JP2007111877A - 成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 均一な金属蒸着するに耐えられる耐熱性、寸法安定性を有し、かつ深い絞りにも対応可能であり、かつ熱成形後に成形物の外観を損なわない程度の透明性を有するフィルムを提供することにある。
【解決手段】 ポリエステルフィルムにおいて、少なくとも3層以上の積層構造からなり、融点が246℃〜270℃であり、X線回折強度により得られる(100)面の結晶サイズが6.0nm〜8.0nmであり、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の伸度が150〜300%であり、かつ該ポリエステルフィルム両表面における面配向係数(fn)が0.08〜0.14であることを特徴とする成形部材用二軸延伸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関し、特にフィルム表面に金属蒸着した後に成形加工されるメッキ調成形部材に好適にしようすることができる成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
近年、建材、自動車部品や携帯電話や電機製品などにおいて樹脂を射出成型したものにメッキを施し、金属調の外観を有する部材が多数用いられている。しかしながら、環境問題への関心が高まるにつれて、樹脂にメッキをする際の薬液漕中のメッキ液が環境に及ぼす影響が問題視されつつあり、特にメッキ液の漏出防止への取組みが必要であり、さらにはメッキ液そのものを規制する動きも出つつある。
そのような中、メッキに代わる金属調成型部材として、ポリエステルフィルムに金属蒸着を施し、その後成形加工する提案が近年なされてきている。無延伸ポリエステルフィルムに金属蒸着を施し、さらに他の樹脂シートと貼り合せて自動車用部品として用いる提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。しかし、この提案では無延伸フィルムを用いていることから、熱寸法安定性に問題があり、均一な金属蒸着を施すことが困難であり、さらには、成形後の部品の経時変化、耐薬品性などで課題を有している。また、二軸配向フィルムであっても、共重合ポリエステルを用い、融点の比較的低いフィルムを用いることで成型部材として用いる提案がなされている(たとえば、特許文献2、3参照)。しかしながら、これらで提案されているフィルムでは、共重合のため結晶性が低く抑えられているが故、熱成形時に球晶成長が顕著となり、成形前後でフィルムの白濁により、成形部材としての外観が損ねられるという問題がある。これらの課題を解決しうるフィルムとして、高融点であるポリエチレンテレフタレートを使用した易成形性フィルムの提案がなされている(たとえば、特許文献4参照)が、ここで提案されているフィルムでは変形時の応力が高すぎるため、目的とする部材にまで熱成形で成形加工することが困難である。
特開2004−98485号公報 特開2005−97528号公報 特開2004−131546号公報 特開2001−347565号公報
本発明の課題は上記した問題点を解消することにある。すなわち、均一な金属蒸着するに耐えられる耐熱性、寸法安定性を有し、かつ深い絞りにも対応可能であり、かつ熱成形後に成形物の外観を損なわない程度の透明性を有するフィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を対用するものである。すなわち、本発明のポリエステルフィルムは、下記の特徴を有する成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて達成することができる。
すなわち、
(I)下記(1)〜(5)の特徴を有する成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)少なくとも3層以上の積層構造を有し、
(2)ポリエステルフィルムの融点が246℃〜270℃であり、
(3)X線回折強度により得られる(100)面の結晶サイズが6.0nm〜8.0nmで、
(4)190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の伸度がいずれも150〜300%、
(5)該ポリエステルフィルム両表面における面配向係数(fn)が0.08〜0.14、
(II)フィルムの表面ヘイズ(Hs)が下記式aを満足することを特徴とする(I)に記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム、
0.1≦Hs≦1.5・・・・・(a)
ただし、表面ヘイズ(Hs)=全ヘイズ(Ht)−内部ヘイズ(Hi)である。
(III)フィルムを構成するポリエステル樹脂のグリコール残基成分の50〜90モル%がエチレングリコール残基、10〜30モル%が1,4−ブタンジオール残基、0.1〜10モル%がその他のグリコール残基成分であることを特徴とする(I)または(II)に記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム、
(IV)フィルムを構成するポリエステル樹脂のジカルボン酸残基成分の95〜99モル%がテレフタル酸残基であり、1〜5モル%がその他のジカルボン酸残基成分であることを特徴とする(I)〜(III)のいずれかに記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム、
(V)(I)〜(IV)のいずれかに記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、融点が150〜300℃である金属化合物を蒸着してあることを特徴とする蒸着フィルム、
(VI)(I)〜(V)のいずれかに記載のポリエステルフィルムの少なくとも片面にアクリル系あるいはウレタン系の熱可塑性樹脂をコーティングまたは積層してなることを特徴とする成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム,
である。
本発明によれば、190℃におけるフィルムの伸度が高いために、求める形状への成形加工が容易であり、かつ熱寸法安定性に優れることから、容易に均一な金属蒸着を施すことができ、メッキ調の成形部品などに好適に用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂とは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称であって、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。ここでジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどを挙げることができる。
本発明で用いられるポリエステルを構成する成分としては、上記したジカルボン酸成分およびグリコール成分が好ましく用いられる。さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレンジカルボキシレートなどの単一のジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステルがより好ましく用いられる。さらに、本発明のポリエステルフィルムを回収した回収原料を、本発明のポリエステルフィルムに0.1〜50重量%の範囲内で混合して用いることは、生産性と経済性の観点から好ましい。
本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは、耐熱性、寸法安定性、金属蒸着適性、外観などの観点から、少なくとも3層以上の積層構造であることが必要である。2層以下の積層構造では、耐熱性、寸法安定性、製膜工程安定性に劣り、熱成形などを行うフィルムの二次加工時にフィルムがカールするなどのハンドリング性に問題がある。
また、本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは、融点が246〜270℃である。融点が245℃以下では耐熱性に劣り、熱成形などを行うフィルムの二次加工時にフィルムの白化が認められる場合がある。逆に融点が270℃を越えると、融点が高くなりすぎるために、金属蒸着した際の金属薄膜層との密着性に劣る場合がある。耐熱性、蒸着適性の双方の観点からは、融点が246〜265℃であれば好ましく、246〜255℃であればより好ましい。ここで、ポリエステルフィルムの融点としては示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分で測定を行った際の融解現象で発現する吸熱ピーク温度である。異なる組成のポリエステル樹脂をブレンドをして使用し、フィルムとした場合には複数の融解に伴う吸熱ピークが現れる場合があるが、その場合、最も高温に現われる吸熱ピーク温度を本発明のポリエステルフィルムの融点とする。ポリエステルフィルムの融点を掛かる温度範囲とする方法としては、フィルム製膜時に使用するポリエステル樹脂段階において、融点を246〜270℃の範囲としておくことが好ましく、また、異なる組成のポリエステル樹脂を用いる場合でも、融点が246℃以上であるポリエステル樹脂を使用し、また、融点が低いポリエステル樹脂をブレンドして使用する場合においても、溶融混練時の樹脂間でのエステル交換反応による融点降下を抑制するために、予め樹脂中に残存している触媒を失活させたり、触媒能を低減させるためにリン化合物を添加する。また、残存触媒量の低いポリエステル樹脂を準備するなどをすることで、融点を246〜270℃の範囲にすることができる。
また本発明のポリエステルフィルムは、X線回折強度により得られる(100)面の結晶サイズが6.0nm〜8.0nmであることが必要であり、好ましくは6.5nm〜8.0nm、より好ましくは6.5〜7.5nmである。(100)面の結晶サイズが6.0nm以下の場合には、結晶化度不足のため熱成形加工時にフィルムが熱収縮を起こすなどして、寸法安定性に劣るため好ましくない。また8.0nm以上では、熱収縮は小さくなるものの、分子配向が乱れることによってフィルムが脆くなり、成形時にフィルムが破断するなどの問題や製膜時にフィルム破れなどが起こるため好ましくない。ここで(100)面の結晶サイズは、反射X線回折によりScherrerの式を用いて求められる。6.0nm〜8.0nmの(100)面の結晶サイズは、フィルムを構成するポリマーや、添加物、されに延伸条件、熱処理条件などにより決定され、これらを任意に設定することにより達成できる。例えば、熱処理温度を高くしたり、熱処理時間を長くすると良いが、フィルムに要求される特性を満たす範囲でなければならない。
本発明のポリエステルフィルムは、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の伸度が150〜300%であることが必要である。好ましくは180〜300%、より好ましくは180〜280%である。ポリエステルフィルムの伸度が150%以下であると、成形時に破れが発生したり形状追従性が悪化するため好ましくない。また、300%以上だと成形時に蒸着工程や成形加工での予熱工程でフィルム移送のための張力に耐えることができず、フィルムが変形、場合によっては破断してしまう場合があり、成形部材としての商品価値を喪失してしまう場合がある。
本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは、面配向係数を0.08〜0.14とする必要がある。好ましくは0.10〜0.14、より好ましくは0.10〜0.135である。これにより、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の伸度を150〜300%とすることができる。
さらにフィルム長手方向と幅方向の屈折率の差絶対値を0.001〜0.03となる配向を満足させ得る延伸条件を取ることが190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の伸度を150〜300%とすることが観点から好ましい。具体的には、フィルムの長手方向および幅方向に各々90〜130℃の温度において2.5〜3.5倍する条件であり、なおかつ、面倍率(長手方向延伸倍率×幅方向延伸倍率)が7〜11倍である場合には本願発明の190度における伸度を達成することができる。
また、延伸後の熱固定工程において、熱処理温度を200〜240℃とすることは延伸による結晶配向を緩和する点で好ましい。さらに、上記好ましい製膜条件に加えて、使用するポリエステル樹脂の5〜50重量%をガラス転移温度が0〜60℃の樹脂とすることが好ましい。掛かるガラス転移温度の樹脂を混合して使用することで、150〜200℃において安定して変形低応力を実現することが可能となる。成形性、耐熱性を考慮すると、ガラス転移温度(二次転移点ではない)が0〜60℃のポリエステル樹脂の添加量は使用するポリエステル樹脂の10〜40重量%がより好ましい。
本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは取扱い性、成形部材としての外観の点で、フィルムの表面ヘイズ(Hs)が下記式aを満足することが好ましい。
0.1≦Hs≦1.5・・・・・(a)
ただし、表面ヘイズ(Hs)=全ヘイズ(Ht)−内部ヘイズ(Hi)である。
式(a)において、0.1未満であるとフィルム表面が平滑すぎて滑らず、フィルムを搬送する工程、巻き取る工程において表面傷が発生する場合がある。また1.5を越えると金属蒸着を行ってもフィルムを通して見ると白濁して見えてしまい外観が損なわれる可能性がある。ここで、(Ht−Hi)は取扱い性、成形性の観点から0.2〜1.4であれば好ましく、0.3〜1.3であればより好ましい。フィルムヘイズを掛かる好ましい範囲とする方法としては、フィルムの取扱い性を損ねない範囲において後述する粒子含有量を低減する方法などを挙げることができるが、ポリエステルフィルムを製膜する際に、A/B/A型の3層積層フィルムとし、A層を平均粒子径程度の厚み、具体的には0.1〜1.5μm程度として、A層に粒子を添加し、B層には粒子を添加しない方法を用いることができる。また、掛かる積層フィルムとする方法を用いることで、内部ヘイズを低減し、表面ヘーズはUV吸収剤などの耐候性を有するコーティング層や接着剤を積層、塗布することで低減すれば、外観の極めて優れた成形部材として使用することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、成形性の観点からフィルムを構成するポリエステル樹脂を構成するグリコール残基成分の50〜90モル%がエチレングリコール残基、10〜30モル%が1,4−ブタンジオール残基、0.1〜10モル%がその他のグリコール残基成分であることが好ましい。1,4−ブタンジオール残基の含有量は15〜25モル%であればより好ましく、また、その他のグリコール残基成分は1〜5モル%であればより好ましい。ここで、各グリコール残基成分は、ポリエステルの中で共重合されて存在させても良いが、共重合を行うと融点が低下し、耐熱性が劣化するなど好ましくない場合があるので、それぞれのグリコール残基成分を単独で有する数種のポリエステル樹脂をブレンドしてフィルム中に含有させても良いし、ブレンドと共重合を併用しても良い。また、その他のグリコール残基成分としては特に限定されるものではないが、ジエチレングリコール残基、1,4−シクロへキサンジメタノール残基、ネオペンチルグリコール残基、1,3−プロパンジオール残基などを好ましく挙げることができる。また、その他のグリコール残基成分として複数のグリコール残基成分を含んでも良い。
さらに、成形性の観点から本発明のポリエステフィルムには、フィルムを構成するポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸残基成分の95〜99モル%がテレフタル酸残基であり、1〜5モル%がその他のジカルボン酸残基成分であることが好ましい。その他のジカルボン酸残基成分が1〜3モル%であればより好ましい。なお、ジカルボン酸残基成分はジカルボン酸を出発成分としても、ジカルボン酸エステル誘導体を出発成分としても良い。ここで、テレフタル酸残基とその他のジカルボン酸残基はポリエステル中に共重合されて存在しても良いが、共重合を行うと融点低下が起こることから、耐熱性の観点からは別々のポリエステル樹脂中に存在し、そのポリエステル樹脂をブレンドすることでフィルム中に含有させる方法が好ましい。また、共重合とブレンドを併用しても良い。その他のジカルボン酸残基成分としては特に限定されるものではないが、2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、イソフタル酸残基、5−ナトリウムスルホイソフタル酸残基、アジピン酸残基、セバシン酸残基、ダイマー酸残基、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸残基などを好ましく挙げることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、取扱い性向上、加工時のキズ防止の観点から、平均粒子径0.01〜5μmの粒子を含有することが好ましい。加工時のキズ防止、粒子の欠落防止の観点からは平均粒子径は0.05〜4μmであればより好ましく、0.1〜3μmであれば特に好ましい。また、ここで言う平均粒径とは体積平均粒径のことである。添加する粒子としては、たとえば、内部粒子、無機粒子、有機粒子を好ましく用いることができる。本発明の好ましい態様のポリエステルフィルムでは、ポリエステルフィルムに対して粒子を好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.03〜3重量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%含有させることができる。
本発明のポリエステルフィルムに内部粒子を析出させる方法としては、たとえば、特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、および特開昭54−90397号公報などに記載の技術を採用することができる。さらに、特公昭55−20496号公報や特開昭59−204617号公報などに記載の他の粒子を併用することもできる。
本発明のポリエステルフィルムに含有させることができる無機粒子としては、たとえば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなど、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種以上を併用してもよい。また、上記したようにフィルムのヘーズを低減することを目的として、ポリエステルフィルムを製膜する際に、A/B/A型の3層積層フィルムとし、A層を平均粒子径程度の厚みとして、A層にのみ粒子を添加し、B層には粒子を添加しない方法を用いることができる。
次に本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムの具体的な製造方法について記載する。まず、本発明のフィルムで用いるポリエステル樹脂については、上市されているポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂を購入しそのまま用いることができるが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の場合、以下のように重合することができる。
テレフタル酸ジメチル、およびエチレングリコールの混合物に、酢酸マグネシウムと三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、リン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。粒子を添加する場合は、エチレングリコールに粒子を分散させたスラリーを所定の粒子濃度となるように重合反応釜に添加して、重合を行うことが好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造は、たとえば以下のように行うことができる。テレフタル酸、および1,4−ブタンジオールの混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチルと、モノヒドロキシブチルスズオキサイドとを添加しエステル化反応を行う。ついで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチルを添加して、減圧下で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
以上のようにして得られたポリエステル樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する際の好ましい方法について、具体的に記述する。まず、使用するポリエステル樹脂を混合する場合は所定の割合となるように計量し混合する。ついで、窒素雰囲気、真空雰囲気などで、たとえば150℃5時間の乾燥を行い、ポリエステル樹脂中の水分率を好ましくは50ppm以下とする。その後、押出機に供給し溶融押出する。なお、ベント式二軸押出機を用いて溶融押出を行う場合は樹脂の乾燥工程を省略してもよい。ついで、フィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、たとえば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
ついで、かかる未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行なう。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、2.5〜3.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3〜3.4倍が採用される。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、ガラス転移点〜(ガラス転移点+50℃)の温度が採用されるが、さらに好ましくは90〜130℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を100〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なう。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、200〜240℃の熱処理温度とするのが好ましい。フィルムの透明性、寸法安定性の点からは210〜235℃であればより好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行うのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、コーティング層を設けることもできる。
コーティング層をフィルム製造工程内でインラインで設ける方法としては、少なくとも一軸延伸を行ったフィルム上にコーティング層組成物を水に分散させたものをメタリングリングバーなどを用いて均一に塗布し、延伸を施しながら塗剤を乾燥させる方法が好ましく、その際コーティング層厚みとしては0.01〜0.5μmとするのが好ましい。
本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは成形部材として用いることをも行く的としていることから、成形後のフィルム厚みが10μm未満となると形状保持の点に劣る場合があることから、成形前のフィルム厚みとしては15〜250μmであることが好ましい。フィルム厚みが250μmを越えると、いくら熱成形時の変形応力を低減しても、実際に掛かる荷重が大きくなってしまうために、偏変形する場合があったり、成形加工のための昇温に時間が掛かるため生産性が低下する場合がある。さらに好ましいフィルム厚みとしては18〜100μmであり、20〜50μmであると特に好ましい。
本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの少なくとも片面に融点が150〜300℃である金属化合物を蒸着して使用することが好ましい。金属化合物を蒸着して使用することで、外観が金属調となり、現在メッキした樹脂が用いられている成形部品の代替品として好ましく用いることができる。掛かる融点範囲の金属を使用することで、ポリエステルフィルムが成形可能温度領域で、蒸着した金属層も成形加工が可能であり、成形による蒸着層欠点の発生を抑制しやすくなるので好ましい。より好ましい金属化合物の融点としては150〜250℃である。融点が150〜300℃である金属化合物としては特に限定されるものではないが、インジウム(157℃)やスズ(232℃)が好ましく、特にインジウムを好ましく用いることができる。
また、蒸着簿膜の作製方法としては、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。また、ポリエステルフィルムと蒸着層との密着性を向上させるために、フィルムの表面をあらかじめコロナ放電処理やアンカーコート剤を塗布するなどの方法により前処理しておくことが望ましい。また、蒸着膜の厚みとしては、1〜500nmであれば好ましく、3〜300nmであればより好ましい。生産性の点からは3〜200nmであることが好ましい。
本発明の成型部材用二軸配向ポリエステルフィルムは、屋外環境で使用する際の品質保持の観点からフィルムの少なくとも片面に耐候性コーティング層を設けることが好ましい。コーティング層を設ける方法としては上述の製膜工程内でのインラインコーティングだけでなく、オフラインコーティングを用いても良い、コーティング層厚みが1μm以上必要な場合などはオフラインでコーティングを実施する方が生産上好ましい。耐候性コーティング層に用いる塗剤としては特に限定されるものではないが、アクリル系あるいはウレタン系の熱可塑性樹脂など、塗布のために使用する溶媒として水を用いることが可能な組成物であることが好ましい。
本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは優れた成形加工性を有し、真空、圧空成形などの熱成形において金型に追従した成形部品を容易に作成することができ、さらに成形前に予め金属蒸着を施すことで、メッキ調の外観を有する成形部品として自動車部材や家電用品などの部品として好適に使用することができる。
(1)融点
試料約10mgをPERKIN−ELMER社製DSC7を用いて、温度30〜300℃、昇温速度20℃/分の条件下で測定を行い、融解熱量の吸熱ピーク温度を融点とした。吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側の吸熱ピークのピーク温度を融点とした。
(2)結晶サイズ
(100)面の結晶サイズを反射X線回折装置(フィリップス社製PW1728)によりScherrerの式を用いて求めた。ここで、測定X線波長は0.15418nm(CuKα)であり、(100)面の回折はブラッグ角度約25.8°に観測された。
(3)面配向係数(fn)
ポリエステルフィルムの両表面の屈折率を、ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、中間液としてジヨードメタンを用い、アッベ屈折計により測定した。面配向係数は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率(nMD、nTD、nZD)から、fn={(nMD+nTD)/2}−nZDの計算より求めた。
(4)190℃時の伸度
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの短形に切り出し、サンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として引張試験を行った。測定は予め190℃の温度に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、90秒間の予熱の後で引張試験を行った。得られた荷重−歪曲線から各方向の破断伸度を求めた。なお、測定は各サンプル、各方向に5ずつ行い、算出最大値、最小値を除く3点の平均値で評価を行った。
(5)フィルムヘイズ
JIS K 7105(1985年)に基づいて、ヘイズメーター(スガ試験器社製HZ−2)を用いて測定した。また、液体測定用石英セルにフィルムを入れ、流動パラフィンを充填し測定を行うことで、フィルム表面ヘイズを除いた内部ヘイズを測定した。全ヘイズから内部ヘイズを引くことで表面ヘイズを算出した。測定は任意の3ヶ所で行い、その平均値を採用した。
(6)寸法安定性
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。測定は各フィルムとも各方向に5サンプル実施して平均値で評価を行った。
(7)ポリエステルの組成
樹脂またはフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)もしくはHFIPとクロロホルムの混合溶媒に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。
(8)固有粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの固有粘度は、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
(9)熱成形性
フィルムの片面にインジウムを厚さ100nmとなるようにスパッタリングし、蒸着膜を形成した。該蒸着フィルムを300℃に加熱した遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が200℃の温度になるように加熱し円柱状の金型(底面直径50mm)を用いて真空成形を行いフィルムを成形した。金型に沿って成形できた状態を成形度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。
A級:絞り比0.7以上で成形できた。
B級:絞り比0.7〜0.3で成形できた。
C級:破れが発生し、絞り比0.3で成形できなかった。
(10)均一成形性
上記と同様にインジウム蒸着フィルムを350℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が180℃の温度になるように加熱し円柱状の金型(絞り比0.5,金型の底面直径50mm、間隔30mmで縦横に5個ずつ、形25個の金型が一体となったもの)を用いて真空成形を行いフィルムを成形した。金型に沿って成形できた状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A級:25個全て均一に成形できた。
B級:24〜20個は金型に沿って成形できていた。
C級:金型に沿って成形できたのは19個以下であった。
(ポリエステルの製造)
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
(ポリエステルA:)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール67重量部の混合物にテレフタル酸ジメチルに対して酢酸マグネシウム0.08重量部、三酸化アンチモン0.022重量部を加え、徐々に昇温し、最終的に220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.019重量部を添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、0.5mmHgまで昇温、減圧し、極限粘度が0.65となるまで重縮合反応を行い、副生したジエチレングリコール量2%のポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
(ポリエステルB:)
テレフタル酸100重量部、および1,4−ブタンジオール110重量部の混合物を、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054重量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054重量部を添加し、常法によりエステル化反応を行った。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066重量部を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、固有粘度0.84のポリブチレンテレフタレート樹脂を作製した。その後、140℃、窒素雰囲気下で結晶化を行い、ついで窒素雰囲気下で200℃、6時間の固相重合を行い、固有粘度1.20のポリブチレンテレフタレート樹脂とした。これを、ポリエステルBとした。
(ポリエステルC:)
ポリエステルAの重合においてテレフタル酸ジメチル100重量部の代わりに、テレフタル酸ジメチル90重量部、およびイソフタル酸ジメチル10重量部を用いてポリエステルAと同様の方法で重合を行い、イソフタル酸10モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点228℃、ジエチレングリコール量1.8モル%)を作製した。これを、ポリエステルCとした。
(ポリエステルD:)
テレフタル酸ジメチルを100重量部、エチレングリコール70重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール7重量部の混合物に、酢酸マンガン0.04重量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃メタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.045重量部、二酸化ゲルマニウム0.01重量部を添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に275℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして1,4−シクロヘキサンジメタノールを4モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。該ポリマーを3mm径の立方体に切断し、回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、225℃で極限粘度が0.8になるまで固相重合を行い、ポリエステルDを得た。
(ポリエステルE:)
ポリエステルBの重合においてテレフタル酸100重量部の代わりに、テレフタル酸90重量部、およびイソフタル酸10重量部を用いてポリエステルBと同様の方法で重合を行い、イソフタル酸10モル%共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂(融点210℃)を作製した。これを、ポリエステルEとした。
(粒子マスター:)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール70重量部の混合物に酢酸マンガン0.04重量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025重量部、三酸化アンチモン0.02重量部を添加した。さらに、平均粒子径2.2μmの凝集粒子のエチレングリコールスラリーを粒子濃度が2重量%となるように添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、固有粘度が0.63dl/gとなるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして粒子マスターチップを得た。
Figure 2007111877
なお、表中の略号は以下の通り。
EG:エチレングリコール残基成分
BD:1,4−ブタンジオール残基成分
TPA:テレフタル酸残基成分
DEG:ジエチレングリコール残基成分
CHDM:1,4−シクロへキサンジメタノール残基成分
IPA:イソフタル酸残基成分
(実施例)
以下に本発明の実施例と比較例を示す。
(実施例1)
層Aを構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルD、粒子マスター重量比で59:20:20:1の割合で混合して使用した。一方、層Bを構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルA、粒子マスターを重量比で97.5:2.5の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて160℃4時間乾燥し、別々の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて層B/層A/層B(積層厚み比2:21:2)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度96℃で長手方向に3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度75℃、延伸温度95℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例2)
層Aを構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルD、粒子マスター重量比で65:10:23:2の割合で混合して使用した。一方、層Bを構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルA、ポリエステルD、粒子マスターを重量比で88:10:2の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて150℃5時間乾燥し、別々の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて層B/層A/層B(積層厚み比1:23:1)となるように積層した後、Tダイより20℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度97℃で長手方向に3.2倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度100℃で幅方向に3.1倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度230℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例3)
層Aを構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルC、粒子マスター重量比で63:36:1の割合で混合して使用した。一方、層Bを構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルA、粒子マスターを重量比で98.5:1.5の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて150℃5時間乾燥し、別々の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて層B/層A/層B(積層厚み比1.5:20:1.5)となるように積層した後、Tダイより20℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度93℃で長手方向に3.3倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度95℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度220℃で2秒間の熱処理を行い、フィルム厚み23μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例4)
層Aを構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルE、粒子マスター重量比で78:20:2の割合で混合して使用した。一方、層Bを構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルA、粒子マスターを重量比で99:1の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて150℃5時間乾燥し、別々の単軸押出機に供給、270℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて層B/層A/層B(積層厚み比1:18:1)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度95℃で長手方向に3.2倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度70℃、延伸温度90℃で幅方向に3.1倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度230℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
(比較例1)
層Aを構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルB、粒子マスター重量比で94:5:1の割合で混合して使用した。一方、層Bを構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルA、粒子マスターを重量比で95:5の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて160℃4時間乾燥し、別々の単軸押出機に供給、270℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて層B/層A/層B(積層厚み比2:21:2)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度90℃で長手方向に3.2倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度110℃で幅方向に3.1倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に5%のリラックスを掛けながら温度210℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
(比較例2)
層Aを構成するポリエステル樹脂として、ポリエステルA、ポリエステルE、粒子マスター質量比で68:30:2の割合で混合して使用した。一方、層Bを構成するポリエステル樹脂としては、ポリエステルA、粒子マスターを質量比で98:2の割合で混合して使用した。各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて160℃4時間乾燥し、別々の単軸押出機に供給、275℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にて層A/層B(積層厚み比23:2)の2層積層フィルムとなるように積層した後、Tダイより20℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度196℃で長手方向に3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度75℃、延伸温度95℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度235℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
(比較例3)
ポリエステル樹脂として、ポリエステルCを使用した。ポリエステルCを真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度90℃で長手方向に3.2倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度110℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に3%のリラックスを掛けながら温度240℃で2秒間の熱処理を行いフィルム厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
Figure 2007111877
Figure 2007111877
なお、表中の略号は以下の通り。
MD:フィルム長手方向
TD:フィルム幅方向
EG:エチレングリコール残基成分
BD:1,4−ブタンジオール残基成分
TPA:テレフタル酸残基成分
表より、本発明の要件を満足する実施例においては、成形性やその均一性、ハンドリング性、外観に優れていた。一方、比較例ではフィルムを搬送する工程、巻き取る工程において表面傷が発生したり、成形性に劣っているもの、また、成形することでフィルムが顕著に白化してしまい外観に劣るものであった。
本発明の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムは優れた成形加工性を有し、真空、圧空成形などの熱成形において金型に追従した成形部品を容易に作成することができ、さらに成形前に予め金属蒸着を施すことで、メッキ調の外観を有する成形部品として自動車部材や家電用品などの部品として好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 下記(1)〜(5)の特徴を有する成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
    (1)少なくとも3層以上の積層構造を有し、
    (2)ポリエステルフィルムの融点が246℃〜270℃であり、
    (3)X線回折強度により得られる(100)面の結晶サイズが6.0nm〜8.0nmで、
    (4)190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の伸度がいずれも150〜300%、
    (5)該ポリエステルフィルム両表面における面配向係数(fn)が0.08〜0.14
  2. フィルムの表面ヘイズ(Hs)が下記式aを満足することを特徴とする請求項1に記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
    0.1≦Hs≦1.5・・・・・(a)
    ただし、表面ヘイズ(Hs)=全ヘイズ(Ht)−内部ヘイズ(Hi)である。
  3. フィルムを構成するポリエステル樹脂のグリコール残基成分の50〜90モル%がエチレングリコール残基、10〜30モル%が1,4−ブタンジオール残基、0.1〜10モル%がその他のグリコール残基成分であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. フィルムを構成するポリエステル樹脂のジカルボン酸残基成分の95〜99モル%がテレフタル酸残基であり、1〜5モル%がその他のジカルボン酸残基成分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の成形部材用二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、融点が150〜300℃である金属化合物を蒸着してあることを特徴とする蒸着フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルムの少なくとも片面にアクリル系あるいはウレタン系の熱可塑性樹脂をコーティングまたは積層してなることを特徴とする成形部材用二軸配向ポリエステルフィルム。
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