JP2007156042A - 光学用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フィルムの全光線透過率が80%以上であり、各波長の光線透過率が下記式を満足することを特徴とする光学用ポリエステルフィルム。
TB−TA≧−1%
(上記式中、TAは波長500nm〜600nmにおける光線透過率の平均値、TBは波長700nm〜800nmにおける光線透過率の平均値を意味する)
【選択図】 なし
Description
TB−TA≧−1%
(上記式中、TAは波長500nm〜600nmにおける光線透過率の平均値、TBは波長700nm〜800nmにおける光線透過率の平均値を意味する)
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
TA−TB≧−1%
(上記式中、TAは波長500nm〜600nmにおける光線透過率の平均値、TBは波長700nm〜800nmにおける光線透過率の平均値を意味する)
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
樹脂試料を重水化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度3重量%となるように溶解させた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」)を用いて、1 H−NMRを測定して各ピークを帰属し、ピークの積分値から共重合成分の含有量を算出した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
蛍光X線分析装置((株)島津製作所社製型式「XRF−1500」を用いて、下記表1に示す条件下で、フィルムFP法により単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、本方法での検出限界は、通常1ppm程度である。
日本電色工業(株)製分光色色差計 SE−2000型を用いて、JIS Z−8722の方法に準じて、透過法によるb値を測定した。
JIS−K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dにより、フィルムのヘーズ・全光線透過率を測定した。
島津製作所社製分光光度計UV3100(マルチパーパス大型試料室MPC−3100設置タイプ)により、波長300〜800nmの領域で連続的に光線透過率を2nm刻みで測定し、各波長での光線透過率を求めた。次に、波長500〜600nmの光線透過率の相加平均値TAと、波長700〜800nmの光線透過率の相加平均値TBを求め、差を算出した。
光学用部材の代表として、拡散板として使用した場合の特性を評価した。すなわちフィルムの片面に、粒子を含有するアクリル系バインダーを塗布して光拡散層を形成した。得られた拡散シートをバックライトユニットに組み込んで、得られる面状発光の品質を以下の観点で評価した。
輝度レベル(輝度計を用いて評価し、従来のPETフィルムすなわち本発明においては比較例1のフィルムを使用した場合と比較した)
A:輝度が向上し改良が見られた
B:輝度の向上が見られない
C;輝度の低下が見られた
b値、ヘーズ、全光線透過率、ΔT、輝度の特性より、光学用用途への適正を次に示す基準で判定した。
◎:全光線透過率が80%以上、ΔTが−1以上であり、b値、ヘーズ共に低く、輝度の向上が見られ、光学用途として非常に優れた特性を持つ。
○:全光線透過率が80%以上、ΔTが−1以上であるが、b値、ヘーズ、輝度の向上に若干改良の余地が見られるが、光学用途として使用できる特性を持つ。
×:全光線透過率が80%以下、ΔTが−1以下であり、b値、ヘーズ共高く、輝度の向上も見られないため、光学用途として使用することができない。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.63、ジエチレングリコール含有量は4.0モル%であった。
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部としたこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)の極限粘度は0.70、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%、ジエチレングリコールの含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部としたこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)の固有粘度は0.68、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)チップを真空下220℃で固相重合し、極限粘度0.74のポリエステル(D)を得た。
ポリエステル(A)の製造において、重合触媒として三酸化アンチモンを使用したこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル(E)の固有粘度は0.65、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は4.0モル%であった。
ポリエステル(E)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部としたこと意外は、ポリエステル(E)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(F)得た。得られたポリエステル(F)の固有粘度は0.64、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸を添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(G)のチップを得た。ポリエステル(G)の極限粘度は0.65であった。ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(C)の製造方法において、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.2μmのシリカ粒子を2.0部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(C)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(H)を得た。得られたポリエステル(H)は、極限粘度0.66、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(E)、(H)チップをそれぞれ、95%、5%の割合でブレンドした原料を、ベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、83℃で縦方向に3.7倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.9倍延伸し、さらに220℃で熱処理を行い、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム中のアンチモン、チタン、リン元素含有量は、それぞれ285ppm、0ppm(検出限界以下)、5ppmであった。また、ジエチレングリコール含有量は3.6モル%であった。以下、各実施例、比較例にて得られたフィルム中のアンチモン、チタン、リン元素含有量、および、第三成分含有量を、下記表2にまとめて示す。
実施例1において、使用したポリエステル原料を表2の様に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、使用したポリエステル原料を表2の様に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、使用したポリエステル原料を表2の様に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムにおいては、ゲル化物が原因と思われる異物が発生し、フィルムの品質としてやや劣るものであった。
実施例1において、使用したポリエステル原料を表2の様に変更した以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
Claims (2)
- フィルムの全光線透過率が80%以上であり、各波長の光線透過率が下記式を満足することを特徴とする光学用ポリエステルフィルム。
TB−TA≧−1%
(上記式中、TAは波長500nm〜600nmにおける光線透過率の平均値、TBは波長700nm〜800nmにおける光線透過率の平均値を意味する) - 下記式(1)および(2)を同時に満足する量のチタン化合物およびリン化合物を含むポリエステルからなるフィルムであって、主たる構成成分以外の第三成分がジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれた1種または2種以上を2.0〜10.0モル%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の光学用ポリエステルフィルム。
0<WTi≦20 …(1)
1≦WP≦300 …(2)
(上記式中、WTiはポリエステル層中のチタン元素含有量(ppm)、WPはポリエステル層中のリン元素含有量(ppm)を示す)
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