JP2017030362A - 光学用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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【課題】 フィルム製造および加工工程における巻き特性が良好であり、またフィルム表面に粗大突起物がなく、ハードコート層等を付与した時の視認性に優れ種々の部材に好適に使用できる積層ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】 両最外層中に実質的に粒子を含有しない積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片面の算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmであり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルム。【選択図】 図1

Description

本発明は、フィルム製造および加工工程における巻き特性が良好であり、またフィルム表面に粗大突起物がなく、ハードコート層等を付与した時の視認性に優れ、種々の部材に好適に使用できる積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等を有しており、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、金属ラミネートフィルム、液晶ディスプレイ用フィルム、太陽電池裏面保護フィルム、タッチパネル式表示装置の透明導電性フィルムのベースフィルム、液晶表示装置に用いられるプリズムシート用のベースフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
ポリエステルフィルムには、滑り性や巻き特性などを向上させて取り扱いを容易にするために、粒子を適量配合し微細な突起を形成させることが一般的である(特許文献1)。
しかし、ポリエステルフィルムの用途では、粒子による突起形状や外観の不具合が発生することがあった。
例えば、タッチパネル式表示装置の透明導電膜基材用フィルムでは、粒子をより多く添加し、ポリエステルフィルム基材の表面粗さを高く設計すれば、該基材の加工時のハンドリング性は上昇するが、ITOパターン部分に粒子の凝集体が存在する場合、フォトレジスト法によるITO層の一様なパターン化に悪影響を及ぼすことがあった。
特に、近年のパターン幅がより狭く設計されたタイプの透明導電積層体では、パターン化不良の不具合が頻発する傾向にあった。
一方、ポリエステルフィルム基材に粒子を配合しない場合、あるいは粒子の配合量が少ない場合は、フィルム表面は平滑となり良好なフィルムとなるが、滑り性や巻き特性が不十分となり、各工程でのロールパスをフィルムが通過する際に発生する傷がフィルム全面に発生し、良好な外観を有する透明導電積層体を加工することは極めて困難であった。
そのため、滑り性や巻き特性を維持しつつ、フィルム表面に粗大突起物がなく、視認性についても良好なポリエステルフィルムが必要とされているが、それらを満足するものはまだ完成していなかった。
特開2006−176685号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、フィルム製造および加工工程における巻き特性が良好であり、またフィルム表面に粗大突起物がなく、ハードコート層等を付与した時の視認性に優れ種々の部材に好適に使用できる積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用すれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、両最外層中に実質的に粒子を含有しない積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片面の算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmであり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、従来、粒子添加系では達成困難であった、広範囲のフィルム表面において、微細な表面形状を有するフィルム設計が可能となる。さらに、フィルム製造および加工工程における巻き特性が良好であり、またフィルム表面に粗大突起物がなく、ハードコート層等を付与した時の視認性に優れ種々の部材に好適に使用できる積層ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明のフィルムの一例について、フィルム表面の3次元測定による表面形状を表す図 本発明を満足しないフィルムの一例について、フィルム表面の3次元測定による表面形状を表す図 本発明を満足しないフィルムの一例について、フィルム表面の3次元測定による表面形状を表す図
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
一方、共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
いずれにしても、本発明でいうポリエステルとは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエステルを指す。
特に好ましく使用されるポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。使用原料のポリエステル樹脂の極限粘度は、0.60dl/g以上が好ましく、0.65dl/g以上がさらに好ましい。上限については特に設けないが、生産性の観点から1.0dl/g以下が現実的である。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜350μm、好ましくは23〜250μmの範囲である。
本発明の積層フィルムの両最外層以外のポリエステル層中には、再生ポリマーのリサイクルや易滑性付与を目的として粒子を配合してもよい。両最外層に粒子を配合する場合は、後述するように50ppm以下とする。
配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらにポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等の何れを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明では、必要に応じて添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
本発明では、3次元粗さパラメータにおいて、算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8である。具体的に示すと、図1のように突起の尖り具合が小さく、かつ下地の荒れ具合が大きい状態であるのが、本発明の特徴である。一般的に、最外層に粒子を用いた場合、図2に示すように、突起の尖り具合が大きく、下地の荒れ具合は小さいものになってしまう。
表面の3次元表面粗さは、株式会社菱化システム社の「VertScan」(登録商標)を用い、光干渉法にて、640μm×480μmの領域における表面形状と面粗さの測定を行った。
具体的に説明すると、算術平均粗さ(Sa)とは、二次元のRaを三次元に拡張したもので、表面形状曲面と平均面で囲まれた部分の体積を測定面積で割ったものであり、以下の式から求められる。表面をXY面,高さ方向をZ軸とした時、A:定義された領域(画像全体とする)、Z(x,y):画像点(x,y)の高さ0の面からの高さとすると、下記式で示される。
Figure 2017030362
表面高さ分布とがり(Sku)とは、表面形状曲面の鋭さの尺度で、表面高さ分布の広がりを特徴づけるもので、次式で定義される。
Figure 2017030362
また、Sqとは二次元のRq(RMS)を三次元に拡張したものであり、これは統計学で標準偏差σを表している。表面形状曲面と平均面との距離を二乗した曲面と,平均面によりはさまれる部分の体積を測定面積で割った後に平方根を求めた二乗平均平方根偏差であり、以下の式から求めることができる。
Figure 2017030362
なお、Skuが3の時が正規分布であることを表し,この数値が小さくなるにしたがって、表面高さ分布がなだらかな形状をしており,数値が大きくなるにしたがって、突起がシャープであることを表す。
本発明では、表層の3次元表面粗さパラメータの、算術平均粗さ(Sa)が3〜25nm、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が2〜8であることが必要である。Saの好ましい範囲としては、4〜20nm、より好ましくは5〜15nm、さらに好ましくは6〜12nmの範囲である。また、Skuの好ましい範囲としては、3〜8、より好ましくは3〜6、さらに好ましくは3〜5の範囲である。Saが3nm未満では、表面が平滑すぎるために、例えばフィルムの搬送時に傷やブロッキングの問題が発生する。また、Saが25nmを超えるか、Skuが8を超える場合、例えば、透明導電膜基材用フィルムにおいて、粒子による突起形状を原因とする透明導電層でのパターン化不良の不具合が頻発する可能性がある。
本発明の優れた光学特性のために、積層フィルムの両最外層中に粒子を実質的に含有しないことが必要である。ここでの実質的にとは、最外層当たりの前述の粒子重量がそれぞれ50ppm以下である。
また、本発明における積層ポリエステルフィルムにおいて、前記SaおよびSkuを同時に満足するための具体的手段として、ポリエステル樹脂に有機系結晶核剤を使用することが好ましい。
有機系結晶核剤は、主にポリエステルの結晶化速度向上効果を有するものであれば、その種類は特に制限されるものではない。例えば、スルホンアミド化合物金属塩、スルホンイミド化合物金属塩、ジベンジリデンソルビトール(DBS)化合物、1,3−O−ビス(3,4ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ジアルキルベンジリデンソルビトール、少なくとも一つの塩素または臭素置換基を有するソルビトールのジアセタール、ジ(メチルまたはエチル置換ベンジリデン)ソルビトール、炭素環を形成する置換基を有するビス(3,4−ジアルキルベンジリデン)ソルビトール等のソルビトール系化合物、脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸、相当する無水物および金属塩などの有機酸の金属塩化合物、環式ビス−フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸などの二環式ジカルボン酸および塩化合物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−ジカルボキシレートなどの二環式ジカルボキシレートの飽和の金属または有機の塩化合物、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、グリセロール、グリセリンモノエステルなどの高級脂肪酸エステル、および類似物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明における有機系結晶核剤としては、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩がより好ましい。中でも、スルホンアミド基またはスルホンイミド基が環状構造をなしていることがより好ましい。本化合物の場合、他の材料に比べ、ポリエステルの結晶化を促進する効果が高く、少量で効果を発揮できコスト面での優位性が高い。また、金属塩としては、結晶核の形成の観点から、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩であることが好ましく、ナトリウム塩であることがより好ましい。
スルホンアミド化合物またはスルホンイミド化合物としては、例えば、スルホンアミド、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−ブチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニルーメチルーベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド、4−アミノ−6−クロロ−ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ジアミド、6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−スルホン酸アミド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸アミド、4−ナトリウムオキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ベンゼンスルホニルアミノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド等が挙げられ、本発明においては、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドの金属塩であるものが好ましく用いられる。
上記スルホンアミド化合物またはスルホンイミド化合物の金属塩における金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタニウム、マンガン、鉄、亜鉛、珪素、ジルコニウム、イットリウムまたはバリウムから選択される金属が挙げられ、それらの中でも、カリウム、リチウム、ナトリウム、カルシウムは、微細結晶の生成効果に優れているので好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルム中の有機系結晶核剤は、フィルム表面の摩擦係数を軽減させるべく、フィルムの最外層に含有されていることが好ましく、最外層中の有機系結晶核剤の含有量は、0.1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは、0.3〜5.0重量%、さらに好ましくは0.4〜3.0重量%、特に好ましくは0.5〜2.0重量%、最も好ましくは0.5〜1.2重量%の範囲である。最外層中の有機系結晶核剤の含有量は、0.1重量%以上で十分な滑り性や巻き特性を得ることができ、5.0重量%以下であれば、他の物性とのバランスをとりつつ、前記SaおよびSkuの値を十分満たすことができる。
二軸延伸を行う前の未延伸ポリエステルシート中に結晶核剤を含有させる方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。あらかじめポリエステル樹脂と結晶核剤とを押出機に共に供給して、溶融混合して得られたマスターバッチを、ポリエステルフィルム製造時に、結晶核剤を含有しないポリエステル樹脂と共に押出機に供給して、ダイより押し出された溶融シートを用いて冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得てもよい。
また、ポリエステルフィルム製造時に、結晶核剤を含有しないポリエステル樹脂と、結晶核剤とを押出機に供して溶融混合することでダイより押し出された溶融シートを用いて冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法でもよい。
マスターバッチを製造するための押出機、およびポリエステルシートを溶融押出しするための押出機は、ベント付二軸押出機であることが好ましい。結晶核剤が水分を含有しやすいため、脱気効率の優れたベント付二軸押出機を用いることで、ポリエステル樹脂の加水分解が軽減し、ポリエステルフィルムの極限粘度の低下抑制となる。
本発明における積層ポリエステルフィルムでは、動摩擦係数は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.8以下の範囲である。一方、下限は特に限定されないが、0.1以上が好ましい。動摩擦係数が前記範囲とすることで、フィルムの滑り性が向上し、巻き特性が良いものとなる。
本発明における積層ポリエステルフィルムでは、フィルムヘーズが2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。フィルムヘーズが2.0%より高い場合、例えば光学部材として用いる場合に視認性が悪化し使用することができなくなってしまう場合がある。
また、本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、例えば、タッチパネル用途等では、長時間、高温雰囲気下に晒された後であっても、高度な透明性が要求される場合がある。かかる観点より、タッチパネル用部材として対応するためには、熱処理(150℃、90分間)した前後におけるフィルム表面からジメチルホルムアミドにより抽出されるオリゴマー(環状三量体)量(OL)は、1.5mg/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.0mg/m以下である。OLが1.5mg/mを超える場合、後加工において、例えば、150℃、90分間等、高温雰囲気下で長時間の加熱処理に伴い、オリゴマー析出量が多くなり、フィルムの透明性が低下する場合がある。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。ここで、例えば溶融シートをキャスティングドラムで冷却固化する際、結晶核剤の下地の荒れ具合を調整するための手段として、キャスティングドラムの温度制御が挙げられる。冷却温度が低すぎるとフィルムが結晶化せず、図3のように下地の荒れ具合が小さくなってしまう場合がある。一方で、冷却温度が高すぎると結晶化が促進されるため、未延伸シートが白化し、割れてしまう場合がある。
このように、最外層に結晶核剤を用いることで、温度制御により下地の荒れ具合を調整することができる。
次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜140℃、好ましくは85〜120℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常90〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7.0倍、好ましくは3.5〜6.0倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜170℃、好ましくは85〜140℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明においては、前記の通りポリエステルの溶融押出機を2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層または3層以上の積層フィルムとすることができる。層の構成としては、A原料とB原料とを用いたA/B構成、またはA/B/A構成、またC原料も用いたA/B/C構成またはそれ以外の構成のフィルムとすることができる。例えばA層にポリエステル樹脂と結晶核剤を用い表面形状を設計し、B原料としては粒子を含有しない原料を用い、A/B構成のフィルムとすることができる。この場合B層の原料を自由に選択できることからコスト的な利点などが大きい。また当該フィルムの再生原料をB層に配合しても表層であるA層により表面粗度の設計ができるので、さらにコスト的な利点が大きくなる。
本発明のポリエステルフィルムには、塗布層を設けても構わない。すなわち、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施しても構わない。
また、塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
塗布剤の塗布方法としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れがある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一の塗布層を形成する場合には顕著に現れる。
なお、必要に応じて、フィルムの製造後にコートするオフラインコートと呼ばれる方法でコートしてもよい。コーティングの材料としては、オフラインコートの場合は水系および/または溶剤系いずれでもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。実施例中、「%」は「重量%」を意味する。
(1)極限粘度
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cmの溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηを測定し、極限粘度[η]を求めた。
(2)厚さ
マイクロメータにより求めた。
(3)ヘーズ(%)
JIS−K7136に準じ、日本電色工業製濁度計NDH−300Aによりフィルムヘーズを測定した。
(4)ポリエステル原料に含有される含有オリゴマー量の測定方法
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有オリゴマー量(重量%)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したオリゴマー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(5)積層ポリエステルフィルムの表面から抽出されるオリゴマー(環状三量体)量の測定方法
あらかじめ、未処理の積層ポリエステルフィルムを空気中、150℃で90分間加熱する。その後、熱処理をした当該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面に出来るだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリゴマー量(mg/m)とした。
なお、DMF中のオリゴマー量は上記(4)ポリエステル原料に含有される含有オリゴマー量の測定方法に記載の絶対検量線法に従い算出した。
(6)算術平均表面粗さSa、表面高さ分布のとがりSku
株式会社菱化システム社の「VertScan」(登録商標)を用い、光干渉法にて、640μm×480μmの領域における表面形状と面粗さの測定を行った。
本発明で規定する表面の3次元表面粗さパラメータの、算術平均粗さSaと表面高さ分布のとがりSkuは、測定された3次元表面形状をISOparam処理して得られる値である。
(7)ポリエステルフィルムの動摩擦係数(μd)
幅10mm、長さ100mmの平滑なガラス板上にフィルムを貼り付け、その上に幅18mm、長さ120mmに切り出したフィルムを直径8mmの金属ピンに押し当て、金属ピンをガラス板の長手方向に、加重30g、40mm/分で滑らせて摩擦力を測定し、10mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数として評価した。なお、測定は、室温23±1℃ 、湿度50±0.5%RHの雰囲気下で行った。測定回数(N)は10回とし、その平均値を採用する。
動摩擦係数(μd)=Fd/おもり荷重
(上記式中、Fdの単位はg重、おもり荷重の単位はg重である)
(8)巻き特性
本発明の積層ポリエステルフィルムを500mm幅でスリットし、10000m巻き取った後、フィルム表層部から2000mごとに解体していき、フィルム面のキズ発生の有無を確認し、以下のように判断した。
(判定基準)
○:フィルムを巻き取る際に傷が入りにくく、加工時の取り扱い性も良好である
×:フィルムを巻き取る際に傷が発生し、生産または加工には適さない
(9)透明導電膜パターン化後の配線断線評価
ポリエステルフィルムにおいて、塗布層とは反対側の面に、アルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ25nmの ITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。該ITO膜上にパターン化(最細部:12μm)されているフォトレジストを塗布して乾燥硬化した後、得られたITO膜を4%の塩化水素水溶液(和光純薬工業製)に浸漬してエッチング処理した。得られたパターン化されたITO膜は150℃×1時間の加熱処理により結晶化させた。
得られたパターン化後のITO膜の最細部となる箇所を光学顕微鏡(キーエンス社製 デジタルマイクロスコープ 型番:VHX−200)にて倍率40倍で100箇所検査し、ITOの断線の有無を検査し、以下の基準にて透明導電膜パターン化後の配線断線性を評価した。
○:ITO配線の断線が確認されない
△:ITO配線の断線は確認されないが、配線のひび割れのような現象が確認される
×:ITO配線の断線が1箇所以上で確認される
(10)ポリエステルフィルムの視認性
ポリエステルフィルムに、3波長蛍光灯光を透過させてフィルムの視認性(透明性など)を目視観察し、官能評価した。
(判定基準)
◎:フィルムの視認性は非常に良好で、光学用途に好適である
○:フィルムの視認性は良好で、光学用途に問題なく使用できる
×:フィルムの視認性が悪く、光学用途には適さない
(11)高温長時間の処理後のポリエステルフィルムの視認性
本発明のポリエステルフィルムに、塗布層が設けられた面とは反対側の面に下記塗布剤組成からなる塗布剤を、硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、80℃に設定した熱風乾燥式オーブンにて1分間乾燥させた。次いで、120W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて約7秒間照射し、110mJ/cm2で硬化を行って、フィルム上に活性エネルギー線硬化樹脂層を設けた積層フィルムを得た。
《塗布剤組成》
日本合成化学工業株式会社製 紫光7600Bと、チバスペシャルティケミカルズ株式会社製Irgacure651を、重量比で100/5で混合、メチルエチルケトンで濃度30重量%に希釈したものを使用した。
得られた積層フィルムを、空気中、150℃で90分間加熱し、3波長蛍光灯光を透過させて、フィルムの視認性を目視観察し官能評価を行った。
(判定基準)
◎:高温処理によるオリゴマーの析出が少なく、光学用途に好適である
○:高温処理によるオリゴマーの析出はあるが、光学用途に使用可能である
×:高温処理によるオリゴマーの析出によって視認性が低下し、光学用途には適さない
以下の実施例および比較例で使用した原料は、以下のようにして準備した。
(ポリエステル(1)の製造方法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。
次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステル(1)を得た。得られたポリエチレンテレフタレートの極限粘度は0.66dl/gであった。
(ポリエステル(2)の製造方法)
ポリエステル(1)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75dl/g、オリゴマー(環状三量体)含有量0.45重量%のポリエステル(2)を得た。
(ポリエステル(3)の製造方法)
上記ポリエステル(1)を製造する際、平均粒径3.2μmの非晶質シリカを6000ppm添加し、ポリエステル(3)を作成した。
(ポリエステル(4)の製造方法)
上記ポリエステル(1)を製造する際、平均粒径0.7μmの炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステル(4)を作成した。
実施例1:
上記ポリエステル(1)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.25:0.75の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とし、上記ポリエステル(1)をB層用の原料とした。A層およびB層用原料をそれぞれ別個の溶融押出機により溶融押出して(A/B/A)の2種3層積層の無定形シートを得た。ついで、25℃に冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.5倍延伸した後、下記塗布液からなる塗布層を塗布厚み(乾燥後)が0.1μmになるように片面に塗布し、さらにテンター内で予熱工程を経て120℃で横方向に5.0倍延伸、225℃で10秒間の熱処理を行い、製膜機にて巻き取ることで厚さ25μm(A層:3μm、B層:19μm)のポリエステルフィルムを得た。評価結果を下記表1に示す。
(塗布液の調製)
以下のA、B、C、D、Eの化合物をそれぞれ30、10、40、10、10重量部となるように混合した。
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・架橋剤(C):メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン)
・粒子(D):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(E):ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
実施例2:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを98.5:1.5の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例3:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤としてモンタン酸ナトリウムを98.5:1.5の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例4:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤としてモンタン酸ナトリウムを97:3の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例5:
実施例1において、ポリエステル(2)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを98.5:1.5の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例6:
実施例1において、ポリエステル(2)および結晶核剤としてモンタン酸ナトリウムを97:3の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
比較例1:
実施例1において、ポリエステル(1)をA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を下記表2に示す。
比較例2:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.97:0.03の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
比較例3:
実施例1において、ポリエステル(1)およびポリエステル(3)を95:5の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
比較例4:
実施例1において、ポリエステル(1)およびポリエステル(4)を80:20の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2017030362
Figure 2017030362
本発明のフィルムは、例えば、ハードコート層等の機能性を有する種々の層が付与されて使用される各種用途において好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 両最外層中に実質的に粒子を含有しない積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片面の算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmであり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8であることを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルム。
  2. 最外層中に有機系結晶核剤を0.1重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022196760A1 (ja) * 2021-03-18 2022-09-22 東洋インキScホールディングス株式会社 積層体および透明電極フィルム

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