JP2008155576A - 二軸延伸ポリエテルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも3層のポリエステル層からなり、少なくとも片面に塗布層を有するフィルムであり、表層を形成するポリエステルのオリゴマー含有量が0.7重量%以下であり、中間層を形成するポリエステル中に平均粒径が2.0μm以上の粒子を含有し、フィルムヘーズが15%以上であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール等のようなグリコールとのエステルを主たる成分とするポリエステルである。当該ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重合させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後、重縮合させる方法、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させる等の方法によっても得られる。当該ポリエステルの代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。かかるポリエステルは、共重合されないホモポリマーであってもよく、またジカルボン酸成分の40モル%以下が主成分以外のジカルボン酸成分であり、ジオール成分の40モル%以下が主成分以外のジオール成分であるような共重合ポリエステルであってもよく、またそれらの混合物であってもよい。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、フィルム切断面がフィルム幅(横)延伸方向と平行になるようにミクロトームで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡にて2μm粒子が分布する中間層の厚みを観察する。次に低温灰化プラズマ装置にて、フィルム延伸方向の表面を中間層まで灰化した後、走査型電子顕微鏡にて、粒径2μm以上の粒子の長径と短径を少なくとも100個について求め、相加平均を平均粒子径とする。
分球式濁度計NDH−300A(日本電色工業株式会社製)を用いてその値を測定する。
小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定する。ただし、カットオフ値80μm、測定長2.5mmとする。
ポリエステル原料またはフィルムサンプル試料をティー・エイ・インスツルメント社製MDSC2910を用いて、昇温速度20℃/分で0℃から300℃まで測定を行い、結晶融解における吸熱ピーク温度を融点とした。
表層レジンに用いるレジン原料またはフィルムから得たサンプルをクロロホルム/1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(混合比:3/2)混合溶液に溶解した後、クロロホルム/メタノール(混合比:2/1)で再析出して濾過し、線状ポリエチレンテレフタレートを除いた後、次いで得られた濾液中の溶媒を、エバポレータを用いて蒸発させ、得られた析出物を所定量のDMFに溶解させる。得られたDMFを、液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してポリエステル中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量を求め、この値を測定に用いたポリエステル量で割って、ポリエステル中に含まれるオリゴマー(環状三量体)量とする。液体クロマトグラフィーで求めるオリゴマー(環状三量体)量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求める(絶対検量線法)。標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解して作成する。液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとする。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
ポリエステルフィルム表面にメチルエチルケトンを塗布し、窒素雰囲気下、120℃の熱風循環オーブンにて1分間乾燥した後、このフィルムを窒素雰囲気下、180℃の熱風循環オーブンにて10分間処理する。熱処理後のポリエステルフィルムの表面をDMFと3分間接触させ、表面に析出したオリゴマーを溶解させる。次いで得られたDMFを必要に応じて希釈等の方法で濃度を調整し、液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してDMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m2)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積との比より求める(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解して作成する。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとする。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
蛍光灯下の机にMSゴシックの書体で大きさが8ポイントの1から9の数字を印刷した紙を置き、試験フィルムを通して30cmの距離から観察して、数字が判別できなくなるフィルムと紙の間の距離を測定する。 光散乱性は以下のように評価する。
×:数字が見えなくなる距離が5cmを超える、光散乱性不良
易接着面の表面にアクリル系光硬化樹脂(日本化薬製KAYANOVA FOP−1700)を硬化後の厚さが6μmになるように塗布し、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約10秒間照射して、表面硬化フィルムを得る。アクリル系光硬化層形成直後、当該層に1インチ幅の中に碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、直ちに、同一箇所について3回セロテープ(登録商標)急速剥離テストを実施し、剥離面積により評価する。判定基準は以下のとおりである。
◎:碁盤目剥離個数=0
○:1≦碁盤目剥離個数≦10
△:11≦碁盤目剥離個数≦20
×:21<碁盤目剥離個数
・ポリエステルa
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルaの極限粘度は0.63、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.83重量%であった。
・ポリエステルb
ポリエステルaを、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.78、オリゴマー(環状三量体)含有量0.24重量%のポリエステルbを得た。
・ポリエステルc
テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルとエチレングルコールを用いて、イソフタル酸を25モル%含有する共重合ポリエステルを常法により合成したものである。
・ポリエステルd
ポリエステルaに平均粒径9μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み10重量%含有させたものである。
・ポリエステルe
ポリエステルaに平均粒径6μmの架橋スチレン-アクリル有機粒子を練り込み10重量%含有させたものである。
・ポリエステルf
ポリエステルaに平均粒径8μmの架橋アクリル有機粒子を練り込み10重量%含有させたものである。
・水性塗布剤A
水性塗布剤は下記(a)、(b)、(c)、(d)の化合物を47/20/30/3の重量比で混合した混合物である。
(a):テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/1.4−ブタンジオール/ジエチレングリコールを各々28/20/2/35/10/5のモル比で反応させたポリエステル水分散体
(b):メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタアクリルアミドを各々45/45/5/5のモル比で重合された重合物水分散体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
(c):メラミン系架橋剤(ヘキサメトキシメチルメラミン)
(d):平均粒径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体
表層(A層)を形成するポリエステルbをベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaが90.7重量%とポリエステルdが9.3重量%の混合物を別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。かくして得られた未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度83℃で3.0倍延伸した後、片面に水性塗布剤Aを塗布し、テンターに導き95℃で横方向に3.6倍延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、220℃で熱処理し、下記表1に記載する厚みのポリエステルフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルをポリエステルaとしたほか実施例1と同じ方法でフィルムを得た。
易接着層を設けなかったほかは実施例1と同じ方法でフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルaが86.4重量%とポリエステルeが13.4重量%の混合物をベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaを別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、片面に水性塗布剤Aを塗布し、テンターに導き延伸し熱固定し表1に記載する厚み構成のフィルムを得た。
表層(A層)を形成するポリエステルbをベント付き2軸押出機(サブ)に供給し、中間層(B層)を構成するポリエステルaが36.9重量%とポリエステルcが55.0重量%とポリエステルfが36.9重量%の混合物を別のベント付き2軸押出機(メイン)に供給して溶融温度280℃で溶融したあと、各押出機からの溶融ポリマーをギヤポンプとフィルターを介してフィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種3層の未延伸フィルムを得た。その後は実施例1と同じく、片面に水性塗布剤Aを塗布し、テンターに導き延伸し熱固定し表1に記載した厚み構成のフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
Claims (1)
- 少なくとも3層のポリエステル層からなり、少なくとも片面に塗布層を有するフィルムであり、表層を形成するポリエステルのオリゴマー含有量が0.7重量%以下であり、中間層を形成するポリエステル中に平均粒径が2.0μm以上の粒子を含有し、フィルムヘーズが15%以上であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010050603A1 (ja) * | 2008-10-30 | 2010-05-06 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 光学用積層フィルム |
JP2014031434A (ja) * | 2012-08-03 | 2014-02-20 | Mitsubishi Plastics Inc | 積層ポリエステルフィルム |
JP2015071277A (ja) * | 2013-10-04 | 2015-04-16 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 積層フィルム |
JP2017105213A (ja) * | 2017-03-09 | 2017-06-15 | 三菱樹脂株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
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2006
- 2006-12-26 JP JP2006349687A patent/JP2008155576A/ja active Pending
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