JP4799066B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は積層ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、厚みムラ、接着性等に優れ、金属ラミネート用フィルムや食品トレー等の蓋材、光学用易接着フィルム等に好適に使用される積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有しており、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、成型転写用フィルム、金属ラミネートフィルム、ガラスディスプレイ等のガラス表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム、液晶表示部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用ベースフィルム、ディスプレイの防爆用ベースフィルム、PDPのフィルター用ベースフィルム等の光学部材の素材として広く用いられている。
これらのフィルムにおいて、金属や食品トレーへの熱接着性の向上や、ハードコート材料等への易接着性の付与、酸素等に対するガスバリア性の向上、ポリエステル由来のオリゴマーの析出防止等を目的として、基材ポリエステル層に基材層とは樹脂組成の異なる層を積層させて機能性を発現させる検討が数多くなされている。
しかし、二軸延伸ポリエステルフィルムの製膜手法の従来法である逐次二軸延伸法では、Tgの大きく異なる積層フィルムを延伸する場合、困難を生じる場合がある。すなわち、逐次二軸延伸法における縦延伸工程では、一般的に加熱ロールによる延伸がなされるが、Tgが大きく異なる積層フィルムの場合、各層の最適延伸温度が異なるために、Tgが低い層が延伸ロールに粘着したり、またはTgが高い層が予熱不足となり白化したりして製品外観が悪くなり、かつフィルムの厚みムラも悪くなる問題がある。
特開平7−1693号公報 特開平11−314330号公報 特開2003−170559号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、種々の機能性を発現させたポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルA層の少なくとも片面に、A層を構成するポリエステルとTgが5℃以上異なるポリエステルB層を有し、当該B層同士を130℃にて熱接着させた際の接着強度が2.0N/15mm以上である、同時二軸延伸法により得られたポリエステルフィルであり、フィルムの厚みムラが8%未満であることを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用するポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールの常法による縮重合反応で得られる。重合触媒としては、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物等公知の触媒を使用することができるが、光学用途に使用されるフィルムの場合は、アンチモン化合物の量を零またはアンチモンとして100ppm以下にすることによりフィルムのくすみを低減したものが好ましい。
重合に使用される多価カルボン酸成分の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、多価アルコール成分の例としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−2−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールA等が挙げられるが、これらの例に制限されるものではない。また同様にして得られ、かつ融点の異なる2種以上のポリエステル樹脂を混合して組成物とすることもできる。さらに上記のポリエステル樹脂は、3種類以上の多価カルボン酸や多価アルコールの共重合であってもよく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のモノマーやポリマーとの共重合体であってもよい。
次に本発明のA層に使用されるポリエステルについて説明する。A層を構成するポリエステルは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であることが好ましい。エチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位が80モル%以下の場合、フィルムの機械強度および耐熱性に劣るため好ましくない。A層を構成するポリエステルの結晶融解温度は、通常200〜280℃の範囲である。また、Tg(℃)は60〜120℃の範囲であることが好ましい。
次に本発明のB層に使用されるポリエステルについて説明する。B層を構成するポリエステルは、エチレンテレフタレート単位、エチレン−2,6−ナフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位のいずれかを主たる構成成分とするポリエステルであることが好ましく、それらのポリエステルから選ばれる1種または2種以上を混合してなる組成物を使用することも好ましい。また、接着性等の機能性向上を目的として、10〜30モル%程度の第3成分を共重合することも好ましい。B層を構成するポリエステルの結晶融解温度は、180〜250℃の範囲であることが好ましい。また、二次転移温度Tg(℃)はA層よりも5℃以上異なることがA層とは異なる機能を発現させるために必要であり、さらに10℃以上異なっていることが好ましい。特にB層のTgがA層よりも5℃以上、さらに好ましくは10℃以上低いことは、低温度での接着性が向上するため好ましい。
本発明に使用されるポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。得られるポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜1.50dl/gであることが好ましい。
本発明におけるポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合してもよい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化珪素、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μmが好ましい。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、透明性に劣ることがある。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、蛍光増白剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、および顔料等を添加することができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常4〜300μm、好ましくは9〜250μm、さらに好ましくは12〜188μmの範囲である。
本発明における厚みムラは平均厚さの8%以下であることが必要であり、好ましくは5%以下である。厚みムラが8%を越えると、製品として使用した場合にたるみが生じ、平面性が悪くなるため、例えばフィルムにコート剤等と塗布した際に、塗布ムラの原因等になる。
本発明のフィルムは、B層同士を重ね合わせて、温度130℃に設定されたバーにて、圧力1.0MPa、0.5秒の条件にて接着させた後の強度が2.0N/15mm以上であることが好ましい。接着強度が2.0N/15mm以下の場合、金属や食品トレー等への熱接着性や、ハードコート材料等のコーティング材料への接着性に劣ることがある。
本発明のフィルムは、180℃で10分間加熱後に析出するポリエステル由来の環状オリゴマー量は通常2.0mg/m以下、好ましくは1.5mg/m以下、さらに好ましくは1.0mg/m以下である。ポリエステル由来のオリゴマー、特に環状オリゴマーは結晶性がよいためにフィルム表面で析出し、フィルムヘーズの悪化や、塗布工程内でフィルムと接触する搬送ロールに付着堆積する等の問題が発生することがある。環状オリゴマー量を上記の範囲にする方法は特には限定されないが、B層に使用するポリエステル樹脂にオリゴマーを減少させた原料を用いる方法、触媒失活法、オリゴマー析出防止層をコートする方法等が好適に用いられる。また、ポリエチレンテレフタレートよりも含有する環状オリゴマー量の少ないポリブチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等を使用することも好ましい。
本発明のフィルムの層構成は、A層の片側にB層が積層されていれば特に限定されず、A/B、B/A/B、B/A/C等の種々の層構成をとることができる。
また本発明のフィルムは、特に光学用途等に用いられる場合、フィルム中に存在する最大径150μm以上の異物は通常0.0個/mであり、最大径30μm以上の異物は通常1.5個/m以下、好ましくは1.0個/m以下である。最大径150μm以上の異物が0.0個/mまたは最大径30μm以上の異物が1.5個/m以下の条件を逸脱する場合には、できあがったLCDやPDPの画像に欠陥が生じて製品とならない場合がある。さらに、フィルム表面に存在する幅10μm以上の傷の数が、10個/m以下、さらには5個/m以下が好ましい。幅10μmの傷の数が10個/mより多い場合、同様に製品とならない場合がある。
上述の要求を満足させるための一つの方法として、本発明は、延伸方式として同時二軸延伸装置を用いることが好ましい。同時二軸延伸装置は、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等従来公知の延伸方式を採用することができる。「スクリュー方式」とは、スクリューの溝にクリップを乗せてクリップ間隔を広げていく方式である。「パンタグラフ方式」とは、パンタグラフを用いてクリップ間隔を広げていく方式である。「リニアー駆動方式」とは、リニアモーター原理を応用し、クリップを個々に制御可能な方式でクリップ間隔を任意に調整することができる利点を有する。
さらに同時二軸延伸に関して、二段階以上に分割して行ってもよく、その場合、延伸場所は一つのテンター内で行ってもよいし、複数のテンターを併用してもよい。
なお、本発明では、フィルムの表面特性を改質するために、例えば易接着性、離型性、静電性等を付与するために、延伸の前または後の工程で、ポリエステルフィルムの表面に塗布剤をコーティングすることも好ましく行うことができる。
次に、本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
かくして得られた未延伸フィルムの縦横延伸は、同時二軸延伸法を採用することが好ましい。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを(各層Tg−10)〜(Tg+70)℃に加熱し、一段もしくは二段以上の多段階で、面積倍率10〜40倍の同時二軸延伸を行う。そして、引き続き、170〜250℃の温度で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。必要に応じて延伸工程と熱処理工程の間に冷却工程を設けることはフィルムのボーイング現象を低減させることができるため好ましい。また、フィルムの熱収縮率を低減させる目的で、延伸工程または熱処理工程において縦横方向にフィルムを弛緩させることも好ましい。
また、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すこともできる。塗布延伸法にてポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になるとともに塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明のフィルムは、二軸延伸熱処理後、必要に応じてオフラインでコートをすることも好ましい方法である。ポリエステルフィルムに塗布層を設ける方法としては、塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例のごとくリバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
塗布層の塗工量は塗工性の面から、通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/mの範囲である。塗工量が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/mを超えて厚塗りにすると、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
またさらに本発明においては、本発明の主旨を損なわない範囲において、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明によれば、接着性等に優れ、金属ラミネート用フィルムや食品トレー等の蓋材、光学用易接着フィルム等に好適に使用されるフィルムであって、厚みムラの少ない積層ポリエステルフィルムを容易に提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cmの溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηを測定し、下記式より固有粘度[η]を求めた。
(η−1)/c=[η]+[η]k’c
(ただし、上記式中、k’は0.33とした)
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)Tg(二次転移温度)、Tm(融点)の測定
ティーエーイインスツルメント社製のDSC装置「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを試料として用い、50℃/分の速度で一旦300℃まで昇温し10分間保持後、液体窒素を用いてTg以下に急冷し、再び20℃/分の昇温速度で300℃まで測定を行い、TgおよびTmを求めた。
(4)フィルムの厚さムラ
アンリツ社製連続フィルム厚さ測定器(電子マイクロメーター使用)により、二軸延伸フィルムの縦方向、および横方向に沿って測定し、3m長さについて、次式より算出した。
厚さムラ=(フィルム最大厚さ−フィルム最小厚さ)÷フィルム平均厚さ×100
(5)環状オリゴマー析出量
25cm角の大きさにポリエステルフィルムを切り取り、180℃に設定されたオーブン(田葉井製作所製:熱風循環炉)中で10分間加熱処理した後、上部が開放され、底辺の面積が250cmとなるように、熱処理後のポリエステルフィルムをB層が内側となるように折って、四角の箱を作成する。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF10mlを入れ3分間放置後DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してDMF中のポリエステル由来の環状オリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、環状オリゴマー析出量(mg/m)とする。DMF中の環状オリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、予め分取した環状オリゴマーを正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解して作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製 MCI GEL ODS 1HU
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(6)接着強度
幅200mm長さ200mmのフィルムを切り出し、B層同士を重ね合わせ、テスター産業(株)製ヒートシールテスターを用いて、幅10mm長さ100mmで温度130℃に設定された上下のバーにて、圧力1.0MPaで0.5秒間ヒートシールした。ヒートシール試料のシールラインに対して直角に幅15mmとなるように試験片を切り出し、インテスコ製引張試験機インテスコモデル2001型を用いて、温度25℃、湿度50%RHに調節された室内において、引張速度50mm/分でT型剥離強度を測定して接着強度を求めた。
(7)ハードコート層密着性
積層ポリエステルフィルムの塗布層側に、ペンタエリスリトールアクリレート:N―メチロールアクリルアミド:N―ビニルピロリドン:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが重量で45:40:10:5からなるUV硬化系組成物を硬化後の膜厚が5μmとなるように均一に塗布し、その後、80W/cmの強度を有する高圧水銀灯で30秒間紫外線を照射して硬化させ、ハードコート層を有するフィルムを得た。当該フィルムに碁盤目のクロスカット(1mmの升目を100個)を施し、その上に18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、剥離面積が20%未満ならば○、20%以上50%未満なら△、50%以上ならば×とした。
(8)塗布ムラ
上記のハードコート層の塗布を行う際に、厚みムラ(たるみ)に起因する塗布ムラが存在したかどうかを(目視で)評価する。
全く問題なし:○
一部ムラがあるが生産は可能:△
ムラが多くて生産にならない:×
次に実施例に使用するポリエステル原料について説明する。
<ポリエステルAの製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールおよびジエチレングリコールを使用し、重合触媒としてテトラブチルチタネートを用いて定法の溶融重合法により固有粘度が0.62dl/gのポリエステルを製造した。
<ポリエステルBの製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチル、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、重合触媒として三酸化アンチモンを用いて定法の溶融重合法により湿式法シリカ(平均粒径2.5μm、含有量0.5重量%)を分散させた固有粘度が0.65dl/gのポリエステルを製造した。
<ポリエステルCの製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸およびイソフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、重合触媒として三酸化アンチモンを用いて定法の溶融重合法により湿式法シリカ粒子(平均粒径2.5μm、含有量0.2重量%)を分散させた固有粘度が0.58dl/gのポリエステルを製造した。続いて、定法の固層重合法により環状オリゴマー量を低減させた固有粘度0.75dl/gのポリエステルを製造した。
<ポリエステルDの製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、多価アルコール成分としてエチレングリコール使用し、定法の溶融重合法により湿式法シリカ粒子(平均粒径2.5μm、含有量0.1重量%)を分散させた固有粘度が0.58dl/gのポリエステルを製造した。続いて、定法の固層重合法により環状オリゴマー量を低減させた固有粘度0.75dl/gのポリエステルを製造した。
<ポリエステルEの製造法>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分として1,4−ブタンジオールを使用し、重合触媒としてテトラブチルチタネートを用いて定法の溶融重合法により固有粘度が1.20dl/gのポリエステルを製造した。
<ポリエステルFの製造法>
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、重合触媒として三酸化アンチモンを用いて定法の溶融重合法により固有粘度が0.48dl/gのポリエステルを製造した。続いて、定法の固層重合法により極限粘度0.58dl/gのポリエステルを製造した。
得られたポリエステルの特性を下記表1に示す。
Figure 0004799066
上記表1中の略号は以下のとおりである。
TPA:テレフタル酸、IPA:イソフタル酸、APA:アジピン酸、NDCA:2,6−ナフタレンジカルボン酸、EG:エチレングリコール、DEG:ジエチレングリコール、1,4−BG:1,4−ブタンジオール
(実施例1)
ポリエステルA、Bをそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料をA層原料、ポリエステルD100%をB層原料とし、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、2種2層(A/B)の層構成で共押出しして、静電印加密着法を用いて表面温度を20℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。その後、未延伸シートを同時二軸延伸可能なテンターに導き、90℃に加熱された延伸工程で縦方向3.5倍、横方向4.0倍延伸した。その後、フィルムを一旦60℃に冷却を行った後、230℃にて熱処理を行い、続いて200℃で縦・横方向に2%ずつ弛緩を行った後にフィルムを室温まで冷却し、厚み40μmのフィルムを得た。できた積層フィルムの厚み構成は、A層/B層=35μm/5μmであった。得られたフィルムの特性は下記表2に示すとおり、良好な特性を示した。また、B層の環状オリゴマー析出量も少なかった。
(実施例2)
ポリエステルA100%をA層の原料、ポリエステルD100%をB層原料、ポリエステルA,Bそれぞれ90%、10%の割合で混合した原料をC層原料とし、3台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、3種3層(B/A/C)の層構成で共押出しした以外は実施例1と同様にして、厚み40μmのフィルムを得た。積層フィルムの厚み構成は、B層/A層/C層=5μm/30μm/5μmであった。得られたフィルム特性は下記表2に示すとおり、良好な特性を示した。
(実施例3)
B層原料をポリエステルC、Eそれぞれ50%、50%の割合で混合した原料を用いた以外は実施例2と同様にして厚み40μmのフィルムを得た。積層フィルムの厚み構成は、B層/A層/C層=5μm/30μm/5μmであった。得られたフィルム特性は下記表2に示すとおり、良好な特性を示した。
(実施例4)
B層原料にポリエステルC、Fをそれぞれ50%、50%の割合で混合した原料を用い、95℃に加熱された延伸工程で縦方向3.5倍、横方向4.0倍延伸した以外は実施例2と同様にして厚み40μmのフィルムを得た。積層フィルムの厚み構成は、B層/A層/C層=5μm/30μm/5μmであった。得られたフィルム特性は下記表2に示すとおり、良好な特性を示した。
(比較例1)
B層原料にポリエステルA100%を用いた以外は実施例2と同様にして厚み40μmのフィルムを得た。積層フィルムの厚み構成は、B層/A層/C層=5μm/30μm/5μmであった。得られたフィルム特性は下記表2に示すとおり、ハードコート層密着性に劣った。また、環状オリゴマー析出量も多かった。
(比較例2)
ポリエステルA100%をA層原料、ポリエステルD100%をB層原料、ポリエステルA,Bそれぞれ90%、10%の割合で混合した原料をC層原料とし、3台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、3種3層(B/A/C)の層構成で共押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を20℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。その後、未延伸シートを90℃に加熱したロールにて予熱し、2本のロール間で縦方向に3.5倍延伸した。続いてテンターに導き、110℃で横方向に4.0倍延伸した後、230℃にて熱処理を行い、200℃で横方向に2%弛緩を行った後にフィルムを室温まで冷却し、厚み40μmのフィルムを得た。積層フィルムの厚み構成は、B層/A層/C層=5μm/30μm/5μmであった。得られたフィルムの特性は下記表2に示すとおり、縦延伸ロールにて粘着が発生したため厚みムラが悪くなり、塗布ムラが発生した。
(比較例3)
B層原料をポリエステルC、Fそれぞれ50%50%とした以外は比較例2と同様にして厚み40μmのフィルムを得た。積層フィルムの厚み構成は、B層/A層/C層=5μm/30μm/5μmであった。得られたフィルムの特性は下記表2に示すとおり、縦延伸工程にてB層が予熱不足となったために厚みムラが悪くなり、塗布ムラが発生した。
Figure 0004799066
本発明のフィルムは、厚みムラがよく、かつ接着性等に優れ、例えば、金属ラミネート用フィルムや食品トレー等の蓋材、光学用易接着フィルム等に好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリエステルA層の少なくとも片面に、A層を構成するポリエステルとTgが5℃以上異なるポリエステルB層を有し、当該B層同士を130℃にて熱接着させた際の接着強度が2.0N/15mm以上である、同時二軸延伸法により得られたポリエステルフィルであり、フィルムの厚みムラが8%未満であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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