JP2017002307A - ポリエステルフィルム、および偏光板保護フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のポリエステルフィルムは、長手方向の85℃、6時間での熱収縮率が0.5%以下である。フィルムの長手方向の85℃、6時間での熱収縮率は0.4%以下であれば好ましく、0.3%以下であればより好ましく、0.2%以下であれば更に好ましく、0.1%以下であれば特に好ましい。フィルムの長手方向の85℃、6時間での熱収縮率が0.5%を超える場合、後述するようにPVAと貼り合わせて偏光板とした際にもう片側の偏光板保護フィルムとの熱収縮率差によりカールが生じ、更にはシワが発生することにより品位を大幅に悪化させ得る可能性がある。長手方向の85℃、6時間での熱収縮率を上記の通り制御する方法としては、後述する原料組成、及び製膜条件によりフィルムの長手方向配向を制御することによって達成することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、厚み方向位相差(Rth)が0〜1500nmであることが好ましい。Rthは0〜1000nmであれば虹ムラ無く干渉色が無色に近いため、より好ましく、0〜700nmであれば更に好ましい。完全に干渉色が無色となるため、0〜500nmであれば特に好ましい。Rthが1500nmを超える場合、偏光板保護フィルムとして液晶ディスプレイに実装した際に角度を付けて観察すると干渉色が見えやすくなり、ディスプレイの品位を低下させる場合がある。
Re、及びRthを上記の通り制御する方法としては、後述する製膜条件により各層の複屈折を制御することによって達成することができる。詳しくは、例えば、面内方向の位相差Reは、一般に複屈折Δnとフィルム厚みの積で表現できるため、その値を小さくするためには、Δnを0に近づけることである。達成手段として、逐次二軸延伸フィルムであれば、縦横配向により付与される屈折率が等しくなるように製膜条件を調整する。もしくは、配向結晶化を誘発する延伸を付与せずに、完全に無配向とすることである。熱可塑性樹脂Bをフィルムの製造工程において、一旦溶融し、無配向化することで熱可塑性樹脂BからなるB層での屈折率の異方性を表す複屈折をほぼゼロとすることができるため、この場合、Reは結晶性ポリエステルからなるA層の屈折率の異方性とA層の総厚みの積のみに依存することとなり、同一厚みの結晶性ポリエステルのみからなるフィルムと比較するとReを抑制できるものである。一方、厚み方向の位相差Rthについては、分子鎖ができるだけ面配向し難いポリマー材料を選択することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂Bとして、スピログリコール、ナフタレンジカルボン酸、ポリエーテルイミド、ビスフェノールA、フルオレン、イソソルビドなどを5〜60モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートあるいは共重合ポリエチレンナフタレートである。5モル%未満であると配向結晶化しやすく、厚み方向位相差が上昇する。一方、60モル%を超えるとポリマーとして非晶性を示すため、配向結晶化は起こり難いが、寸法安定性や製膜性、さらには熱が加わる後工程に影響を与えるため好ましくない。より好ましくは、10〜40モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート、あるいは共重合ポリエチレンナフタレートである。
本発明のポリエステルフィルムは、長手方向および幅方向の破断伸度が50%以上である。長手方向および幅方向の破断伸度は100%以上であれば好ましく、110%以上であればより好ましく、120%以上であれば更に好ましく、130%以上であれば特に好ましい。長手方向および幅方向のいずれかの破断伸度が50%未満の場合、フィルムが脆くなってしまい加工工程中に張力が掛かった際にフィルムが破断してしまう可能性がある。長手方向および幅方向の破断伸度を上記の通り制御する方法としては、上記した結晶性ポリエステルを使用し、後述する製膜条件を採ることにより達成することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、結晶性ポリエステルを主成分とするA層と該結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層が交互に積層されてなることが好ましい。結晶性とは、ガラス転移温度Tgと融点Tmを有する樹脂であり、融解エンタルピ−変化ΔHm>0となる樹脂である。より好ましくは15(J/g)以上である。なお、「主成分」とは、特定の成分が全成分中に占める割合が50質量%以上であることを意味し、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であることを意味する。A層に用いられる結晶性ポリエステルAとは異なる熱可塑性樹脂Bとは、A層に用いられる結晶性ポリエステルAとは異なる熱特性を示すものをさし、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において異なる融点やガラス転移点を示すものをさす。また、ここでいう交互に積層されてなるとは、異なる熱可塑性樹脂からなる層が厚み方向に規則的な配列で積層されていることをいい、たとえば異なる屈折率を有する2つの熱可塑性樹脂A及びBからなる場合、各々の層をA層、B層と表現すれば、A(BA)n(nは自然数)の規則的な配列で積層されたものである。このように熱特性の異なる樹脂が交互に積層されることにより、二軸延伸フィルムを製造する際に各々の層の配向状態を高度に制御する事が可能となり、ひいては位相差やUVカット性を制御できるものである。
本発明に用いる結晶性ポリエステル中に添加することができる樹脂や、熱可塑性樹脂Bとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリアセタールなどの鎖状ポリオレフィン、ノルボルネン類の開環メタセシス重合、付加重合、他のオレフィン類との付加共重合体である脂環族ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリブチルサクシネートなどの生分解性ポリマー、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド、アラミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアセタール、ポリグルコール酸、ポリスチレン、スチレン共重合ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボーネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。この中で、強度・耐熱性・透明性および汎用性の観点から、結晶性ポリエステルとは異なる熱可塑性樹脂Bは、強度・耐熱性・透明性・汎用性に加え、結晶性ポリエステルとの密着性・積層性という観点からポリエステルからなることが好ましい。これらは、共重合体であっても、混合物であってもよい。
また、熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
本発明のポリエステルフィルムに好ましく添加する紫外線吸収材(UVA)の濃度は0.5〜2質量%であることが好ましく、0.7〜1.8質量%であればより好ましく、0.8〜1.5質量%であれば更に好ましく、1.0〜1.5質量%であれば特に好ましい。UVAの濃度が0.5質量%未満の場合、UVカット性に劣る可能性がある。一方、UVAの濃度が2質量%を超える場合、工程汚染や色味変化、機械強度の低下などが生じる可能性がある。また、UVAとしては、波長300〜400nmの領域でのUV吸収能の観点で、2,2’−メチレンビス[6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサゾジン−4−オン)、2−(4,6−(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノールや、これらの混合物を好ましく用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、25℃から85℃の長手方向の線膨張係数が5.0×10−5/℃以下であることが好ましい。フィルムの線膨張係数は4.5×10−5/℃以下であればより好ましく、4.2×10−5/℃以下であれば更に好ましく、4.0×10−5/℃以下であれば特に好ましい。フィルムの線膨張係数が5.0×10−5/℃を超える場合、偏光板の耐久性試験において偏光板がカールしたりフィルムと偏光子の界面でシワが発生したりしてしまう可能性がある。フィルムの線膨張係数を上記の通り制御する方法としては、上記したように熱可塑性樹脂Bにスピログリコール、ナフタレンジカルボン酸、ポリエーテルイミド、ビスフェノールA、フルオレン、イソソルビド成分のいずれかを含み、且つ後述する製膜条件をとることにより達成することが挙げられる。
積層フィルムの積層数は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVの条件でフィルムの断面を観察し、断面写真を撮影、積層数を測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、RuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いた。また、1枚の画像に取り込められるすべての層の中で最も厚みの薄い層(薄膜層)の厚みにあわせて、薄膜層厚みが50nm未満の場合は10万倍、薄膜層厚みが50nm以上500nm未満である場合は4万倍、500nm以上である場合は1万倍の拡大倍率にて観察を実施した。
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いた。サンプルをフィルム幅方向中央部から3.5cm×3.5cmで切り出し、フィルム幅方向が本測定装置にて定義されている角度0°となるように装置に設置し、波長590nmにおけるRe、及びRthを測定した。なお、Rthは、入射角0〜50°(10°毎)時の各位相差値の2次近似により算出した。
フィルム幅が400mm以上の積層フィルムにおいて、フィルムの幅方向全体に50mm間隔に上記(2)項に記載の方法にてサンプリングした後、それぞれのサンプルの中央のReを測定し、Reの最大値と最小値の差を平均値で割って、%表示した値を本積層フィルムのReの幅方向のバラツキとした。ロール状の積層フィルムであれば、ロールの巻き方向をフィルム長手方向とし、それに直行する方向が幅方向に相当する。一方、カットされたシート状である場合には、フィルムの長辺方向と長辺方向に直交する方向の両末端(両端部よりそれぞれ25mm離れた箇所)においてReを計測し、フィルム中央との差が大きい方向を本発明でいう積層フィルムの幅方向とする。
サンプルは、フィルムの幅方向の中央部から、長手方向に15cm、幅方向に1.5cmで切り出し長手方向のヤング率測定用サンプルとした。同様に、幅方向に15cm、長手方向に1.5cmで切り出し幅方向のヤング率測定用サンプルとした。ヤング率、破断伸度は、JIS−K7127−1999に準拠した測定において、ロボットテンシロンRTA(オリエンテック製)を用いて、温度23℃、湿度65%RHにおいて測定した。なお、引っ張り速度は300mm/minとした。
接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定した。測定は場所をかえて10回行い、その平均値を積層フィルムの厚みとした。
サンプルをフィルム幅方向中央部から長手方向50mm×幅方向4mmで切り出し、セイコーインスルメンツ(株)製 TMA/6000を用い、25℃から200℃の温度範囲、昇温速度5℃/min、ホールド5分、測長15mm、引張定長条件でTMAを測定した。なお、測長時の荷重は19.6mNに設定した。収縮応力の立ち上がり温度は、測定結果荷重から初期荷重を引いた値が10mNを初めて超えた時の温度とした。
サンプルをフィルム幅方向中央部から長手方向50mm×幅方向4mmで切り出し、セイコーインスルメンツ(株)製 TMA/6000を用い、25℃から150℃の温度範囲、昇温速度5℃/min、ホールド5分、荷重29.4mN、測長15mm、引張定荷重条件でTMAを測定した。なお、測長時の荷重も測定時と同様の29.4mNに設定した。測定結果より25℃から85℃の長手方向の線膨張係数を算出した。
硬化型ウレタンアクリル樹脂(日本合成化学工業(株)製 紫光UV−1700B)を、メチルエチルケトン溶媒を用いて30%の濃度に希釈し、ポリエステルフィルムの最表面上にバーコーターを用いて均一に塗布し、120W/cm2の照射強度を有する集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製 H04−L41)で積算照射強度が180mJ/cm2となるように紫外線を照射し、硬化させた後、90℃の熱処理を行い、厚み2μmのハードコートが付与されたポリエステルフィルムを作成し、幅方向中央部分から30mm×30mmのサイズで切り出したサンプルについて、目視による下記の判定基準により評価した。
上記(4)項で測定したヤング率、及び破断伸度を下記の判定基準によりハンドリング性として評価した。
○:長手方向および幅方向のヤング率が2GPa以上3GPa未満、且つ破断伸度が50%以上
×:長手方向または幅方向のヤング率が2GPa未満、もしくは破断伸度が50%未満
(10)フイルムのガラス転移点(Tg)
フィルムの動的粘弾性測定を、以下の条件でセイコーインスツルメント社製DMS−6100を利用して測定した。
最小荷重:50mN
周波数 :1Hz
変位 :5μm
温度プログラム:25℃start→250℃end 5min保持 (2℃/min)
次いで得られたtanδの温度依存性の図からα緩和温度を求めた。本発明のポリエステルフィルムのα緩和温度は、樹脂A層とB層のガラス転移点近傍にみられるピークの事であり、α緩和温度が2つ確認される場合は、低い方をガラス転移点として採用した。
吐出後、すぐに10℃以下の冷水で冷却した溶融混練ポリエステルチップを、示差熱量分析(DSC)を用いて25℃から290℃まで5℃/minで昇温し、このとき現れる転移点をJIS−K−7122(1987年)に従って測定・算出した。
装置:SIIナノテクノロジー(株)(旧セイコー電子工業(株))製
“EXTRA DSC6220”
サンプル質量:5mg。
フィルムロールの幅方向中央部から幅方向150mm、長手方向150mmのフィルム試料を採取した。それぞれの試料の中央部に、長手方向、幅方向それぞれについて、原長(L0)として100mmの間隔となるように一対の印をつけた。試料をオーブン中で85℃にて6時間処理をした後に室温まで冷却し、一対の印間の距離を測定し、処理後の長さ(L1)とした。それぞれの位置・方向における熱収縮率は、100×(L0−L1)/L0に従い算出した。得られた結果を長手方向・幅方向それぞれについて平均値を算出し、フィルムの熱収縮率とした。
(実施例1)
結晶性ポリエステルとして、融点が258℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるスピログリコール30mol%、シクロヘキサンジカルボン酸15mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用いた。上記PE/SPG・T/CHDC98質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(A)を得た。
融点を持たない非晶性樹脂であるスピログリコール20mol%、シクロヘキサンジカルボン酸30mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を96質量%、UVAとして2,2’−メチレンビス[6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]4質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(B)を得た。
実施例1において、組成物Aの変わりに組成物Bを用い、長手方向の弛緩率を0.5%とした以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1において、横延伸倍率を5倍、熱処理温度を230℃とした以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1において、長手方向弛緩処理時の温度を90℃とした以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1において、スリット数3個の積層装置を用い、PET2層、組成物A1層とした以外は、実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1において、スリット数601個の積層装置を用い、PET301層、組成物A300層とした以外は、実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂である2,6−ナフタレンジカルボン酸30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート(PET/N)を用いた。上記PET/N98質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(C)を得た。
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂である1,4−シクロヘキサンジメタノール30mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート(PETG)を用いた。上記PETG93質量%、ポリエーテルイミド(PEI)5質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(D)を得た。
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)を用いた。上記PETG93質量%、ポリカーボネート(PC)5質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(E)を得た。
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるイソフタル酸20mol%、フルオレン25mol%を共重合したエチレンテレフタレート(PET/I・FO)を用いた。上記PET/I・FO98質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(F)を得た。
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるイソソルビド15mol%、シクロヘキサンジメタノール20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート(PET/ISB・CHDM)とイソフタル酸25mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート(PET/I)を用いた。上記PET/ISB・CHDM49質量%、PET/I49質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(G)を得た。
実施例11において、スリット数601個の積層装置を用い、また、熱可塑性樹脂Aとして、PETにPET/ISB・CHDMを25質量%の割合で混合した熱可塑性樹脂組成物(I)を用い、組成物I301層、組成物G300層とした以外は、実施例11と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例2において、長手方向弛緩処理時の温度を80℃とした以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例1において、横延伸倍率を6.2倍とした以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
熱可塑性樹脂Bとして、融点を持たない非晶性樹脂であるPETGを用いた。上記PETG98質量%、UVAとして2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン2質量%がこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、280℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットして熱可塑性樹脂組成物(H)を得た。
Claims (11)
- 長手方向の85℃、6時間での熱収縮率が0.5%以下であり、入射角0°での位相差(Re)が400nm以下、長手方向および幅方向のヤング率がともに2GPa以上、長手方向および幅方向の破断伸度がともに50%以上、長手方向のTMA測定時の収縮応力の立ち上がり温度が90℃以上であるポリエステルフィルム。
- 厚み方向に3層以上積層された請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 前記ポリエステルフィルムが、結晶性ポリエステルを主成分とするA層と該結晶性ポリエステルと異なる熱可塑性樹脂Bを主成分とするB層が交互に積層されてなる請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
- 前記熱可塑性樹脂Bが非晶性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 熱可塑性樹脂Bがスピログリコール、ナフタレンジカルボン酸、ポリエーテルイミド、ビスフェノールA、フルオレン、イソソルビド成分のいずれかを含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- フィルム幅が400mm以上であり、Reのバラツキが幅方向において18%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ガラス転移点が90℃以上である請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 25℃から85℃の長手方向の線膨張係数が5.0×10−5/℃以下である請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 積層数が51〜601層である請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
- 偏光板保護フィルムとして用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルムを用いてなるタッチパネル用ITO基材フィルム。
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