JP2819761B2 - 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

成形用二軸延伸ポリエステルフィルム

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成形性、厚さ斑、耐熱性及び表面光沢性に優
れた成形用二軸延伸ポリエステルフィルムに関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
従来、二軸延伸ポリエステルフィルムは強度、耐熱性
に優れ、種々の工業用用途に幅広く適用されている。例
えば、真空、圧空、張出、冷間、射出、インモールド、
エンボス加工等の原材料または補助材としてポリエステ
ルフィルムを用いることが検討され、加工されるポリエ
ステルフィルムの用途として、成形転写用、成形容器
用、電絶用、包装用、装飾用等への適用が検討されてい
る。
しかしながら二軸延伸ポリエステルフィルムは、塩化
ビニール系樹脂に比べ成形性が劣るため、これらの用途
における適用が困難であった。特に成形転写用、成形容
器用ベースフィルムとして成形性の改良が求められてい
た。
本発明者らは上記要求に対し、種々の成形性を改良し
た二軸延伸ポリエステルフィルムを提案してきた。
しかしながら、成形性を改良すると、フィルムの厚さ
斑が大きく悪化してしまい、加工時にさまざまな問題が
生じる。例えば、成形転写用フィルムの厚さ斑が不良で
あると、フィルムの平面性が悪化するだけでなく、成形
転写時にフィルムの伸びが不均一となるため、転写した
図柄の精度が低下する。また、成形容器用フィルムの厚
さ斑が不良であると成形性が不均一となるため、フィル
ムの破断や積層加工時に部分的な層間剥離が発生する傾
向がある。
このように、成形用ポリエステルフィルムにおいて、
成形性及び厚さ斑の改良という二律排反の現象を同時に
満足させることが要求され、また、耐熱性および表面光
沢性の改良も求められていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、
ある特定の特性を有するポリエステルフィルムが成形用
フィルムとして有用であることを見いだし、本発明を完
成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、下記〜式を同時に満足
することを特徴とする成形用二軸延伸ポリエステルフィ
ルムに存する。
10≦Gs(60゜)≦90 … 55≦X100≦80 … 0.05・(80−X100)≦F100≦0.05・(135−X100) … 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリエステルは、ジカルボン酸成
分として、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等、公知
のジカルボン酸の一種もしくは二種以上からなり、ま
た、ジオール成分としてエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオ
ペンチルグリゴール等公知のジオール成分の一種又は二
種以上からなるポリエステルである。
本発明のポリエステルにおいて共重合成分として、例
えばp−オキシ安息香酸のようなオキシカルボン酸、安
息香酸、ベンゾイル安息香酸、メトキシポリアルキレン
グリコールのような一官能性化合物、グリセリン、ペン
タエリスリトールのような多官能性化合物も、生成物が
実質的に線状の高分子を保持し得る範囲内で使用するこ
とができる。
本発明のフィルムを構成するポリエステルにおいて、
ポリエチレンテレフタレートの割合は好ましくは50モル
%以上、更に好ましくは70モル%以上である。ポリエチ
レンテレフタレートが50モル%未満であるとフィルムに
した場合の強度及び耐熱性が低下するので好ましくな
い。
また、上記ポリエステルに対し、ポリエステル以外の
ポリマー、例えばポリカーボネート、ポリオレフィン、
ポリアミド等を本発明の要旨を越えない範囲、例えば全
体の30wt%以下であれば添加、混合しても構わない。こ
のように、他種のポリマーを添加、混合することにより
フィルム表面を粗面化し、好適な表面光沢性、筆記性を
与える方法も、本発明を具現化するための一手法として
挙げられる。
本発明のフィルムの成形性および耐熱性を向上させる
ためには、フィルムを構成するポリエステルの酸成分中
に脂肪族ジカルボン酸成分を好ましくは1〜20mol%、
更に好ましくは1〜10mol%含有させる。
本発明のフィルムを構成するポリエステル中に含有さ
せる脂肪族ジカルボン酸成分としては、通常、炭素数4
〜12、好ましくは炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分が用いられる。
また、フィルムに易滑性、表面光沢性等を付与するた
めに、有機、無機等の微粒子を含有させることも好まし
く、必要に応じて安定剤、着色剤、酸化防止剤、消泡
剤、静電防止剤等の添加剤を含有するものであってもよ
い。滑り性、表面光沢性を付与する微粒子としては、カ
オリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフ
タレ酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リ
ン酸カルシウム、フッ化リチウム、カーボンブラック等
の公知の不活性外部粒子、ポリエステル樹脂の溶融製膜
に際して不溶な高融点有機化合物、架橋ポリマー及びポ
リエステル合成時に使用する金属化合物触媒、例えばア
ルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などによっ
てポリエステル製造時にポリマー内部に形成される内部
粒子等が挙げられる。
本発明のフィルムに含有させる微粒子としては、特
に、所要の表面光沢性を効率よく付与するために、酸化
ケイ素の微粒子を主体とすることが好ましい。
上記態様において、酸化ケイ素微粒子に加えて他の微
粒子例えば、酸化チタンを含有することも、また好まし
い態様の一つである。
本発明のフィルム中に含まれる微粒子の含有量は好ま
しくは0.1〜5.0wt%、更に好ましくは0.1〜3.0wt%、特
に好ましくは0.2〜2.0wt%の範囲であり、その平均粒径
は好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは1.0〜10μ
m、特に好ましくは2.0〜7.0μmの範囲である。本発明
のフィルムにおいて上記含有量及び平均粒径の粒子を選
択することにより、所望の表面光沢性、筆記性を持つフ
ィルムを得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムの極限粘度は、好まし
くは0.50以上、更に好ましくは0.60以上である。フィル
ムの極限粘度が0.50未満の場合、十分な成形性が得られ
ず好ましくない。
本発明のフィルムにおいてフィルムの光沢度Gs(60
゜)は10〜90%の範囲である。Gs(60゜)が10%未満の
フィルムでは、成形加工後の成形品表面が粗面化し過ぎ
て好ましくない。一方、Gs(60゜)が90%を超えるフィ
ルムでは、成形品表面に十分な艶消しを与えられず、好
ましくない。フィルムのGs(60゜)の値は好ましくは15
〜80%、更に好ましくは、20〜70%、特に好ましくは20
〜60%の範囲である。
フィルムの光沢度Gs(60゜)を上記範囲とするために
は、例えば、前述したようにフィルムに有機,無機等の
微粒子を含有させる方法が採用され、該微粒子として
は、酸化ケイ素微粒子を主体とすることが特に好まし
い。
本発明のフィルムにおいて、微結晶サイズ(X100
は、55〜80Åの範囲であり、好ましくは60〜80Åの範
囲、更に好ましくは65〜75Åの範囲である。
本発明でいう微結晶サイズ(X100)とは、X線回折に
よって測定される(100)回折ピークの半価幅よりShell
erの式を用いて得られる微結晶サイズである。
我々の検討結果によると、微結晶サイズ(X100)は、
フィルムの耐熱性及び強度に深く関係しており、微結晶
サイズ(X100)が55Å未満のフィルムでは、フィルムの
耐熱性が低下し、好ましくない。また、微結晶サイズ
(X100)が80Åを越えるフィルムでは、フィルムの強度
が低下し、平面性が悪化するため好ましくない。
本発明のフィルムにおいて、F100は、0.05・(80−X
100)〜0.05・(135−X100)の範囲であり、好ましくは
0.05・(85−X100)〜0.05・(130−X100)の範囲、更
に好ましくは0.05・(90−X100)〜0.05・(130−
X100)の範囲である。
本発明でいうF100は、150℃の雰囲気下における100%
伸長時でのフィルムの縦及び横方向の強度の平均値(kg
/mm2)である。
我々の検討結果によると、フィルムの強度F100は、フ
ィルムの成形性に深く関係しており、F100値が低い程、
フィルムの成形性が良好となる傾向にあるが、単にF100
値を下げるとフィルムの厚さ斑が悪化する。微結晶サイ
ズ(X100)との関係において上記範囲内とすることによ
り、予想外にも、厚さ斑だけでなく、成形性および耐熱
性も改良できたものである。
F100が0.05・(135−X100)を超すフィルムでは、成
形性が低下し、好ましくない。また、F100が0.05・(80
−X100)未満のフィルムでは、成形時フィルムが不均一
に変形し、例えば転写用フィルムでは、転写する図柄の
歪み等が生じ好ましくない。
本発明のフィルムにおいて、F100値は好ましくは0.2
〜3kg/mm2の範囲であり、更に好ましくは0.5〜2.5kg/mm
2の範囲である。
また縦方向と横方向の150℃、100%伸長時のフィルム
強度の差は通常2kg/mm2以下であり、好ましくは1.5kg/m
m2以下、更に好ましくは1kg/mm2以下である。かかる差
が2kg/mm2を超えると異方性が大きくなるため成形性が
悪化する。
また本発明のフィルムにおいて、フィルムの厚さ斑は
好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、最も好
ましくは15%以下である。厚さ斑が30%を越えるフィル
ムでは、成形性及び成形時の伸びが不均一となり、成形
転写時に図柄の歪みが生じ好ましくない。
本発明のフィルムの収縮特性に関しては、150℃で3
分間処理後の縦及び横方向の収縮率が共に10%以下であ
ることが好ましく、更に好ましくは5%以下である。
縦又は横方向の収縮率が10%を上回るフィルムは、加
工工程中の加熱区間においてフィルムの縮みが大きく発
生し好ましくない。特に転写用フィルムの用途では、上
記条件下における横方向の収縮率が0%以下(フィルム
が膨張する場合は収縮率をマイナスとする)であること
が好ましい。横方向の収縮率が0%を越えるフィルムで
は、成形転写用として用いる場合、印刷層形成後の乾燥
工程においてフィルムが巾縮みを起こし好ましくない。
また、本発明においてフィルムの融解熱は好ましくは
1〜8cal/g、更に好ましくは1〜6cal/gの範囲である。
融解熱が8cal/gを越えるフィルムでは成形性が低下し好
ましくない。一方、融解熱が1cal/g未満のフィルムは、
特に耳部等のリサイクルを行なう場合、製膜等の原料乾
燥工程において結晶化が極めて困難なため、真空乾燥等
の繁雑な工程が必要となり、好ましくなく、またフィル
ムの厚さ斑も悪化し好ましくない。
本発明において、フィルムの密度は好ましくは1.370
以下、更に好ましくは1.365以下、特に好ましくは1.360
以下である。フィルムの密度が、1.370を越えるフィル
ムでは成形性が不十分となり好ましくない。
本発明のフィルムの機械的強度に関し、フィルムの縦
方向及び横方向におけるヤング率が好ましくは200kg/mm
2以上、更に好ましくは300kg/mm2以上である。ヤング率
が200kg/mm2未満のフィルムでは、成形工程においてフ
ィルムの伸びが生じやすく好ましくない。
本発明のフィルムの厚さは特に限定されないが、成形
転写用のフィルムとして好ましく用いられる厚さは5〜
500μm、更に好ましくは5〜300μmの範囲である。
次に本発明のフィルムの製造法を具体的に説明する
が、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特
に限定されるものではない。
滑り剤として無機粒子等を必要に応じて適量含有する
本発明のポリエステルを、ホッパードライヤー、パドル
ドライヤー、オーブン等の通常用いられる乾燥機または
真空乾燥機等を用いて乾燥した後、200〜320℃で押出
す。押出しに際しては、Tダイ法、チューブラ法等、既
存のどの手法を採用しても構わない。
押出し後、急冷して無定形シートを得るが、急冷する
際に静電印加法を用いると該無定形シートの厚さ斑が向
上するので好ましい。
次いで得られた無定形シートを縦方向に少なくとも2.
8倍以上、好ましくは3.0倍以上、更に好ましくは3.2倍
以上延伸する。縦方向の延伸倍率が2.8倍未満ではフィ
ルムの縦方向の厚さ斑が悪化するので好ましくない。
次に得られた縦延伸フィルムを横方向に3.0〜5.0倍に
延伸し二軸配向フィルムを形成する。横方向の延伸倍率
が3.0倍未満では、横方向の厚さ斑が悪化するので好ま
しくない。横延伸倍率は、好ましくは3.2〜5.0倍、更に
好ましくは3.4〜5.0倍の範囲である。
次に得られた二軸配向フィルムを、熱処理するが、本
発明のフィルムを得るためには、この熱処理工程が重要
である。フィルムの融点をTm(℃)とすると、熱処理温
度は、(Tm−40)〜(Tm−5)℃の範囲が好ましく、更
に好ましくは、(Tm−35)〜(Tm−10)℃、特に好まし
くは(Tm−30)〜(Tm−15)℃の範囲である。
熱処理温度が(Tm−40)℃より低い場合は、フィルム
の配向の緩和が不充分でありフィルムの成形性及び耐熱
性が劣り、好ましくない。また、フィルムの熱処理温度
が(Tm−5)℃を超えると、フィルムの成形性が悪化す
るだけでなく、製膜時の破断が生じるため好ましくな
い。
熱処理時間は、通常、1秒〜10分間である。
熱処理工程において、熱処理の最高温度のゾーン及び
/又は熱処理出口のクリーングゾーンにて横方向及び/
又は縦方向に0.1〜30%の弛緩を行なうことも本発明に
おいては好ましい態様の1つである。特に横方向におい
ては5〜30%の弛緩を行なうことが好ましい。また、熱
処理工程において、二段熱処理を行なっても構わない。
上記延伸工程中又は延伸後に、フィルムに表面光沢
性、接着性、帯電防止性、滑り性、離型性等を付与する
ために、フィルムの片面又は両面に塗布層を形成した
り、コロナ放電処理等を施したりしても構わない。特
に、フィルムに表面光沢性を付与するためにフィルム表
面に塗布量を形成することは好ましい態様である。フィ
ルムに表面光沢性を付与するために、塗布層を形成する
場合、塗布層中に有機,無機等の微粒子、例えば、酸化
ケイ素微粒子等を含有させることが好ましい。塗布層中
に含まれる微粒子の含有量は好ましくは5.0〜50wt%、
更に好ましくは10〜40wt%、特に好ましくは10〜30wt%
の範囲であり、その平均粒径は好ましくは塗布層厚みの
0.1〜3.0倍、好ましくは塗布層厚みの0.5〜2.0倍の範囲
である。
また延伸工程中又は延伸後に形成する塗布層が、二種
以上の機能、例えば表面光沢性と離型性を兼ね備えてい
てもよく、また、二層以上の多層塗布層であっても構わ
ない。
〔実施例〕
以下、実施例にて本発明を更に具体的に説明するが、
本発明はその趣旨を越えない限り、これらの実施例に限
定されるものではない。
なお、フィルムの評価方法を以下に示す。
(1) フィルムの光沢度Gs(60゜) 日本電色工業(株)製VGS−1001DP型光沢度計を用い
て、60度鏡面光沢度Gs(60゜)をJIS Z 8741に準じ
て測定した。すなわち、入射角、反射角60度における黒
色標準板の反射率を基準に試料の反射率を求め光沢度と
した。
(2) X線回折測定X100(平均微結晶サイズ) X線自動回折測定装置でフィルム状でサンプルを2θ
=26゜付近の(100)面のピークの半価幅より次式(Sch
ellerの式)により微結晶サイズX100を算出した。な
お、X線出力は30kV15mAで行なった。
K=0.94(rad)〔Sheller定数〕 λ=1.5418(Å)〔X線の波長〕 Hc=半価幅(rad) (3) 150℃雰囲気下における100%伸長時のフィルム
強度F100(kg/mm2) (株)インテスコ製恒温槽付引張試験機インテスコ20
01型の恒温槽を150℃に設定し、幅15mmのフィルムをチ
ャック間50mmとなるようにセットして2分間放置後、引
張速度200mm/minで100%伸長時の強度を測定した。測定
は、フィルムの縦および横方向について行い、その平均
値をF100とした。なお、100%伸長前に破断するフィル
ムについては、次式に従って換算した。
(4) フィルムの厚さ斑 安立電気社製連続フィルム厚さ測定器(電子マイクロ
メーター使用)により、フィルムの縦方向に沿って5mの
長さで測定し、次式により厚さ斑を算出した。
(5) 極限粘度(η) 試料200mgをフェノール/テトラクロロエタン=50/50
の混合溶媒20mlに加え、約110℃で30分間加熱後、30℃
で測定した。
(6) フィルムの加熱収縮率(%) 150±2℃の温度のギャードオーブン中にフィルムを
無負荷の状態で3分間熱収縮させ、縦及び横方向につい
ての加熱収縮率を下記式に従い求めた。
ただし、l0:原長10cm l :収縮後の長さ (7) フィルムの融解熱△Hm(cal/g) パーキンエルマー社製差動走査熱量計DSC−1Bによ
り、昇温速度16℃/minにて測定した試料の結晶の融解に
伴うピークの面積を求め、下記式に従い計算した。
A:同一条件でインジウムを測定したときのチャート上
での単位面積当りの融解熱(cal/cm2) S:試料の融解ピークの面積(cm2) m:試料の重量(g) (8) フィルムの密度ρ(g/cc) n−ヘプタン,四塩化炭素の混合液で、密度の勾配が
できている密度勾配管に標準密度のフロートを入れ、そ
のフロートに対し、試料がどの位置にあるかで試料の密
度とした。なお、測定温度は25℃で行った。
(9) 転写フィルムとしての適性 加熱乾燥を行いながらフィルム(3)に離型層、印刷
層及び接着層を形成し、第1図に示す縦10cm、横10cm、
最大深さ5.0cmの金型(I)を用い、フィルムを真空及
び圧空にて金型内部に予備成形した後、加熱した樹脂を
射出して成形転写を連続で行った。成形時のフィルムの
破断の頻度、射出成形品の形状及び成形品の印刷の仕上
りに関し、転写フィルムとしての適性を以下のように評
価した。
◎:フィルムの破断が全く無く、しかも成形品の形状
及び印刷の仕上りも美しく、かつ成形品に十分な艶消し
感がある。
○:フィルムの破断が全く無く、成形品に十分な艶消
し感はあるものの成形品の形状、印刷の仕上りにおける
不良品が時々発生する。
△:時々フィルム破れが1〜2箇所発生し、連続運転
時には支障をきたす。ただし、成形品には十分な艶消し
感がある。
×:フィルム破れが頻発し、使用不可能である。
実施例1 ジカルボン酸成分して、テレフタル酸単位75mol%,
イソフタル酸単位20mol%及びセバシン酸単位5mol%よ
りなり、ジオール成分がエチレングリコール単位98mol
%及びジエチレングリコール単位2mol%よりなる共重合
ポリエステル(A)と、平均粒径2.4μmの無定形シリ
カ粒子4.0wt%含有するポリエチレンテレフタレート
(B)とを、重量比で共重合ポリエステル(A):ポリ
エチレンテレフタレート(B)=80:20の割合でブレン
ドした。ブレンド後、予備結晶化を経て本乾燥し、Tダ
イを有する押出機を用いて280℃で押出し、急冷固化し
て無定形シートを得た。得られたシートを、加熱ロール
と冷却ロールの間で縦方向に75℃で3.5倍延伸した後、
続いて横方向に95℃で3.6倍延伸し、横方向に5%の弛
緩と縦方向に0.5%の弛緩を行いながら、190℃で熱処理
を施した。得られたフィルムの平均厚さは50μmで、極
限粘度は0.70であった。また、フィルムの融点は220℃
であった。
実施例2 実施例1の無定形シートを用い、縦延伸倍率を3.0倍
とする以外は実施例1と全く同様に延伸製膜を行い、平
均厚さ50μmのフィルムを得た。
比較例1 実施例1の無定形シートを用い、縦延伸倍率を3.0
倍、熱処理温度を175℃とする以外は実施例1と全く同
様に延伸製膜を行い、平均厚さ50μmのフィルムを得
た。
実施例3 ジカルボン酸成分として、テレフタル酸単位84mol%
及びイソフタル酸単位16mol%よりなり、ジオール成分
がエチレングリコール単位98mol%及びジエチレングリ
コール単位2mol%よりなり、平均粒径4.5μmの無定形
シリカ粒子4.0wt%含有する共重合ポリエステル(C)
と、実施例1の共重合ポリエステル(A)とを重量比で
共重合ポリエステル(C):共重合ポリエステル(A)
=40:60の割合でブレンドした。ブレンド後、予備結晶
化を経て本乾燥し、実施例1と全く同様にして延伸製膜
を行い、平均厚さ50μmのフィルムを得た。また、フィ
ルムの極限粘度は0.72であり、融点は210℃であった。
比較例2 ジカルボン酸成分として、テレフタル酸単位75mol%
及びイソフタル酸単位25mol%よりなり、ジオール成分
がエチレングリコール単位98mol%及びジエチレングリ
コール単位2mol%よりなる共重合ポリエステル(D)と
実施例1のポリエチレンテレフタレート(A)とを重量
比で共重合ポリエステル(D):ポリエチレンテレフタ
レート(A)=80:20の割合でブレンドした。ブレンド
後、予備結晶化を経て、本乾燥し、Tダイを有する押出
機を用いて280℃で押出し、急冷固化して無定形シート
を得た。得られたシートを、加熱ロールと冷却ロールの
間で縦方向に85℃で3.2倍延伸した後、続いて横方向に1
10℃で3.6倍延伸し、横方向に15%の弛緩と縦方向に0.5
%の弛緩を行いながら、180℃で熱処理を施した。得ら
れたフィルムの平均厚さは50μmで、極限粘度は0.66で
あり、融点は210℃であった。
以上、得られた結果をまとめて下記表−1に示す。
〔発明の効果〕 本発明のフィルムは、優れた成形性、耐熱性、及び厚
さ斑を有し、成形用、特に成形転写用ベースフィルムと
して好適であり、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は成形と同時に転写も行なう成形転写法の概略を
示す図である。図中の1は金型、2は射出機、3はベー
スフィルムそして4は印刷層を含む層を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 55/12 - 55/16 C08J 5/18 B29C 45/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式〜を同時に満足することを特徴
    とする成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。 10≦Gs(60゜)≦90 … 55≦X100≦80 … 0.05・(80−X100)≦F100≦0.05・(135−X100) … (ただし、上記式中で、Gs(60゜)はフィルムの光沢度
    (%)、X100はX線回折によって測定される微結晶サイ
    ズ(Å)、F100は150℃雰囲気下での100%伸長時強度
    (フィルム縦方向および横方向の平均値;kg/mm2)を示
    す)
  2. 【請求項2】150℃で3分処理後のフィルムの縦及び横
    方向の収縮率が共に10%以下であることを特徴とする請
    求項1記載の成形用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】フィルムの厚さ斑が30%以下であることを
    特徴とする請求項1または2記載の成形用二軸延伸ポリ
    エステルフィルム。
JP10209090A 1990-04-18 1990-04-18 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP2819761B2 (ja)

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