JP4979105B2 - 光学用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも3層からなる積層フィルムであって、全ての層が押出し機の口金から共溶融押出しされる、いわゆる共押出し法によって押出されたものを、延伸および熱処理されたものとして得られる。以下、共押出し3層フィルムについて説明するが、本発明の要旨を越えない限り、本発明は3層フィルムに限定されず、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
全光線透過率はJIS−K−7361、ヘーズはJIS−K−7136に準じて日本電色工業社製積分球式濁度計「NDH2000」により、全光線透過率、ヘーズを測定した。
JIS−Z−5722に準じたミノルタ製分光測色計「CM−3700d」により、色調y値を測定した。
暗室にて幅1000mm、長さ20m(面積20m2)のフィルム表面にハロゲンランプにて光を当て、目視にてフィルム表面を観察し、直径20μm以上の結晶化物の数を数え、フィルム1m2当たりの結晶化物の数を算出した。
光学用部材の代表として、プリズムシートとして使用した場合の特性を評価した。すなわちフィルムの片面に、アクリル系バインダーを塗布してプリズム層を形成した。得られたプリズムシートをバックライトユニットに組み込んで、得られる面状発光の品質を以下の観点で評価した。
輝度レベル(輝度計を用いて評価し、比較例1のフィルムを使用した場合と比較した)
A:輝度が向上し、改良が見られた
B:輝度の低下は確認できなかった
C:輝度が低下した
〈ポリエステルの製造〉
<ポリエステル(1)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.68に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.68であった。
ポリエステル(1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(1)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(1)を得た。得られたポリエステル(2)は、極限粘度0.66であった。
ポリエステル(1)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とし、重合触媒として酸化ゲルマニウムを使用したこと以外は、ポリエステル(1)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(3)を得た。なお、酸化ゲルマニウムの添加方法は公知の方法を採用し、その添加量はゲルマニウムとして原料重量に対して100ppmとした。得られたポリエステル(3)の固有粘度は0.68であった。
テレフタル酸ジメチル75モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル25モル%、1,4−ブタンジオール50モル%、エチレングリコール50モル%、テトラブチルチタネート0.005部を反応器にとり、反応開始温度を190℃とし、メタノールの留出とともに反応温度を徐徐に上昇させ、3時間後に225℃まで昇温した。さらに、常法により重縮合反応を行った。この反応は、温度を徐徐に高めると共に圧力を常圧より徐徐に減じ、2時間後、温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られた共重合ポリエステル(C)の固有粘度は0.76であった。
前述のポリエステル(2)、(3)、共重合ポリエステル(C)をそれぞれ10%、82%、8%の割合で混合した混合原料をB層の原料とし、ポリエステル(2)100%の原料をA層の原料として、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、B層を最外層(表層)、A層を中間層とする2種3層(B/A/B)の層構成で共押出して口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度81℃で縦方向に3.2倍延伸した後、以下に示した組成の塗布剤を塗布した後テンターに導き、横方向に120℃で3.7倍延伸し、229℃で熱処理を行った後、横方向に5%弛緩し、厚さ250μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、9/232/9μmであった。塗布層の厚みは0.10μmであった。
a/b/c/d=47/20/30/3
ここで、aは、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール/トリエチレングリコール=31/16/3/22/21(モル比)のポリエステル分散体;bは、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリルニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤);cは、ヘキサメトキシメチルメラミン(メラミン系架橋剤);dは、粒子径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体(無機粒子)である。
実施例1において、共重合ポリエステル(C)のテレフタル酸ジメチル85モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル15モル%、1,4−ブタンジオール40モル%、エチレングリコール60モル%とする以外は、実施例1と同様にして層構成が2種3層(B/A/B)であり、厚さ250μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、12/226/12であった。
ポリエステル(2)、(3)、共重合ポリエステル(C)をそれぞれ12%、73%、15%の割合で混合した混合原料をB層の原料とする以外は、実施例1と同様にして層構成が2種3層(B/A/B)であり、厚さ250μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは9/232/9であった。
ポリエステル(2)、(3)、共重合ポリエステル(C)をそれぞれ10%、89.7%、0.3%の割合で混合した混合原料をB層の原料とし、ポリエステル(2)100%の原料をA層の原料としたこと以外は実施例1と同様にして、層構成が2種3層(B/A/B)であり、厚み250μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、10/230/10μmであった。
ポリエステル(2)、(1)、共重合ポリエステル(C)をそれぞれ10%、89.7%、5%の割合で混合した混合原料をB層の原料とし、ポリエステル(1)100%の原料をA層の原料としたこと以外は実施例1と同様にして、層構成が2種3層(B/A/B)であり、厚み250μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、11/228/11μmであった。
実施例1において、共重合ポリエステル(C)のテレフタル酸ジメチル90モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル10モル%、1,4−ブタンジオール5モル%、エチレングリコール95モル%、としたこと以外は、実施例1と同様にして層構成が2種3層(B/A/B)であり、厚み250μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、10/230/10μmであった。
ポリエステル(2)、(3)、共重合ポリエステル(C)をそれぞれ13%、77%、10%の割合で混合した混合原料をB層の原料とし、ポリエステル(2)、実施例1のポリエステル製造時に発生した耳部およびフィルム端部からの再生品をそれぞれ25、75%の割合で混合した混合原料をA層の原料としたこと以外、製膜条件は実施例1と同様にして層構成が2種3層(B/A/B)の厚みが188μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、11/166/11μmであった。
ポリエステル(2)、(3)、共重合ポリエステル(C)をそれぞれ10%、10%、80%の割合で混合した混合原料をB層の原料としたこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向フィルムを製造しようとしたが、延伸性が極端に乏しくフィルム破断頻発して満足なフィルムを得ることができなかった。
Claims (1)
- ポリエステル樹脂層の両面に、ジカルボン酸成分の70〜90モル%がテレフタル酸、10〜30モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、グリコール成分の20〜60モル%が1,4−ブタンジオール、40〜80モル%がエチレングリコールである共重合ポリエステルを1〜20重量%含有するポリエステル組成物からなる樹脂層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムであり、フィルムヘーズが2.5%以下、全光線透過率が89.0%以上であることを特徴とする光学用ポリエステルフィルム。
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