JP6609940B2 - 光学フィルム製造用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
ポリエステルA層のグリコール成分として、エチレングリコール成分を90モル%以上99モル%未満含有し、ジエチレングリコール成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分、ネオペンチルグリコールの少なくとも1種類以上を1モル%以上10モル%未満含有し、ジカルボン酸成分として、90モル%以上がテレフタル酸であり、
ポリエステルB層のグリコール成分として、エチレングリコール成分を80モル%以上95モル%未満含有し、ジエチレングリコール成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分、ネオペンチルグリコール成分の少なくとも1種類以上を5モル%以上20モル%未満含有し、ジカルボン酸成分として、90モル%以上がテレフタル酸成分であり、150℃におけるフィルムMD方向の10%伸張時応力が5MPa以上30MPa以下、150℃におけるフィルムMD方向の熱収縮率が5%以下であり、かつ下記式(I)を満たすことを特徴とする光学フィルム製造用ポリエステルフィルム、であることを本旨とする。
但し、YAMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置におけるMD方向のヤング率(MPa)
YBMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mm位置におけるMD方向のヤング率(MPa)
YCMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心におけるMD方向のヤング率(MPa)
ジオール単位(構造単位): −O−R’−O−
(ここで、R、R’は二価の有機基)
なお、トリメリット酸単位やグリセリン単位など3価以上のカルボン酸あるいはアルコール並びにそれらの誘導体が含まれる場合は、3価以上のカルボン酸あるいはアルコール単位(構造単位)についても、同様に、重縮合によって除去される部分が除かれた3価以上の有機基を意味する。
但し、YAMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置におけるMD方向のヤング率(MPa)
YBMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mm位置におけるMD方向のヤング率(MPa)
YCMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心におけるMD方向のヤング率(MPa)、である。
本発明のポリエステルフィルムが、(I)式を満たす方法は特に限定されないが、例えば、フィルム製膜中のボーイングを低減させる方法が挙げられる。具体的には、幅方向延伸後に一旦ポリエステルのガラス転移温度以下に冷却した後熱処理する方法、幅方向延伸後にニップロールを設ける方法、幅方向の延伸を複数ゾーンに分けて段階的に昇温する方法、熱処理を複数のゾーンに分けて段階的に昇温・降温する方法、幅方向に温度分布を設けて熱処理ゾーンに導く方法、熱処理室でも幅方向に微延伸する方法などがある。
(YAMD+YBMD+YCMD)/3≧3600 ・・・(II)
(II)式はヤング率が高い、すなわちフィルムの剛性が高い方が好ましいことを意味している。ポリエステルフィルムの剛性を高くすることにより、光学フィルム用樹脂組成物を溶解した溶液を塗布した際のフィルム膨潤によるフィルム変形を小さくしたり、搬送時の張力による微小なフィルム変形を抑制でき、光学フィルムの幅方向での機能均一性の低下を抑えることができる。
(SAMD+SBMD)/(SCMD×2)≦1.2 ・・・(III)
但し、SAMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置におけるMD方向の190℃熱収縮率(%)
SBMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mm位置におけるMD方向の190℃熱収縮率(%)
SCMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心におけるMD方向の190℃熱収縮率(%)、である。
(III)式を満たすということは、1400mm幅フィルムのTD方向中心位置におけるMD方向の190℃熱収縮率と、TD方向中心からTD方向に650mmの位置におけるMD方向の190℃熱収縮率の差が小さいことを意味する。すなわち、1400mm幅フィルムは幅方向で均一な190℃熱収縮率を有している。これにより、フィルムに光学フィルム用樹脂組成物を溶解した溶液を塗布して乾燥する工程において、幅方向でのフィルムの収縮量の差が小さくなり、光学フィルムの幅方向における機能の均一性を向上させることが可能となる。TD方向物性均一性の観点から、(III)’式を満たすことがさらに好ましく、(III)’’式を満たすことが最も好ましい。
(SAMD+SBMD)/(SCMD×2)≦1.15 ・・・(III)’
(SAMD+SBMD)/(SCMD×2)≦1.10 ・・・(III)’’
本発明のポリエステルフィルムが、(III)式を満たす方法は特に限定されないが、上記したボーイングを低減する方法とする。
上記の様な構成を満たすために本発明のポリエステルフィルムは、好ましくはポリエステルA層とポリエステルB層とを有する積層フィルム構成とし、ポリエステルA層(ポリエステルB層よりも融点が高い)が、少なくとも一方の最外層に位置する構成であることが好ましい。なお、本発明において、ポリエステルA層と、ポリエステルB層とを有する積層フィルムの場合、融点の高い方の層をポリエステルA層とする。
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、1H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量することができる。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明のフィルムについては、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
ポリエステル樹脂およびフィルムの固有粘度は、ポリエステルをオルトクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体の固有粘度を評価することができる。
フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出した。該断面を透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)で5000倍の倍率で観察し、フィルム厚みおよびポリエステル層の厚みを求めた。
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行った。ポリエステルフィルムを5mg、サンプルに用い、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線より得られた吸熱ピークの頂点の温度を融点とした。なお、積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体の融点を測定することができる。本発明において、ポリエステルA層とポリエステルB層とを有する積層ポリエステルフィルムの場合は、各層の融点を測定し、融点の高い層をポリエステルA層、低い方の層をポリエステルB層とした。
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および、解析を行った。ポリエステルフィルムを5mg、サンプルに用い、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際の結晶融解ピークの前に現れる微小の吸熱ピーク温度をTmetaとして読み取った。
フィルムの任意の点において100mm×100mmの寸法でサンプルを切り出し、KSシステムズ製(現王子計測機器)のマイクロ波分子配向計MOA−2001A(周波数4GHz)を用い、ポリエステルフィルムの面内の主配向軸を求め、TD方向とした。
フィルムをMD方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出したサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期張力チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムのMD方向に引張試験を行った。測定は予め150℃に設定した恒温槽中にフィルムサンプルをセットし、90秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが10%伸張したとき(チャック間距離が55mmとなったとき)のフィルムにかかる荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値を10%伸張時応力とした。なお、測定は、フィルムの任意の位置における主配向軸方向をTD方向とし、該位置を中心(TD方向中心)として、TD方向に沿って2方向それぞれ700mm幅を採取し、1400mm幅としてフィルムのTD方向の中心、中心からTD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置、中心からTD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mmの位置の3点についてそれぞれ5回ずつ行い、その15個の値の平均値を150℃におけるフィルムMD方向10%伸張時応力とした。
フィルムをMD方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出したサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期張力チャック間距離を50mmとし、温度25℃、湿度65%RHの条件下で、引張速度を300mm/分で引張試験を行った。ヤング率は、引張試験で記録した応力−歪み曲線におけるスタート点の立ち上がり勾配からASTM・D−882−67に準じて測定し、単位はMPaで表した。なお、測定は(7)と同様にして、1400mm幅フィルムのTD方向の中心のMD方向のヤング率(YCMD)、1400mm幅フィルムのTD方向の中心からTD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置におけるMD方向のヤング率(YAMD)、1400mm幅フィルムのTD方向の中心からTD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mmの位置におけるMD方向のヤング率(YBMD)の測定を行い(それぞれ5回測定の平均値を採用)、式(I)および式(II)の左辺の算出を行った。
(YAMD+YBMD)/2−YCMD≦150 ・・・(I)。
(YAMD+YBMD+YCMD)/3≧3600 ・・・(II)
(9)熱収縮率(120℃、150℃、190℃)
フィルムをMD方向およびTD方向にそれぞれ長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔(中央部から両端に50mmの位置)で標線を描き、3gの錘を吊るして所定温度(120℃、150℃、190℃)に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式により熱収縮率を算出した。なお、評価は、フィルムの任意の位置における主配向軸方向をTD方向とし、該位置を中心(TD方向中心)として、TD方向に沿って2方向それぞれ700mm幅を採取し、1400mm幅としたTD方向の中心、中心からTD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置、中心からTD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mmの位置の3点についてそれぞれ5回ずつ行い、その15個の値の平均値を所定温度(120℃、150℃、190℃)におけるフィルムMD方向およびTD方向の熱収縮率とした。
熱収縮率(%)={(加熱処理前の標線間距離)−(加熱処理後の標線間距離)}/(加熱処理前の標線間距離)×100
(10)式(III)算出方法
(9)と同様にして、1400mm幅フィルムのTD方向の中心位置のMD方向の190℃における熱収縮率(SCMD)、1400mm幅フィルムのTD方向の中心からTD方向のA方向の650mm位置における190℃の熱収縮率(SAMD)、1400mm幅フィルムのTD方向の中心からTD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mm位置におけるMD方向の190℃の熱収縮率(SBMD)の測定を行い(それぞれ5回測定の平均値を採用)、式(III)の左辺の値の算出を行った。
(11)寸法安定性
1400mm幅のポリエステルフィルム表面に、ポリアリレート/MEK分散体をダイコーターにて塗工・乾燥を行った。(乾燥温度:150℃、乾燥時間:1分、巻出張力:200N/m、巻取張力:100N/m)。乾燥後のポリエステルフィルムの幅を測定し、下記の基準で評価を行った(乾燥後のポリアリレート厚みは25μm)。
A:幅縮みが10mm未満(乾燥後のポリエステルフィルムの幅が1390mm以上)であった。
B:幅縮みが10mm以上15mm未満(乾燥後のポリエステルフィルムの幅が1385mm以上、1390mm未満)であった。
C:幅縮みが15mm以上(乾燥後のポリエステルフィルムの幅が1385mm未満)であった。
(11)で得られたポリアリレートが塗布されたポリエステルフィルムを、熱風オーブンに投入し、長手方向に一軸延伸を行った(オーブン温度:150℃、幅方向フリー)。フィルムの延伸性(成型加工性)について、下記の基準で評価を行った。
A:延伸張力1200N/m未満で、1.1倍延伸が可能であった。
B:延伸張力1200N/m以上1500N/m未満で、1.1倍延伸が可能であった。
C:延伸張力1500N/mで1.1倍延伸ができなかった。
(12)で得られたポリアリレート塗布一軸延伸ポリエステルフィルムから、ポリアリレート層を剥離し、幅方向の中心、中心から幅方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置、中心から幅方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mmの位置の3点について、面内レタデーションを測定し、下記の基準で評価を行った。なお、レタデーションは、新王子計測器製自動複屈折計(KOBRA−21ADH)を用いて測定を行った。
A:3点測定したレタデーションの最大値と最小値の差が10nm未満であった。
B:3点測定したレタデーションの最大値と最小値の差が10nm以上20nm未満であった。
C:3点測定したレタデーションの最大値と最小値の差が20nm以上であった。
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
1,4−シクロヘキサンジメタノールがグリコール成分に対し33モル%共重合された共重合ポリエステル(イーストマン・ケミカル社製 GN001)を、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステルとして使用した(固有粘度0.75)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が70モル%、ネオペンチルグリコール成分が30モル%であるネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.75)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が85モル%、ジエチレングリコール成分が15モル%であるジエチレングリコール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が82.5モル%、イソフタル酸成分が17.5モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.70)。
ポリエステルA中に数平均粒子径2.2μmの凝集シリカ粒子を粒子濃度2質量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.65)。
組成を表の通りとして、原料をそれぞれ酸素濃度を0.2体積%とした別々のベント同方向二軸押出機に供給し、A層押出機シリンダー温度を270℃、B層押出機シリンダー温度を277℃で溶融し、A層とB層合流後の短管温度を277℃、口金温度を280℃で、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させA層/B層/A層からなる3層未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、延伸温度85℃で長手方向に3.1倍延伸し、すぐに40℃に制御した金属ロールで冷却した。
熱処理前半で幅方向に3.0%微延伸を行い、熱処理中盤で幅方向に1.5%微延伸を行った以外は、実施例1と同様にしてフィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
厚みを50μmに変更した以外は、実施例1と同様にして厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
熱処理中盤温度を215℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルを得た。
組成を表の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
熱処理中盤温度を215℃に変更し、熱処理後半温度180℃で、幅方向に3%のリラックスを掛けながら熱処理を行った後に、冷却温度110℃で幅方向に0.6%のリラックスをかけながら冷却処理した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
長手方向に3.3倍延伸し、熱処理前半で幅方向に8.0%微延伸を行い、熱処理中盤で幅方向に2.0%微延伸を行った以外は実施例3と同様にして厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
長手方向に3.5倍延伸し、熱処理前半で幅方向に8.0%微延伸を行い、熱処理中盤で幅方向に5.0%微延伸を行った以外は実施例3と同様にして厚み50μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
長手方向に2.9倍延伸した以外は実施例2と同様にして厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
熱処理前半および熱処理中盤で微延伸を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更し、熱処理前半および熱処理中盤で微延伸を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
組成を表の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
熱処理中盤温度を195℃とした以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み75μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
EG:エチレングリコール
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
DEG:ジエチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
Claims (6)
- ポリエステルA層とポリエステルA層より融点の低いポリエステルB層とを有する積層ポリエステルであって、ポリエステルA層が少なくとも一方の最外層に位置し、
ポリエステルA層のグリコール成分として、エチレングリコール成分を90モル%以上99モル%未満含有し、ジエチレングリコール成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分、ネオペンチルグリコールの少なくとも1種類以上を1モル%以上10モル%未満含有し、ジカルボン酸成分として、90モル%以上がテレフタル酸であり、
ポリエステルB層のグリコール成分として、エチレングリコール成分を80モル%以上95モル%未満含有し、ジエチレングリコール成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分、ネオペンチルグリコール成分の少なくとも1種類以上を5モル%以上20モル%未満含有し、ジカルボン酸成分として、90モル%以上がテレフタル酸成分であり、
150℃におけるフィルムMD方向の10%伸張時応力が5MPa以上30MPa以下、150℃におけるフィルムMD方向の熱収縮率が5%以下であり、かつ下記式(I)を満たすことを特徴とする光学フィルム製造用ポリエステルフィルム。
(YAMD+YBMD)/2−YCMD≦150 ・・・(I)
但し、YAMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置におけるMD方向のヤング率(MPa)
YBMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mm位置におけるMD方向のヤング率(MPa)
YCMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心におけるMD方向のヤング率(MPa) - フィルムMD方向のヤング率が下記式(II)を満たす請求項1に記載の光学フィルム製造用ポリエステルフィルム。
(YAMD+YBMD+YCMD)/3≧3600 ・・・(II) - 190℃におけるフィルムMD方向とTD方向の熱収縮率が6%以下である請求項1または2のいずれかに記載の光学フィルム製造用ポリエステルフィルム。
- 120℃におけるフィルムTD方向の熱収縮率が1.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム製造用ポリエステルフィルム。
- 下記(III)式を満たす、請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム製造用ポリエステルフィルム。
(SAMD+SBMD)/(SCMD×2)≦1.2 ・・・(III)
但し、SAMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向の任意の一方向(A方向)の650mmの位置におけるMD方向の190℃熱収縮率(%)
SBMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心から、TD方向のA方向と反対の方向(B方向)の650mm位置におけるMD方向の190℃熱収縮率(%)
SCMD:1400mm幅フィルムのTD方向の中心におけるMD方向の190℃熱収縮率(%) - 請求項1〜5のいずれかに記載の光学用フィルム製造用ポリエステルフィルムの製造方法であって、ポリエステル樹脂を溶融押出しし、冷却ドラム上にシート状に吐出し、冷却固化した未延伸フィルムを、長手方向に70℃〜90℃で2.8倍以上3.9倍以下、幅方向に延伸前半を90℃以上120℃以下、延伸中盤温度を100℃以上130℃以下、延伸後半温度を110℃以上150℃以下で、順に温度を高くして3.1倍以上4.5倍以下で延伸した後、
熱処理前半温度を180℃以上210℃以下で幅方向に1%以上10%以下、
熱処理中盤温度を200℃以上240℃以下で幅方向に1%以上10%以下で微延伸し、
熱処理後半温度を150℃以上200℃未満で1%以上10%以下で弛緩することを特徴とする光学フィルム製造用ポリエステルフィルムの製造方法。
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