JP2006051747A - 成形同時転写用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 A層、B層およびC層の少なくとも3層のポリエステル層からなる共押出し積層フィルムであって、中間層であるB層を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式ジオール成分およびポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とする共重合ポリエステル樹脂であって、共重合ポリエステル樹脂中におけるポリアルキレンエーテルグリコール成分の割合が10〜35重量%であり、B層の全フィルム厚みに占める厚み割合が60〜95%であって、フィルムの縦および横方向の引っ張り破断伸度が120〜250%であることを特徴とする成形同時転写用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも3層からなる積層フィルムであって、全ての層が押し出し機の口金から共溶融押し出しされる、いわゆる共押出し法により押し出されたものを、延伸および熱処理されたものが挙げられる。以下、共押出し3層フィルムについて説明するが、本発明の要旨を越えない限り、本発明は共押出し3層フィルムに限定されず、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した。なお、本発明において平均粒径とは、その形状の如何にかかわらず等価球形分布の積算体積分率50%の粒径を平均粒径とした。
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
アタゴ光学社製アッベ屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値(nγ)、それに直交方向の屈折率(nβ)およびフィルムの厚み方向の屈折率(nα)を測定し、次式より面配向度(ΔP)および平均屈折率を算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。
平均屈折率=(nα+nβ+nγ)/3
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚みを計算した。但し、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1万〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを、200mm/min.の速度で引っ張り、引っ張り応力−歪み曲線より次式から算出した。
(上記式中、LBは引っ張り破断伸度(%)、Lは破断時のフィルム長さ(mm)、L0は元のフィルム長さ(mm)を表す)
ポリエステルフィルムに離型層、印刷層および接着層を形成し、縦50mm、横50mm、最大深さ15mmも金型内部に真空または圧空成型法により予備成形を実施した。成形によるフィルムの破断の頻度により成形性の評価を行った。
○:フィルム破断、クラック発生なく、均一な厚さで成形される
△:フィルム破断はしないが、局所的にフィルムが極めて薄い部分が存在する
×:フィルムが頻発に破断する
印刷評価を、上記の予備成形を実施した後、樹脂を射出し、成形転写を行い、得られた成形品への印刷の図柄のヌケや歪みの状態を以下のように評価した。
○:印刷ヌケ、歪み全くなし
△:印刷ヌケ、歪み極僅かにあり
×:印刷ヌケ、歪みあり
実施例1
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸マグネシウム0.06部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、平均粒径2.4μmのエチレングリコールに分散させた非晶質シリカ粒子を0.05部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には400Paとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの極限粘度は0.66であった。
テレフタル酸52部、エチレングリコール18部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)30部、触媒および助触媒として、テトラブトキシチタネート0.025部、エチルアシッドフォスフェート0.025部、酢酸コバルト0.05部、それぞれ反応器に取り、270℃、400Paでの直接重合法によりポリエステルを得た。得られたポリエステルBの極限粘度は0.79であった。
ポリエステルAおよびポリエステルBを別個のベント付き二軸スクリューの押し出し機に供給し、ポリエステルAは、280℃、100kPa、ポリエステルBは250℃、100kPaのベント減圧下で溶融混練りし、これらのポリマーをフィードブロック内で合流して積層してスリット状ダイスより20℃の回転冷却ロール上にシート状に押し出し、静電印加密着法を使用して回転冷却ロールにより急冷して積層未延伸シートを得た。得られた当該シートを60℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き75℃で3.5倍横延伸した後、200℃で3秒間熱処理を施して層構成がA/B/Aであり、各層の厚さが3/32/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。
中間層であるB層のテレフタル酸、エチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを下記表1に記載の構成比とする以外は、実施例1と同様にして層構成がA/B/Aであり、各層の厚さが3/32/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、中間層であるB層のポリテトラメチレンエーテルグリコールの含有量を下記表1に記載の量とする以外は、実施例1と同様にして層構成がA/B/Aであり、各層の厚さが3/32/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、ポリエステルAおよびポリエステルBの押し出し量を変更すること以外は、実施例1と同様にして層構成がA/B/Aであり、各層の厚さが9/20/9(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、ポリエステルAおよびポリエステルBの押し出し量を変更すること以外は、実施例1と同様にして層構成がA/B/Aであり、各層の厚さが0.5/37/0.5(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
Claims (1)
- A層、B層およびC層の少なくとも3層のポリエステル層からなる共押出し積層フィルムであって、中間層であるB層を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式ジオール成分およびポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とする共重合ポリエステル樹脂であって、共重合ポリエステル樹脂中におけるポリアルキレンエーテルグリコール成分の割合が10〜35重量%であり、B層の全フィルム厚みに占める厚み割合が60〜95%であって、フィルムの縦および横方向の引っ張り破断伸度が120〜250%であることを特徴とする成形同時転写用ポリエステルフィルム。
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