JP2007077219A - 光学用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主たるポリエステル構成成分以外のポリエステル構成成分を2.0〜10.0モル%含有するポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルム中に含有するチタン化合物およびリン化合物の量が下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
0<WTi≦20 …(1)
1≦WP≦300 …(2)
(上記式中、WTiはポリエステルフィルム中のチタン元素含有量(ppm)、WPはポリエステルフィルム中のリン元素含有量(ppm)を示す)
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明の要旨は、主たるポリエステル構成成分以外のポリエステル構成成分を2.0〜10.0モル%含有するポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルム中に含有するチタン化合物およびリン化合物の量が下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
0<WTi≦20 …(1)
1≦WP≦300 …(2)
(上記式中、WTiはポリエステルフィルム中のチタン元素含有量(ppm)、WPはポリエステルフィルム中のリン元素含有量(ppm)を示す)
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
このような塗布フィルムを光学用途に適用する場合には、塗布層表面の塗布ヌケが、この塗布層のさらに上に反射防止層等を設ける時等に問題となっている。塗布ヌケが生じる理由は明確ではないが、フィルム中にある異物がフィルム表面に粗大突起を作りそれが核となって塗布剤がはじき、それが延伸されて塗布ヌケが発生したり、フィルムの表面に付着したオリゴマーやゴミが核となりそこを核として塗布剤がはじきヌケとなる場合等が考えられる。従って、かかる核となり得るゴミや異物をできる限り除去した条件で製膜することが必要である。かかる異物にはフィルム上に付着または析出したオリゴマーも含まれるため、フィルムが含有するオリゴマー量を低減することも塗布のヌケを減少させる効果を有する。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
樹脂試料を重水化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度3重量%となるように溶解させた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」)を用いて、1H−NMRを測定して各ピークを帰属し、ピークの積分値から共重合成分の含有量を算出した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」を用いて、下記表1に示す条件下で、フィルムFP法により単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
光学用部材の代表として、拡散板として使用した場合の特性を評価した。すなわちフィルムの片面に、粒子を含有するアクリル系バインダーを塗布して光拡散層を形成した。得られた拡散シートをバックライトユニットに組み込んで、得られる面状発光の品質を以下の観点で評価した。
輝度レベル(輝度計を用いて評価し、従来のPETフィルムすなわち本発明においては比較例2のフィルムを使用した場合と比較した)
A:輝度が向上し改良が見られた
B:輝度の低下は確認できなかった
C;輝度の低下が見られた
〈ポリエステルの製造〉
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63、ジエチレングリコール含有量は4.0モル%であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸を添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(B1)のチップを得た。ポリエステル(B)の極限粘度は0.65であった。ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部としたこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)の固有粘度は0.68、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部としたこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(D)を得た。得られたポリエステル(D)の極限粘度は0.70、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%、ジエチレングリコールの含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造において、テトラブトキシチタネートの添加量を変えた以外は、概製造法と同様の方法で極限粘度0.62のポリエステル(E)チップを得た。得られたポリエステル(E)の極限粘度は0.62、ジエチレングリコールの含有量は4.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造において、重合触媒として三酸化アンチモンを使用したこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(F)を得た。得られたポリエステル(F)の固有粘度は0.65、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は4.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を0.2部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(G)を得た。得られたポリエステル(G)は、極限粘度0.66、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)、(B)、(G)チップをそれぞれ、90%、5%、5%の割合でブレンドした原料を、ベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、83℃で縦方向に3.7倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.9倍延伸し、さらに220℃で熱処理を行い、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム中のアンチモン、チタン、リン元素含有量は、それぞれ0ppm(検出下限値以下)、5ppm、50ppmであった。また、ジエチレングリコール含有量は3.9モル%であった。以下、各実施例、比較例にて得られたフィルム中のアンチモン、チタン、リン元素含有量、および、第三成分含有量を、下記表1にまとめて示す。
実施例1において、ポリエステル(A)、(B)、(G)チップをそれぞれ、94%、1%、5%とした原料とした以外は、実施例1と同様にして、厚み200μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステル(A)、(B)、(C)、(G)をそれぞれ、70%、5%、20%、5% とした以外は、実施例1と同様にして、厚み188μmのポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル(A)、(B)、(D)、(G)をそれぞれ、80%、5%、10%、5%とした以外は実施例1と同様にして、厚み150μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステル(B)、(E)、(G)を、それぞれ、5%、90%、5%とした以外は、実施例1と同様にして厚み150μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステル(B)、(C)、(G)を、それぞれ5%、90%、5%とした以外は実施例1と同様にして、厚み188μmのポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル(A)、(B)、(D)、(G)をそれぞれ、50%、5%、30%、15%としたこと以外、製膜条件は実施例1と同様とし、フィルムの厚みは200μmとした。得られたフィルムは、第三成分の含有量が多すぎるため、光学用として使用した場合その特性が低下し、また耐熱性が不足し、実使用時のフィルムの平面性維持等にも不足が見られた。
実施例1において、ポリエステル(F)、(G)を、それぞれ、95%。5%とした以外は、実施例1と同様にして厚み75μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、ポリエステル(A)、(B)、(G)をそれぞれ、60%、35%、5%とした以外は、実施例1と同様にして厚み200μmのポリエステルフィルムを得た。
Claims (1)
- 主たるポリエステル構成成分以外のポリエステル構成成分を2.0〜10.0モル%含有するポリエステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルム中に含有するチタン化合物およびリン化合物の量が下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
0<WTi≦20 …(1)
1≦WP≦300 …(2)
(上記式中、WTiはポリエステルフィルム中のチタン元素含有量(ppm)、WPはポリエステルフィルム中のリン元素含有量(ppm)を示す)
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