JP2007031496A - 光学用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶ディスプレイ用(例えば、拡散板用、プリズムシート用、反射板用等)やプラズマディスプレイ用などの光学用のベースフィルムにおいて、画像の品質を低下させることのない、偏光を通したときの色目のフレが少ない等、光学的に優れた品質を有するポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 厚みが50〜350μmであって、フィルム流れ方向におけるリターデーションの標準偏差が150nm以下であるポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は光学用ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)、プラズマディスプレイ(以下、PDPと略記する)等に用いられる各種光学用部材や、光学分野の製品の製造工程において使用される保護フィルムや離型フィルム等に用いられるポリエステルフィルムであって、光学特性に優れ、光学製品の品質向上や消費エネルギー低減に寄与することができる光学用ポリエステルフィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的強度、寸法安定性などに優れ、従来種々の工業用途に利用されており、その用途はますます拡大、多様化している。このような多様化に際し、その要求特性もますます厳しくなってきたが、用途によっては、それらの要求特性を十分満足させるに至っていないのが現状である。
例えば、従来ポリエステルフィルムは、LCD用拡散板のベース基材として使用されており、拡散板にポリエステルフィルムを使用する例としては、特許文献1などに開示されているが、ポリエステルフィルムの光学特性の振れにより、最終製品であるLCDにおける画像にムラができるなどの不具合が指摘されている。
ポリエステルフィルムは、延伸することにより、その高度な機械的特性、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性などの特性を得ることができるため、通常二軸延伸フィルムとして使用されている。しかしながら延伸工程においてフィルム厚みや温度の均一性が不十分であると、ポリエステル分子の配向にムラが生じ、これが原因で光学特性にムラが発生してしまう。
このように、二軸延伸されたポリエステルフィルムを光学用途、例えばLCD表示用の部材用として使用した場合、ポリエステルフィルムの光学的不均一性によりLCD画面表示の不具合等を生じるという問題があり、ベースフィルムの改良による改善が強く望まれている。
特開平10−10304号公報
すなわち、本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、LCD用(例えば拡散板用、プリズムシート用、反射板用等)やPDP用などの光学用のベースフィルムにおいて、画像の品質を低下させない、偏光を通したときの色目のフレが少ない等光学的に優れた品質のポリエステルフィルムを提供することを解決課題とするものである。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムが、例えば光学用フィルムとして優れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、厚みが30〜350μmであって、フィルム長手方向におけるリターデーションの標準偏差が150nm以下であるポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。本発明においては、主たる構成成分以外の第三成分を2.0〜10.0モル%含有することが好ましく、さらに好ましくは2.5〜10モル%、特に好ましくは3.0〜8.0モル%である。
かかる第三成分を含有させる方法としては、フィルムを製造する原料として所定量の共重合成分として含有する共重合ポリエステルを使用してもよいし、所定量より多い共重合成分を含有する共重合ポリエステルと、共重合成分が少ない含有量の共重合ポリエステルまたはホモポリエステルとをブレンドして得られる原料を用いてもよい。
ここでいう第三成分の例としては、ジカルボン酸成分として、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等、またオキシカルボン酸としてP−オキシ安息香酸等が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。これらの中でもジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いた場合、ポリマーの配向や厚みムラによるフィルムの光学的なムラを効率的に低減することができ、しかもフィルムの平面性や耐熱性、寸法安定性を高度に維持できる点で好ましい。ここで、ポリエステルが含有する第三成分として、重合中にエチレングリコールから副生成したジエチレングリコールも含むものとする。
本発明におけるポリエステルは、従来公知の方法で、例えばジカルボン酸とジオールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとジオールとを従来公知のエステル交換触媒で反応させた後、重合触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。重合触媒としては、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物等公知の触媒を使用して良いが、好ましくはアンチモン化合物の量を零またはアンチモンとして100ppm以下にすることによりフィルムのくすみを低減したものが好ましい。
なおポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。得られるポリエステルの極限粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90さらに好ましくは0.52〜0.75dl/gの範囲である。
IV値が0.52未満では、フィルムとした際のポリエステルフィルムが持つ優れた特徴である耐熱性、機械的強度等が劣るようになる傾向がある。また、IV値が0.75を超えると、ポリエステルフィルム製造時の押出工程で負荷が大きくなりすぎ生産性が低下するようになることがある。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム長手方向におけるリターデーションの標準偏差が150nm以下であることが必要である。理由は、150nm以下を満たさないと、偏光を通してフィルムを観察した場合の色むらが大きく、LCD画面表示不具合を生じる原因となるためである。ここでリターデーションとは次式で表されるフィルムの光学特性を指す。
Re=△n・d
(ただし、上記式中、△nはフィルムの可視光(波長λ=589nm)での複屈折であり、dはフィルムの厚み(nm)である)
すなわち、直線偏光した光が、延伸されたポリエステルフィルムなどの複屈折体に入射すると一般に互いに直交する振動方向を有し、しかも速度を異にする2つの偏光波のみが通過する。その速度を異にすることから2つの偏光波には位相差が生じる。この位相差をリターデーション(以下「Re」という)とよぶ。
このRe値は、クロスニコル法での目視検査において干渉色や光透過に影響を与えるものであり、該Reが可視光の波長領域420〜760nmに近づくとMichel−Levyの干渉色図表から分かるように干渉色が濃く出ることから、Reの値にフレが生じた場合、色むらとなり観察される。
従って、Reの標準偏差は、小さいことが好ましいが、通常の延伸フィルムにおいては10nmが下限となる場合が多く、これ以下のフィルムを得るためには、温度コントロールなど極めて正確なことが必要になり、速度を遅くしなければならないなどの生産性の低下を招くことがある。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、30〜350μmの範囲である。厚さが厚くなるほど均一に延伸することが困難となり、350μmを超える場合は、光学的に均一のフィルムを得ることは難しい。一方、本フィルムは光学用基材として使用するので、フィルムに腰の強さを必要とし、このため、30μm以上の厚みを有するフィルムとする。特にLCDバックライト用拡散板やプリズムシートの基材として用いる場合は、75μm以上の厚みを必要とする。
本発明における厚みムラは平均厚さの8%以下が好ましく、さらに好ましくは5%以下、特に3%以下が望ましい。厚みムラが8%を越えて大きいと加工後の使用に耐えなくなることや、光学用基材として使用したときに画像の品質低下を招くようになるため好ましくない。
上述の要求を満足させるための一つの方法として、本発明は、延伸方式として同時二軸延伸装置を用いることが好ましい。同時二軸延伸装置は、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等従来公知の延伸方式を採用することができる。「スクリュー方式」とは、スクリューの溝にクリップを乗せてクリップ間隔を広げていく方式である。「パンタグラフ方式」とは、パンタグラフを用いてクリップ間隔を広げていく方式である。「リニアー駆動方式」とは、リニアモーター原理を応用し、クリップを個々に制御可能な方式でクリップ間隔を任意に調整することができる利点を有する。
さらに同時二軸延伸に関して、2段階以上に分割して行ってもよく、その場合、延伸場所は一つのテンター内で行ってもよいし、複数のテンターを併用してもよい。
一般に行われている逐次二軸延伸のロール延伸では予熱工程および延伸工程で片面加熱を交互に実施するため、厚み方向の温度分布が生じ、そのためReを均一に保つことが困難であり、両面からの加熱が実施できる同時二軸延伸を使用することが上記の要求を満たすためには望ましい。
本発明のフィルムには、作業性を向上させるため、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り性を付与させることが好ましく、そのためには微細な不活性粒子を単独あるいは複数添加すればよい。滑り性を付与させるための微細な不活性粒子としては、平均粒径が0.1〜3.0μmのものが好ましい。平均粒径が0.1μm未満の粒子では、作業性が劣る傾向がある。また平均粒径が3.0μmを超える粒子では、フィルム表面の平面性が損なわれたり、透明性が損なわれたりすることがある。
さらに不活性粒子の総添加量は、通常0.005〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.7重量%である。不活性粒子の添加量が0.005重量%未満では、フィルムの巻き特性が劣る傾向がある。また、不活性粒子の添加量が1.0重量%を超えると、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎ、フィルム透明性が損なわれる傾向がある。フィルムの全光線透過率として88%以上さらには90%以上であることが望ましい。全光線透過率が88%未満であると拡散板としての光の透過量が少なくなり、LCDの輝度が不足する原因となる。
同様に、ヘーズは2.0%以下であることが望ましく、2.0%以上の場合はLCDの明るさを損なう原因となり得る。
また、本発明では、滑り性を付与させることに加えて、ヘーズと光線透過率の関係を調整するために添加する不活性粒子の平均粒径を0.5μm以下の粒子とし、添加量を100ppm以上とすることが好ましい。
本発明で用いることのできる不活性粒子の例としては、酸化ケイ素、酸化チタン、ゼオライト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、セライト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシム、フッ化リチウム、カオリン、タルク、カーボンブラック、および特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明においては、配合する不活性粒子は単成分でもよく、また2成分以上を同時に用いてもよい。
なお、フィルム製造時の巻上げ工程および光学用部材として使用する際の各種コーティング層、例えば拡散板用拡散層との易接着性付与あるいは静防性付与等のためにフィルムに放電処理を施したり、塗布層を設けたりしてもよい。
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法を具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
必要に応じ不活性粒子を所定量含有したポリエステルを溶融押出装置に供給し、ポリエステルポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融したポリマーをスリット状のダイから押出し、あるいは、添加物などが異なるポリエステルをそれぞれ溶融し、溶融したポリマーを押出口金内において層流状で接合積層させてスリット状のダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。かくして得られた熱可塑性ポリエステル樹脂シートは、次に延伸工程に供される。
本発明における延伸工程は、連続的に同時二軸延伸を行う工程とすることが好ましい。ここで言う連続的にとは、前の成形加工工程で作られた樹脂シートをそのまま同時二軸延伸機のテンターに導くことを意味するものであり、例えば一旦成形シートを巻き取って再度延伸工程に戻すこと、あるいはこの成型シートをバッチ式で行われる同時二軸延伸を行うことは本発明の対象外である。
本発明で用いることのできる同時二軸延伸方法としては、テンター内でクリップをパンタグラフで連結しクリップ間隔を開く形態、クリップをスクリュー形状の軸で駆動しスクリュー溝の間隔を調整することでクリップ間隔を開く形態などで、縦方向および横方向に同時に延伸を行う方式のものを用いることができる。さらに同時二軸延伸方式でより好ましい形態としては、リニアモーターを利用した駆動方式によるものである。この方式のものは、クリップは個々に連結されることなく、リニアモーターにより発生する磁界で各クリップは独自に速度制御され、クリップ間隔を広げる特徴を有している。また、磁界の制御のみでクリップの広げ方が制御できるので、前述したパンタグラフ方式やスクリュー方式の同時二軸延伸機では延伸倍率などの条件変更が困難な場合があるのに対して、条件変更等はもちろんのこと、延伸を多段階に行うことも容易であり、延伸条件を細かく制御してより適切な条件を選択しながら縦方向および横方向への延伸を行うことができる利点がある。
またラインスピードに関しても、パンタグラフ方式やスクリュー方式の同時二軸延伸機では、速いラインスピードを得るのが困難なのに対して、リニアモーター駆動方式の同時二軸延伸機であれば、通常の逐次二軸延伸機と同等のラインスピードまで高速化できる利点も有する。
本発明における同時二軸延伸の延伸温度は、延伸する樹脂シートの温度が、ポリエステルのガラス転移点温度(Tg)℃−5℃から昇温結晶化温度(Tc)−10℃の範囲内で選択して行うことが好ましい。本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂シートの延伸倍率は、縦および横方向への同時二軸延伸により面積倍率で1.2〜50倍、好ましくは4〜30倍の範囲で延伸を行うことがよい。また縦方向と横方向との延伸倍率の比率には特に限定はないが、通常の縦・横がバランスした二軸配向フィルムを得るために1.0±0.3、好ましくは1.0±0.1とするのがよい。
本発明においては、延伸そのものを、一回の延伸で所定倍率まで延伸することも可能だが、特にリニアモーター駆動方式の二軸延伸装置を用いた場合には、延伸を二回以上に振り分けて所定倍率まで延伸することも可能である。この際には各々の延伸段階での延伸温度や延伸速度を変更して、樹脂シートの状態に合わせて条件を設定することが可能となる。
こうして延伸されたフィルムは、平面性、耐熱寸法安定性等を改善するために、次に熱固定を行うことができる。この熱固定には延伸工程で用いた同時二軸延伸機内で熱固定することが好ましい。
この熱固定は、通常150℃以上フィルムの融点未満の温度範囲で、1〜30秒間行われる。さらにその後、熱固定温度と同じかあるいは冷却過程の任意の温度範囲で、縦、横あるいはその両方向に各々30%以内の弛緩処理を行うことができる。
本発明のフィルムは、光学用途に用いられる際には、ハードコート層、反射防止層、防眩層等を設けたり、蒸着層等が設けられたりするため、それらの層を形成する際の塗布性や接着性を向上すること、あるいは表面を清浄な状態に保つため帯電を防止することを目的として、下引き層としての塗布層を設けることができる。かかる塗布層は、その要求特性に応じて必要な特性、例えば易接着性、帯電防止性、耐候性および表面硬度の向上を目的として選定される。またかかる塗布層は、同時二軸延伸のテンター入口前で塗布しテンター内で乾燥する、いわゆるインラインコートを行うことができる。また、積層フィルムの製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては、オフラインコーティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料、顔料等を添加することができる。また用途によっては、紫外線吸収剤特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を含有させても良い。
本発明のフィルムは、光学用として使用されたときに特にその優れた効果を発揮するが、その具体的な部材としては、液晶ディスプレイ用としてバックライト用としての反射板、拡散板、プリズムシート、レンズシート、輝度向上フィルム、液晶パネルの保護フィルム、パネル製造時の工程用として離型フィルムなど、またプラズマディスプレイ用としていわゆるPDPフィルターと呼ばれる部材用として電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽、色調補正、紫外線遮蔽、反射防止などの各機能を有するフィルムの基材、およびパネル製造時の工程用として、またプロジェクションテレビ用としては画像形成のスクリーン用など、高度な透明性を必要とする基材として有効に使用される。
本発明のフィルムは、透明性、低ヘーズ、に加え、特に光学的な均一性に優れ、光学製品の品質向上や消費エネルギー低減に寄与することができるものであり、LCD、PDP等に用いる各種光学用部材として用いた場合にその高度な特性が発揮され、工業的価値は極めて高い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における諸特性の測定および判定は次に示す方法にて行った。
(1)リターデーション(Re)
大塚電子株式会社製、セルギャップ検査装置RETS−1100Aを用い、フィルム長手方向に20mm毎に50点測定し、標準偏差を計算した。なお、リターデーションの測定には光干渉法を用い、アパーチャ径5mmとし、23℃で行った。
(2)フィルムヘーズ、全光線透過率
JIS−K7105に準じ、日本電色工業社製分球式濁度計NDH−1001DPによりフィルムの濁度および全光線透過率を測定した。
(3)フィルムの厚みムラ
アンリツ社製連続フィルム厚さ測定器(電子マイクロメーター使用)により、 二軸延伸フィルムの縦方向、および横方向に沿って測定し、(3m長さについ て)次式より算出した。
厚みムラ=((最大厚さ−最小厚さ)/平均厚さ)×100 (%)
(4)厚さ
マイクロメータ−により求めた。
(5)明るさ
電通産業(株)製フラットイルミネーターの上にフィルムを載せ、光の透過の仕方を目視で検査して下記判定とした。
○:フィルムを載せた場合でも、透過光がほとんどフラットイルミネーターと同一の明るさを保持するもの
△:フィルムを載せた場合、少し白っぽく濁った感じで光が見えるもの
×:フィルムを載せた場合、光が濁った感じとなるもの
(7)目視検査
図1に示すようにクロスニコル下に該フィルムを配置し、白色光源で光干渉の影響を以下の基準で評価した。すなわち、図1はクロスニコル法による本目視検査の概要説明図である。
評価は以下のクラス分けに従い行った。
○:光干渉による色むらが観察できない
△:光干渉による色むらはあるが、使用上問題ない
×:光干渉による色むらのため、不具合が生じる
(ポリエステルAの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に除々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応を終了したこの反応混合物、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。即ち温度を230℃から除々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より除々に減じ最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、
窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの極限粘度は、0.65であった。
(ポリエステルBの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に除々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物に、エチレングリコールスラリーに分散させた平均粒径が3.0μmのシリカ粒子を0.45部添加し、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。即ち温度を230℃から除々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より除々に減じ最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの極限粘度は、0.65であった。
(ポリエステルCの製造方法)
ポリエステル(A)の製造方法において、出発原料をテレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とジエチレングリコール2重量部とし、重合触媒として酸化ゲルマニウムを使用したこと以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様な方法を用いてポリエステル(C)を得た。なお、酸化ゲルマニウムの添加方法は公知の方法を採用し、その添加量はゲルマニウムとして原料重量に対して100ppmとした。得られたポリエステル(C)の固有粘度は0.68、ポリマー中のジエチレングリコール含有量は4.0モル%であった。
(実施例1)
上記ポリエステルC,Bをそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料を押出機に供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に冷却したキャスティングドラム上に押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、リニアモーター駆動式の同時二軸延伸機を有するテンターに導いて、さらに95℃の熱風で予熱・加温を行い、95℃で縦方向3.1倍、横方向3.1倍に同時二軸延伸を行った。この後同じテンター内で240℃の熱風雰囲気下で熱固定を行い、同じ温度で縦方向および横方向に各々3%弛緩処理を行った後、フィルムをロール状に巻き上げ、厚さ188μmのポリエステルフィルムを得た。
(実施例2)
実施例1において、縦方向3.4倍、横方向3.4倍に同時二軸延伸を行った以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
実施例1において、縦方向3.5倍、横方向3.5倍に同時二軸延伸を行った以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
実施例1において縦方向2.8倍、横方向に2.8倍同時二軸延伸した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
実施例1においてキャスティングドラムに単位時間当たりに押し出す樹脂量を
調整した以外は、実施例1と同様にして100μmのポリエステルフィルムを得た。
(実施例6)
実施例1において、ポリエステルCのかわりにポリエステルAを用い、A,Bをそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み188μmのポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
実施例1において、縦方向3.5倍、横方向4.3倍に逐次二軸延伸を行った以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
採取したポリエステルフィルムの特性をまとめて下記表1に示す。
Figure 2007031496
本発明のフィルムは、例えば光学用フィルムとして好適に使用することができる。
クロスニコル法による目視検査を示す概要図である。
符号の説明
1:白色光源
2:検光子
3:フィルム
4:偏光子
5:検査する人の目

Claims (4)

  1. 厚みが30〜350μmであって、フィルム長手方向におけるリターデーションの標準偏差が150nm以下であるポリエステルフィルム。
  2. 厚みムラが8%未満であることを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルム。
  3. 主成分以外の成分を2〜10モル%含有するポリエステルからなることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステルフィルム。
  4. 同時二軸延伸法により得られたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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