JP2004195672A - 二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】A層、B層およびC層の少なくとも3層のポリエステル層からなる共押出し積層フィルムであって、最外層であるA層およびC層は、平均粒径が0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量%含有し、かつジカルボン酸成分の5〜30モル%がイソフタル酸であるポリエステルからなり、中間層であるB層は、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000のポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルからなり、B層の全フィルム厚みに占める厚み割合が60〜95%であって、フィルム表面の中心線平均粗さが0.010〜0.100μmであることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】A層、B層およびC層の少なくとも3層のポリエステル層からなる共押出し積層フィルムであって、最外層であるA層およびC層は、平均粒径が0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量%含有し、かつジカルボン酸成分の5〜30モル%がイソフタル酸であるポリエステルからなり、中間層であるB層は、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000のポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルからなり、B層の全フィルム厚みに占める厚み割合が60〜95%であって、フィルム表面の中心線平均粗さが0.010〜0.100μmであることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向積層ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、機械的特性、寸法安定性等の物理的特性、並びに耐薬品性等の化学的特性が優れていることから、磁気記録材料、工業材料、など幅広い分野において使用されている。しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルムは柔軟性に欠けるため、一定形状に成形した後、外力に対する変形追従性を有することができず、用途が限定されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−34931号公報
【特許文献2】特開平10−321459号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、所定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は、A層、B層およびC層の少なくとも3層のポリエステル層からなる共押出し積層フィルムであって、最外層であるA層およびC層は、平均粒径が0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量%含有し、かつジカルボン酸成分の5〜30モル%がイソフタル酸であるポリエステルからなり、中間層であるB層は、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000のポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルからなり、B層の全フィルム厚みに占める厚み割合が60〜95%であって、フィルム表面の中心線平均粗さが0.010〜0.100μmであることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルムに存する。
【0007】
【発明の実施形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも3層が押し出し口金から、いわゆる共押出し法により押し出されたフィルムであって、後に縦方向および横方向の二軸に配向させたフィルムである。
本発明において、最外層であるA層およびC層を構成するポリエステルとは、ジカルボン酸成分、およびグリコール成分よりなるポリエステルを指す。ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸を必須の成分とするが、その他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げられる。グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0008】
かかるポリエステルを得る方法としては、重合時に所定量のジカルボン酸成分とグリコール成分とを仕込み、共重合により目的のポリエステルを得る方法、あるいは、異なる成分比の共重合ポリエステルの2種類以上をブレンドして溶融混練りにより所定の成分量になるように調節する方法が挙げられる。
いずれにしても本発明において最外層であるA層およびC層を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を5〜30モル%、好ましくは10〜25モル%含有するものである。
【0009】
本発明のフィルムの中間層であるB層を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分、脂肪族のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコールを主たる成分とするポリエステルである。ここで言う主たる成分とは、全構成成分中、80重量%以上が上記成分で占められることを意味する。また、構成成分については、例えばポリエステルB層をアルカリで分解し、クロマトグラフィーにより分析することができる。
【0010】
B層を構成するジカルボン酸成分は、50モル%以上がテレフタル酸であることが好ましいが、他のジカルボン酸成分が共重合されたものであってもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、具体的には、例えば、イソフタル酸オルトフタル酸、フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルバン酸等が挙げられるが、これらの中でもイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選択される1種以上が好適である。
【0011】
なお、本発明において、ジカルボン酸成分は、原料の段階では、例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等のエステル形成誘導体を含むものとする。
B層を構成する脂肪族または脂環式ジオール成分としては、50モル%以上がエチレングリコールであることが好ましいが、他の脂肪族または脂環式のジオール成分が共重合されたものであってもよい。エチレングリコール以外の脂肪族および脂環式ジオール成分としては、具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレグリコール等の脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、等の脂環式ジオール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1以上が好適である。 なお、本発明においては、脂肪族または脂環式ジオール成分は、原料の段階ではエステル形成性の誘導体をも含むものである。
【0012】
エチレングリコール以外の脂肪族および脂環式ジオール成分は、全ジオール成分の通常30モル%以下、好ましくは5〜30モル%、さらに好ましくは10〜20モル%の範囲である。エチレングリコール以外の脂肪族または脂環式のジオール成分を共重合することにより、柔軟性や透明性が向上する場合があるが、共重合量の量によっては、得られる共重合ポリエステルフィルムの機械的特性が劣る場合がある。
本発明のポリエステルフィルムのB層中には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、さらに、例えば、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、ヘキサントリカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリオール、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセロール等の3官能以上の多官能成分が共重合されてもよい。
【0013】
本発明のポリエステルフィルムのB層は、ポリアルキレンエーテルグリコールを構成成分として含有する必要があり、その数平均分子量は300〜4000であり、400〜3000が好ましく、500〜2000がさらに好ましい。数平均分子量が300未満では、フィルムの耐熱性が劣ったり、低分子量物が析出したりする。一方、数平均分子量が4000を越えると、フィルムの透明性が劣る。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックまたはランダム共重合体などが挙げられるが、これらの中でも、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0014】
ポリアルキレンエーテルグリコールは、数平均分子量の異なるものを複数併用することもできる。複数併用する場合は、均一に混合して測定した値が前記範囲であればよい。
なお、ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等の一般的な方法により測定することができる。
【0015】
ポリアルキレンエーテルグリコールは、共重合ポリエステルフィルム中に5〜35重量%、さらには10〜30重量%含まれていることが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールの含有量が5重量%未満では、フィルムの柔軟性が劣る傾向がある。一方、35重量%を越えると、柔軟性に優れるものの、フィルムの透明性が損なわれる場合がある。
本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂は、基本的には、ジカルボン酸成分、ジオール成分、ポリアルキレンエーテルグリコールとによるポリエステル樹脂の慣用の製造法、すなわち、直接重合法、またはエステル交換法などにより回分式、または連続式に製造される。
【0016】
ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールおよび任意で使用する共重合成分は、重縮合反応過程の段階で添加することができる。
さらに、本発明のポリエステルは、予め、ジカルボン酸、および脂肪族および/または脂環式ジオールからなる低重合度のオリゴマーを製造し、当該オリゴマーとポリアルキレンエーテルグリコールとを重縮合することにより得ることもできる。
重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながらもしくは水冷後、カッターで切断されてペレット状とされる。さらに、この重縮合後のペレットを加熱処理して固相重縮合させることにより、さらに高重合度化させるとともに、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化するともできる。
【0017】
なお、前記製造方法においてエステル化反応は、必要に応じて、例えば、三酸化アンチモン、アンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル化触媒の存在下でなされ、エステル交換反応は、必要に応じて、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル交換触媒の存在下でなされる。
【0018】
また、重縮合反応は、例えば、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸およびこれらのエステルや有機酸塩等の燐化合物の存在下、および、例えば、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等の金属化合物、あるいは、アンチモン、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩や有機金属化合物等の重縮合触媒の存在下でなされる。これらの重縮合触媒の中でも、テトラブトキシチタネート、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムから選択される1種以上が好適に使用される。さらには、重縮合過程での消泡を促進するため、シリコンオイル等の消泡剤を添加するのが好ましい。
【0019】
本発明のフィルムの最外層であるA層およびC層を構成するポリエステルは、耐ブロッキング性、易滑性等を付与するために、不活性微粒子を含有する必要があり、その含有量は、フィルムに対して0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲である。不活性微粒子の含有量が0.01重量%未満では、透明性に優れるが、易滑性、フィルムの巻き特性が劣る。一方、不活性微粒子の含有量が1.0重量%を超えると、易滑性に優れるが、透明性の悪化や粒子が凝集して粗大突起を形成する。
【0020】
本発明で用いる不活性微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、燐酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、蓚酸カルシウム、架橋高分子粒子などの有機粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものでない。
用いる不活性微粒子の平均粒径は、0.1〜5.0μm、好ましくは0.2〜4.0μm、さらに好ましくは0.3〜3.0μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満では、透明性に優れるが、フィルム製造工程における巻き特性や耐ブロッキング性が劣る。一方、平均粒径が5.0μmを超えると、易滑性に優れるが、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎて、透明性が損なわれたり、ツブ状欠陥が発生したりする。
【0021】
最外層のA層およびC層を構成するポリエステルに不活性微粒子を配合する方法としては、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくは、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練り押し出し機を用い、水または沸点200℃以下の有機溶媒中に分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練り押し出し機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
【0022】
A層およびC層には、前記の粒子以外に、フィルムの易滑性を向上するために、有機滑剤を含有させることも好ましい手法である。有機滑剤の種類としては、特に限定するものでないが、脂肪族化合物、脂肪族エステル類、アルキレンビス脂肪族類および芳香族アミド等が好ましい。脂肪族エステルとしては、モンタン酸等炭素数の多いものが好ましい。また、脂肪族エステルとしては、モンタン酸エチレングリコールエステル等が挙げられる。アルキレンビス脂肪族および芳香族アミドとしては、ヘキサメチレンビスベヘンアミド、ヘキサメチレンビスステアリルアミド、ヘキサメチレンビスステアリルアミド、N、N’−ジステアリルテレフタルアミド等が挙げられる。これらの有機滑剤のフィルム中の含有量としては、500ppm以下、さらには200ppm以下が好適である。これらの滑剤が余りに多量に混入すると、フィルムに各種塗布剤等を施す際の接着性が低下したり、フィルムの色目として黄味が強くなりすぎたりする恐れがある。
【0023】
本発明においては、易滑性、巻き取り性、耐ブロッキング性、作業性を高度に満足させるために、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が両面ともに0.010〜0.100μmの範囲であることが必要であり、好ましくは0.015〜0.080μm、さらに好ましくは0.020〜0.060μmであって、かかる範囲となるように適宜、条件を選択することが望ましい。
【0024】
本発明のポリエステルフィルムの面配向度(ΔP)は、通常0.050〜0.150であり、好ましくは0.060〜0.130、さらに好ましくは0.070〜0.120の範囲である。上記範囲とすることにより、柔軟性とフィルムの取り扱い性が良好となる。
本発明において、複合化されたポリエステルフィルムの長手方向および幅方向のヤング率は通常1.0〜4.0GPa、好ましくは1.1〜3.5GPa、さらに好ましくは1.2〜3.0GPaの範囲である。ヤング率が1.0GPa未満ではフィルムが柔軟化しすぎて、フィルム製膜時のワインディング性、取り扱い加工適正が劣ることがある。一方、ヤング率が4.0GPaを越えると、フィルムの柔軟性が損なわれる場合がある。
【0025】
本発明において、複合化されたポリエステルフィルムの長手方向および幅方向の引っ張り破断伸度は、通常100〜300%、好ましくは110〜290%、さらに好ましくは120〜280%の範囲である。引っ張り破断伸度が100%未満では、柔軟性に劣る傾向がある。一方、引っ張り破断伸度が300%を越えると、柔軟しすぎて、シワ、フィルムの伸び等により巻き取り作業、フィルムの取り扱い性が悪くなることがある。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層の厚みがフィルム全体厚みに占める割合は、60〜95%であり、65〜95%、さらには70〜95%の範囲が好ましい。この値が60%未満では、フィルムの柔軟性が損なわれる。一方、95%を超える場合には、幅方向での積層厚みが不均一となる。
【0026】
本発明において、ポリエステルフィルムの接着性、帯電防止、易滑性を付与するために、塗布層を設けてもよい。塗布層を構成する成分としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の樹脂およびこれらの樹脂の共重合体などを挙げることができる。かかる樹脂の1種または2種以上の樹脂を同時に含有してもよい。
【0027】
上述の塗布液をフィルムに塗布する方法としては、原崎勇次著、(株)総合技術センター、1990年発行、「コーティング装置と操作技術入門」に示されるような塗布装置を用いて行うことができる。例えば、正回転ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、カーテンコーター、ファウンテンコーター、キスコーター、キスロールコーター、ビードコーター、浸漬コーター等の塗布装置、スクリーンコーティング、キャストコーティング、含浸機、LB法のような塗布方法を採用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
塗布層は、フィルム製造工程内で設けてもよいし、フィルム製造後に塗布してもよい。特に塗布厚みの均一性や、生産効率の点で、フィルム製造工程内で塗布する方法が好ましい。
フィルム製造工程内で塗布する方法としては、未延伸シートに塗布液を塗布し、逐次あるいは同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸フィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
塗布層の厚みは、通常0.005〜1.0μmの範囲であり、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲である。塗布厚みが1.0μmを超えるとフィルム製造時の連続性が悪化するので好ましくない。一方、塗布厚みが0.005μm未満の場合には塗布ヌケや塗布ムラが生じやすくなる傾向がある。
【0029】
かかる塗布層は、フィルムの片面だけに設けてもよいが、両面に設けることが好ましい。また、片面にのみ塗布した場合、その反対面には、本発明における塗布層以外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明のフィルムに他の特性を付与することもできる。
【0030】
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。処理効率やコスト、処理の簡便さからコロナ放電処理を行うことが好ましい。また、本発明のフィルムにおける塗布層の接着性、塗布性などを改良するために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施すこともできる。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
【0031】
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押し出し機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィードブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押し出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平坦性を向上させるため、シートと回転冷却ロールとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0032】
次いで、得られた未延伸シートは二軸方向に延伸して二軸配向される。すなわち、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常20〜100℃、好ましくは30〜80℃であり、延伸倍率は、通常2.0〜6倍、好ましくは3.0〜4.5倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜80℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜6倍、好ましくは3.0〜4.5倍である。なお、一方向の延伸を二段階以上で行う方法も用いることができるが、その場合も、最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。
【0033】
かくして得られたフィルムには、150〜210℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法は下記のとおりである。
【0035】
(1)粒子の平均粒径(μm)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した。
本発明において平均粒径とは、その形状の如何にかかわらず、等価球形分布の積算体積分率50%の粒径を平均粒径とした。
【0036】
(2)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
【0037】
(3)フィルム表面粗さ(μm)
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとした。(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F型)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次式で与えられた値を(μm)で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫0 1|f(x)|dx
【0038】
(4)フィルムの面配向度(ΔP)
アタゴ光学社製アッベ屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値(nγ)、それに直交方向の屈折率(nβ)およびフィルムの厚さ方向の屈折率(nα)を測定し、次式より面配向度(ΔP)を算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
【0039】
(5)フィルムのヤング率(GPa)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、室温23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)300mm、幅20mmの試料フィルムを、25mm/min.の速度で引っ張り、引っ張り応力−歪み曲線の初期の直線部分を用いて次式によって計算した。
E=Δσ/Δε
(上記式中、Eはヤング率(GPa)、Δσは直線上の2点間の元の平均断面積による応力差(GPa)、Δεは上記2点間の歪み差/初期長さ(−)を表す)
【0040】
(6)フィルムの破断伸度(%)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを200mm/min.の速度で引っ張り、引っ張り応力−歪み曲線より次式より求めた。
LB=(L−L0)×100/L0
(上記式中、LBは引っ張り破断伸度(%)、Lは破断時のフィルムの長さ(mm)、L0は元のフィルム長さ(mm)を表す)
【0041】
(7)フィルムの滑り性
平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板をのせ、2枚のフィルム接圧を2g/cm2として、20mm/min.でフィルム同士を滑らせて摩擦力を測定し、5mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数(μd)として求めた。なお、測定は、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で行った。
【0042】
(8)フィルムの透明性(ヘーズ)
JIS−K7136に準じ、日本電色工業製分球式濁度計(NDH−2000型)によりフィルムの濁度を測定した。
【0043】
(9)フィルムの積層厚み
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離と中間層の距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、厚みを計算した。但し、加速電圧は300KV、倍率は表層厚みに応じ、1万〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点の相加平均をフィルムの厚みとした。このフィルムの厚みをもとに下記式により中間層比率を計算した。
中間層比率(%)=中間層×100/全体の厚み
【0044】
(10)耐ブロッキング性
フィルムを重ね合わせてプレスした。プレス条件は、温度40℃、湿度80%RHの雰囲気中で圧力10Kg/cm2、時間20時間行った。その後、フィルムを室温23℃、湿度50%RHの室内に一昼夜放置後、フィルム同士をASTM−1893により剥離し、その剥離荷重からブロッキングの程度を下記基準により判定した。
○…良好。剥離荷重20g未満
△…普通。剥離荷重20g以上50g未満
×…不良。剥離荷重50g以上
【0045】
(11)フィルムの巻き特性
直径15cmの紙管にラインスピード約300m/min.のスピードで製造されるフィルムを5000m巻き取り端面および巻き取りロール表面欠陥の状態を観察し、次の4ランクに分けた。
A…端面がすべて揃い、ロール表面欠陥全くなし
B…端面がほぼ揃い、ロール表面欠陥なし
C…端面の一部が不揃いで、ロール表面欠陥僅かに見られる
D…端面のかなりの部分が不揃いで、ロール表面欠陥が多数見られる
【0046】
実施例1
〔ポリエステルAの製造〕
テレフタル酸ジメチル80部、イソフタル酸ジメチル20部、エチレングリコール60部を出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を反応容器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了した反応混合物に、トリエチルホスフェート0.07部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を添加し、常法により重縮合反応を行った。この反応は、温度を徐々に高めると共に、圧力を常圧より徐々に減じ、2時間後、温度を270℃、圧力を40Pa とした。反応開始後5時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られた共重合ポリエステル(A)の極限粘度は0.68であった。
【0047】
〔ポリエステルBの製造〕
ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール70部および酢酸マグネシウム四水塩0.09部を反応容器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去してエステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了させた。
次いで、平均粒径が2.4μmの非晶質シリカ粒子0.3部をエチレングリコールスラリーとして添加し、さらにリン酸0.03部、三酸化アンチモン0.01部を加えて重縮合反応を行い、極限粘度が0.65のポリエステル(B)を得た。
【0048】
〔ポリエステルCの製造〕
粒子を添加しないこと以外は、上記と同様にエステル交換反応、重縮合反応を行い、実質的に不活性微粒子を含まない極限粘度が0.66のポリエステル(C)を得た。
【0049】
〔ポリエステルDの製造〕
テレフタル酸、エチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)を下記表1に記載の構成比となるように、また触媒および助触媒として、テトラブトキシチタネートを0.009部、エチルアシッドフォスフェートを0.025部、酢酸コバルトを0.05部、それぞれ反応容器にとり、270℃、400Paでの直接重合法によりポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル(D)の極限粘度は0.79であった。
【0050】
〔ポリエステルフィルムの製造〕
ポリエステル(A)、ポリエステル(B)、ポリエステル(C)を下記表1に記載の構成比となるようにブレンドしてポリエステルEとした。このポリエステルEおよびポリエステルDを別個のベント付き二軸スクリューの押し出し機に供給し、ポリエステルEは、280℃、−100KPa、ポリエステルDは、250℃、−100KPaのベント減圧下で溶融混練りし、これらのポリマーをフィードブロック内で合流して積層してスリット状ダイより20℃の回転冷却ロール上にシート状に押し出し、静電印加密着法を使用して回転冷却ロールにより急冷して積層未延伸シートを得た。得られた当該シートを60℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き75℃で3.5倍横延伸した後、200℃で3秒間熱処理を施し、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0051】
実施例2
実施例1におけるポリエステルDの組成を下記表1に記載のように変更すること以外は実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0052】
実施例3
実施例1におけるポリエステルDの組成を表1に記載のように変更すること以外は実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0053】
比較例1
実施例1において、層構成をポリエステルD/ポリエステルD/ポリエステルDとし、各層の厚さを2/21/2(μm)として、厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0054】
比較例2〜3
実施例1において、ポリエステルEの組成を下記表1に記載のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0055】
比較例4〜5
実施例1において、ポリエステルDの組成を下記表1に記載のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、各層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0056】
比較例6〜7
実施例1において、ポリエステルDのポリテトラメチレンエーテルグリコールの数平均分子量を下記表1に記載のものに変更すること以外は、実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0057】
比較例8
実施例1において、層構成をポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEとし、各層の厚さが6/13/6(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0058】
比較例9
実施例1において、層構成をポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEとし、各層の厚さが0.5/24/0.5(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0059】
比較例10〜13
実施例1において、ポリエステルEの添加粒子の粒径および添加濃度を下記表1記載のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0060】
以上、実施例および比較例で得られたフィルムの内容および特性をまとめて下記表1〜2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
上記表中、IPAはイソフタル酸、TPAはテレフタル酸、EGはエチレングリコール、PTMGはポリテトラメチレンエーテルグリコールを意味する。
【0063】
【表2】
【0064】
本発明の要件を満たす実施例1〜3の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、柔軟性、透明性、滑り性、巻き特性、耐ブロッキング性に優れるものであった。
これに対し、比較例1〜13の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、本発明の要件を満たしていないため、フィルムの柔軟性、透明性、滑り性、巻き特性、耐ブロッキング性に劣るものであった。
【0065】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、柔軟性、透明性、滑り性、巻き特性、耐ブロッキング性に優れるものであり、その工業的価値は高い。
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向積層ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、機械的特性、寸法安定性等の物理的特性、並びに耐薬品性等の化学的特性が優れていることから、磁気記録材料、工業材料、など幅広い分野において使用されている。しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルムは柔軟性に欠けるため、一定形状に成形した後、外力に対する変形追従性を有することができず、用途が限定されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−34931号公報
【特許文献2】特開平10−321459号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、柔軟性、透明性を有し、かつ滑り性に優れた特性を有する柔軟性ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、所定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は、A層、B層およびC層の少なくとも3層のポリエステル層からなる共押出し積層フィルムであって、最外層であるA層およびC層は、平均粒径が0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量%含有し、かつジカルボン酸成分の5〜30モル%がイソフタル酸であるポリエステルからなり、中間層であるB層は、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000のポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルからなり、B層の全フィルム厚みに占める厚み割合が60〜95%であって、フィルム表面の中心線平均粗さが0.010〜0.100μmであることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルムに存する。
【0007】
【発明の実施形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも3層が押し出し口金から、いわゆる共押出し法により押し出されたフィルムであって、後に縦方向および横方向の二軸に配向させたフィルムである。
本発明において、最外層であるA層およびC層を構成するポリエステルとは、ジカルボン酸成分、およびグリコール成分よりなるポリエステルを指す。ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸を必須の成分とするが、その他のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げられる。グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0008】
かかるポリエステルを得る方法としては、重合時に所定量のジカルボン酸成分とグリコール成分とを仕込み、共重合により目的のポリエステルを得る方法、あるいは、異なる成分比の共重合ポリエステルの2種類以上をブレンドして溶融混練りにより所定の成分量になるように調節する方法が挙げられる。
いずれにしても本発明において最外層であるA層およびC層を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を5〜30モル%、好ましくは10〜25モル%含有するものである。
【0009】
本発明のフィルムの中間層であるB層を構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分、脂肪族のジオール成分および数平均分子量が300〜4000であるポリアルキレンエーテルグリコールを主たる成分とするポリエステルである。ここで言う主たる成分とは、全構成成分中、80重量%以上が上記成分で占められることを意味する。また、構成成分については、例えばポリエステルB層をアルカリで分解し、クロマトグラフィーにより分析することができる。
【0010】
B層を構成するジカルボン酸成分は、50モル%以上がテレフタル酸であることが好ましいが、他のジカルボン酸成分が共重合されたものであってもよい。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、具体的には、例えば、イソフタル酸オルトフタル酸、フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルバン酸等が挙げられるが、これらの中でもイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選択される1種以上が好適である。
【0011】
なお、本発明において、ジカルボン酸成分は、原料の段階では、例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等のエステル形成誘導体を含むものとする。
B層を構成する脂肪族または脂環式ジオール成分としては、50モル%以上がエチレングリコールであることが好ましいが、他の脂肪族または脂環式のジオール成分が共重合されたものであってもよい。エチレングリコール以外の脂肪族および脂環式ジオール成分としては、具体的には、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレグリコール等の脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、等の脂環式ジオール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1以上が好適である。 なお、本発明においては、脂肪族または脂環式ジオール成分は、原料の段階ではエステル形成性の誘導体をも含むものである。
【0012】
エチレングリコール以外の脂肪族および脂環式ジオール成分は、全ジオール成分の通常30モル%以下、好ましくは5〜30モル%、さらに好ましくは10〜20モル%の範囲である。エチレングリコール以外の脂肪族または脂環式のジオール成分を共重合することにより、柔軟性や透明性が向上する場合があるが、共重合量の量によっては、得られる共重合ポリエステルフィルムの機械的特性が劣る場合がある。
本発明のポリエステルフィルムのB層中には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、さらに、例えば、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、ヘキサントリカルボン酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリオール、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、ポリグリセロール等の3官能以上の多官能成分が共重合されてもよい。
【0013】
本発明のポリエステルフィルムのB層は、ポリアルキレンエーテルグリコールを構成成分として含有する必要があり、その数平均分子量は300〜4000であり、400〜3000が好ましく、500〜2000がさらに好ましい。数平均分子量が300未満では、フィルムの耐熱性が劣ったり、低分子量物が析出したりする。一方、数平均分子量が4000を越えると、フィルムの透明性が劣る。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックまたはランダム共重合体などが挙げられるが、これらの中でも、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0014】
ポリアルキレンエーテルグリコールは、数平均分子量の異なるものを複数併用することもできる。複数併用する場合は、均一に混合して測定した値が前記範囲であればよい。
なお、ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等の一般的な方法により測定することができる。
【0015】
ポリアルキレンエーテルグリコールは、共重合ポリエステルフィルム中に5〜35重量%、さらには10〜30重量%含まれていることが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールの含有量が5重量%未満では、フィルムの柔軟性が劣る傾向がある。一方、35重量%を越えると、柔軟性に優れるものの、フィルムの透明性が損なわれる場合がある。
本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂は、基本的には、ジカルボン酸成分、ジオール成分、ポリアルキレンエーテルグリコールとによるポリエステル樹脂の慣用の製造法、すなわち、直接重合法、またはエステル交換法などにより回分式、または連続式に製造される。
【0016】
ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールおよび任意で使用する共重合成分は、重縮合反応過程の段階で添加することができる。
さらに、本発明のポリエステルは、予め、ジカルボン酸、および脂肪族および/または脂環式ジオールからなる低重合度のオリゴマーを製造し、当該オリゴマーとポリアルキレンエーテルグリコールとを重縮合することにより得ることもできる。
重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながらもしくは水冷後、カッターで切断されてペレット状とされる。さらに、この重縮合後のペレットを加熱処理して固相重縮合させることにより、さらに高重合度化させるとともに、反応副生物のアセトアルデヒドや低分子オリゴマー等を低減化するともできる。
【0017】
なお、前記製造方法においてエステル化反応は、必要に応じて、例えば、三酸化アンチモン、アンチモン、チタン、マグネシウム、カルシウム等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル化触媒の存在下でなされ、エステル交換反応は、必要に応じて、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、亜鉛等の有機酸塩や有機金属化合物等のエステル交換触媒の存在下でなされる。
【0018】
また、重縮合反応は、例えば、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸およびこれらのエステルや有機酸塩等の燐化合物の存在下、および、例えば、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等の金属化合物、あるいは、アンチモン、ゲルマニウム、亜鉛、チタン、コバルト等の有機酸塩や有機金属化合物等の重縮合触媒の存在下でなされる。これらの重縮合触媒の中でも、テトラブトキシチタネート、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムから選択される1種以上が好適に使用される。さらには、重縮合過程での消泡を促進するため、シリコンオイル等の消泡剤を添加するのが好ましい。
【0019】
本発明のフィルムの最外層であるA層およびC層を構成するポリエステルは、耐ブロッキング性、易滑性等を付与するために、不活性微粒子を含有する必要があり、その含有量は、フィルムに対して0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲である。不活性微粒子の含有量が0.01重量%未満では、透明性に優れるが、易滑性、フィルムの巻き特性が劣る。一方、不活性微粒子の含有量が1.0重量%を超えると、易滑性に優れるが、透明性の悪化や粒子が凝集して粗大突起を形成する。
【0020】
本発明で用いる不活性微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、燐酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、蓚酸カルシウム、架橋高分子粒子などの有機粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものでない。
用いる不活性微粒子の平均粒径は、0.1〜5.0μm、好ましくは0.2〜4.0μm、さらに好ましくは0.3〜3.0μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満では、透明性に優れるが、フィルム製造工程における巻き特性や耐ブロッキング性が劣る。一方、平均粒径が5.0μmを超えると、易滑性に優れるが、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎて、透明性が損なわれたり、ツブ状欠陥が発生したりする。
【0021】
最外層のA層およびC層を構成するポリエステルに不活性微粒子を配合する方法としては、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくは、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練り押し出し機を用い、水または沸点200℃以下の有機溶媒中に分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練り押し出し機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
【0022】
A層およびC層には、前記の粒子以外に、フィルムの易滑性を向上するために、有機滑剤を含有させることも好ましい手法である。有機滑剤の種類としては、特に限定するものでないが、脂肪族化合物、脂肪族エステル類、アルキレンビス脂肪族類および芳香族アミド等が好ましい。脂肪族エステルとしては、モンタン酸等炭素数の多いものが好ましい。また、脂肪族エステルとしては、モンタン酸エチレングリコールエステル等が挙げられる。アルキレンビス脂肪族および芳香族アミドとしては、ヘキサメチレンビスベヘンアミド、ヘキサメチレンビスステアリルアミド、ヘキサメチレンビスステアリルアミド、N、N’−ジステアリルテレフタルアミド等が挙げられる。これらの有機滑剤のフィルム中の含有量としては、500ppm以下、さらには200ppm以下が好適である。これらの滑剤が余りに多量に混入すると、フィルムに各種塗布剤等を施す際の接着性が低下したり、フィルムの色目として黄味が強くなりすぎたりする恐れがある。
【0023】
本発明においては、易滑性、巻き取り性、耐ブロッキング性、作業性を高度に満足させるために、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が両面ともに0.010〜0.100μmの範囲であることが必要であり、好ましくは0.015〜0.080μm、さらに好ましくは0.020〜0.060μmであって、かかる範囲となるように適宜、条件を選択することが望ましい。
【0024】
本発明のポリエステルフィルムの面配向度(ΔP)は、通常0.050〜0.150であり、好ましくは0.060〜0.130、さらに好ましくは0.070〜0.120の範囲である。上記範囲とすることにより、柔軟性とフィルムの取り扱い性が良好となる。
本発明において、複合化されたポリエステルフィルムの長手方向および幅方向のヤング率は通常1.0〜4.0GPa、好ましくは1.1〜3.5GPa、さらに好ましくは1.2〜3.0GPaの範囲である。ヤング率が1.0GPa未満ではフィルムが柔軟化しすぎて、フィルム製膜時のワインディング性、取り扱い加工適正が劣ることがある。一方、ヤング率が4.0GPaを越えると、フィルムの柔軟性が損なわれる場合がある。
【0025】
本発明において、複合化されたポリエステルフィルムの長手方向および幅方向の引っ張り破断伸度は、通常100〜300%、好ましくは110〜290%、さらに好ましくは120〜280%の範囲である。引っ張り破断伸度が100%未満では、柔軟性に劣る傾向がある。一方、引っ張り破断伸度が300%を越えると、柔軟しすぎて、シワ、フィルムの伸び等により巻き取り作業、フィルムの取り扱い性が悪くなることがある。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、B層の厚みがフィルム全体厚みに占める割合は、60〜95%であり、65〜95%、さらには70〜95%の範囲が好ましい。この値が60%未満では、フィルムの柔軟性が損なわれる。一方、95%を超える場合には、幅方向での積層厚みが不均一となる。
【0026】
本発明において、ポリエステルフィルムの接着性、帯電防止、易滑性を付与するために、塗布層を設けてもよい。塗布層を構成する成分としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の樹脂およびこれらの樹脂の共重合体などを挙げることができる。かかる樹脂の1種または2種以上の樹脂を同時に含有してもよい。
【0027】
上述の塗布液をフィルムに塗布する方法としては、原崎勇次著、(株)総合技術センター、1990年発行、「コーティング装置と操作技術入門」に示されるような塗布装置を用いて行うことができる。例えば、正回転ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、カーテンコーター、ファウンテンコーター、キスコーター、キスロールコーター、ビードコーター、浸漬コーター等の塗布装置、スクリーンコーティング、キャストコーティング、含浸機、LB法のような塗布方法を採用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
塗布層は、フィルム製造工程内で設けてもよいし、フィルム製造後に塗布してもよい。特に塗布厚みの均一性や、生産効率の点で、フィルム製造工程内で塗布する方法が好ましい。
フィルム製造工程内で塗布する方法としては、未延伸シートに塗布液を塗布し、逐次あるいは同時に二軸延伸する方法、一軸延伸されたフィルムに塗布し、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸する方法、あるいは二軸延伸フィルムに塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法などがある。
塗布層の厚みは、通常0.005〜1.0μmの範囲であり、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲である。塗布厚みが1.0μmを超えるとフィルム製造時の連続性が悪化するので好ましくない。一方、塗布厚みが0.005μm未満の場合には塗布ヌケや塗布ムラが生じやすくなる傾向がある。
【0029】
かかる塗布層は、フィルムの片面だけに設けてもよいが、両面に設けることが好ましい。また、片面にのみ塗布した場合、その反対面には、本発明における塗布層以外の塗布層を必要に応じて形成し、本発明のフィルムに他の特性を付与することもできる。
【0030】
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。処理効率やコスト、処理の簡便さからコロナ放電処理を行うことが好ましい。また、本発明のフィルムにおける塗布層の接着性、塗布性などを改良するために、塗布層形成後に塗布層に放電処理を施すこともできる。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
【0031】
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押し出し機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィードブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押し出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平坦性を向上させるため、シートと回転冷却ロールとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0032】
次いで、得られた未延伸シートは二軸方向に延伸して二軸配向される。すなわち、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常20〜100℃、好ましくは30〜80℃であり、延伸倍率は、通常2.0〜6倍、好ましくは3.0〜4.5倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜80℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜6倍、好ましくは3.0〜4.5倍である。なお、一方向の延伸を二段階以上で行う方法も用いることができるが、その場合も、最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。
【0033】
かくして得られたフィルムには、150〜210℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法は下記のとおりである。
【0035】
(1)粒子の平均粒径(μm)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SP−CP3型)で測定した。
本発明において平均粒径とは、その形状の如何にかかわらず、等価球形分布の積算体積分率50%の粒径を平均粒径とした。
【0036】
(2)ポリマーの極限粘度[η](dl/g)
ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解させ、ウベローデ型粘度計にて30℃で測定した。
【0037】
(3)フィルム表面粗さ(μm)
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとした。(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F型)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次式で与えられた値を(μm)で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫0 1|f(x)|dx
【0038】
(4)フィルムの面配向度(ΔP)
アタゴ光学社製アッベ屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値(nγ)、それに直交方向の屈折率(nβ)およびフィルムの厚さ方向の屈折率(nα)を測定し、次式より面配向度(ΔP)を算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
【0039】
(5)フィルムのヤング率(GPa)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、室温23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)300mm、幅20mmの試料フィルムを、25mm/min.の速度で引っ張り、引っ張り応力−歪み曲線の初期の直線部分を用いて次式によって計算した。
E=Δσ/Δε
(上記式中、Eはヤング率(GPa)、Δσは直線上の2点間の元の平均断面積による応力差(GPa)、Δεは上記2点間の歪み差/初期長さ(−)を表す)
【0040】
(6)フィルムの破断伸度(%)
(株)インテスコ製引っ張り試験機(2001型)を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において、長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料フィルムを200mm/min.の速度で引っ張り、引っ張り応力−歪み曲線より次式より求めた。
LB=(L−L0)×100/L0
(上記式中、LBは引っ張り破断伸度(%)、Lは破断時のフィルムの長さ(mm)、L0は元のフィルム長さ(mm)を表す)
【0041】
(7)フィルムの滑り性
平滑なガラス板上に、幅15mm、長さ150mmに切り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板をのせ、2枚のフィルム接圧を2g/cm2として、20mm/min.でフィルム同士を滑らせて摩擦力を測定し、5mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数(μd)として求めた。なお、測定は、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で行った。
【0042】
(8)フィルムの透明性(ヘーズ)
JIS−K7136に準じ、日本電色工業製分球式濁度計(NDH−2000型)によりフィルムの濁度を測定した。
【0043】
(9)フィルムの積層厚み
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離と中間層の距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、厚みを計算した。但し、加速電圧は300KV、倍率は表層厚みに応じ、1万〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点の相加平均をフィルムの厚みとした。このフィルムの厚みをもとに下記式により中間層比率を計算した。
中間層比率(%)=中間層×100/全体の厚み
【0044】
(10)耐ブロッキング性
フィルムを重ね合わせてプレスした。プレス条件は、温度40℃、湿度80%RHの雰囲気中で圧力10Kg/cm2、時間20時間行った。その後、フィルムを室温23℃、湿度50%RHの室内に一昼夜放置後、フィルム同士をASTM−1893により剥離し、その剥離荷重からブロッキングの程度を下記基準により判定した。
○…良好。剥離荷重20g未満
△…普通。剥離荷重20g以上50g未満
×…不良。剥離荷重50g以上
【0045】
(11)フィルムの巻き特性
直径15cmの紙管にラインスピード約300m/min.のスピードで製造されるフィルムを5000m巻き取り端面および巻き取りロール表面欠陥の状態を観察し、次の4ランクに分けた。
A…端面がすべて揃い、ロール表面欠陥全くなし
B…端面がほぼ揃い、ロール表面欠陥なし
C…端面の一部が不揃いで、ロール表面欠陥僅かに見られる
D…端面のかなりの部分が不揃いで、ロール表面欠陥が多数見られる
【0046】
実施例1
〔ポリエステルAの製造〕
テレフタル酸ジメチル80部、イソフタル酸ジメチル20部、エチレングリコール60部を出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09部を反応容器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了した反応混合物に、トリエチルホスフェート0.07部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を添加し、常法により重縮合反応を行った。この反応は、温度を徐々に高めると共に、圧力を常圧より徐々に減じ、2時間後、温度を270℃、圧力を40Pa とした。反応開始後5時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られた共重合ポリエステル(A)の極限粘度は0.68であった。
【0047】
〔ポリエステルBの製造〕
ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール70部および酢酸マグネシウム四水塩0.09部を反応容器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去してエステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了させた。
次いで、平均粒径が2.4μmの非晶質シリカ粒子0.3部をエチレングリコールスラリーとして添加し、さらにリン酸0.03部、三酸化アンチモン0.01部を加えて重縮合反応を行い、極限粘度が0.65のポリエステル(B)を得た。
【0048】
〔ポリエステルCの製造〕
粒子を添加しないこと以外は、上記と同様にエステル交換反応、重縮合反応を行い、実質的に不活性微粒子を含まない極限粘度が0.66のポリエステル(C)を得た。
【0049】
〔ポリエステルDの製造〕
テレフタル酸、エチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)を下記表1に記載の構成比となるように、また触媒および助触媒として、テトラブトキシチタネートを0.009部、エチルアシッドフォスフェートを0.025部、酢酸コバルトを0.05部、それぞれ反応容器にとり、270℃、400Paでの直接重合法によりポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル(D)の極限粘度は0.79であった。
【0050】
〔ポリエステルフィルムの製造〕
ポリエステル(A)、ポリエステル(B)、ポリエステル(C)を下記表1に記載の構成比となるようにブレンドしてポリエステルEとした。このポリエステルEおよびポリエステルDを別個のベント付き二軸スクリューの押し出し機に供給し、ポリエステルEは、280℃、−100KPa、ポリエステルDは、250℃、−100KPaのベント減圧下で溶融混練りし、これらのポリマーをフィードブロック内で合流して積層してスリット状ダイより20℃の回転冷却ロール上にシート状に押し出し、静電印加密着法を使用して回転冷却ロールにより急冷して積層未延伸シートを得た。得られた当該シートを60℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き75℃で3.5倍横延伸した後、200℃で3秒間熱処理を施し、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0051】
実施例2
実施例1におけるポリエステルDの組成を下記表1に記載のように変更すること以外は実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0052】
実施例3
実施例1におけるポリエステルDの組成を表1に記載のように変更すること以外は実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0053】
比較例1
実施例1において、層構成をポリエステルD/ポリエステルD/ポリエステルDとし、各層の厚さを2/21/2(μm)として、厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0054】
比較例2〜3
実施例1において、ポリエステルEの組成を下記表1に記載のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0055】
比較例4〜5
実施例1において、ポリエステルDの組成を下記表1に記載のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、各層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0056】
比較例6〜7
実施例1において、ポリエステルDのポリテトラメチレンエーテルグリコールの数平均分子量を下記表1に記載のものに変更すること以外は、実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0057】
比較例8
実施例1において、層構成をポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEとし、各層の厚さが6/13/6(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0058】
比較例9
実施例1において、層構成をポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEとし、各層の厚さが0.5/24/0.5(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0059】
比較例10〜13
実施例1において、ポリエステルEの添加粒子の粒径および添加濃度を下記表1記載のように変更すること以外は、実施例1と同様にして、層構成がポリエステルE/ポリエステルD/ポリエステルEであり、各層の厚さが2/21/2(μm)である厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0060】
以上、実施例および比較例で得られたフィルムの内容および特性をまとめて下記表1〜2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
上記表中、IPAはイソフタル酸、TPAはテレフタル酸、EGはエチレングリコール、PTMGはポリテトラメチレンエーテルグリコールを意味する。
【0063】
【表2】
【0064】
本発明の要件を満たす実施例1〜3の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、柔軟性、透明性、滑り性、巻き特性、耐ブロッキング性に優れるものであった。
これに対し、比較例1〜13の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、本発明の要件を満たしていないため、フィルムの柔軟性、透明性、滑り性、巻き特性、耐ブロッキング性に劣るものであった。
【0065】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、柔軟性、透明性、滑り性、巻き特性、耐ブロッキング性に優れるものであり、その工業的価値は高い。
Claims (1)
- A層、B層およびC層の少なくとも3層のポリエステル層からなる共押出し積層フィルムであって、最外層であるA層およびC層は、平均粒径が0.1〜5.0μmの不活性微粒子を0.01〜1.0重量%含有し、かつジカルボン酸成分の5〜30モル%がイソフタル酸であるポリエステルからなり、中間層であるB層は、ジカルボン酸成分、脂肪族または脂環式のジオール成分および数平均分子量が300〜4000のポリアルキレンエーテルグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルからなり、B層の全フィルム厚みに占める厚み割合が60〜95%であって、フィルム表面の中心線平均粗さが0.010〜0.100μmであることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフィルム。
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JP2006051747A (ja) * | 2004-08-16 | 2006-02-23 | Mitsubishi Polyester Film Copp | 成形同時転写用ポリエステルフィルム |
JP2007050631A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Mitsubishi Polyester Film Copp | キャスト法によるプラスチックフィルム製造用支持体フィルム |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002363728A patent/JP2004195672A/ja active Pending
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