JP2014169371A - 軟質化ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フィルムの弾性率E’が120℃において20MPa以下であり、かつ180℃において5MPa以下であり、フィルムヘーズが1.0%以下であり、ジオール構成成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を29〜32モル%含有し、ジカルボン酸構成成分としてイソフタル酸単位を含まないことを特徴とする軟質化ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
アイティー計測制御社製動的粘弾性測定装置(DVA−200型)を使用した。幅5mmのフィルムをチャック間20mmとなるように測定装置にセットし、0℃から300℃まで10℃/min.の速度で昇温させながら、周波数10Hzで粘弾性の推移を測定した。この測定結果より120、150、180℃の貯蔵弾性率(E’)を求めた。
JISーK7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDHー300Aによりフィルムの濁度を測定した。
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚さを求めた。但し、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
インラインコーティングまたはオフラインコーティングを用いて片面に接着層を設けたロール状のフィルムサンプルを8MPaのテンションで巻出し、厚さ1mmのABS樹脂と貼り合せたフィルムを作成した。作成した貼り合せフィルムを、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ50mmの円筒状に100個/分の速度で連続成型した。得られた成型品の状態を目視観察し、以下の基準にて判定した。
○:100個中、成型不良が5個以下
△:100個中、成型不良が6個以上15個以下
×:100個中、成型不良が16個以上
幅1mの製品フィルムにつき、幅方向に均等に20箇所をJIS1級マイクロメータで測定し、最大厚さ(mμ)−最小厚さ(mμ)を厚さふれと定義した。
ポリエステルフィルムを生産する際に発生する破断(フィルム破れ)の回数を以下の基準で判定した。
○:8時間当たり0回
△:8時間当たり1〜2回
×:8時間当たり3回以上
<ポリエステル1>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとする滑剤粒子を含有しないポリエステルチップを製造した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとし平均粒径3.1μmの無定形シリカを0.20重量%含有するポリエステルチップを製造した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジオール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノール単位は33mol%であった。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジカルボン酸成分中のイソフタル酸単位は22mol%であった。
ポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を6:4:90の重量比率で配合し、押出機にて溶融させて、積層ダイの外層Aに供給し、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を5:95の重量比率で供給した。外層A/内層B/外層Aの構成からなる2種3層の積層ポリエステル樹脂をフィルム状に押出して、35℃の冷却ドラム上にキャストして急冷固化した未延伸フィルムを作製した。次いで75℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒータと加熱ロールを併用して80℃のロール間で縦方向に3.2倍延伸した。続いてフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、100℃の温度で加熱しつつ横方向に4.0倍延伸し、5%の幅方向の弛緩を行いながら175℃で熱処理を行った。フィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであり、優れた特性を示した。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を16:4:80とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を10:90とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、僅かに成型不良が見受けられた。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル2とポリエステル3を4:96とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を3:97とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、僅かに生産性が劣った。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル3を100とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を6:94した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルム表層が製膜機のクリップに粘着し僅かに生産性が劣った。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を31:4:65とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル3を10:90とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、成型時に金型に追従していない成型品が多発した。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を5:4:91とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル3を100とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、フィルム表層が製膜機のクリップに粘着し生産性が劣った。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3とポリエステル4を6:4:80:10とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、成型時の加熱の際、フィルムが白曇る現象が起こった。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル3を100とし、積層ダイの内層Bにもポリエステル3を100とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得ようとしたが、破断が頻発しサンプルを採取することができなかった。
積層ダイの外層Aに供給する原料をポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を11:4:85とし、積層ダイの内層Bにはポリエステル1とポリエステル2とポリエステル3を15:85とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さが38μmで、A層/B層/A層がそれぞれ3/32/3(μm)の層構成からなる積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は表1に示すとおりであった。この結果より、この結果より、成型時に金型に追従していない成型品が多発した。
Claims (1)
- フィルムの弾性率E’が120℃において20MPa以下であり、かつ180℃において5MPa以下であり、フィルムヘーズが1.0%以下であり、ジオール構成成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を29〜32モル%含有し、ジカルボン酸構成成分としてイソフタル酸単位を含まないことを特徴とする軟質化ポリエステルフィルム。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20200055071A (ko) | 2017-09-22 | 2020-05-20 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 공중합 폴리에스테르 필름 |
KR20210057011A (ko) | 2018-09-13 | 2021-05-20 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 공중합 폴리에스테르 필름 |
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JPH11343353A (ja) * | 1998-03-30 | 1999-12-14 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | ポリエステル系樹脂シ―ト及び製造方法 |
JP2004131513A (ja) * | 2002-08-12 | 2004-04-30 | Kanebo Ltd | ポリエステルシート |
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