JP2008195805A - 光学用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステルからなるフィルムであって、フィルムヘーズが1、0〜3.0%の範囲で、単枚透過色調において、x値およびy値共に0.300〜0.325の範囲であることを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。本発明においては、主たる構成成分以外の第三成分を2.0〜10.0モル%、好ましくは2.5〜10モル%、さらに好ましくは3.0〜8.0モル%含有することが好ましい。
塗布層は、ポリエステルフィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面にのみ形成した場合、その反対面には必要に応じて上記の塗布層と異なる塗布層を形成して他の特性を付与することもできる。なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
樹脂試料を重水化クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒に濃度3重量%となるように溶解させた溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「JNM−EX270型」)を用いて、1 H−NMRを測定して各ピークを帰属し、ピークの積分値から共重合成分の含有量を算出した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
JIS−K−7105に準じて日本電色工業社製積分球式濁度計「NDH−300A」により、フィルムヘーズを測定した。
東京電色(株)製カラーアナライザーTC−1800MKII型を用いて、JISZ−8722の方法に準じて、色調を測定した。
光学用部材の代表として、拡散板として使用した場合の特性を評価した。なお、光学特性評価としては、拡散板、レンズシート、プリズムシートのベースシートの要求特性は同等である。すなわち、フィルムの片面に、粒子を含有するアクリル系バインダーを塗布して光拡散層を形成した。得られた拡散シートをバックライトユニットに組み込んで、得られる面状発光の品質を以下の観点で評価した。
輝度レベル(輝度計を用いて評価し、比較例1のフィルムを使用した場合と比較した)
A:輝度が向上し、改良が見られた
B:輝度の低下は確認できず使用できるレベル
C:輝度が低下した
上記(7)で得られた拡散シートをバックライトユニット組み込み前後での透過色調、すなわち、拡散シートの組み込み前の透過色調と組み込み後の透過色調を以下の観点で観察した。
A;拡散シート組み込み前後で透過色調の変化が少なく色再現性が良好なレベル
B;拡散シート組み込み前後で若干透過色調差異はあるものの実用できるレベル
C;拡散シート組み込み前後での透過色調差異が大きく色再現性に劣り、液晶画面の画像に影響するレベル
上記(7)で得られたシートをバックライトユニットに組み込む際の作業性を以下の観点で観察した。
A:組み込み時、フィルムのタワミがなく作業性が良好なレベル
B;組み込み時、フィルムは若干たわみが確認できるが、作業性に問題のないレベル
C:組み込み時、フィルムのタワミが発生し、使用する際に、適用画面サイズ等の制限があると思われるレベル
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.68に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.68、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(B)を得た。得られたポリエステル(B)は、極限粘度0.66、ジエチレングリコール含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とし、重合触媒として酸化ゲルマニウムを使用したこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(C)を得た。なお、酸化ゲルマニウムの添加方法は公知の方法を採用し、その添加量はゲルマニウムとして原料重量に対して100ppmとした。得られたポリエステル(C)の固有粘度は0.68、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は4.0モル%であった。
出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール54重量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部とし、触媒としてテトラブトキシチタネート0.011重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とし、さらに1時間反応を継続した。その後反応物を温度を230℃から徐々に昇温すると共に圧力を常圧より徐々に減じ、最終的に温度を280℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.70に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(D)の極限粘度は0.70、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%、ジエチレングリコールの含有量は1.0モル%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料のジカルボン酸をテレフタル酸ジメチル80重量部、イソフタル酸20部としたこと以外はポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル(E)は、極限粘度0.67、ジエチレングリコールの含有量は1.0モル%であった。
実施例1で得たフィルムを二軸押出機を用い溶融混練し、実施例1の再生チップを作成した。非常に黄色みの強いチップが得られた。
前述のポリエステル(B)、(C)をそれぞれ12%、88%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(C)100%の原料をB層の原料として、2台のベント式二軸押出機に各々を供給し、それぞれ285℃で溶融し、A層を最外層(表層)、B層を中間層とする2種3層(A/B/A)の層構成で共押出して口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.3倍延伸した後、以下に示した組成の塗布剤を塗布した後テンターに導き、横方向に120℃で3.6倍延伸し、230℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ180μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの各層の厚みは、15/150/15μmであった。塗布層の厚みは0.08μmであった。
(塗布剤の組成:重量比)
a/b/c/d=47/20/30/3
ここで、aは、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール/トリエチレングリコール=31/16/3/22/21(モル比)のポリエステル分散体;bは、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリルニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤);cは、ヘキサメトキシメチルメラミン(メラミン系架橋剤);dは、粒子径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体(無機粒子)である。
実施例1において、B層の原料をポリエステル(B)、(C)をそれぞれ4%、96%の割合で混合した原料とし、各層の厚みを15/90/15μmとし、製膜条件は、延伸倍率を縦方向に3.0倍、横方向に3.6倍とし、塗布条件を実施例1と同様にして厚み120μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、B層の原料をポリエステル(D)、(C)をそれぞれ5%、95%の割合で混合した原料とし、A層をポリエステル(B)、(C)、(D)をそれぞれ12%、83%、5%の割合で混合した原料としたこと、および 延伸倍率を縦方向に3.3倍、横方向に4.0倍とし、各層の厚みを15/160/15とした以外は実施例1と同様にして、厚み190μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例3において、B層の原料をポリエステル(D)、(C)をそれぞれ35%、65%の割合で混合した原料とし、A層をポリエステル(B)、(C)、(D)をそれぞれ12%、53%、35%の割合で混合した原料としたこと以外は実施例3と同様にして、厚み180μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは、第三成分の含有量が多すぎるため、光学用として使用した場合その特性が低下し、また耐熱性が不足し、実使用時のフィルムの平面性維持等にも不足が見られた。
B層の原料をポリエステル(E)、(C)をそれぞれ10%、90%の割合で混合した原料とし、A層をポリエステル(B)、(C)、(E)をそれぞれ12%、78%、10%の割合で混合した原料としたこと、および 延伸倍率を縦方向に3.0倍、横方向に4.0倍とした以外は実施例1と同様にして、厚み75μmのポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル(B)、(A)をそれぞれ12%、88%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)100%の原料をB層の原料としたこと、延伸倍率を縦方向に3.3倍、横方向に3.3倍とした以外は実施例1と同様にして、厚み180μmのポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル(B)、(C)をそれぞれ30%、70%の割合で混合した原料を用い、1台の押出機を用いた単層のポリエステルフィルムを作成した。フィルムを単層にしたこと以外、製膜条件は実施例1と同様とし、フィルムの厚みは200μmとした。
B層を、ポリエステル(C)、(F)を、75%、25%とした以外、実施例1と同様にして、270μmのポリエステルフィルムを得た。
B層を、ポリエステル(C)、(F)を、50%、50%とした以外、実施例1と同様にして、180μmのフィルムを得た。
Claims (1)
- ポリエステルからなるフィルムであって、フィルムヘーズが1、0〜3.0%の範囲で、単枚透過色調において、x値およびy値共に0.300〜0.325の範囲であることを特徴とする光学用二軸配向ポリエステルフィルム。
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