JPH06210799A - 転写箔 - Google Patents

転写箔

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JPH06210799A
JPH06210799A JP2493293A JP2493293A JPH06210799A JP H06210799 A JPH06210799 A JP H06210799A JP 2493293 A JP2493293 A JP 2493293A JP 2493293 A JP2493293 A JP 2493293A JP H06210799 A JPH06210799 A JP H06210799A
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polyester
acid
film
transfer
foil
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Masahiro Kimura
将弘 木村
Kozo Takahashi
弘造 高橋
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヤング率が10〜250kg/mm2 の2軸
配向ポリエステルフイルムの少なくとも片面に転写層を
積層していることを特徴とする転写箔。 【効果】 柔軟性に優れた2軸配向ポリエステルフイル
ムに転写層を積層したので、きわめて優れた被転写体表
面形状への追従性、深絞り性が得られ、とくにスタンピ
ング箔、インモールド箔として用いて好適な転写箔が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2軸配向ポリエステル
フイルムをベースフイルムとした転写箔に関し、とく
に、柔軟性に優れ、被転写体表面形状への追従性、深絞
り性等の良好な転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルムの代表例であるポ
リエチレンテレフタレート(PET)2軸延伸フイルム
は、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他の多
くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、包装材
料など広い分野において使用されている。
【0003】しかしながら、転写箔用ベースフイルムの
用途では、被転写体表面形状に良好に追従できるだけの
柔軟性が要求されることが多いが、通常、PETフイル
ムには、柔軟性はなく、その使用用途が限られることと
なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述したP
ETフイルムにない、柔軟性を有する2軸延伸ポリエス
テルフイルムに転写層を設けたフイルム転写箔を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
転写箔は、ヤング率が10〜250kg/mm2 の2軸
配向ポリエステルフイルムの少なくとも片面に転写層を
積層したものからなる。
【0006】本発明の転写箔で使用されるベースのポリ
エステルフイルムは、ヤング率が10〜250kg/m
2 であるが、フイルムのハンドリング、柔軟性のバラ
ンス、及び巻姿の面では好ましくは40〜230kg/
mm2 、より好ましくは50〜200kg/mm2 であ
る。さらに、本発明では、ヤング率の経時変化、使用温
度範囲、生産性、転写後の箔の外観性の点で2軸配向さ
れていることが必要である。また、長手方向、幅方向、
厚み方向の屈折率(Nx,Ny,Nz)から得られる面
配向係数fn=(Nx+Ny)/2−Nzの値が0.0
05以上、好ましくは0.01以上であると転写後の箔
の外観が良好となり望ましい。
【0007】本発明におけるポリエステルとは、酸成分
として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸およびそれらのエ
ステル形成性誘導体などの芳香族ジカルボン酸成分、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸、ブラシル酸、
テトラデカジオン酸、ペンタデカジオン酸、ヘキサデカ
ジオン酸、ヘプタデカジオン酸、オクタデカジオン酸、
ノナデカジオン酸、エイコサンジオン酸、ヘネイコサン
ジオン酸、ドコサンジオン酸、トリコサンジオン酸、テ
トラコサンジオン酸、ペンタコサンジオン酸、ヘキサコ
サンジオン酸、ヘプタコサンジオン酸、オクタコサンジ
オン酸、ノナコサンジオン酸、トリアコンタンジオン酸
およびそれらのエステル形成性誘導体、炭素数10〜2
5の不飽和脂肪酸を二量化して得られるダイマー酸およ
びその水添体、およびそのエステル形成性誘導体などの
脂肪族ジカルボン酸成分、脂環族ジカルボン酸、多官能
酸等を挙げることができる。グリコール成分としては、
特に限定されないが、炭素数10以下の脂肪族、脂環
族、芳香族ジオールの中から選ばれる1種以上のグリコ
ール成分が好ましく使用できる。さらに、ポリエチレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポ
リエーテル、ポリアミド、ポリカプロラクトンなどを共
重合してもよい。
【0008】本発明では、延伸性、耐熱性、耐薬品性、
低コスト性の面でエチレンテレフタレートを主体とした
ポリエステル(以下柔軟性ポリエステルAと呼ぶ)が好
ましい。さらに好ましくは酸成分、ジオール成分の各5
0モル%以上がテレフタル酸成分、エチレングリコール
成分であることが望ましい。
【0009】さらに、柔軟性を付与する点では、柔軟性
ポリエステルAのガラス転移温度が60℃以下、好まし
くは55℃以下、特に好ましくは50℃以下であること
が望ましい。
【0010】さらに、フイルムに柔軟性を付与するため
には、たとえばPETを主体とするポリエステルに脂肪
族ジカルボン酸、ポリエーテル、脂肪族ポリエステルな
どを共重合することが効果的であるが、炭素数8以上、
好ましくは20以上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族
ジカルボン酸を共重合することが、耐熱性、品質安定性
の点で好ましい。長鎖脂肪族ジカルボン酸としてはドデ
カンジオン酸、エイコ酸、ダイマー酸およびそれらの誘
導体などがあるが、特に本発明ではこれらの中でも分岐
状構造を有している分岐脂肪族ジカルボン酸であること
が、転写後の箔の外観性を向上させる面で好ましく、そ
の中でもダイマー酸を用いることが耐熱性、透明性を良
好にする上で好ましい。
【0011】ここでダイマー酸とはオレイン酸メチル等
の不飽和脂肪族ジカルボン酸を2量化・水素添加反応に
よって得られる鎖状分岐構造体と環状分岐構造体との混
合物の総称であり、メチレン鎖の炭素数が20〜80、
好ましくは30〜60のものである。また、通常不飽和
結合が残留しているが、ASTM−D−1159で測定
した臭素価を0.05〜10(g/100g)、好まし
くは0.1〜5(g/100g)としたものが耐熱性、
柔軟性に優れるため好ましい。ダイマー酸の共重合量は
酸成分について1〜40モル%、好ましくは5〜20モ
ル%である。
【0012】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムを主
として構成する柔軟性ポリエステルAが、例えばPET
を主成分とし柔軟性を付与するための脂肪族ジカルボン
酸等との共重合ポリエステルである場合、融点、ガラス
転移点、結晶性が低下し、2軸延伸フイルム製造プロセ
スにおいて、押出キャスト時の冷却ドラムへの粘着、延
伸ロールへの粘着、テンター内のクリップへの粘着が生
じ易くなり生産性が低下することになる場合がある。さ
らに共重合が多くなるとポリエステルA単体での2軸延
伸特性が悪くなり、延伸と応力の関係において両者に1
対1の対応がなくなり、いわゆるネッキング延伸となっ
て、厚み斑の悪化を招くことになる。この2軸延伸特性
の悪さは、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)
を主成分とする柔軟性ポリエステルにおいては特に顕著
であり、例えばダイマー酸を15モル%共重合した共重
合PBTでは平滑な2軸延伸フイルムを得ることが非常
に困難である。
【0013】このような点から、柔軟性ポリエステルA
の少なくとも片面にガラス転移点が45℃以上、好まし
くは55℃以上であるようなポリエステルBを積層する
ことが、ポリエステルAの好ましい延伸温度と照らし合
わせて、ロールやクリップへの粘着を防止する上で好ま
しい。
【0014】ポリエステルBについては、PETに代表
される結晶性のポリエステルが粘着防止の点で好まし
い。また、融点およびガラス転移点がポリエステルAよ
り高ければ、フイルム全体としての熱的寸法安定性が向
上するため好ましい。さらに、2軸延伸後にポリエステ
ルAより破断強度、ヤング率が大きいポリエステルを選
択すれば、フイルムの腰(スティフネス)は柔らかく保
ったままで破断強度等を向上させることが可能となるた
め好ましい。したがって、ポリエステルBの積層は、単
に製膜性の向上以上に、柔軟性ポリエステルAの短所で
ある熱寸法安定性などを補う効果を持たせることができ
る。
【0015】ポリエステルBを構成するジカルボン酸成
分、アルコール成分、ポリエーテルやポリアミドや脂肪
族ポリエスルなどの共重合成分はポリエステルAと同様
であるが、ガラス転移点のほかに、さらにポリエステル
Bとしては、2軸延伸性の悪い柔軟性ポリエステルAの
延伸特性を補助するために延伸特性の良好なポリエスル
であることが好ましい。具体的には、PETを主成分と
するポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルとテレフタル酸からなるポリマを主成分とするポリエ
ステルなどが好ましく、PET、イソフタル酸との共重
合PET、アジピン酸、セバシン酸などの炭素数4〜8
のアルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸との共重合
PETなどが挙げられ、共重合体の場合、共重合成分量
は1〜40モル%、好ましくは5〜20モル%である。
【0016】ポリエステルBは柔軟性ポリエステルAの
少なくとも片面に積層されるが、その厚さ比は、ポリエ
ステルAからなる層の厚さの合計とポリエステルBから
なる層の厚さの合計の比で1:1〜50:1、好ましく
は2:1〜25:1(A層合計:B層合計)である。B
層の割合が小さくなり過ぎると2軸延伸性の改良効果が
低減されるために好ましくなく、B層の割合が大きい場
合にはフイルムの柔軟性、耐衝撃性などが損なわれるた
めに好ましくない。
【0017】ポリエステルBの積層は、好ましくは柔軟
性ポリエステルAの両面に行なわれ、この時はフイルム
製造中の粘着の問題を避けることが更に容易になり、ま
た2層フイルムの場合に起こりがちなカールの問題も避
け易い。なお、柔軟性ポリエステルAの両面に積層する
ポリエステルBが本発明の範囲内において、互いの面
で、組成等が多少異なっていてもよい。
【0018】また、積層フイルムにおいて層間の接着性
を良好にするために、例えば柔軟性ポリエステルAとし
て2種のポリマA1、A2、およびポリエステルBを用
いてB/A1/A2/A1/Bのように5層積層しても
良いし、2種のポリマA1、A2を混合してB/(A1
+A2)/Bのようにしてもよい。
【0019】本発明においてポリエステルBからなるB
層に不活性粒子を添加することは、滑り性を向上させる
上で有効である。ここで不活性粒子としては、酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウムなどの無機化合物、あるいは架
橋ポリスチレン、架橋ジビニルベンゼン、ベンゾグアナ
ミン、シリコーン等の不溶融性有機化合物が挙げられ
る。特にコロイダルシリカ、粉砕シリカ、架橋ポリスチ
レン、シリコーンなどが透明性の点で好ましい。粒子の
粒径、添加量については特に限定はないが、滑り性、透
明性の点で、平均粒子径は0.01〜10μm、好まし
くは0.1〜5μm、添加量は0.001〜10重量
%、好ましくは0.05〜1重量%である。さらに、ポ
リエステルAについても特性を損なわない範囲で粒子を
含有していてもよい。さらに、積層フイルムにおいて原
料回収性の点でポリエステルAとポリエステルBを混合
して積層フイルムを製造してもよい。
【0020】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムに
は、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、耐
候剤、紫外線吸収剤、顔料、染料などの添加剤を本発明
の目的を損なわない程度において用いることができる。
また、エンボス加工、サンドマット加工などの表面凹凸
加工、あるいはコロナ放電処理、プラズマ処理、アルカ
リ処理などの表面処理を必要に応じて施してもよい。さ
らに、本発明の柔軟性ポリエステルフイルムに易接着処
理剤、帯電防止剤、水蒸気・ガスバリア剤(ポリ塩化ビ
ニリデンなど)、離型剤、粘着剤、接着剤、難燃剤、紫
外線吸収剤、マット化剤、顔料、染料などのコーティン
グや印刷を行なってもよく、アルミニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化珪素、パラジウムなどの金属やその化合物
を遮光、水蒸気・ガスバリア、表面導電性、赤外線反射
などの目的で真空蒸着してもよく、その目的、方法につ
いては上記に限定されない。
【0021】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムの厚
さは特に限定はないが、1〜1000μm、好ましくは
5〜500μmで有効に使用される。
【0022】本発明の転写箔は、上記のような柔軟性ポ
リエステルフイルムに、転写層を積層したもの、つま
り、柔軟性ポリエステルフイルムに離型層、印刷層、接
着層等を設けた転写箔である。転写箔は、通常、ベース
フイルムに離型層、着色または無色の保護層、金属蒸着
層及び接着層がこの順序で積層されてなり、その内、離
型層、保護層、及び接着層はコーティング装置(ロール
コーターなど)を用いて積層加工されるが、公知の各種
方法を適用できる。
【0023】この転写箔のベースフイルムである上記柔
軟性ポリエステルフイルムが優れた柔軟性を有すること
から、たとえばスタンピング箔として用いた場合、被転
写体表面形状への追従性を改良することができ、インモ
ールド箔として用いた場合、深絞り性を改良することが
できる。
【0024】次に本発明の転写箔およびそのベースフイ
ルムとなる柔軟性ポリエステルフイルムの製造方法につ
いて述べるがこれに限定されるものではない。ポリエス
テルAとポリエステルBを別々の押出機によって溶融押
出し、フィードブロックあるいはマニホールド複合口金
を用いて2種のポリマをシート状に複合押出し、急冷キ
ャストする。得られたキャストシートは縦延伸、横延
伸、更に熱処理を行なう通常の逐次2軸延伸製膜プロセ
スによって製造される。なお、この他に同時2軸延伸プ
ロセス、チューブラープロセスなどを採用することもで
きる。
【0025】上記の逐次2軸延伸プロセス、同時2軸延
伸プロセスなどにおいて、本発明の柔軟性ポリエステル
フイルムの物性値を達成するには、延伸倍率としては5
〜25倍、好ましくは6〜20倍、熱処理温度としては
120〜240℃、好ましくは130〜230℃であ
る。さらにこのような熱処理温度では転写箔層のコーテ
ィング、乾燥(通常140〜180℃)時の熱収縮率が
低減できるので望ましい。
【0026】上記のようにして得られた2軸配向柔軟性
ポリエステルフイルムに、転写層が積層され本発明の転
写箔が得られる。転写層としてはとくに限定されず、公
知の層構成、積層方法が採用できるが、通常、離型層、
着色または無色の保護層、接着剤層の順に積層される。
【0027】本発明の転写箔は、従来のPETフイルム
にはない柔軟性を有する2軸配向柔軟性ポリエステルフ
イルムをベースフイルムとしているので、きわめて優れ
た被転写体表面形状への追従性、深絞り性が得られ、と
くにスタンピング箔、インモールド箔として用いて好適
な転写箔が得られ、しかも、従来の通常のPETフイル
ムでは得られない優れた特性が得られる。
【0028】〔物性、特性の測定、評価方法〕以下に、
本発明の説明、あるいは後述の実施例の説明に用いた各
物性、特性の測定、評価方法について説明する。 (1)融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg) 示差走査型熱量計DSC2(パーキンエルマー社製)を
用いて測定した。サンプ10mgを窒素気流下で280
℃、5分間溶融保持し、ついで液体窒素で急冷した。得
られたサンプルを10℃/分の速度で昇温する過程でガ
ラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読取
りこの温度をガラス転移温度(Tg)とし、結晶融解に
基づく吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。
【0029】(2)機械特性 引っ張りヤング率、破断強度、破断伸度についてはAS
TM−D−882−81(A法)に準じて測定した。
【0030】(3)熱収縮率 試長200mm、幅10mmのフイルムサンプルを荷重
をかけない状態で、熱風オーブン内で熱処理(160
℃、2分)した後に収縮量を測定し、試長に対する割合
として求めた。
【0031】(4)面配向係数(fn) ナトリウムD線を光源として、アッベ屈折率計を用いて
長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx,Ny,N
z)を測定し、下記式により求めた。 fn=(Nx+Ny)/2−Nz
【0032】(5)転写後の箔の外観 曲面(半径50mmの半球)、及び金型(絞り比0.
2)に対する転写後の箔の外観を下記のように判定し
た。 ・曲面、金型に対する転写後の箔の外観が極めてきれい。 :A級 ・曲面に対する転写後の箔の外観は極めてきれいであるが、 金型に転写後の箔の外観がややしわを生じる。 :B級 ・曲面、金型に対する転写後の箔の外観はしわが入り、きたない。 :C級
【0033】
【実施例】以下に実施例によって本発明を説明する。 実施例1 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸85モル%と炭素
数36の水添ダイマー酸15モル%、ジオール成分とし
てエチレングリコール100モル%を用いて公知の方法
で極限粘度0.75の共重合ポリエステルA(Tm22
2℃、Tg17℃)を得た。一方、ジカルボン酸成分と
してテレフタル酸90モル%とセバシン酸10モル%、
ジオール成分としてエチレングリコール100モル%を
用い、平均粒子径2μmの酸化珪素粒子0.2重量%を
添加し公知の方法で極限粘度0.80の共重合ポリエス
テルB8Tm233℃、Tg55℃)を得た。
【0034】これら2種類の共重合ポリエステルを公知
の真空乾燥機で乾燥後、ポリエステルAは90mmφの
押出機に、ポリエステルBは40mmφの押出機に供給
し、ポリエステルAは260℃、ポリエステルBは27
0℃で溶融押出し、ポリエステルB/ポリエステルA/
ポリエステルB(積層厚み比1:10:1)となるよう
3層に積層後、口金内で巾方向に拡大、1.0mmのス
リットからシート状に吐出した。該シートを正電荷を印
加しながら25℃に保ったキャスティングドラム上に密
着冷却固化させ、ついで延伸ロールで70℃で3.3倍
の縦延伸、テンター内で80℃で3.3倍の横延伸、2
00℃で5秒間の熱処理を行ない、2軸延伸された厚さ
15μmの柔軟性ポリエステルフイルムを得た。フイル
ムのヤング率は101/96(kg/mm2 、縦方向/
横方向)、熱収縮率2.1%/1.0%(縦方向/横方
向)であった。
【0035】得られたフイルムにコーティング加工を施
し転写箔とした。得られたフイルムの転写後の箔の外観
はA級であった。
【0036】実施例2〜4 実施例2ではポリエステルBとしてポリエチレンテレフ
タレートを用い、ポリエステルAとして水添ダイマー酸
10モル%共重合ポリエステルを使用し、積層比を1:
30:1とし、実施例1と同様に製膜し、転写箔を得
た。実施例3ではポリエステルAとして水添ダイマー酸
10モル%共重合ポリエステルを使用し単層フイルムを
得たが熱収縮率が大きくなり、転写後の箔の外観はB級
であった。実施例4では、ポリエステルAとしてセバシ
ン酸20モル%共重合ポリエステルを使用し単層フイル
ム、転写箔を得たが、熱収縮率が大きくなり、転写後の
箔の外観はB級であった。
【0037】比較例1 通常のポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム
(厚さ15μm、ヤング率410/450kg/m
2 )を用いて実施例1と同様の転写テストを行なっ
た。PETを基材とする転写箔では、曲面、金型に追従
が難しく、転写後の箔の外観はC級であった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転写箔に
よるときは、ヤング率が10〜250kg/mm2 の柔
軟性に優れた2軸配向ポリエステルフイルムに転写層を
積層したので、きわめて優れた被転写体表面形状への追
従性、深絞り性が得られ、とくにスタンピング箔、イン
モールド箔として用いて好適な転写箔が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤング率が10〜250kg/mm2
    2軸配向ポリエステルフイルムの少なくとも片面に転写
    層を積層していることを特徴とする転写箔。
  2. 【請求項2】 前記2軸配向ポリエステルフイルムがエ
    チレンテレフタレートを主たる構成成分とする柔軟性ポ
    リエステルAからなる請求項1の転写箔。
  3. 【請求項3】 前記柔軟性ポリエステルAが炭素数8以
    上のアルキレン基を有する長鎖脂肪族ジカルボン酸を1
    〜40モル%含有している請求項2の転写箔。
  4. 【請求項4】 前記2軸配向ポリエステルフイルムが少
    なくとも片面にガラス転移温度が45℃以上のポリエス
    テルBを積層してなる請求項1ないし3のいずれかに記
    載の転写箔。
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