JP2007039515A - 二軸延伸ポリエテルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 包装材料やラベル、トレーシング用途、離型フィルム、艶消しフィルム、転写フィルムや光散乱性フィルムなどに好適に用いられる、少なくとも片面が有機粒子により形成された突起により粗面化されている二軸延伸ポリエステルフィルムを生産性良く提供する。
【解決手段】 表面に官能基を有する有機粒子を0.1〜10重量%含有する二軸延伸ポリエステルフィルムであり、当該有機粒子のフィルム厚み方向の平均粒子径が1.0〜20μmであることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 表面に官能基を有する有機粒子を0.1〜10重量%含有する二軸延伸ポリエステルフィルムであり、当該有機粒子のフィルム厚み方向の平均粒子径が1.0〜20μmであることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、少なくとも片面が突起により粗面化されているフィルムに関し、包装材料やラベル、トレーシング用途、離型フィルム、艶消しフィルム、転写フィルムや光散乱性フィルムなどに好適に用いられるフィルムに関するものである。
過去、さまざまな方法で粗面化された二軸延伸ポリエステルフィルムが提案されてきている。なかでも不活性粒子をポリエステルに含有させて二軸延伸を行い、フィルム表面を粗面化させる方法が特別な後工程、例えば塗布剤を使用する工程、サンドブラストやエンボス加工などの加工工程や化学薬品処理などの表面エッチング工程がないため生産工程を簡略できる利点がある。特許文献1または特許文献2によれば、平均粒子径が数μmの無機粒子を数%含有させたポリエステルフィルムが提案されているが、樹脂押し出しラインでのフィルター圧力上昇が起こりやすく生産性が悪い問題がある。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、少なくとも片面が有機粒子により形成された突起により粗面化されている二軸延伸ポリエステルフィルムを生産性良く提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有する二軸延伸ポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、表面に官能基を有する有機粒子を0.1〜10重量%含有する二軸延伸ポリエステルフィルムであり、当該有機粒子のフィルム厚み方向の平均粒子径が1.0〜20μmであることを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のようなグリコールとのエステルを主たる成分とするポリエステルである。当該ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重合させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる等の方法によっても得られる。当該ポリエステルの代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ボリブチレンテレフタレート等が例示される。かかるポリエステルは、共重合されないホモポリマーであってもよく、またジカルボン酸成分の40モル%以下が主成分以外のジカルボン酸成分であり、ジオール成分の40モル%以下が主成分以外のジオール成分であるような共重合ポリエステルであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のようなグリコールとのエステルを主たる成分とするポリエステルである。当該ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重合させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる等の方法によっても得られる。当該ポリエステルの代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ボリブチレンテレフタレート等が例示される。かかるポリエステルは、共重合されないホモポリマーであってもよく、またジカルボン酸成分の40モル%以下が主成分以外のジカルボン酸成分であり、ジオール成分の40モル%以下が主成分以外のジオール成分であるような共重合ポリエステルであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
本発明では、少なくとも片面を粗面化するため有機粒子を含有させる。有機粒子はフィルム全体に、または2層以上の共押出し積層フィルムの少なくとも1層に含有してもよい。
本発明で用いる有機粒子は、ポリエステル樹脂溶解温度の250〜350℃の高温下でせん断応力を受けたときに弾性変形するものが好ましい。変形することにより押し出し機からダイまでの樹脂メルトラインに設けたフィルターの目を通過しやすくなりフィルターの寿命を長くすることができ、その結果、生産性が向上する。
具体的な有機粒子の例としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル−スチレン共重合体等の有機質微粒子などが挙げられる。
本発明に用いる有機粒子のフィルム厚み方向の平均粒子径が1.0〜20μmであり、好ましくは1.5以上15μm以下である。フィルム厚み方向の平均粒子径が1.0μm未満では、フィルム表面に形成される突起の高さが小さくなり、光散乱性が劣る。なお、本発明における粗面化フィルムとは、少なくとも片面の表面粗さRzが通常1.4μm以上、好ましくは2.0μm以上のフィルムを意味する。一方、フィルム厚み方向平均粒子径が20μmを超える場合は、フィルターの圧力上昇が大きくなり生産性に劣る。また用いるフィルターの目を大きくするとフィルム中の異物が増加する。
本発明で用いる有機粒子は、表面に官能基を有する。官能基を有する粒子は帯電しやすく粒子間の静電的な反発力が働き分散性が向上すると考えられる。官能基を有しないと粒子間で凝集しやすくなり、フィルター寿命が低下する。さらにポリエステルとの親和性が低下し粒子周りに大きなボイドを形成し、フィルム製造工程やフィルムの加工工程で粒子が脱落しやすくなり、その結果、フィルム自身にキズが発生し、外観品質の低下を起こす。好ましい官能基としてはカルボン酸基、水酸基、エポキシ基、エステル基である。
また、有機粒子の熱重量分析計による不活性雰囲気下の5%熱分解温度は、300℃以上が好ましい。熱分解温度が300℃未満では熱劣化物の発生によりフィルム外観品質の低下が起こる場合がある。
本発明のフィルムの有機粒子含有量は、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜8重量%である。含有量が0.1重量%未満では、本発明が意図する粗面のフィルムとすることができない。一方、含有量が10重量%を超えると、フィルムが破断しやすくなり生産性が低下する。
本発明のフィルム中の有機粒子は、二軸延伸の条件で変形する程度の硬さを有し、その変形度は1.1〜5.0以が好ましく、1.2〜4.0がさらに好ましい。変形度が1.1未満の有機粒子は、ポリエステル樹脂溶解温度の250〜350℃の高温下でせん断応力を受けたとき弾性変形の程度が小さくなり、フィルターの寿命が低下すると考えられる。一方、変形度が5.0を超えると、突起の高さが小さくなり、粗面化の程度が低くなる。
なお本発明で使用する有機粒子は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。
本発明のフィルムの光沢度は、好ましくは95%以下、さらに好ましくは90%以下である。光沢度が95%以上では艶消し性が劣る傾向がある。
また、本発明のフィルム中には必要に応じて、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有してもよい。さらに易滑性、離型性、帯電防止性、易接着性等を付与する目的のコーティング処理をフィルム表面に行うこともできる。
次に本発明のフィルムの製造方法を具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
本発明のフィルムを製造するときには、乾燥したポリエステルを押出機に供給し、各ポリエステルの融点以上の温度に加熱してそれぞれ溶融させる。次いで、ポンプとフィルターを介してTダイから溶融シートとして押出す。続いて、溶融シートを回転冷却ドラム上でガラス転位温度未満にまで急冷し、非晶質の未延伸フィルムを得る。このとき、未延伸フィルムの平面性を向上させるために、静電印加密着法や液体塗布密着法等によって、未延伸フィルムと回転冷却ドラムとの密着性を向上させてもよい。そして、ロール延伸機を用いて、未延伸フィルムをその長手方向に延伸(縦延伸)することにより一軸延伸フィルムを得る。このときの延伸温度は、原料レジンのガラス転移温度(Tg)のマイナス10℃からプラス40℃の温度範囲で延伸する。また、延伸倍率は、好ましくは2.5〜7.0倍、さらに好ましくは3.0〜6.0倍である。さらに、縦延伸を一段階のみで行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。その後、テンターに導きテンター延伸機を用いて、一軸延伸フィルムをその幅方向に延伸(横延伸)することにより二軸延伸フィルムを得る。このときの延伸温度は、原料レジンのガラス転移温度(Tg)からプラス50℃の温度範囲で延伸する。また、延伸倍率は、好ましくは2.5〜7.0倍、さらに好ましくは3.5〜6.0倍である。さらに、横延伸を一段階のみで行ってもよいし、二段以上に分けて行ってもよい。また縦と横を同時に行う同時二軸延伸を行ってもよい。そして二軸延伸フィルムを熱処理することにより積層フィルムが製造される。このときの熱処理温度は、130〜250℃である。二軸延伸フィルムを熱処理するときには、二軸延伸フィルムに対して20%以内の弛緩を行ってもよい。
本発明は、フィルターの圧力上昇が小さく生産性に優れ、艶消し性及び光散乱性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムを提供でき、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および本発明で用いた測定法および用語の定義は次のとおりである。
(1)添加粒子平均粒子径
電子顕微鏡を用いて粒子を観察して最大径と最小径を求め、その平均を粒子1個の粒径とした。フィルム中の少なくとも100個の粒子についてこれを行う。粒子群の平均粒子径は、これらの粒子の重量平均径とする。
電子顕微鏡を用いて粒子を観察して最大径と最小径を求め、その平均を粒子1個の粒径とした。フィルム中の少なくとも100個の粒子についてこれを行う。粒子群の平均粒子径は、これらの粒子の重量平均径とする。
(2)変形度とフィルム厚み方向平均粒子径
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、フィルム切断面が分子鎖配向の主軸方向と平行になるようにミクロトームで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡にて観察する。粒子毎に平均粒径の±10%に入る少なくとも50個の粒子について、最大径と最小径の比を算出し、その相加平均を変形度とする。フィルム厚み方向平均粒子径は、(1)の平均粒子径を変形度で割った値とする。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、フィルム切断面が分子鎖配向の主軸方向と平行になるようにミクロトームで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡にて観察する。粒子毎に平均粒径の±10%に入る少なくとも50個の粒子について、最大径と最小径の比を算出し、その相加平均を変形度とする。フィルム厚み方向平均粒子径は、(1)の平均粒子径を変形度で割った値とする。
(3)光沢度
JIS Z−8741−1983の方法3(60゜光沢度)によって、単層フィルム表面もしくはA層表面のフィルムの縦延伸方向に光を入射して測定する。
JIS Z−8741−1983の方法3(60゜光沢度)によって、単層フィルム表面もしくはA層表面のフィルムの縦延伸方向に光を入射して測定する。
(4)有機粒子の熱分解温度
有機粒子を60℃で4時間減圧乾燥後、窒素ガス雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で熱天秤(理学電気社、TAS100型)を用いて測定した5%減量時点の温度を測定する。
有機粒子を60℃で4時間減圧乾燥後、窒素ガス雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で熱天秤(理学電気社、TAS100型)を用いて測定した5%減量時点の温度を測定する。
(5)表面粗さRz
表面粗さRz(小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定する。
表面粗さRz(小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定する。
(6)フィルター圧力上昇
捕集効率が20μm捕集径で50から60%のフィルターを用いて、フィルム製造時の前に粒子含有量2wt%のレジンを吐出量20kg/hで押し出し、フィルター手前の樹脂の圧力を測定する。1時間で圧力差が0.5メガパスカルを超えた場合は、フィルター寿命が不合格(×)、0.5メガパスカル以下の場合は合格(○)とする。
捕集効率が20μm捕集径で50から60%のフィルターを用いて、フィルム製造時の前に粒子含有量2wt%のレジンを吐出量20kg/hで押し出し、フィルター手前の樹脂の圧力を測定する。1時間で圧力差が0.5メガパスカルを超えた場合は、フィルター寿命が不合格(×)、0.5メガパスカル以下の場合は合格(○)とする。
(7)光散乱性
蛍光灯下の机にMSゴシックの書体で大きさが8ポイントの1から9の数字を印刷した紙を置き、試験フィルムを通して30cmの距離から観察して、数字が判別できなくなるフィルムと紙の間の距離を測定する。光散乱性は以下のように評価する。
○:数字が見えなくなる距離が5cm以下、光散乱性が良好
×:数字が見えなくなる距離が5cmを超える、光散乱性不良
蛍光灯下の机にMSゴシックの書体で大きさが8ポイントの1から9の数字を印刷した紙を置き、試験フィルムを通して30cmの距離から観察して、数字が判別できなくなるフィルムと紙の間の距離を測定する。光散乱性は以下のように評価する。
○:数字が見えなくなる距離が5cm以下、光散乱性が良好
×:数字が見えなくなる距離が5cmを超える、光散乱性不良
(原料の調整)
・ポリエステルa
常法の重縮合で合成された極限粘度0.65、融点253℃のポリエチレンテレフタレートである。
・ポリエステルa
常法の重縮合で合成された極限粘度0.65、融点253℃のポリエチレンテレフタレートである。
・ポリエステルb
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径6μm、5%熱分解温度が329℃の粒子表面に水酸基を有する架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径6μm、5%熱分解温度が329℃の粒子表面に水酸基を有する架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
・ポリエステルc
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μm、5%熱分解温度が331℃の粒子表面にグリシジル基を有する架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み8.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μm、5%熱分解温度が331℃の粒子表面にグリシジル基を有する架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み8.0重量%含有させたものである。
・ポリエステルd
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μm、粒子表面に水酸基を有する球状多孔質シリカ粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μm、粒子表面に水酸基を有する球状多孔質シリカ粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
・ポリエステルe
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径1.0μm、5%熱分解温度が325℃の粒子表面に官能基を有しない架橋スチレン有機粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径1.0μm、5%熱分解温度が325℃の粒子表面に官能基を有しない架橋スチレン有機粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
・ポリエステルf
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径1.7μm、粒子表面にカルボン酸基を有する5%熱分解温度が290℃の架橋アクリル有機粒子を練り込み2.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径1.7μm、粒子表面にカルボン酸基を有する5%熱分解温度が290℃の架橋アクリル有機粒子を練り込み2.0重量%含有させたものである。
(実施例1)
ポリエステルaが50重量%とポリエステルbが50重量%の混合物をベント付き2軸押出機に供給し、溶融温度280℃で溶融したあとポンプとフィルターを介してダイを通してキャスティングドラムに引き取り単層未延伸フィルムを得た。かくして得られた未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度83℃で3.7倍延伸した後、テンターに導き95℃で横方向に4.0倍延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、230℃で5秒間幅方向に3%弛緩させながら熱固定し、表1に記載した厚みのポリエステルフィルムを得た。
ポリエステルaが50重量%とポリエステルbが50重量%の混合物をベント付き2軸押出機に供給し、溶融温度280℃で溶融したあとポンプとフィルターを介してダイを通してキャスティングドラムに引き取り単層未延伸フィルムを得た。かくして得られた未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度83℃で3.7倍延伸した後、テンターに導き95℃で横方向に4.0倍延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、230℃で5秒間幅方向に3%弛緩させながら熱固定し、表1に記載した厚みのポリエステルフィルムを得た。
(実施例2)
中間層(B層)を構成するポリエステルaが87.5重量%とポリエステルcが12.5重量%の混合物をベント付き2軸押出機(メイン)に供給し、表層(A層)を形成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(サブ)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、テンターに導き延伸し熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
中間層(B層)を構成するポリエステルaが87.5重量%とポリエステルcが12.5重量%の混合物をベント付き2軸押出機(メイン)に供給し、表層(A層)を形成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(サブ)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、テンターに導き延伸し熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
(実施例3)
表層(A層)を形成するポリエステルaが67.5重量%とポリエステルbが32.5重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、テンターに導き延伸し熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルaが67.5重量%とポリエステルbが32.5重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、テンターに導き延伸し熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
(比較例1)
フィルムを作成する前に、ポリエステルdが50重量%とポリエステルaが50重量%の混合物を用いてフィルター圧力上昇テストを行ったところ、圧力上昇が認められたため、フィルムの作成は実施しなかった。
フィルムを作成する前に、ポリエステルdが50重量%とポリエステルaが50重量%の混合物を用いてフィルター圧力上昇テストを行ったところ、圧力上昇が認められたため、フィルムの作成は実施しなかった。
(比較例2)
フィルムを作成する前に、ポリエステルeが50重量%とポリエステルaが50重量%の混合物を用いてフィルター圧力上昇テストを行ったところ、圧力上昇が認められたため、フィルムの作成は実施しなかった。
フィルムを作成する前に、ポリエステルeが50重量%とポリエステルaが50重量%の混合物を用いてフィルター圧力上昇テストを行ったところ、圧力上昇が認められたため、フィルムの作成は実施しなかった。
(比較例3)
表層(A層)を形成するポリエステルf 100重量%をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給したほか実施例3と同様にして表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルf 100重量%をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給したほか実施例3と同様にして表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
(比較例4)
表層(A層)を形成するポリエステルaが97重量%とポリエステルfが3重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給したほか実施例3と同様にして表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
表層(A層)を形成するポリエステルaが97重量%とポリエステルfが3重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給したほか実施例3と同様にして表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
実施例1〜3においては、フィルターの圧力上昇がなく生産に優れ、フィルムの表面粗さが大きく艶消し性や光散乱性に優れる。一方、比較例1は、無機粒子を用いているためフィルターの圧力上昇が観察された。比較例2は、有機粒子の表面に官能基がないため粒子同士が凝集し、フィルターの圧力上昇が観察された。比較例3は、フィルム厚み方向平均粒子径の大きさが0.5μmのため、表面の粗さが小さく光散乱性に劣った。比較例4は、有機粒子の濃度が0.1重量%濃度よりも小さいため表面粗さが著しく小さく、艶消し効果がなかった。
本発明のフィルムは、例えば、包装材料やラベル、トレーシング用途、離型フィルム、艶消しフィルム、転写フィルムや光散乱性フィルムなどに好適に利用することができる。
Claims (1)
- 表面に官能基を有する有機粒子を0.1〜10重量%含有する二軸延伸ポリエステルフィルムであり、当該有機粒子のフィルム厚み方向の平均粒子径が1.0〜20μmであることを特徴とするポリエステルフィルム。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010224447A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 光学用積層フィルム |
JP2013047356A (ja) * | 2012-12-07 | 2013-03-07 | Mitsubishi Plastics Inc | 光散乱性二軸延伸ポリエテルフィルム |
JP2017179334A (ja) * | 2016-03-25 | 2017-10-05 | ユニチカ株式会社 | ポリエステルフィルム |
WO2018062397A1 (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | ユニチカ株式会社 | ポリエステルフィルム |
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