JP4766995B2 - 二軸延伸ポリエテルフィルム - Google Patents
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Description
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のようなグリコールとのエステルを主たる成分とするポリエステルである。当該ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重合させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる等の方法によっても得られる。当該ポリエステルの代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ボリブチレンテレフタレート等が例示される。かかるポリエステルは、共重合されないホモポリマーであってもよく、またジカルボン酸成分の40モル%以下が主成分以外のジカルボン酸成分であり、ジオール成分の40モル%以下が主成分以外のジオール成分であるような共重合ポリエステルであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
電子顕微鏡を用いて粒子を観察して最大径と最小径を求め、その平均を粒子1個の粒径とした。フィルム中の少なくとも100個の粒子についてこれを行う。粒子群の平均粒子径は、これらの粒子の重量平均径とする。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、フィルム切断面が分子鎖配向の主軸方向と平行になるようにミクロトームで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡にて観察する。粒子毎に平均粒径の±10%に入る少なくとも50個の粒子について、最大径と最小径の比を算出し、その相加平均を変形度とする。
JIS Z−8741−1983の方法3(60゜光沢度)によって、単層フィルム表面もしくはA層表面のフィルムの縦延伸方向に光を入射して測定する。
有機粒子を60℃で4時間減圧乾燥後、窒素ガス雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で熱天秤(理学電気社、TAS100型)を用いて測定した5%減量時点の温度を測定する。
捕集効率が20μm捕集径で50から60%のフィルターを用いて、フィルム製造時の前に粒子含有量2wt%のレジンを吐出量20kg/hで押し出し、フィルター手前の樹脂の圧力を測定する。1時間で圧力差が0.5メガパスカルを超えた場合は、フィルター寿命が不合格(×)、0.5メガパスカル以下の場合は合格(○)とする。
蛍光灯下の机にMSゴシックの書体で大きさが8ポイントの1から9の数字を印刷した紙を置き、試験フィルムを通して30cmの距離から観察して、数字が判別できなくなるフィルムと紙の間の距離を測定する。光散乱性は以下のように評価する。
○:数字が見えなくなる距離が5cm以下であり、光散乱性が良好
×:数字が見えなくなる距離が5cmを超え、光散乱性が不良
易接着面の表面にアクリル系光硬化樹脂(日本化薬製KAYANOVA FOP−1700)を硬化後の厚さが6μmになるように塗布し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約10秒間照射して、表面硬化フィルムを得る。アクリル系光硬化層形成直後、当該層に1インチ幅に碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、直ちに、同一箇所について3回セロテープ(登録商標)急速剥離テストを実施し、剥離面積により評価する。判定基準は以下のとおりである。
◎:碁盤目剥離個数=0
○:1≦碁盤目剥離個数≦10
△:11≦碁盤目剥離個数≦20
×:21<碁盤目剥離個数
分光光度計UV−3100PC(島津製作所(株)製)を用いて波長800nmから300nmまでの光線透過率%を測定し、波長750nmと400nmの光線透過率%の差を求める。
○:波長750nmと400nmの光線透過率の差が15%以下であり、品位良好
△:波長750nmと400nmの光線透過率の差が15〜20%であり、やや品位が劣る
×:波長750nmと400nmの光線透過率の差が20%を超え、品位が劣る
・ポリエステルa
常法の重縮合で合成された極限粘度0.65、融点253℃のポリエチレンテレフタレートである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径6μm、5%熱分解温度が329℃の粒子表面に水酸基を有する架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μm、5%熱分解温度が331℃の粒子表面にグリシジル基を有する架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み8.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径10μm、粒子表面に水酸基を有する球状多孔質シリカ粒子を練り込み4.0重量%含有させたものである。
常法の重縮合で合成された極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレート樹脂に平均粒径1.7μm、粒子表面にカルボン酸基を有する5%熱分解温度が290℃の架橋アクリル有機粒子を練り込み2.0重量%含有させたものである。
水性塗布剤は下記a、b、c、dの化合物を47/20/30/3の重量比で混合した混合物である。
a:テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/1.4−ブタンジオール/ジエチレングリコールを各々28/20/2/35/10/5のモル比で反応させたポリエステル水分散体
b:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタアクリルアミドを各々45/45/5/5のモル比で重合された重合物水分散体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
c:メラミン系架橋剤(ヘキサメトキシメチルメラミン)
d:平均粒径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体
ポリエステルaが50重量%とポリエステルbが50重量%の混合物をベント付き2軸押出機に供給し、溶融温度280℃で溶融したあとポンプとフィルターを介してダイを通してキャスティングドラムに引き取り単層未延伸フィルムを得た。かくして得られた未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度83℃で3.7倍延伸した後、片面に水性塗布剤Aを塗布し、テンターに導き95℃で横方向に4.0倍延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、230℃で5秒間幅方向に3%弛緩させながら熱固定し、下記表1に記載する厚みのポリエステルフィルムを得た。
中間層(B層)を構成するポリエステルaが87.5重量%とポリエステルcが12.5重量%の混合物をベント付き2軸押出機(メイン)に供給し、表層(A層)を形成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(サブ)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、片面に水性塗布剤Aを塗布し、テンターに導き延伸し熱固定し、表1に記載する厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルaが67.5重量%とポリエステルbが32.5重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、片面に水性塗布剤Aを塗布し、テンターに導き延伸し熱固定し表1に記載する厚み構成のフィルムを得た。
フィルムを作成する前に、ポリエステルdが50重量%とポリエステルaが50重量%の混合物を用いてフィルター圧力上昇テストを行ったところ、圧力上昇が認められたため、フィルムの作成は実施しなかった。
易接着層を設けなかったほかは実施例1と同じ条件でフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルe100重量%をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給したほか実施例3と同様にして下記表2に記載した厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルaが85重量%とポリエステルbが15重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給したほか実施例3と同様にして表2に記載する厚み構成のフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に示す。
Claims (1)
- 少なくとも片面に易接着塗布層を有する二軸延伸ポリエステルフィルムであって、5%熱分解温度が300℃以上であり、平均粒子径が6.0〜40μmの、水酸基またはグリシジル基を表面に有する架橋スチレン−アクリル有機粒子を0.10〜10重量%含有することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
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