂に貼り合せる軟質フィルムとして好適に使用される。

Claims (1)

  1. フィルムの弾性率E’が120℃において20MPa以下であり、かつ180℃において5MPa以下であり、フィルムヘーズが1.0%以下であり、フィルム厚さが16〜75μmであり、ジオール構成成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を29〜32モル%含有し、ジカルボン酸構成成分としてイソフタル酸単位を含まないことを特徴とする軟質化ポリエステルフィルム。
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