JPH0832498B2 - 転写フィルム用ポリエステルフィルム - Google Patents

転写フィルム用ポリエステルフィルム

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JPH0832498B2 JP19663987A JP19663987A JPH0832498B2 JP H0832498 B2 JPH0832498 B2 JP H0832498B2 JP 19663987 A JP19663987 A JP 19663987A JP 19663987 A JP19663987 A JP 19663987A JP H0832498 B2 JPH0832498 B2 JP H0832498B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は深絞り性、平面性及び耐熱性に優れ、且つ粗
大物の極めて少ない転写フィルム用ベースフィルムとし
て極めて優れたポリエステルフィルムに関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
成形品への印刷手法は従来種々の方法が用いられてい
るが、その中の代表的手法は一つとして転写印刷法があ
る。近年、該印刷法の一つとして脚光を浴びているの
が、、成形と同時に転写も行なう、いわゆる成形転写法
である。
該転写法を第1図を用いて簡単に説明する。予め印刷
層を含む層4、例えば離型層、印刷層、接着層を順次積
層したものとベースフィルム3とを、射出機2と金型1
との間に位置決めする。該フィルムを必要に応じて加熱
後真空又は圧空等により予備成形した後、射出機2より
樹脂を注入する。該成形時の圧力で印刷層を含む層4が
成形品表面に転写され、成形後ベースフィルム3を該成
形品より剥離する事により、成形及び印刷共に完成す
る。
このよう転写法は、従来の成形後印刷する方法に比べ
て工程の省略により大幅なコストダウンが可能となり、
又平面に限らず、2次、3次曲面に極めて正確に且つ迅
速に印刷出来る利点を持つ。
該転写法に用いられるベースフィルムとしては、従来
ポリエステルフィルムや塩化ビニール系樹脂のフィルム
が用いられて来た。しかしながら、従来のポリエステル
フィルムは上記成形工程におけるフィルムの伸び率が極
めて小さく、金型をより深く、又は複雑な形状とした場
合に該工程におけるフィルム破れが頻発し、転写が事実
上不可能となる。従って該ポリエステルフィルムは、底
が浅く、かつ単純な形状の金型を用いた成形転写におい
てのみ使用されているのが現状である。
一方、塩化ビニール系樹脂のフィルムは上述の底の深
い、又は複雑な形状の金型に対する成形性(以下、深絞
り性と称す)は非常に優れてはいるものの、ポリエステ
ルフィルムに比べ、フィルムの平面性に劣り、且つ、フ
ィルム表面、又は内部に存在する粗大物数も極めて多
く、正確且つ鮮明な転写印刷用のベースフィルムとして
は不適当であった。
成形品の形状は近年増々多種多様となり、上記の深絞
り性を必要とする成形転写の需要は増加して来ており、
それ故、転写フィルムのベースフィルムとしてポリエス
テルフィルムの持つ平面性及びフィツシュアイの少なさ
を維持し、且つ塩化ビニール系樹脂のフィルムが有する
深絞り性に優れたフィルムを得る事が望まれていた。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者らは上記問題点に鑑み鋭意検討の結果、ある
特定の組成を有する二軸配向ポリエステルフィルムにあ
る特定の物性を付与する事により、上記の問題点を解決
できる転写フィルム用ベースフィルムが得られる事を見
出し、本発明に到達するに至った。
即ち本発明の要旨はジカルボン酸成分としてイソフタ
ル酸単位が1モル%以上50モル%以下であるポリエステ
ルからなるフィルムであって、そのフィルムの平均屈折
率が1.598以下であり、且つ該フィルムの面配向度が0.0
50以上、0140以下であり且つ該フィルムの融解熱が、8c
al/g以下であることを特徴とする転写フィルム用ポリエ
ステルフィルムに存する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリエステルは、ジカルボン酸成
分として、テレフタル酸、シユウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸等、公知のジカルボン酸の一種
もしくは二種以上からなり、又、ジオール成分としてエ
チレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等公知
のジオール成分の一種又は二種以上からなるポリエステ
ルである。本発明においてはジカルボン酸成分中のイソ
フタル酸単位が1モル%以上50モル%以下であることが
必要であり、好ましくは5モル%以上30モル%以下、更
に好ましくは10モル%以上30モル%以下であることが望
ましい。
本発明においては、とりわけポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、テレフタル酸と1,4−シクロヘキサン
ジメタノールを主成分としたイソフタル酸共重合体がコ
ストの面からいっても好適である。
該共重合体にイソフタル酸単位を含有させることによ
り、耐熱性をあまり低下させることなく、フィルムの成
形性を向上させることができる。ジカルボン酸成分中に
おけるイソフタル酸単位の含有量が1モル%未満ではフ
ィルムの成形性が不十分となり好ましくない。また該含
有量が50モル%を超えるとフィルムの耐熱性が低下し、
好ましくない。
上記イソフタル酸の含有量を満たす限りにおいて、共
重合成分として例えばp−オキシ安息香酸のごときオキ
シカルボン酸、安息香酸、ベンゾイル安息香酸、メトキ
シポリアルキレングリコールのごとき一官能性化合物、
グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチレンプロ
パのごとき多官能性化合物も、生成物が実質的に線状の
高分子を保持し得る範囲内で使用する事ができる。
上記共重合ポリエステルにおいて、ポリエチレンテレ
フタレートの割合は好ましくは50モル%以上、更に好ま
しくは70モル%以上である。ポリエチレンテレフタレー
トが50モル%未満であるとフィルムにした場合の強度及
び耐熱性が低下するので好ましくない。
又、フィルムの易滑性を向上させるために、有機滑
剤、無機の滑剤等の微粒子を含有せしめることも好まし
い。又、必要に応じて安定剤、着色剤、酸化防止剤、消
泡剤、静電防止剤等の添加剤を含有するものであっても
良い。滑り性を付与する微粒子としては、カオリン、ク
レー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフタル酸カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシ
ウム、フッ化リチウム、カーボンブラック等の公知の不
活性外部粒子、ポリエステル樹脂の溶融製膜に際して不
溶な高融点有機化合物、架橋ポリマー及びポリエステル
合成時に使用する金属化合物触媒、たとえばアルカリ金
属化合物、アルカリ土類金属化合物などによってポリエ
ステル製造時にポリマー内部に形成される内部粒子があ
げられる。フィルム中に含まれる該微粒子は0.005〜0.9
重量%、平均粒径としては0.001〜3.5μmであることが
好ましい。
本発明のポリエステルは、フィルムにおける極限粘度
が好ましくは0.40以上、更に好ましくは0.50以上であ
る。フィルムの極限粘度が0.40未満の場合は、十分な強
度及び深絞り性が得られず、好ましくない。
斯かるポリエステルを延伸製膜し、特定のフィルム物
性を付与させる事により、本発明における所望のフィル
ムとなる。
また本発明における重要な構成要件の1つとして本発
明のポリエステルフィルムにおいて下記式で表わされる
面配向度△Pが0.050以上0.140以下であることが必要で
あり、好ましくは0.050以上0.130以下、更に好ましくは
0.050以上0.120以下である事が好ましい。
上記式においてnγ、nβ及びnαは、各々、フィル
ム面内の最大屈折率、それに直交する方向の屈折率、厚
さ方向の屈折率を表わす。
該面配向度△Pが0.140を超えるフィルムは深絞り性
が不十分で、成形転写時にフィルム破れが頻発し好まし
くない。この原因は明確ではないが本発明者らの推定す
る所では、該面配向度△Pが0.140を超えるようなフィ
ルムはフィルム面内における分子鎖の配向度が高く、深
絞りの成形転写時にフィルムに十分な伸度を与える余地
が残っていないと思われる。
又、該面配向度△Pが0.050未満のフィルムでは、該
フィルム面内の配向度が不十分となり、フィルムの強度
の低下及び平面性の悪化が発生し、好ましくない。
しかしながら該面配向度△Pを上記範囲内に制御する
事により成形転写時位の深絞り性を少なからず向上させ
たものの、該深絞り性は未だ完全に満足出来るレベルに
は達していなかった。
本発明者らは更に検討を重ねた結果、驚くべき事にフ
ィルムの平均屈折率及び該フィルムの融解熱が成形転写
時の該フィルムの深絞り性に大きく関与している事を見
出した。
即ち、本発明のフィルムにおいては、下記式で表わさ
れる該フィルムの平均屈折率が1.598以下であること
が必要であり、好ましくは1.597以下、更に好ましくは
1.590以上1.597以下である事が望ましい。
このの値はフィルムの結晶化度と相関関係があり、
結晶化度が高いとも高くなる。本発明において、フィ
ルムのが1598を超えると該フィルムの結晶化度が高く
なり、成形転写時のフィルムの破断が頻繁に発生し好ま
しくない。
又本発明においてフィルムの融解熱が8cal/g以下であ
ることも本発明の重要な構成要件の1つであり、好まし
くは6cal/g以下、更にい好ましくは2〜6cal/gである。
該融解熱が8cal/gを超えるフィルムは、やはり深絞り性
が乏しくなり好ましくない。
上記のようなフィルム物性が、何故該フィルムの深絞
り性に関与するかは定かではないが、本発明者らは以下
のように考える。
即ち、成形転写時、フィルムは射出された樹脂により
100〜200℃程度に加熱され、局部的に相当倍率、例えば
1.5〜3倍程度に引き伸ばされる。このような成形転写
においてフィルムが破断しない為には、前述した面配向
度が十分低い事も必要であるが、それに加え、フィルム
の結晶化度及び加熱されたときの該フィルムの結晶化挙
動が非常に重要であると考えられる。成形転写時のフィ
ルムの伸びは、そのほとんどが該フィルムの非晶部に依
るものと思われ、従ってフィルルの結晶化度が高いと伸
びる余地を持った非晶部が少なくなり、成形転写時にフ
ィルム破断が発生しやすくなると考えられる。
一方元々のフィルムの結晶化度が適正な範囲にある場
合でも成形転写前、或いは成形転写時の加熱によりイフ
ィルムの結晶化が進行すると、上記と同じ理由により成
形転写時にフィルムの破断が頻発しやすいと思われる。
一般に融解熱の高いフィルムは結晶性が高く、結晶化
度も増加しやすい傾向にある。本発明においてフィルム
の融解熱が8cal/gを超えると、成形転写前或いはその時
の加熱によりフィルムの結晶化が進行し、成形転写時に
フィルムの破断が頻発して好ましくない。又、該融解熱
が2cal/g未満のフィルムは成形転写時の深絞り性には問
題ないものの製膜時の原料乾燥工程において、結晶化が
極めて困難な為、真空乾燥等の繁雑な工程が必要とな
る。
本発明のフィルムにおいて、フィルムの厚さ斑は好ま
しくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。該フ
ィルムの厚さ斑が20%を超えるとフィルムの平面性が十
分でなく、印刷層形成時に図柄に歪み等が生じやすくな
り好ましくない。
又、本発明のフィルムにおいて、フィルム表面又は内
部に存在する最大径1.0mm以上の粗大物の数が、100cm2
当りで好ましくは5個以下、更に好ましくは2個以下で
ある。
該粗大物の数が100cm2当りで5個を超えるようなフィ
ルムは、印刷層に抜けが生じ、転写後にいわゆる印刷抜
けが生ずるので好ましくない。
本発明のフィルムにおいて、空気中150℃、3分の条
件下での縦及び横方向の収縮率が好ましくは10%以下、
更に好ましくは5%以下である事が好ましい。該収縮率
が10%を上回るフィルムは、加工工程における加熱区
間、例えば印刷層形成後の乾燥工程においてフィルムの
縦方向の縮み、又は横方向の縮みが発生し、印刷した図
柄の歪み等が発生するので好ましくない。
本発明のフィルムにおける該フィルムの縦方向及び横
方向におけるヤング率は好ましくは300kg/mm2以上、更
に好ましくは350kg/mm2以上である。該ヤング率が300kg
/mm2未満のフィルムでは、成形工程においてフィルムに
巻取り張力が掛かった場合にフィルムに伸びが生じやす
く、印刷層の図柄等に歪みが生ずるので好ましくない。
本発明のフィルムにおいて、該フィルムの複屈折率は
好ましくは0.025以下、更に好ましくは0.020以下、特に
好ましくは0.015以下である。該フィルムの複屈折率が
0.025を超えると、フィルムの異方性が大きくなり、成
形転写時のフィルムの深絞り性が低下し好ましくない。
このようにして得られたフィルムの厚さは特に限定さ
れないが、成形転写用のフィルムとして好ましく用いら
れる厚さは5〜200μm、更に好ましくは10〜150μmで
ある。
次に本発明のフィルムの製造法を具体的に説明する
が、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特
に限定されるものではない。
滑り剤として無機粒子等を必要に応じて適量含有せし
めた本発明の共重合ポリエステルを、ホッパードライヤ
ー、パドルドライヤー、オーブン等の通常用いられる乾
燥機、又は真空乾燥機等を用いて乾燥した後、200〜320
℃で押出す。押出しに際しては、Tダイ法、チューブラ
法等、既存のどの手法を採用しても構わない。
押出し後急冷して無定形シートを得るが、急冷する際
に静電印加法を用いると該無定形シートの厚さ斑が向上
するので好ましい。
次いで該無定形シートを縦及び横方向に少なくとも面
積倍率で6倍以上、好ましくは9倍以上となるよう延伸
して二軸配向フィルムを得、必要に応じて該フィルムを
縦及び/又は横方向に再延伸を行なった後、好ましくは
150〜220℃の範囲の温度で熱処理を行ない所望のフィル
ムを得る。
該熱処理工程において、熱処理の最高温度のゾーン及
び/又は熱処理出口のクーリングゾーンにて横方向及び
/又は縦方向に0.1〜30%の弛緩を行なう事も本発明に
おいては好ましい態様の1つである。又、該熱処理工程
において、二段熱処理を行なっても構わない。
上記延伸工程中又は延伸後に、該フィルムに接着性、
帯電防止性、滑り性等を付与する為に、フィルムの片面
又は両面に塗布層を形成したり、或いはコロナ放電処理
等を施しても構わない。
以上本発明によれば、深絞り性、平面性及び耐熱性に
優れ且つ、粗大物の非常に少ない、転写フィルム用ベー
スとして極めて好適なポリエステルフィルムを得る事が
出来る。
〔実施例〕
以下、実施例にて本発明を更に具体的に説明するが、
本発明はその趣旨を超えない限り、これらの実施例に限
定されるものではない。
尚、フィルムの評価方法を以下に示す。
(1) フィルムの平均屈折率()、面配向度(△
P)、複屈折率(△n) フィルムの屈折率の測定は、アタゴ社製アッベの屈折
計を使用し、光源にはナトリウムランプを用いて測定し
た。
フィルム面内の最大の屈折率nγ、それに直交する方
向の屈折率nβ、及び厚さ方向の屈折率nαを求め、平
均屈折率()、面配向度(△P)、及び複屈折率(△
n)を次式に従って算出した。
△n=nγ−nβ (2) フィルムの融解熱 パーキンエルマー社製差動走査熱量計DSC−1Bによ
り、昇温速度16℃/minにて測定した試料の結晶の融解に
伴うピークの面積を求め、下記式に従い計算した。
A:同一条件でインジウムを測定したときのチャート上で
の単位面積当りの融解熱(cal/cm2) S:試料の融解ピークの面積(cm2) m:試料の重量(g) (3) 極限粘度(η) 試料200mgをフェノール/テトラクロロエタン=50/50
の混合溶媒20mlに加え、約110℃で30分間加熱後、30℃
で測定した。
(4) フィルムの厚さ斑 安立電気社製連続フィルム厚さ測定器(電子マイクロ
メーター使用)により、フィルムの縦方向に沿って5mの
長さで測定し、次式により厚さ斑を算出した。
(5) フィルムの粗大物数 倍率10倍の偏光顕微鏡を用い、偏光下でフィルムの表
面及び内部に存在する最大径1.0mm以上の粗大物の数を
フィルム面積100cm2当りの個数に換算した。
(6) フィルムの加熱収縮率 150±2℃の温度のギャードオーブン中にフィルムを
無負荷の状態で3分間熱収縮させ、縦及び横方向につい
ての加熱収縮率を下記式に従い求めた。
但し、l0:原長10cm l:収縮後の長さ (7) フィルムの深絞り性 縦10cm、横10cm、最大深さ1cmの金型を用い、フィル
ムを真空及び圧空にて金型内部に予備成形した後、加熱
した樹脂を射出して成形を行なった。該成形時のフィル
ム破断の頻度によりフィルムの深絞り性を以下のように
評価した。
○:フィルムの破断が全く無い。
△:時々フィルム破れが1〜2ヶ所発生し、連続運転時
には支障をきたす。
×:フィルム破れが頻発し、使用不可能である。
(8) 転写フィルムとしての適性 フィルムの離型層、印刷層及び接着層を形成後、上記
(7)の方法にて実際に成形転写を連続で行なった。成
形時にフィルムの破断がなく連続に運転出来、且つ、成
形品への印刷が図柄の歪み、印刷の抜け等がほとんど見
られないものを○、そうでないものを×として評価し
た。
実施例1 ジガルボン酸成分としてテレフタル酸単位を80mol%
及びイソフタル酸単位を20mol%、ジオール成分として
エチレングリコール単位98mol%及びジエチレングリコ
ール単位2molよりなる、平均粒径1.2μmの無定形シリ
カを600ppm含む共重合ポリエステルを、パドルドライヤ
ーにて予備結晶化後本乾燥を行ない、285℃で押出機よ
り押出し後急冷固化し、無定形シートを得た。該無定形
シートの極限粘度は(η)は0.66であった。
該無定形シートを加熱ロールと冷却ロールの間で、IR
ヒーターを併用して85℃で縦方向に3.5倍延伸した後、
次いで110℃で横方向に3.8倍延伸し、15%の幅方向の弛
緩を行ないながら180℃で熱処理を行なった。得られた
フィルムの圧さは50μmであった。
比較例1 実施例1の無定形シートを用い、実施例1と同じ手法
を用いて90℃縦方向に2.0倍延伸し、次いで横方向に2.5
倍延伸後実施例1と同じ条件で熱処理を行ない、厚さ50
μmのフィルムを得た。
実施例2 実施例1の共重合ポリエステルとポリエチレンテレフ
タレートを60/40wt%の重量比でブレンド後、ホッパー
ドライヤーを用いて乾燥し、290℃で押出して急冷し、
無定形シートを得た。該無定形シートを実施例1と全く
同様に延伸した後、緊張固定下で170℃で熱処理を行な
い、その後の150℃の徐冷区間で輻方向に10%の弛緩を
行なった。得られたフィルムの厚さは75μmであった。
比較例2 実施例2の無定形シートを用い、熱処理温度を225℃
とした以外は実施例2と全く同様に延伸製膜を行ない厚
さ30μmのフィルムを得た。
比較例3 実施例2の無定形シートを用い、78℃の加熱ロールと
冷却ロールの間で縦方向に4.4倍延伸後、テンターにて1
00℃で4.8倍延伸し、実施例2と同様の操作により熱処
理を行なって厚さ30μmのフィルムを得た。
比較例4 極限粘度0.63のポリエチレンテレフタレートを常法に
より乾燥後、295℃にて押出し、急冷して無定形シート
を得た。該無定形シートを85℃で縦方向に2.6倍延伸
し、次いで110℃で横方向に3.0倍延伸した後、緊張固定
下で160℃で熱処理を行ない、厚さ50μmのフィルムを
得た。
上記実施例及び比較例で得られたフィルムの物性と評
価結果を表1にまとめた。
比較例1のフィルムは面配向度が低い為、厚さ斑に劣
り、その結果印刷後の図柄に歪みが生じ好ましくない。
比較例2のフィルムは平均屈折率が高く、比較例3は
フィルムの面配向度が高すぎ、比較例4はフィルムの融
解熱が高いためにやはり深絞り性が悪く好ましくない。
実施例1、2のフィルムは上記比較例のフィルムに比
べ、転写フィルム用ベースフィルムとして極めて優れた
適性を持っている事が分かる。
〔発明の効果〕
以上記載の通り、本発明の条件を満足するフィルム
は、深絞り性、平面性及び耐熱性等に優れ、転写フィル
ムのベースフィルムとして極めて有用な事が分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は成形と同時に転写も行なう成形転写法の概略を
示す図である。図中の1は金型、2は射出機、3はベー
スフィルムそして4は印刷層を含む層を表わす。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸成分としてイソフタル酸単位
    が1モル%以上50モル%以下であるポリエステルからな
    るフィルムであって、そのフィルムの平均屈折率が1.59
    8以下であり、且つ該フィルムの面配向度が0.050以上、
    0.140以下であり、且つ該フィルムの融解熱が、8cal/g
    以下であることを特徴とする転写フィルム用ポリエステ
    ルフィルム。
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