JP2006341546A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 包装材料として求められる耐屈曲ピンホール性に優れるだけでなく、耐突刺ピンホール性にも優れる二軸配向ポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】 、エチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(A)60〜90質量%とブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(B)40〜10重量%からなるポリエステル層(1)の両面に、ポリエステル層(1)よりもポリエステル樹脂(B)の含有量が少ないポリエステル層(2)が配置されてなる積層フィルムであって、該フィルムの面配向係数が0.16〜0.175、フィルム長手方向と幅方向屈折率の差の絶対値が0.0001〜0.01であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は二軸配向ポリエステルフィルムに関し、特に突刺強度や耐屈曲性に優れ、軟包装材料として好適に使用することができる二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムの代表例であるポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムは、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他多くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、光学材料、情報通信材料、包装材料など幅広い分野において使用されている。
しかしながら、耐屈曲ピンホール性や耐突刺ピンホール性が特に重要となる包装材料用途においては、ポリエチレンテレフタレートではその強靱さの裏返しである硬さ故に特性が不十分であり、柔軟性に優れる脂肪族ポリアミド二軸延伸フィルムが多く使用されている。
しかしながら、脂肪族ポリアミドは、その化学構造から水との親和性が高いために吸水性が高く、湿度寸法安定性に劣ったり、平面性の悪化、フィルム物性の吸湿による経時変化などポリマー由来の本質的な問題があり、ガスバリア性を高めるための金属化合物の蒸着が困難であったり、吸湿により印刷や、ラミネート層との接着力が低下するという問題がある。一方、芳香族ポリアミドは芳香環を有することで吸湿性については改善されるが、溶融製膜が困難であり、溶液製膜であっても特殊で危険性の高い溶媒を使用しなければならず、生産性と経済的な点で包装材料に用いることは困難であるという問題がある。
それに対して、ポリエステルは溶融製膜可能であり、吸湿性にも乏しいことから、ポリアミドのような問題は生じないが、先に述べたように包装材料に要求される耐屈曲ピンホール性、耐突刺ピンホール性に劣るという課題があった。
これらの問題点に対し、従来、ポリアミドフィルムに匹敵する耐屈曲ピンホール性を有するポリエステルフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートをアロイ化したフィルムが提案されている(たとえば、特許文献1〜4参照)。しかしながら、これら提案のフィルムでは突刺強度が十分ではなく、鋭利でない固形物を内容物した場合にも、突刺ピンホールが発生する場合があった。また、耐屈曲性に加えて包装袋の落下破壊を向上させるこころみとして、低ガラス転移温度であるエラストマーを添加したポリエステルフィルムの提案がなされている(たとえば、特許文献3〜5参照)。しかしながら、これら提案のフィルムでは、柔軟成分であるエラストマーの影響で耐突刺ピンホール性が劣化してしまうという問題があった。
さらに、耐屈曲性に優れるだけでなく、金属化合物や酸化物などの蒸着適性に優れる積層フィルムの提案もなされている(たとえば、特許文献6参照)。しかしながら、この提案では柔軟成分を添加していることもあって、フィルムの長手方向と幅方向のバランスが悪く、機械強度の極小値となる方向で破壊が起こるため、突刺強度に劣るという課題があった。
また、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートを混合し、フィルムの配向、ヘーズや熱収縮率の縦横比を特定の範囲とすることでポリエステルフィルムの包装材としての特性を向上させる試みが提案されている(たとえば、特許文献7、8参照)が、これら提案は特性が不十分であるだけでなく、フィルムの還元粘度が高いことで特性を発現させており、生産性に劣るばかりか、現在広く用いられている広幅のフィルム製造装置では製造困難なものでしかなかった。
特開2003−113258号公報 特開2003−113259号公報 特開2004−114476号公報 特開2004−115782号公報 特開2004−18742号公報 特開2004−98596号公報 特開2005−60617号公報 特開2005−60618号公報
本発明の課題は上記した問題点を解消することにある。すなわち、包装材料として求められる耐屈曲ピンホール性に優れるだけでなく、耐突刺ピンホール性にも優れる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
上記課題は、エチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(A)60〜90質量%とブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(B)40〜10重量%からなるポリエステル層(1)の両面に、ポリエステル層(1)よりもポリエステル樹脂(B)の含有量が少ないポリエステル層(2)が配置されてなる積層フィルムであって、該フィルムの面配向係数が0.16〜0.175、フィルム長手方向と幅方向屈折率の差の絶対値が0.0001〜0.01であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムによって達成することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、包装材料として求められる耐屈曲ピンホール性に優れるだけでなく、耐突刺ピンホール性にも優れることから、液体だけでなく角を有する固形食品の軟包装資材として使用した場合にも、袋が破袋し難いため軟包装資材の一部材として好適に使用することができる。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル層(1)は、ポリエステル層(1)全体を100質量%として、エチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(A)60〜90質量%とブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(B)40〜10質量%を含有することが耐ピンホール性を向上させるために必要である。寸法安定性と耐ピンホール性のバランスからはポリエステル樹脂(A)が70〜90質量%の範囲に、ポリエステル樹脂(B)が30〜10質量%の範囲であればより好ましく、ポリエステル樹脂(A):ポリエステル樹脂(B)=75〜90質量%:25〜10質量%であれば特に好ましい。樹脂(A)の量が60質量%未満となると、ガラス転移温度が低くなりすぎて、寸法安定性に劣る場合があり、逆に90質量%以上であると、耐ピンホール性に劣る。
ここで、エチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とすると言うことは、ポリエステル樹脂(A)のジカルボン酸成分とグリコール成分が結合してなる繰り返し単位の90モル%以上がエチレンテレフタレート単位からなることを意味している。耐熱性、寸法安定性の観点からは、エチレンテレフタレート単位が95モル%以上であれば好ましい。また、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(B)とは、樹脂(B)のジカルボン酸成分とグリコール成分が結合してなる繰り返し単位の90モル%以上がブチレンテレフタレート単位からなることを意味している。耐熱性、寸法安定性の観点からは95モル%以上がブチレンテレフタレート単位からなることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムに使用するポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)はエチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位以外の成分を共重合しても良い。共重合成分としては特に限定されるものではないが、グリコール成分、ジカルボン酸成分として以下に列挙するものを好ましく用いることができる。
好ましいグリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物などが挙げられる。また、好ましいジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。また、ジカルボン酸エステル誘導体としては上記ジカルボン酸化合物のエステル化物、たとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどを挙げることができる。これらの中でも、ジカルボン酸化合物としてはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸もしくはこれらのジメチルエステル誘導体を、グリコール化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノールを好ましく用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムはポリエステル層(1)の両面にポリエステル層(1)よりもポリエステル樹脂(B)の含有量が少ないポリエステル樹脂層(2)が配置されてなる積層フィルムであることが必要である。ポリエステル層(1)よりもポリエステル層(2)の方がポリエステル樹脂(B)の含有量が多いと、フィルム表面のガラス転移点が低すぎるために、二軸延伸する際に加熱ロールに粘着しやすくなり、表面特性が劣化する場合がある。ポリエステル樹脂層(2)中のポリエステル樹脂(A)の含有量としてはポリエステル層(2)を100質量%として、80〜100質量%であると好ましく、85〜100質量%であればさらに好ましく、90〜100質量%であれば特に好ましい。
ポリエステル層(1)および(2)にはポリエステル樹脂(A)および(B)以外のポリエステル樹脂(C)を含有させてもよいが、耐熱性、寸法安定性の観点から含有量はそれぞれポリエステル層(1)または(2)を100質量%として、0.01〜5質量%とすることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、耐屈曲性だけでなく耐突刺ピンホール性の観点から、積層フィルムの面配向係数が0.16〜0.175であることが必要である。面配向係数が0.16未満であると、耐屈曲および耐突刺ピンホール性が満足する値に到達できない。また、面配向係数を0.175を越える値とすることは、本発明のポリエステル樹脂を使用している限りにおいて、現実的でない。耐ピンホール性を向上させる観点およびフィルム製造の安定性の点からは面配向係数は0.163〜0.173であることがより好ましく。0.165〜0.172であれば特に好ましい。
本発明においてフィルムの面配向係数を0.16〜0.175とするための達成方法としては、二軸配向フィルムを製造する際の製膜条件の中でも特に延伸条件により達成可能である。具体的には、フィルムの長手方向および幅方向に60〜120℃の温度において各々3〜6倍延伸する条件であり、なおかつ、面倍率(長手方向延伸倍率×幅方向延伸倍率)が12〜25倍であることが好ましい。また、延伸後の熱固定工程において、熱処理温度を170〜220℃とすることは延伸による結晶配向を緩和させず、非晶部のひずみのみが緩和され、ポリエステルフィルム本来の強度を維持したまま耐ピンホール性を大幅に向上させることが可能となるので好ましい事である。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、優れた耐突刺ピンホール特性を発現する観点から、フィルム長手方向と幅方向の屈折率の差の絶対値が0.001〜0.01であることが必要である。屈折率の差の絶対値が0.01を越えるとフィルムの機械特性の偏りが大きくなってしまい、フィルムの面内方向に強度の低い方向が発生してしまい、ピンホールが容易に発生してしまう。耐ピンホール性の観点から、フィルム長手方向と幅方向の屈折率の差の絶対値は0.001〜0.008であればより好ましく、0.001〜0.005であれば特に好ましい。
本発明においてフィルム長手方向と幅方向の屈折率の差の絶対値を0.001〜0.01とするための達成方法としては、二軸延伸フィルムを製造する際の製膜条件、特に延伸条件により調整を行う方法を採ることができる。具体的には、長手方向には60〜100℃の温度で3.5〜5倍延伸し、次いで幅方向に60〜110℃の温度で3.5〜6倍延伸する方法が好ましい。また、長手方向と幅方向の延伸条件、特に温度条件が15℃以上異なると、面内での配向バランスに劣ってしまう場合がある。さらに、フィルムの長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法を採用することは、フィルム長手方向と幅方向の物性バランスを均一化する上で特に好ましい手法である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは耐熱性、寸法安定性、蒸着加工性などの観点から融点が246〜270℃であることが好ましい。融点が246℃未満であると蒸着加工性に劣る場合がある。融点は248〜265℃であればより好ましく、250〜260℃であれば特に好ましい。ここで、本発明におけるフィルムの融点とは、示差走査熱量計を用いて20℃/分で室温から300℃まで昇温し、フィルムの熱特性を測定した際の、最も高温に出現する吸熱ピーク温度の事である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムはフィルムの取扱い性、蒸着加工後の金属蒸着層とフィルムの密着性、蒸着金属層の緻密性の観点からフィルムの両表面を形成するポリエステル層(2)に平均粒子径0.1〜5μmの粒子をポリエステル層(1)を100質量%として、0.01〜0.2質量%含有することが好ましく、フィルムの内層を形成するポリエステル層(1)の粒子濃度はポリエステル層(2)よりも少ないことが好ましい。ここで、ポリエステル層(2)中の粒子濃度が0.01質量%未満であると、フィルム表面が平滑すぎるためにフィルムの取扱いが困難となり、巻じわなどの発生の原因となる場合がある。一方、粒子濃度が0.2質量%を越えると表面がマット状に粗れてしまい、ヘーズアップしたり、金属蒸着を行う際には均一な蒸着層が形成できない場合がある。ポリエステル層(2)の粒子含有量としては0.02〜0.1質量%であればより好ましい。また、平均粒子径としては0.2〜3μmの粒子であればより好ましく、平均粒子径が0.5〜2.5μmであれば特に好ましい。一方、ポリエステル層(1)には粒子を含有させる必要はないが、フィルム製造時に発生するエッジなどを再チップ化し、回収原料として使用する場合が多いが、本発明のフィルムではポリエステル層(1)に回収原料を使用する事が好ましいため、ポリエステル層(2)に添加した粒子が回収原料として層(1)に添加され、ポリエステル層(2)よりも低濃度で粒子がポリエステル層(1)に存在することが好ましい形態となる。ポリエステル層(1)中の粒子含有量のより好ましい範囲としては0.005〜0.1質量%である。
ここで、本発明で用いることができる粒子としては、たとえば、内部粒子、無機粒子、有機粒子を挙げることができる。本発明のポリエステルフィルムに内部粒子を析出させる方法としては、たとえば、特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、および特開昭54−90397号公報などに記載の技術を採用することができる。さらに、特公昭55−20496号公報や特開昭59−204617号公報などに記載の他の粒子を併用することもできる。また、本発明のポリエステルフィルムに含有させることができる無機粒子としては、たとえば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなど、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種以上を併用してもよい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、蒸着や他のフィルム素材との貼合せ時における寸法安定性などの観点で、150℃におけるフィルム幅方向の熱収縮率が−0.1〜3%であることが好ましい。熱収縮率が−0.05〜2.5%であればさらに好ましい。フィルム幅方向の熱収縮率を掛かる好ましい範囲とする方法として、二軸配向フィルムの製造工程における熱固定工程において、高温熱固定する方法や幅方向に延伸後のフィルムの幅方向の張力を弛緩させて熱処理する方法、緊張下で熱処理後に該熱処理温度10〜30℃低温で弛緩熱処理する低温リラックス方などにより達成することができる。包装材料として用いる場合には高温での熱固定は耐ピンホール性を悪化させる場合があるので、低温リラックス法を好ましく採用することができる。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは150℃におけるフィルムの長手方向と幅方向の熱収縮率の差の絶対値が1.2〜3%であることが好ましい。差の絶対値が1.2〜2.5%であるとフィルムの長手方向と幅方向の物性バランスに優れるのでさらに好ましい。差が1.2%未満であると長手方向の延伸が十分でなく、一見バランスが良さそうで実は物性バランスに劣り、その結果として耐ピンホール性に劣る場合がある。逆に3%を越えると長手方向と幅方向の物性差が多くなりすぎて加工性が悪化する場合がある。フィルム長手方向と幅方向の熱収縮率の差の絶対値を掛かる好ましい範囲とする方法としては、上記幅方向の熱収縮率を好ましい範囲とする方法がそのまま好ましく採用することができる。
本発明のポリエステルフィルムは包装材料として使用する場合の加工適性、生産性、取扱い性の観点から極限粘度が0.55〜0.7であることが好ましい。極限粘度が0.55未満であるとフィルムの強度が低いため、耐ピンホール性に劣る場合がある。逆に0.7を越えるとフィルム製造時、たとえば押出工程であれば、せん断発熱による分子量低下を抑制するために特殊なスクリューを採用したり、押出温度条件を特殊なものにする必要がある。また、延伸工程においても分子鎖どうしの絡まり間密度が高くなるために延伸張力が高くなるため、加熱ロールの補強が必要であったりするなど生産上に重大な問題を発生させてしまう場合があったり、同じ熱工程条件を採用しても熱収縮率が高くなりやすく、包装材料として印刷工程や他のフィルム素材との貼合せ工程において熱が加わるとピッチズレが起こりやすいなどの問題が生じる場合がある。フィルムの取扱い性の観点からは極限粘度は0.55〜0.67であればより好ましく、0.55〜0.65であれば特に好ましい。本発明においてフィルムの極限粘度を掛かる好ましい範囲とする方法としては、ポリエステルフィルムを生産する際に使用するポリエステル樹脂の極限粘度を、掛かる範囲もしくは若干高め、具体的には0.55〜0.73であるポリエステル樹脂を用いる方法が好ましい。また、融点の異なるポリエステル樹脂を混合して使用する場合には、融点差に起因する溶融粘度が異なってしまう。したがって、均一に混合し溶融押出を行うために、融点の高い樹脂に対して融点の低い樹脂の極限粘度が高いことが好ましく、その際極限粘度は樹脂間の融点の差分に0.02を係数として掛け合わせた値とすることが好ましい。具体的には極限粘度が0.6〜0.65の融点が255℃であるポリエチレンテレフタレート樹脂に融点が230℃のポリブチレンテレフタレート樹脂を混合する場合、融点差が25℃であることから、ポリブチレンテレフタレート樹脂の好ましい極限粘度範囲は1.1〜1.15である。また、ポリエステル樹脂を溶融押出前に真空や不活性ガス雰囲気下で乾燥を行うことは樹脂を溶融押出した際の加水分解による分子量低下に伴う極限粘度低下を抑制する観点で好ましく、具体的には乾燥後の樹脂中の水分量が50ppm未満となるように乾燥することが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは耐ピンホール性を向上させる観点から、フィルムを示差走査熱量計で一度溶融させた後に急冷し、再度昇温した際の結晶化ピークの半価幅が0.01〜1分であることが好ましい。半値幅が0.01分未満であると結晶性が高すぎるために脆いフィルムとなりやすく、逆に1分を越えると結晶性が低いために寸法安定性や耐ピンホール性、耐突刺性に劣る場合がある。包装材料として優れた特性を発現する観点からは、結晶化ピークの半価幅が0.1〜1分であればより好ましく、0.2〜0.9分であれば特に好ましい。結晶化ピークの半価幅を掛かる好ましい範囲とする方法としては、半結晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂にポリブチレンテレフタレート樹脂、あるいは0.1〜10モル%共重合を施したポリブチレンテレフタレート樹脂を混合したフィルムにおいて、溶融押出時のポリエチレンテレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂との間で起こるエステル交換反応の反応率を0.01〜10%の範囲とする事が好ましい。ここで、エステル交換反応率を掛かる範囲とするには、フィルム製造に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂の少なくともどちらか一方を固相重合を施す方法や、反応性に影響を及ぼすカルボキシ末端基量を1〜30ミリ当量/kgとなるように樹脂の製造の際の重合温度、重合触媒を選定する方法などを挙げることができる。
次に本発明の積層二軸配向ポリエステルフィルムの具体的な製造方法について記載する。まず、本発明のフィルムで用いるポリエステル樹脂については、上市されているポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂を購入しそのまま用いることができるが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の場合、以下のように重合することができる。
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。粒子を添加する場合は、エチレングリコールに粒子を分散させたスラリーを所定の粒子濃度となるように重合反応釜に添加して、重合を行うことが好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造は、たとえば以下のように行うことができる。テレフタル酸100質量部、および1,4−ブタンジオール110質量部の混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、0.054質量部のオルトチタン酸テトラ−n−ブチルと、0.054質量部のモノヒドロキシブチルスズオキサイドとを添加しエステル化反応を行う。ついで、0.066質量部のオルトチタン酸テトラ−n−ブチルを添加して、減圧下で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
以上のようにして得られたポリエステル樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する際の好ましい方法について、具体的に記述する。本発明はこの方法に限られるものではない。まず、使用するポリエステル樹脂を混合する場合はポリエステル層(1)およびポリエステル層(2)が各々所定の割合となるようにポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を計量し、各々混合する。ついで、窒素雰囲気、真空雰囲気などで、たとえば150℃、5時間の乾燥を個別に行い、ポリエステル樹脂中の水分率を好ましくは50ppm以下とする。その後、各層ごとに押出機に供給し溶融押出する。なお、ベント式二軸押出機を用いて溶融押出を行う場合は樹脂の乾燥工程を省略してもよい。ついで、別々の経路にてフィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を行い、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてポリエステル層(2)/ポリエステル層(1)/ポリエステル層(2)の2種3層積層構成となるように積層した後、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
ついで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行なう。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、3〜6倍、さらに好ましくは3.2〜5.5倍、特に好ましくは3.5〜4.5倍が採用される。延伸倍率が3倍未満であると、フィルムの厚み斑が著しく悪化する場合がある。一方、延伸倍率が6倍を越えると製膜安定性に劣り、フィルム製造中にフィルム破れが起こる場合がある。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。好ましい延伸温度としては、ガラス転移点〜(ガラス転移点+50℃)の温度が採用されるが、さらに好ましくは60〜120℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を60〜100℃、幅方向の延伸温度を60〜110℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なう。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、170〜220℃の熱処理温度とするのが好ましい。フィルムの耐屈曲性、耐突刺性の点からは190〜215℃であればより好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行うのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。また、上記したように、緊張下で熱処理を行った後、該処理温度の10〜30℃低温で弛緩熱処理を行うことは好ましいことである。さらに、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、フィルム表面にコーティング層を設けることもできる。
コーティング層をフィルム製造工程内のインラインで設ける方法としては、少なくとも一軸延伸を行ったフィルム上にコーティング層組成物を水に分散させたものをメタリングリングバーなどを用いて均一に塗布し、延伸を施しながら塗剤を乾燥させる方法が好ましく、その際コーティング層厚みとしては0.01〜0.5μmとするのが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは包装材料として用いることを目的としていることから、成形後のフィルム厚みが3μm未満となると取扱い性の点で劣る場合がある。したがって、フィルム厚みとしては5〜15μmであることが好ましい。フィルム厚みが15μmを越えると、耐屈曲性に劣る場合がある。さらに好ましいフィルム厚みとしては6〜15μmであり、8〜13μmであると特に好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは包装材料として他の素材との貼り合せや接着剤などのコーティング、印刷や金属化合物などの蒸着をフィルム表面に容易に施す観点から、フィルムの少なくとも片面の表面自由エネルギーが45〜60mN/mであることが好ましい。密着力の観点からは48〜58mN/mであればより好ましい。表面自由エネルギーを掛かる好ましい範囲とする方法としては、フィルム表面に空気中、窒素ガス雰囲気中などでコロナ放電などによる表面処理を行う方法や火炎による表面処理を施す方法などを挙げることができる。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムはフィルムの少なくとも片面に金属化合物あるいは金属酸化物を蒸着し、蒸着膜を形成することでガスバリアフィルムとして使用することが好ましい。蒸着膜を生成するために用いる金属化合物または金属酸化物としては、周期表2A族であるマグネシウム、カルシウム、バリウム、2B族であるチタン、ジルコニウム、3B族であるアルミニウム、インジウム、4B族のケイ素、ゲルマニウム、スズおよびこれらの酸化物を挙げることができる。これらの中でも、特にアルミニウム、ケイ素およびその酸化物が好ましい。また、これらの金属化合物およびその酸化物は複数を組み合わせて蒸着膜を形成しても良い。
蒸着膜の形成方法としては、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。なお、ポリエステルフィルムと蒸着層との密着性を向上させるために、フィルムの表面にがコロナ処理などの表面処理だけでなくアンカーコート剤を塗布するなどの方法で前処理しておくことは望ましいことである。また、蒸着膜の厚みとしては、1〜500nmであれば好ましく、3〜300nmであればより好ましい。生産性の点からは3〜200nmであることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、包装材料として求められる耐屈曲ピンホール性に優れるだけでなく、耐突刺ピンホール性にも優れることから、液体だけでなく角を有する固形食品の軟包装資材として使用した場合にも、袋が破袋し難いため軟包装資材の一部材として好適に使用することができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお特性は以下の方法により測定、評価した。
(1)屈折率、面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いてフィルム長手方向、幅方向および厚み方向の屈折率(各々、nMD、nTD、nZD)を求めた。また、この屈折率を用いて、面配向係数(fn)およびフィルム長手方向と幅方向屈折率の差の絶対値(Δn)を以下の式から算出した。なお、測定はフィルムの表面にコーティングなどが施されている場合は別にして、任意の面に対して任意の3ヶ所で行い、その平均値で評価した。また、フィルムの片面がコーティングなどの処理により屈折率の測定が困難な状態となっている場合は、処理を行っていない面について評価を行った。さらに、フィルムの両面についてコーティングなどにより屈折率の測定がそのままでは困難な場合は、コーティング層を溶剤で洗浄する等の前処理を行った後、測定を行うこととした。
fn=(nMD+nTD)/2−nZD
Δn=|nMD−nTD
(2)融点
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用いて測定した。フィルム5mgをサンプルとしてアルミパンに詰め、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際の吸熱ピーク温度を融点とした吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側の吸熱ピークのピーク温度を融点とした。
(3)結晶化ピークの半価幅
上記、融点の測定直後にサンプルをアルミパンごと液体窒素に浸漬し急冷を行った。急冷後のサンプルを再度、示差走査熱量計で20℃/分で25℃から300℃まで昇温した際の結晶化に伴う発熱ピークについて、ベースラインとピークトップまでの高さを2等分する高さでのピーク幅を半価幅とした。なお、昨今の示差走査熱量計は横軸を温度に自動変換して表示するソフトが導入されているが、測定原理に基づき横軸を時間とする本来のDSC曲線を採用することで結晶性の指標として評価を行った。
(4)平均粒子径、粒子濃度
フィルムの表面からポリエステル樹脂をプラズマ低温灰化処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件はポリエステル樹脂が灰化されるが、粒子はダメージを受けない条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所を変更して粒子数500個以上で次の数値処理を行いそれによって求めた数平均粒子径Dを平均粒子径(円相当径)とする。また、同時にX線マイクロアナライザーを使用して粒子濃度を決定した。
D=ΣDi/N
ただし、Di:i番目の粒子の円相当径(iは1〜Nまでの整数)、N:粒子数。なお、円相当径については、たとえば「新実験化学講座18界面とコロイド」(日本化学会編、丸善株式会社(1997年))の380ページに解説されている。
(5)熱収縮率
フィルムの長手方向および幅方向に長さ200mm、幅10mmの矩形にサンプルを切り出した。サンプルの長さ方向に間隔150mmで標線を描き、1gの荷重を掛けて150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間吊し、加熱を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前の距離からの変化率を熱収縮率として算出した。測定はフィルムの長手方向および幅方向に各々5サンプル行い、その平均値を求めた。
熱収縮率(%)=100×(L−L)/L
ただし、L:加熱前の標線間距離、L:150℃30分間の加熱処理後の標線間距離
(6)極限粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの極限粘度は、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
(7)表面自由エネルギー
測定液としては、水、エチレングリコール、ホルムアミドおよびジヨードメタンの4種類を使用し、接触角計(協和界面科学(株)製CA−D型)を用いて各液体のフィルム表面に対する静的接触角を求めた。それぞれの液体について5回測定し、その平均接触角(θ)と測定液(j)の表面張力の各成分を下式にそれぞれ代入し、4つの式からなる連立方程式をγ、γ、γについて解いた。
(γγj1/2+2(γγj1/2+2(γjγ1/2
=(1+cosθ)[γj+2(γjγj1/2]/2
ただし、γ=γ+2(γγ1/2
γj=γj+2(γjγj1/2
ここで、γ、γ、γ、γは、それぞれフィルム表面の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを、また、γj、γj、γj、γjは、ぞれぞれ用いた測定液の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを示す。また、ここで用いた各液体の表面張力は、Oss("fundamentals of Adhesion", L. H. Lee(Ed.), p153, Plenum ess, New York (1991).)によって提案された表1の値を使用した。
Figure 2006341546
(8)カルボキシル末端基量
ポリエステル樹脂もしくはフィルムをオルソクロロフェノール/クロロホルム(質量比7/3)の混合溶液に100℃、20分の条件で溶解し、水酸化カリウムを用いて電位差適定を行い求めた。
(9)フィルム組成
フィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)もしくはHFIPとクロロホルムの混合溶媒に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。
(10)耐屈曲ピンホール性
ポリエステルフィルムに酢酸エチルで4倍に希釈した接着剤(三井武田ケミカル(株)製タケラックA−616、タケネートA−65を質量比で16:1で混合して用いた)を接着剤塗布厚み3g/mとなるようにメタリングバーで塗布し、60℃で1分間乾燥後、厚さ100μmの無延伸の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製FCD−MCS)を貼り合わせた。40℃で7時間エージングを行い評価に供した。評価は、ASTM F−392に準じて、300×210mmの大きさに切り出したラミネートフィルムをゲルボフレックステスターを使用し、15℃の温度雰囲気にて、500回の繰り返し屈曲試験を実施した。なお、装置に取り付ける際、ポリエステルフィルムが外面となるようにした。試験をサンプルを変えて5回行い、ピンホール個数の平均値を算出した。ピンホール個数が2.0個以上の場合は、包装材料としての性能に問題があると判断した。
(11)耐突刺ピンホール性
上記と全く同様に作製した二軸配向ポリエステルフィルムと無延伸ポリエチレンフィルムのラミネートフィルムを、直径40mmのリングにフィルムを弛みのないように張り、先端角度60度、先端R0.5mmのサファイア製針を使用し、円の中央を50mm/分の速度でポリエチレンフィルム側から突き刺し、針が貫通するときの荷重(N)を突刺強さとした。突刺強さが8N以下の場合は、包装材料としての性能に問題があると判断した。
(12)ガスバリア性
ポリエステルフィルムに連続式真空蒸着機によりアルミニウムを蒸着層厚さ30nmに蒸着した。該アルミニウム蒸着フィルムを使用して、酸素透過率はASTM D−3985に準じて、モダンコントロール(株)製酸素透過率測定装置OX−TRAN100を用いて、20℃、0%RHの条件にて測定した。一方、水蒸気透過率は同様に蒸着したフィルムを使用して、モダンコントロール(株)製水蒸気透過率計PERMATRAN−W1Aを用いて、40℃、90%RHの条件で測定した。
(ポリエステルの製造)
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
(ポリエステルA)
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール60質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、極限粘度0.65,副生したジエチレングリコール量2モル%のポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。これを、ポリエステルAとした。
(粒子マスターP)
上記ポリエステルAを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径2.4μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2質量%の粒子マスターPを得た。
(粒子マスターQ)
上記ポリエステルAを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径1.1μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度4質量%の粒子マスターQを得た。
(粒子マスターR)
上記ポリエステルAを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径0.6μmの単分散球状シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2質量%の粒子マスターRを得た。
(ポリエステルB)
テレフタル酸100質量部、および1,4−ブタンジオール110質量部の混合物を、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054質量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054質量部を添加し、エステル化反応を行った。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066質量部を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、極限粘度0.75のポリブチレンテレフタレート樹脂を作製した。その後、140℃、窒素雰囲気下で結晶化を行い、ついで窒素雰囲気下で200℃、6時間の固相重合を行い、極限粘度1.22のポリブチレンテレフタレート樹脂とした。これを、ポリエステルBとした。
(ポリエステルC)
ポリエステルAの重合において重縮合時間を調整し極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。これを、ポリエステルCとした。
(ポリエステルD)
テレフタル酸ジメチル83質量部、イソフタル酸ジメチル17質量部、エチレングリコール67質量部の混合物に、酢酸マグネシウムを0.08質量部、三酸化アンチモン0.022質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃メタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.019質量部と平均粒子径0.8μmの凝集シリカ粒子が樹脂中に粒子濃度0.06質量%となるようにエチレングリコールスラリーを添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に280℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.7となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして粒子を含有してなるイソフタル酸を17モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂(副生したジエチレングリコール量2.4モル%、融点220℃)を得た。これをポリエステルDとした。
(ポリエステルE)
ポリエステルBの重合においてテレフタル酸100質量部の代わりに、テレフタル酸90質量部、おいびイソフタル酸10質量部を用いてポリエステルBと同様の方法で重合を行い、イソフタル酸10モル%共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂(融点210℃)を作製した。これを、ポリエステルEとした。
(実施例)
以下に本発明の実施例と比較例を示す。
(実施例1)
層1のポリエステル樹脂として、ポリエステルAとポリエステルBを80:20の質量比で混合して使用した。また、層2のポリエステル樹脂としてポリエステルAと粒子マスターPを質量比で95:5の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:22:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、85℃にて4倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度90℃で幅方向に4.2倍延伸した。そして、そのままテンター内にて210℃5秒間の熱固定を行い、ついで、幅方向に5%のリラックスを掛けながら190℃で5秒間の熱処理を行った。テンターから出たフィルムはワインダーで巻き取る間にインライン欠点検出器を通しかつコロナ放電処理をE値40でフィルム上面に施して巻取り、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。なお、E値とはコロナ放電処理強度であり、印加電圧(Vp)、印加電流(Ip)、処理速度(S)、処理幅(Wt)の関数であり、E=(Vp×Ip)/(S×Wt)である。
(実施例2)
層1のポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターPを68:30:2の質量比で混合して使用した。また、層2のポリエステル樹脂としてポリエステルAと粒子マスターPを97:3の質量比で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、270℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:10:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、83℃にて3.8倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度95℃で幅方向に4倍延伸した。そして、そのままテンター内にて210℃10秒間の熱固定を行った。テンターから出たフィルムはワインダーで巻き取る間にインライン欠点検出器を通しかつコロナ放電処理をE値40でフィルム上面に施して巻取り、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例3)
層1のポリエステル樹脂として、ポリエステルAとポリエステルBを85:15の質量比で混合して使用した。また、層2のポリエステル樹脂としてポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターQを質量比で94:5:1の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより22℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:13:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、88℃にて3.8倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度75℃、延伸温度95℃で幅方向に3.8倍延伸した。そして、そのままテンター内にて幅方向に6%のリラックスを掛けながら205℃で9秒間の熱処理を行った。テンターから出たフィルムはワインダーで巻き取る間にインライン欠点検出器を通しかつコロナ放電処理をE値45でフィルム上面に施して巻取り、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例4)
層1のポリエステル樹脂として、ポリエステルAとポリエステルEを80:20の質量比で混合して使用した。また、層2のポリエステル樹脂としてポリエステルD、ポリエステルEと粒子マスターPを質量比で81:15:4の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、270℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより22℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:10:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、82℃にて3.8倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度90℃で幅方向に3.9倍延伸した。そして、そのままテンター内にて幅方向に3%のリラックスを掛けながら200℃で10秒間の熱処理を行い、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例5)
層1のポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターPを60:35:5の質量比で混合して使用した。また、層2のポリエステル樹脂としてポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターPを質量比で91:5:4の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、270℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより20℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:13:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、85℃にて3.7倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度90℃で幅方向に3.7倍延伸した。そして、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら200℃で10秒間の熱処理を行った。テンターから出たフィルムはワインダーで巻き取る間にインライン欠点検出器を通しかつコロナ放電処理をE値45でフィルム上面に施して巻取り、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例6)
層1のポリエステル樹脂として、ポリエステルAとポリエステルBを90:10の質量比で混合して使用した。また、層2のポリエステル樹脂としてポリエステルAと粒子マスターRを質量比で96:4の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて150℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより20℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:13:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、88℃にて4.0倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度75℃、延伸温度90℃で幅方向に3.8倍延伸した。そして、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら210℃で10秒間の熱処理を行った。テンターから出たフィルムはワインダーで巻き取る間にインライン欠点検出器を通しかつコロナ放電処理をE値45でフィルム上面に施して巻取り、フィルム厚み11μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例7)
層1のポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターRを78:20:2の質量比で混合して使用した。また、層2のポリエステル樹脂としてポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターRを質量比で86:10:4の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:13:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、85℃にて3.9倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度75℃、延伸温度90℃で幅方向に3.8倍延伸した。そして、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら205℃で10秒間の熱処理を行った。テンターから出たフィルムはワインダーで巻き取る間にインライン欠点検出器を通しかつコロナ放電処理をE値40でフィルム上面に施して巻取り、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
(比較例1)
層1として、ポリエステルAとポリエステルBを75:25の質量比で、層2としてポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターPを質量比で71:25:4の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて160℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、各々別の単軸押出機に供給、270℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイ上部に接地したフィードブロックにて層2/層1/層2の2種3層の積層化を行いそのままTダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。なお、積層厚み比は1:10:1となるように積層した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、92℃にて3.4倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度105℃で幅方向に3.7倍延伸した。そして、そのままテンター内にて幅方向に3%のリラックスを掛けながら205℃で10秒間の熱処理を行った。テンターから出たフィルムはワインダーで巻き取る間にインライン欠点検出器を通しかつコロナ放電処理をE値35でフィルム上面に施して巻取り、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
(比較例2)
ポリエステルA、ポリエステルBと粒子マスターPを質量比で90:7:3の割合で混合して使用した。混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、単軸押出機に供給、275℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、95℃にて3.4倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度105℃で幅方向に3.7倍延伸した。そして、そのままテンター内にて幅方向に3%のリラックスを掛けながら210℃で10秒間の熱処理を行った。テンターから出たフィルムはインライン欠点検出器を通してから巻取り、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを得た。
(比較例3)
ポリエステルC、ポリエステルBと粒子マスターPを83:15:2の割合で混合して使用した。混合したポリエステル樹脂を回転式真空乾燥機にて160℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した。その後、単軸押出機に供給、270℃で溶融し、フィルターにて異物、粗大粒子を除去し、ギアポンプで流量を均整化し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。吐出したポリマーはワイヤー電極を使用して静電印加することで冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。ついで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルムを加熱し、100℃にて3.5倍延伸した。ついで、テンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度110℃で幅方向に3.9倍延伸した。そして、そのままテンター内にて200℃10秒間の熱固定を行い、ついで、幅方向に7%のリラックスを掛けながら210℃で10秒間の熱処理を行っい、厚み15μmの二軸配向フィルムを得た。
Figure 2006341546
Figure 2006341546
Figure 2006341546
なお、表中のMD/TDは、各々フィルム長手方向/幅方向を示している。また、ガスバリア性の単位は正式には、酸素バリア性がcm/m・day、水蒸気バリア性がg/m・dayである。
また、実施例、比較例において粒子マスター主たる構成成分がポリエステルAと同一であることから、ポリエステル樹脂(A)と見なすことができるため、他のポリエステル樹脂(A)と合算して、混合比を算出することとした。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、包装材料として求められる耐屈曲ピンホール性に優れるだけでなく、耐突刺ピンホール性にも優れることから、液体だけでなく角を有する固形食品の軟包装資材として使用した場合にも、袋が破袋し難いため軟包装資材の一部材として好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. ポリエステル層(1)を100質量%として、エチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(A)60〜90質量%とブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂(B)40〜10重量%を含有するポリエステル層(1)の両面に、ポリエステル層(1)よりもポリエステル樹脂(B)の含有量が少ないポリエステル層(2)が配置されてなる積層フィルムであって、該積層フィルムの面配向係数が0.16〜0.175、フィルム長手方向と幅方向屈折率の差の絶対値が0.0001〜0.01であることを特徴とする積層二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 融点が246〜270℃であることを特徴とする請求項1に記載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステル層(2)に平均粒子径0.1〜5μmの粒子をポリエステル層(2)全体を100質量%として0.01〜0.2質量%含有し、かつポリエステル層(1)中の粒子濃度がポリエステル層(2)よりも少ないことを特徴とする請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 150℃におけるフィルム幅方向の熱収縮率が−0.1〜3%であり、フィルム長手方向と幅方向の熱収縮率の差の絶対値が1.2〜3%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. フィルムの極限粘度が0.55〜0.7であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. フィルムの少なくとも片面の表面自由エネルギーが45〜60mN/mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、金属化合物あるいは金属酸化物を蒸着してなるガスバリアフィルム。
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