JP2002273715A - セラミックシート付き離型フィルム - Google Patents

セラミックシート付き離型フィルム

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JP2002273715A JP2001396646A JP2001396646A JP2002273715A JP 2002273715 A JP2002273715 A JP 2002273715A JP 2001396646 A JP2001396646 A JP 2001396646A JP 2001396646 A JP2001396646 A JP 2001396646A JP 2002273715 A JP2002273715 A JP 2002273715A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に薄層のセラミックシートの製造におい
て、剥離時の剥離力が小さく、かつセラミックシートの
ピンホール等の欠点がない離型フィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 ポリエステル基材フィルムの少なくとも
片面に硬化型シリコーン樹脂を主たる構成成分とする離
型層を設けた離型フィルムに、さらに前記離型フィルム
の離型層表面にセラミックシート層を積層してなるセラ
ミックシート付き離型フィルムであって、前記セラミッ
クシート層表面のダイナミック硬度Aと前記離型層表面
のダイナミック硬度Bとの差の絶対値が下記式(1)を
満足し、かつ離型層表面の三次元表面粗さ測定における
十点平均粗さSRz(μm)とセラミックシートの厚み
C(μm)との関係が下記式(2)を満足するようにす
る。 |A−B|≦20(gf/μm2) ・・・(1) SRz≦C/2 ・・・(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルフィ
ルムを基材とするセラミックシート付き離型フィルムに
関し、詳しくは剥離性に優れ、薄膜のセラミックシート
の製造するのに好適なセラミックシート付き離型フィル
ムに関する。さらには、剥離性及び平滑性に優れ、かつ
剥離帯電が小さい、特に厚み3μm以下の薄層のセラミ
ックシートを製造するのに好適なセラミックシート付き
離型フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等のポリエステルフィルムを基材と
し、該基材上に離型層を設けた離型フィルムは、粘着ラ
ベル、粘着テープ等の台紙として一般的に広く使用され
ている。
【0003】近年、携帯電話の急激な普及にともない、
積層セラミックコンデンサの需要が拡大してきている。
積層セラミックコンデンサは、一時的に電気を蓄える特
性を有し、電流を安定させるために電子回路に不可欠な
電子部品であり、携帯電話には約250個の積層セラミ
ックコンデンサが使用されている。
【0004】積層セラミックコンデンサ用セラミックシ
ートを製造する際に、工程用キャリアフィルムとして、
機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格等に優れた、二
軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、シリ
コーン系樹脂皮膜を設けた離型フィルムが一般的に使用
されている。このような、シリコーン系樹脂皮膜を有す
る離型フィルムとしては、特開昭60−141553号
公報、特開平3−231812号公報、特公平4−59
207号公報、特公平6−2393号公報などが知られ
ている。
【0005】近年、積層セラミックコンデンサの小型・
高容量化のために、セラミックシートの厚さをより薄膜
化し、かつ多層に積層することが要望されている。セラ
ミックシートは、7〜10μm程度の厚みのものが現在
使用されている。また、3〜5μm程度の厚みのものが
開発されてきており、さらに1〜2μm程度の厚みのも
のも検討されつつある。
【0006】しかしながら、セラミックシートの厚みが
薄くなるにつれ、セラミックシートを離型フィルムの離
型層から剥離する際の剥離力が大きくなり、剥離不良が
多発するという新しい問題が生じてきた。このため、従
来の離型フィルムよりも剥離力の小さい離型フィルムが
必要となってきた。従来のラベル用などに使用されてき
た汎用の離型フィルムは、その用途では剥離力が小さい
ものであっても、薄層セラミックシートの製造には剥離
性の点で不十分であり、より剥離力の小さい離型フィル
ムが求められている。
【0007】ところが、ある特定組成のセラミックシー
トとの剥離力が小さい離型フィルムを設計しても、セラ
ミックシートの構成成分(セラミックの種類や平均粒
径、バインダーの種類、それらの含有量比率など)やセ
ラミックシートの厚みが変わると、セラミックシートと
離型フィルムの離型層との間の剥離力が変化するため、
その都度その特定組成のセラミックシートに最適な離型
フィルムの離型層組成を設計する必要があった。
【0008】さらに、セラミックシートの厚みが薄くな
ればなるほど、離型フィルムの離型層表面の粗大突起の
みならず、離型層の表面凹凸がセラミックシートの厚み
に及ぼす影響が大きくなるため、セラミックシート層の
厚みが薄くする場合にはセラミックシートの支持体であ
る離型フィルムにはより高度な平滑性が要求される。
【0009】なぜなら、離型フィルムの支持体であるポ
リエステル基材フィルムの表面粗さが大きいと、必要量
の離型剤をその突起部に塗布することができず、結果と
して離型剤本来の離型性を引き出すことができない。ま
た、この離型フィルムの表面に高い突起が存在すると、
この突起による離型フィルムの離型層面の凸状形状が、
セラミックシートに凹状に転写され、この凹状に転写さ
れた部分が、セラミックシートの形状欠陥となる。
【0010】この欠陥はセラミックシートの厚みが薄く
なるにつれて顕在化し、特に近年のように厚みの極薄化
が進み、例えば厚みが1〜3μmの薄い薄膜セラミック
シートを製造する場合には、前記のような離型フィルム
表面の高い突起によるセラミックシートへの凹状の転写
跡はセラミックシートの厚み精度不良の原因となる。
【0011】さらに、前記の凹状の転写跡が強くなる
と、単なる凹みに止まらず、貫通したピンホールとなり
やすく、ひどい場合にはセラミックシートの支持体であ
る離型フィルムから剥離時にセラミックシートが破れて
しまうことがある。また、ピンホールを有するセラミッ
クシートを積層セラミックコンデンサとした場合、ショ
ート不良や絶縁抵抗不良が発生し、致命的な欠陥とな
る。
【0012】また、硬化型シリコーン樹脂を主たる構成
成分とする離型層は、非常に帯電しやすく、またセラミ
ックシートを剥離する際の剥離帯電も大きい。このた
め、いったん剥離したセラミックシートが離型フィルム
に再付着して生産性が低下したり、浮遊ゴミが離型フィ
ルムに付着しセラミックシートを形成させた際にピンホ
ールが発生する等の問題が発生し、従来の離型フィルム
より剥離帯電が小さい、あるいは帯電減衰の早い離型フ
ィルムも求められている。
【0013】ところで、セラミックシートが積層される
離型フィルムの離型層面は、前記の離型フィルムの離型
層からのセラミックシートへの凹状の転写を完全になく
すためには、離型フィルムの離型層面をフラットとする
ことが好ましい。しかしながら、フラットな離型層面に
セラミックシートを積層し、離型フィルムからセラミッ
クシートを剥離する際に、剥離帯電が極めて大きくなる
という問題が起きる。
【0014】また、離型層面をフラットにするために
は、支持体のポリエステル基材フィルム中に通常使用さ
れている粒子を実質上含有させず、かつ触媒起因の析出
物、異物を高レベルで除去することが必要である。ポリ
エステル基材フィルムが少なくとも2層以上の積層構造
を有する場合には、離型層を形成させる表面には粒子を
実質上含有しないポリエステルフィルム層を積層するこ
とが必要である。
【0015】粒子を実質上含有しないとは、蛍光X線分
析法で粒子含有量を測定した際に検出限界以下であるこ
とを意味する。
【0016】このような超平滑な表面を有するフィルム
は、滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリ
ング性や耐摩耗性、耐擦傷性などが著しく悪化する。
【0017】特開平11−320524号公報には、離
型フィルムの離型層表面の中心線粗さを30nm以下と
し、かつ突起高さが0.05〜0.3μmの範囲及び
0.4μm以上の個数を規制した薄膜グリーンシート成
型用離型フィルムが開示されているが、上記のような表
面を有する離型層を有する離型フィルムであっても、特
に厚みが3μm以下のセラミックシート層をセラミック
シート付き離型フィルムから剥離する場合には、離型層
面のわずかな突起形状がセラミックシート層の剥離面側
に転写される。
【0018】セラミックシートの厚みがさらに薄くなっ
ていくと、上記の様な転写突起跡が、セラミックシート
の厚み精度に及ぼす影響は大きくなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来の問題点を解消し、特に薄層のセラミックシート
の製造において、剥離時の剥離力が小さく、かつセラミ
ックシートのピンホール等の欠点がない離型フィルムを
提供することにある。
【0020】さらに、本発明の他の目的は、特に3μm
以下の薄層セラミックシートの製造において、剥離時の
剥離力が小さく、安定したセラミックシートが得られ、
離型層と基材シートの密着性が良く、セラミック層をフ
ィルムから剥離する際の剥離帯電が小さい離型層を有す
る離型フィルムを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
セラミックシート層表面と離型フィルムの離型層表面に
おけるダイナミック硬度の差の絶対値が小さいセラミッ
クシート付き離型フィルムが、セラミックシート製造時
の剥離工程において、好ましい剥離除去性を示すことを
見出し、特定の表面凹凸を有する離型フィルムが、セラ
ミックシート製造時のコーティング工程において、好ま
しい均一コート性を示すことを見出したものである。
【0022】すなわち、本発明の第1の発明は、ポリエ
ステル基材フィルムの少なくとも片面に硬化型シリコー
ン樹脂を主たる構成成分とする離型層を設けた離型フィ
ルムに、さらに前記離型フィルムの離型層表面にセラミ
ックシート層を積層してなるセラミックシート付き離型
フィルムであって、前記セラミックシート層表面のダイ
ナミック硬度Aと前記離型層表面のダイナミック硬度B
との差の絶対値が下記式(1)を満足し、かつ離型層表
面の三次元表面粗さ測定における十点平均粗さSRz
(μm)とセラミックシートの厚みC(μm)との関係
が下記式(2)を満足することを特徴とするセラミック
シート付き離型フィルムである。 |A−B|≦20(gf/μm2) ・・・(1) SRz≦C/2 ・・・(2)
【0023】上記構成により、剥離時の剥離力が小さ
く、セラミックシートの製造時の剥離工程において、剥
離不良のない適度の力でセラミックシートから離型フィ
ルムの剥離除去が可能であり、また、離型面の表面凹凸
をコントロールすることにより、特に薄膜セラミックシ
ートの製造時のセラミックコート工程において、ピンホ
ール等の欠点のない均一なセラミックシートを得ること
ができる。
【0024】また、第2の発明は、第1の発明のセラミ
ックシート付き離型フィルムにおいて、前記ポリエステ
ル基材フィルムが単層構造を有し、該フィルム中に粒子
が含有されていることを特徴とする。
【0025】また、第3の発明は、第1の発明のセラミ
ックシート付き離型フィルムにおいて、前記ポリエステ
ル基材フィルムが少なくとも2層以上の積層構造を有
し、離型層形成面とは反対側の表面には粒子を含有する
ポリエステルフィルム層を積層していることを特徴とす
る。
【0026】また、第4の発明は、離型層の反対の面に
帯電減衰の早い帯電防止層を設けることにより、離型フ
ィルムとセラミックとの剥離帯電が小さくなることを見
出し、さらに離型フィルムの離型面の粒子による突起を
ゼロにすることにより、厚み精度の良い、均一なセラミ
ックシートが得られることを見出したものである。
【0027】すなわち、第4の発明は、第1又は第3の
発明のセラミックシート付き離型フィルムにおいて、前
記離型フィルムが、ポリエステル基材フィルムの片面に
離型層を、他面に粒子含有層及び帯電防止層をこの順で
設けてなり、前記ポリエステル基材フィルムには粒子を
実質上含有せず、前記帯電防止層は三次元表面粗さ測定
における十点平均粗さSRz(μm)、平均傾斜勾配S
Δa、平均空間波長Sλa(μm)及び面積0.12m
2における突起数PCが下記式(3)及び(4)を満
足することを特徴とする。 0.05≦SRz≦0.5 ・・・(3) SΔa×PC/Sλa≧0.2 ・・・(4)
【0028】上記構成により、セラミックシート層と離
型フィルムの離型層との間の剥離帯電が小さいことか
ら、いったん剥がした後に再付着するトラブルを防止す
ることができる。さらに、離型面の平滑性が極めて優れ
ているので、厚み3μm以下の超薄膜セラミックシート
を厚み精度良く加工することが可能であり、よってセラ
ミックシート、特に超薄膜セラミックシートの製造に好
適である。
【0029】また、第5の発明は、第4の発明のセラミ
ックシート付き離型フィルム前記離型フィルムにおい
て、前記ポリエステル基材フィルムと帯電防止層との間
に粒子を含有する高分子樹脂被覆層を設けられているこ
とを特徴とする。
【0030】また、第6の発明は、第4の発明のセラミ
ックシート付き離型フィルムにおいて、前記粒子含有層
が粒子を含有するポリエステルフィルム層であり、前記
ポリエステル基材フィルムが前記ポリエステルフィルム
層を含む少なくとも2層以上の積層構造を有することを
特徴とする。
【0031】また、第7の発明は、第2、第3、第4、
第5又は第6の発明のセラミックシート付き離型フィル
ムにおいて、前記粒子は平均粒径が5μm以下の炭酸カ
ルシウム粒子、シリカ粒子、架橋アクリル粒子、架橋ポ
リスチレン粒子、ベンゾグアナミン系粒子から選ばれた
少なくとも1種であることを特徴とする。
【0032】上記構成により、粗大突起を抑制するとと
もに表面平滑性の優れた離型フィルムを得ることができ
る。
【0033】また、第8の発明は、第2、第3、第4、
第5、第6又は第7の発明のセラミックシート付き離型
フィルムにおいて、前記粒子の粒度分布比が下記(5)
式を満足し、平均粒径と粒子含有量との積が下記(6)
式を満足することを特徴とする。 0.2≦D50/D5≦0.6 ・・・(5) 150≦D50×E≦10000 ・・・(6) ここで、式中、D50は積算重量が50%のときの粒子径
(μm)、D5は積算重量が5%のときの粒子径(μ
m)、Eは粒子の含有量(ppm)をそれぞれ示す。
【0034】また、第9の発明は、第1、第2、第3、
第4、第5、第6、第7又は第8の発明のセラミックシ
ート付き離型フィルムにおいて、離型層と該離型層表面
に貼着されるセラミックシートの粘着剤層との、離型層
表面を摩擦材で10往復摩擦した後に測定した剥離力
(P10)と摩擦前に測定した剥離力(P0)との比
(ラブオフ値(P10/P0))が、10以下であるこ
とを特徴とする。
【0035】上記構成により、離型層が、セラミック加
工工程中に、ポリエステルフィルムから脱落することが
ないため、セラミックが、均一にコートされ、また、セ
ラミックシートからの剥離フィルムの剥離が容易にな
り、セラミックシートの破損を低減することができる。
一方、ラブオフ値が高すぎると、セラミックシート層を
設ける前に、離型層を構成するシリコーン樹脂の一部が
ポリエステル基材フィルムから脱落し、脱落した部分に
セラミックが浸入すると、その部分にセラミックの突起
ができたり、剥離力が重くなったりして、剥離時にセラ
ミックシートが破れるという不具合が生じる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明のセラミックシート
付き離型フィルムにおける実施の形態を説明する。
【0037】本発明の基材として用いるポリエステルフ
ィルムを構成するポリエステルは特に限定されず、離型
フィルムの基材として通常一般に使用されているポリエ
ステル樹脂をフィルム成形したものを使用することがで
きる。なかでも、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成
分からなる結晶性の線状飽和ポリエステル樹脂が好まし
く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2−6ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート
等が挙げられる。
【0038】また、本発明に用いるポリエステルフィル
ムは、特に機械強度、耐熱性、耐薬品性などの点から、
二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。
【0039】本発明におけるポリエステルフィルムの製
造法は、特に限定されず、従来一般に用いられている方
法を用いることができる。例えば、前記ポリエステルを
押し出し機にて溶融して、T−ダイからシート状に押し
出し、静電気を印加しながら回転冷却ドラムにて冷却密
着固化することにより未延伸シートを得る。次いで、該
未延伸フィルムを一軸又は二軸延伸し、次いで熱固定処
理を行い、必要に応じて緩和処理を行うことにより製造
することができる。一軸延伸フィルムは、未延伸フィル
ムを縦方向あるいは横方向に一軸延伸することにより得
ることができる。また、二軸延伸フィルムは、縦方向あ
るいは横方向の一軸延伸フィルムを横方向又は縦方向に
逐次二軸延伸する方法、あるいは未延伸フィルムを縦方
向と横方向に同時二軸延伸する方法で得ることができ
る。
【0040】本発明において、ポリエステルフィルム延
伸時の延伸温度はポリエステルの二次転移点(Tg)以
上結晶化温度未満とすることが好ましい。また、二軸延
伸フィルムの場合は、各々の方向に1.1〜8倍、好ま
しくは2〜6倍、特に好ましくは3〜5倍の延伸倍率と
することが好ましい。
【0041】本発明に用いるポリエステルフィルムの厚
さは、その使用目的に応じて設定すれば良く、特に限定
されないが、好ましくは、2〜300μmであるのが良
く、特に10〜125μmであることが好ましい。
【0042】本発明の離型フィルムにおけるシリコーン
離型層を構成するシリコーン樹脂としては、特に限定は
なく、付加反応系、縮合反応系、紫外線若しくは電子線
硬化系のシリコーン樹脂等の硬化性シリコーン樹脂を使
用することができる。
【0043】付加反応系のシリコーンとしては、例え
ば、末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサン
とハイドロジエンシロキサンとを白金触媒を用いて反応
させ、三次元架橋構造を形成したものが挙げられる。
【0044】縮合反応系のシリコーン樹脂としては、例
えば、末端に−OH基をもつポリジメチルシロキサンと
ハイドロジエンシロキサンを白金触媒を用いて反応さ
せ、三次元架橋構造を形成したもの等が挙げられる。
【0045】紫外線硬化系のシリコーン樹脂としては、
例えば、最も基本的なタイプとして通常のシリコーンゴ
ム架橋と同じラジカル反応を利用するもの、不飽和基を
導入して光硬化させるもの、ビニルシロキサンへのチオ
ールの付加反応で架橋するもの、紫外線でオニウム塩を
分解して強酸を発生させ、これでエポキシ基を開裂させ
て架橋するもの等が挙げられる。電子線は紫外線よりも
エネルギーが強いため、電子線硬化系のシリコーン樹脂
は、紫外線硬化系のように開始剤を用いなくてもラジカ
ルによる架橋反応が起こる。
【0046】本発明のセラミックシート付き離型フィル
ムにおいて、該離型層表面に積層されるセラミックシー
ト面のダイナミック硬度Aと前記離型層面のダイナミッ
ク硬度Bとの差の絶対値|A−B|は20gf/μm2
以下であることが必要であり、15gf/μm2以下が
好ましい。特に好ましくは10gf/μm2以下であ
る。
【0047】前記ダイナミック硬度の差の絶対値|A−
B|が20gf/μm2を越えると、セラミックシート
層を離型フィルムから剥離してセラミックシートを製造
する際に剥離性が低下し、特に薄層のセラミックシート
の場合、剥離時にセラミックシートの破れや剥離不良が
多発し、歩留まりが低下する等の問題が発生する。
【0048】前記ダイナミック硬度の差の絶対値|A−
B|を上記範囲内とすることにより、セラミックシート
層を離型フィルムから剥離してセラミックシートを製造
する際の剥離力が小さく、容易に剥離することができる
ため、セラミックシートの破損を低減することができ
る。
【0049】セラミックシート層を離型フィルムから剥
離してセラミックシートを製造する際、セラミックシー
トの硬さにより剥離形態が変わるため、離型フィルムの
離型層面の硬さを変える必要がある。
【0050】すなわち、セラミックシートが硬い場合、
又はセラミックシートの厚みが薄い場合には、セラミッ
クシート層を剥離する際に、セラミックシート層の粘性
の影響はほとんど見られないため、離型フィルムの離型
層の構成成分である硬化型シリコーン樹脂を硬くするこ
とが好ましい。
【0051】セラミックシートと離型フィルムとの界面
の剥離挙動は、通常の粘着シートと離型フィルムとの界
面の剥離挙動とは異なる。すなわち、粘着シートの粘着
剤層と離型フィルムの離型層との界面の剥離の場合に
は、界面の凝集エネルギーが支配的となる。一方、硬い
セラミックシートと離型フィルムとの界面の剥離の場合
には、離型層が硬い場合には剥離時の離型層の変形が小
さく、結果として剥離力が小さくなる。また、離型層が
柔らかい場合には剥離時の離型層の変形が大きく、結果
として剥離力が大きくなる。
【0052】したがって、硬いセラミックシートと硬い
離型フィルムとの剥離挙動は、粘着シートと離型フィル
ムとの剥離のような、界面剥離力ではなく、界面剪断力
に支配されているものと考えられる。
【0053】前記ダイナミック硬度差の絶対値|A−B
|を20gf/μm2以下とするためには、セラミック
シート層の硬さに応じて離型フィルムの離型層の硬さを
設計することが必要である。
【0054】例えば、セラミックシートはセラミック粒
子(チタン酸バリウム、アルミナ、窒化アルミニウム
等)とバインダー(ポリビニルブチラール、ポリビニル
アルコール等)とから構成されるが、セラミック粒子に
対するバインダーの含有量比(重量比)が大きい場合、
又はセラミックシート層の厚みが厚い場合には、離型フ
ィルムにセラミックシート層を積層した際のセラミック
シートの硬度は小さくなる。また、セラミックスラリー
中でのセラミック粒子の分散性もセラミックシートの硬
度に影響し、セラミックスラリー調合時のセラミック粒
子の分散性が不十分であると、セラミックシートの硬度
は小さくなる。
【0055】上記のような硬度の小さいセラミックシー
トを剥離する場合には、硬化型シリコーン樹脂を主成分
とする離型層の硬度を小さくすることが必要であり、例
えば1)シリコーン樹脂中の疎水基の含有量を可能な限
り多くする、2)シリコーン樹脂中に導入する架橋基の
含有量を少なくする、3)リニアーな分子構造を有する
シリコーン樹脂を使用する、ことなどによって達成する
ことができる。また、離型層の厚みを厚くすることも有
効である。
【0056】また、セラミック粒子に対するバインダー
の含有量比(重量比)が小さい場合、又はセラミックシ
ート層の厚みが薄い場合には、離型フィルムにセラミッ
クシート層を積層した際のセラミックシートの硬度は大
きくなる。
【0057】上記のような硬度の大きいセラミックシー
トを剥離する場合には、硬化型シリコーン樹脂を主成分
とする離型層の硬度を大きくすることが必要であり、例
えばシリコーン樹脂中に導入する疎水基の含有量の調整
は必要であるが、シリコーン樹脂中に導入する架橋基の
含有量を多くするなどの方法で、シリコーン樹脂の架橋
密度を大きくすることにより達成することができる。
【0058】また、硬化型シリコーン樹脂を主たる構成
成分とする離型層の厚みが面内において均一であれば、
厚みが小さいほど一定の硬化エネルギーでも架橋密度が
大きくなるため、厚みを可能な限り小さくすることによ
り、離型層の硬度を大きくすることもできる。さらに、
基材のポリエステルフィルムの機械的強度を高くするこ
とで硬度を大きくしても良い。
【0059】さらに、離型層の硬化条件によっても硬度
を制御することができる。例えば、紫外線硬化型あるい
は電子線硬化型などの活性エネルギー線硬化型シリコー
ン樹脂を離型層の構成成分として用いる場合には、活性
エネルギー線を照射する際の温度及び照射量が高いほ
ど、シリコーン樹脂の架橋密度が大きくなり、離型層の
硬度を高くすることができる。
【0060】また、セラミックシート層との剥離力の小
さい離型フィルムであればあるほど、離型層とポリエス
テル基材フィルムとの密着耐久性が悪化する傾向にあ
る。離型層と基材フィルムとの密着耐久性が悪いと、セ
ラミックシート製造工程、特にセラミックスラリーを離
型フィルムに塗工する前の駆動ロールなどの剪断力が付
与されるライン上で、離型フィルムの離型層が脱落しや
すくなる傾向がある。また、セラミックスラリーを離型
フィルムに塗布する工程で、スロットダイコーターやブ
レードコーターを用いた場合に、コーターのリップ先端
部が離型フィルムの離型層面に接触することにより、離
型フィルムの離型層が脱落しやすくなる。その結果、セ
ラミックシートの剥離性や平滑性が不十分となり、セラ
ミックシートを剥離する際にセラミックシートが破れる
という問題が発生しやすくなる。そのため、離型フィル
ムは離型層と基材フィルムとの密着耐久性が優れている
ことが好ましい。
【0061】詳しくは、本発明の離型フィルムの離型層
面は、ラブオフ値(密着耐久性の尺度)が10以下であ
ることが好ましく、特に好ましくは5以下である。ラブ
オフ値が10を超えると、セラミックシート製造工程に
おいて、セラミックスラリーを離型フィルムの離型層に
塗布する前に離型層の脱落が発生しやすくなる。そのた
め、離型層が脱落した箇所にセラミックスラリーを塗布
すると、セラミックシート層の厚みの不均一化や、離型
層が脱落した箇所でセラミックシート層の剥離不良が多
発しやすくなり、歩留まりが低下するなどの問題が発生
する。
【0062】ここで、ラブオフ値とは、離型層と支持体
のポリエステルフィルム間の密着耐久性に関連するパラ
メータであり、ラブオフ値が低いほど密着耐久性が良い
と判断する。具体的には、離型層面に粘着剤層を設けた
際の離型層と粘着剤層との剥離力を、離型フィルムの離
型表面を2N/cm2の荷重下で摩擦材により10往復
摩擦させた後と摩擦前で測定し、摩擦後の剥離力(P1
0)と摩擦前の剥離力(P0)との比(P10/P0)
で示したものである。摩擦試験機としては学振式摩擦ケ
ンロウ度試験機を用い、摩擦材としては白色ポリプロピ
レンフィルムを用いた。また、剥離力は離型層面に粘着
テープを貼り、5kgfの圧着ゴムローラで一往復させ
て密着させた後、テンシロンを用い300mm/分の速
度でT型剥離した際の測定値である。
【0063】離型層面のラブオフ値が10以下、すなわ
ち、離型層とポリエステルフィルムとの密着耐久性が良
好である場合、離型層がポリエステルフィルムから脱落
することがない。そのため、セラミックスラリーが均一
に塗布され、セラミックシート層を離型フィルムから剥
離することが容易となり、セラミックシートの破損を低
減することができる。
【0064】上記範囲のようなラブオフ値を得るには、
例えば、硬化型シリコーン樹脂の硬化反応、あるいは架
橋反応をできるだけ短時間に完結させることが必要であ
る。シリコーン樹脂の硬化に必要なエネルギーや付加反
応時の触媒の添加量などを、弊害が起こらない程度に大
きくすれば良い。
【0065】活性エネルギー線硬化型シリコーン樹脂の
場合、架橋密度を大きくすることが密着耐久性の点で好
ましい。特に、紫外線カチオン硬化型シリコーン樹脂
は、架橋基にエポキシ基を用いているため、ポリエステ
ルフィルムへの密着耐久性は、架橋反応を促進すればす
るほど向上する。
【0066】また、離型層と支持体のポリエステルフィ
ルムとの密着耐久性をさらに向上させるために、上記離
型層用塗布液をフィルムへ塗布するのに先立ち、ポリエ
ステルフィルム表面に、アンカーコートあるいはコロナ
処理、火炎処理等の前処理を行っても良い。
【0067】本発明の離型フィルムにおける帯電防止層
を構成する帯電防止剤としては、例えば、官能基がアル
キルサルフェート型、アルキルホスフェート型のような
アニオン帯電防止剤、第4級アンモニウム塩型、第4級
アンモニウム樹脂型、イミダゾリン型のようなカチオン
系帯電防止剤、ソルビタン型、エーテル型のようなノニ
オン系帯電防止剤、ベタイン型のような両性帯電防止剤
が挙げられる。また、ポリアニリン等のような導電性高
分子でも良い。
【0068】帯電防止層を離型層と反対の面に設けるこ
とにより、セラミックシートを離型層から剥離する際に
剥離帯電を下げることができる。セラミックシート層と
離型層との剥離帯電を下げることにより、剥離したセラ
ミックシートが、再度離型フィルムに再付着するという
問題点を防止できる。
【0069】上記界面活性剤タイプの帯電防止剤は高分
子タイプのもの、なかでも、数平均分子量が5000以
上、特に50000以上のものが好ましい。数平均分子
量が5000未満の場合には、基材フィルムへの離型層
の固着力が劣る傾向にあり、この離型フィルムをロール
状に巻き取ったり、シート状に重ね合わせた際に、帯電
防止層中の成分が基材フィルムの離型層面に付着し、離
型層面に2次加工する際に、剥離不良を起こしたり、2
次加工で、帯電防止コート層自体が剥がれて、2次加工
工程内を汚染することがあり、好ましくない。また、帯
電防止層が剥がれることによる、帯電防止性能の不安定
化が起こり、好ましくない。これらの現象を防ぐため、
帯電防止層中に、ワックス、シリコーン成分等を混合し
ても良い。
【0070】上記のようなセラミックとシリコーン層と
の剥離帯電を下げるには、シリコーン層とは、反対の面
に帯電防止層を設けることにより、達成できる。より好
ましくは、帯電減衰効果の優れる帯電防止層が良い。特
に限定されないが、帯電防止剤の中でも、カチオン系の
帯電防止剤及びポリアニリン等の導電性高分子等が好ま
しい。さらに好ましくは、4級化された窒素を有する帯
電防止剤が好ましい。帯電減衰性の優れる帯電防止を用
いると、驚くことに、帯電防止層が、剥離面の反対の面
に存在するだけで、剥離するセラミックシート側の剥離
帯電を小さくする効果がある。
【0071】本発明において、離型層の厚みは、その使
用目的に応じて設定すれば良く、特に限定されないが、
好ましくは硬化後の離型層の塗布量が0.02〜0.2
g/m2となる範囲が良い。離型層の厚みが上記範囲よ
り小さいと剥離性能が低下しやすい。また、上記範囲よ
り大きければ、ポリエステルの密着性に必要な、硬化時
間が大きくなり、生産上不都合となりやすい。さらに、
離型層表面の表面凹凸のコントロールが難しくなり、好
ましくない。
【0072】また、帯電防止層の厚みは、その使用目的
に応じて設定すれば良く、特に限定されないが、好まし
くは帯電防止層の塗布量が0.005〜0.5g/m2
となる範囲が良い。帯電防止層の厚みが上記範囲より小
さいと帯電防止性能が低下しやすい。また、上記範囲よ
り大きければ、帯電防止層にタック性が出現し、帯電防
止成分が転写、脱落等しやすくなる。
【0073】本発明の離型層の形成方法は、特に限定す
るものではないが、例えば、硬化型シリコーン樹脂を分
散させた塗布液を、基材のポリエステルフィルムの表面
に塗布等により展開し、溶媒等乾燥により除去後、熱に
より樹脂を反応させ硬化させる方法が用いられる。
【0074】また、本発明の帯電防止層の形成方法は、
特に限定するものではないが、例えば、帯電防止剤を溶
解させた塗布液を、離型層とは反対側のポリエステルフ
ィルムの表面に塗布等により展開し、溶媒等乾燥により
除去する方法が用いられる。
【0075】さらに、上記離型層及び帯電防止層は、ど
ちらを先に形成してもかまわない。本発明の離型層の形
成方法は、特に限定されず、例えば硬化型シリコーン樹
脂を分散させた塗液を、基材のポリエステルフィルムの
表面に塗布し、溶媒を乾燥させた後、熱により樹脂を反
応させ硬化させる方法が用いられる。
【0076】上記塗布液の塗布方法としては、公知の任
意の塗布方法が適用できる。例えば、グラビアコート法
やリバースコート法などのロールコート法、マイヤーバ
ーなどのバーコート法、スプレーコート法、エアーナイ
フコート法等の従来から知られている方法が利用でき
る。
【0077】本発明において、離型層を形成させる際に
は、溶媒を用いない硬化型シリコーン樹脂を含む塗布液
をポリエステル基材フィルムに塗布、乾燥し、その後活
性エネルギー硬化反応又は熱硬化反応を行うか、シリコ
ーン硬化型樹脂を溶媒に溶解あるいは分散した塗布液
を、ポリエステル基材フィルムに塗布し、溶媒を乾燥除
去した後、活性エネルギー硬化反応又は熱硬化反応を行
う。
【0078】樹脂の活性エネルギー反応硬化条件又は熱
硬化条件、及び溶媒の乾燥条件などは、使用する樹脂の
種類、離型層の厚み、離型フィルムのサイズ等により、
適時選択すれば良い。
【0079】例えば、紫外線硬化型シリコーン樹脂層に
紫外線を照射する場合は、100mJ/cm2以上、溶
媒の乾燥は100℃以下で行うことが好ましい。紫外線
の照射量が、100mJ/cm2より小さいと、シリコ
ーン樹脂の反応硬化が不完全になりやすく、重剥離化
(剥離力が重くなる)や、ラブオフ値の増大(フィルム
との密着性が悪くなる)や、シリコーン離型層の背面転
写(裏移り)の原因となる可能性がある。
【0080】また、溶媒の乾燥条件が、100℃より大
きいと、フィルムの平面性が悪化する可能性がある。
【0081】さらに、このようにして製造された離型フ
ィルムの離型面側表面の表面凹凸、すなわち、離型層表
面の三次元表面粗さ測定における十点平均粗さSRz
(μm)とセラミックシートの厚みC(μm)とが下記
式(2)の範囲であることが必要である。 SRz≦C/2 ・・・(2)
【0082】離型層表面のSRzは、セラミックシート
のピンホールを低減する点から、セラミックシートの厚
みCに対して1/5以下が好ましく、特に好ましくは1
/10以下である。
【0083】なお、離型層表面の十点平均粗さSRz
は、小坂研究所社製三次元表面粗さ計で測定した。
【0084】離型層の十点平均粗さSRz(μm)がセ
ラミックシートの厚みC(μm)の1/2を越えると、
セラミックシートにピンホール等の欠点が発生しやすく
なる。
【0085】離型フィルムの離型層のSRzをコントロ
ールする方法は、任意であり特に限定されないが、例え
ば、ポリエステル基材フィルム、あるいはアンカーコー
ト層(被覆層)中に特定の粒子を特定量含有させて、セ
ラミックシート層の厚みに応じて、離型フィルムの離型
層のSRzとなるようにコントロールする方法などが挙
げられる。
【0086】その例として、ポリエステル基材フィルム
中に特定の粒子を特定量含有させる方法について以下に
説明する。
【0087】粒子としては、ポリエステル重合反応系へ
添加した際に不活性な無機粒子及び/又は耐熱性有機粒
子を用いる。しかしながら、セラミックシートのピンホ
ールなどの欠点検査のために、フィルムの透明性を大き
く阻害するような粒子は好ましくない。
【0088】無機粒子としては、炭酸カルシウム粒子、
シリカ粒子、アルミナ−シリカ複合酸化物粒子、ヒドロ
キシアパタイト粒子などが挙げられる。また、耐熱性有
機粒子としては、架橋ポリアクリル系粒子、架橋ポリス
チレン粒子、ベンゾグアナミン系粒子などが挙げられ
る。これらの粒子を単独若しくは複数組み合わせて用い
ることが好ましい。特に、フィルムの透明性の点では、
ポリエステルと屈折率の近いシリカが好適である。
【0089】粒子の平均粒径は、上記式(2)を満足す
るように選定すれば限定はされないが、粗大突起の抑制
及び表面平滑性の点から、5μm以下が好ましく、さら
に好ましくは2μm以下、特に好ましくは0.7μm以
下である。5μmを越えると、粗大突起が生じ、逆に表
面の平滑性が悪くなる。平均粒径の下限値は0.01μ
mとすることが好ましい。
【0090】また、粒子の粒度分布比(粒度分布測定
器:島津製作所社製、SA−CP3)及び平均粒径と含
有量の積は、粗大突起数の抑制と滑り性の点から、次式
(5)及び(6)を満足するような範囲であることが好
ましい。 0.2≦D50/D5≦0.6 ・・・(5) 150≦D50×E≦10000 ・・・(6)
【0091】なお、式中、D50は積算重量が50%のと
きの粒子径(μm)、D5は積算重量が5%のときの粒
子径(μm)、Eは粒子の含有量(ppm)をそれぞれ
示す。この場合、粒度分布比(D50/D5)の値が大き
いほど粒度分布巾が狭いことを示しており、この粒度分
布比(D50/D5)は、0.2〜0.6の範囲が好まし
い。
【0092】粒度分布比(D50/D5)が0.6を超え
る粒度分布を実用的範囲内で作り出すことは、実質上、
非常に困難であり、また、逆に0.2未満では平均粒子
径(D50)により、滑り性が不十分になるか、又は粗大
突起数が増大する等の問題が生じる。
【0093】また、粒子の含有量E(ppm)は、平均
粒径D50(μm)との組み合わせにおいて決定する必要
があり、前記(4)の式で示したごとくEとD50との積
が150〜10000の範囲を選ぶことが好ましい。1
50未満では滑り性が不十分となり、逆に10000を
超えると粗大突起数が多くなるので、好ましくない。
【0094】例えば、セラミックシート層の厚みが3μ
m以下のような薄膜の場合には、ポリエステル基材フィ
ルム中に粒子を含有させない。粒子をポリエステル基材
フィルム中に含有させると、離型層表面に突起ができる
ために好ましくない。粒子を含有させないと、フィルム
同士の滑り性が悪くなる等の不具合が生じる。そのた
め、離型層表面の反対面には、微細な表面突起が必要と
なる。微細な表面突起は、下記式(3)及び(4)を満
足することが必要である。 0.05≦SRz≦0.5 ・・・(3) SΔa×PC/Sλa≧0.2 ・・・(4)
【0095】ここで、SRz、SΔa、Sλaは、各々
三次元表面粗さ測定における十点平均粗さ(μm)、平
均傾斜勾配、平均波長(μm)を示し、PCは面積0.
12mm2における突起数を示す。
【0096】SRzは、0.5μmを越えると離型層の
上にセラミック層を形成し、フィルムロール状に巻き取
ったときに、離型層の反対面の突起が、セラミックシー
トに転写され、好ましくない。0.05μm未満では平
滑すぎて、実用的に取り扱いが困難である。帯電防止層
表面のSRzの上限値は、反対面のセラミックシート面
への転写を防止する点から、好ましくは0.4μm以
下、さらに好ましくは0.3μm以下、特に好ましくは
0.25μm以下である。また、帯電防止層表面のSR
zの下限値は、ハンドリング性の点から、好ましくは
0.07μm以上、特に好ましくは0.10μm以上で
ある。
【0097】次に、「SΔa×PC/Sλa」というパ
ラメータの技術的意味について説明する。
【0098】三次元中心面平均粗さSRa(μm)は、
2π×Sλa/SΔaで定義される。したがって、SΔ
a×PC/Sλa∝PC/SRaという関係が導き出せ
る。すなわち、PC/SRaを大きくするためには、P
C(突起数)を増やすか、SRa(平均粗さ)を小さく
することが有効である。具体的な表面形態としては、大
きな突起をまばらに存在させるよりも、小さな突起を多
数存在させることが好ましい。
【0099】SΔa×PC/Sλaが0.2未満では、
加工工程中における走行性やその他のフィルム欠点を生
ぜしめる原因となる。SΔa×PC/Sλaの下限値
は、0.4以上が好ましく、特に好ましくは0.6以上
である。一方、SΔa×PC/Sλaの上限値は特に限
定はないが、透明性の点から、2.0以下にすることが
好ましい。透明性が悪くなると、セラミックシートのピ
ンホールなどの欠点検査の際に、光が透過しにくくなる
ため、欠点を検出しにくくなる。
【0100】微細な表面突起を形成するには、フィルム
の片面に不活性粒子を添加したコート液をコーティング
して形成したり、不活性粒子を含む薄膜のフィルム層を
共押し出しするなどして形成できる。不活性粒子の形状
は、突起の転写跡が残らないなどの理由で、不定形より
は、円球形が好ましい。
【0101】本発明において、ポリエステルフィルム中
への粒子の添加方法は、該ポリエステルフィルムの製造
工程における任意の段階で添加することができるが、初
期縮合が終了するまでに添加することが好ましい。
【0102】ポリエステルフィルムの製造過程への粒子
の添加方法は、スラリー状及び粉末状のいずれの状態で
添加しても良いが、粒子の飛散防止、供給精度の均一性
向上の点からスラリー状に分散させて添加するのが好ま
しく、特にエチレングリコールのスラリーとして添加す
るのが好ましい。
【0103】セラミックシート付き離型フィルムは、例
えば、下記のような方法で製造することができる。
【0104】まず、チタン酸バリウム、アルミナ、窒化
アルミニウム等のセラミック粉末を水系ないし有機系溶
媒に混合・分散させ、次いでポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアルコール等の高分子バインダー、可塑剤、分
散剤を加え、高速ミキサーやボールミルにより混合分散
し、次いで濾過処理(例えば、孔径3μmのフィルタ
ー)を行い、得られたセラミックスラリーを離型フィル
ムの離型層面に乾燥後の厚みが1〜10μmとなるよう
に塗布・乾燥させることにより、製造することができ
る。塗布方法としては、ドクターブレード法、マイクロ
グラビアロール法、リバースロール法、スロットダイコ
ーターやブレードコーターなどが挙げられる。
【0105】実施例 以下に実施例を用いてさらに詳細に本発明の説明をする
が、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるも
のではない。なお、本発明で使用する特性及び物性評価
は、下記の方法により測定した。
【0106】(1)ポリエステルの固有粘度 フェノール60重量%と1,1,2,2−テトラクロロ
エタン40重量%の混合溶媒に、ポリエステルを溶解
し、未溶解の固形分をガラスフィルターで除去した後、
30℃にて測定した。
【0107】(2)ダイナミック硬度 ダイナミック超微小硬度計(島津製作所社製、DUH−
201−202)を用いて、荷重2gfの三角すいを試
料(セラミックシート面あるいは離型層面)に押しつ
け、2秒間保持した後のダイナミック硬度を下記式より
求めた。なお、測定は10回行いそれらの平均値を使用
した。また、離型フィルムの離型層面におけるダイナミ
ック硬度の測定は、セラミックシート層を設ける前の離
型フィルムに対して行っても良いし、セラミックシート
層を設けた後にセラミックシート層を剥離した離型フィ
ルムに対して行っても良い。
【0108】 ダイナミック硬度(gf/μm2)=α×P/D2 ここで、Pは加重(gf)、Dは圧子の試料への侵入量
(μm)、αは圧子形状による定数(115°三角す
い)であり、37.838である。
【0109】(3)ラブオフ値 摩擦材である白色ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社
製、パールSS、厚み35μm)と離型フィルムの離型
層面とを重ね合わせ、学振式摩擦ケンロウ度試験機(山
口科学産業社製)を用いて、2N/cm2の荷重下で1
0往復摩擦させた。なお、摩擦材は摩擦が一往復終了す
る毎に新しいものに取り替えた。
【0110】次に、摩擦前及び摩擦後の離型フィルムの
離型層面に、粘着テープ(日東電工社製、ニットー31
B)を貼り5kgfの圧着ゴムローラで一往復させ密着
させた。2時間経過後、テンシロンを用い300mm/
分の速度でT型剥離し、離型フィルムの離型層と粘着テ
ープの粘着剤層との剥離力を測定し、摩擦後の剥離力
(P10)と摩擦前の剥離力(P0)との比(P10/
P0)で示し、ラブオフ値とした。得られたラブオフ値
は下記の3つの基準で分類した。なお、△以上であれば
実用上使用可能である。 ○:≦5.0 △:5.0を超え、10.0以下 ×:>10.0
【0111】なお、セラミックシート付き離型フィルム
から離型フィルムの離型層のラブオフ値を測定する場合
には、セラミックシート付き離型フィルムからセラミッ
クシート層を粘着テープにより剥離した離型フィルムに
対してラブオフ値を測定する。
【0112】(4)セラミックシートの剥離性 セラミックシート付き離型フィルムを5cm巾にカット
し、セラミックシート層面にポリエステル粘着テープ
(日東電工社製、ニットー31B)を貼り、ピール法
(剥離速度:500mm/分、T型剥離)によりセラミ
ックシート層を離型フィルムから剥離して、下記基準に
より評価した。なお、試験は5回行い、○であれば合格
とした。 ○:剥離後のセラミックシートの全面を目視観察した
際、セラミックシートにピンホールや破れなどの破損が
5回の試験ともなかった場合 △:剥離後のセラミックシートの全面を目視観察した
際、5回の試験で1回でもセラミックシートの一部が破
損した場合 ×:剥離後のセラミックシートの全面を目視観察した
際、5回の試験で1回でもセラミックシートが破れ破損
した場合
【0113】(5)セラミックシートの剥離時の帯電圧 前記(4)で得た、離型フィルムの離型層面にセラミッ
クシート層を積層したセラミックシート付き離型フィル
ムを5cm巾にカットする。次いで、セラミックシート
層をピール法(剥離速度500mm/分、T型剥離)に
より離型フィルムの離型層面から剥離した。剥離したセ
ラミックシート側の帯電圧をデジタル静電電位測定器
(春日電機社製、KSD−0103)を用い、20℃で
50%RHの雰囲気下で測定し、耐電圧の絶対値を下記
の3つの基準で評価した。なお、○を合格とした。 ○:≦1kV △:1kVを超え、5kV以下 ×:>5kV
【0114】(6)三次元表面粗さパラメータ及び表面
突起数 試料表面を触針式三次元表面粗さ計(小坂研究所社製、
SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30m
g、針のスピード0.1mm/秒の条件下で、フィルム
の長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1m
mにわたって測定し、2μmピッチで500点に分割
し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(小坂研究所社
製、SPA−11)に取り込ませた。これと同様の操作
をフィルムの巾方向について2μm間隔で連続的に15
0回、すなわち、フィルムの巾方向0.3mmにわたっ
て行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に、前記
解析装置を用いて、SRz、SΔa及びSλaを求め
た。
【0115】ここで、SRzは三次元十点平均粗さであ
り、この値が高いほど高い突起が存在することを意味す
る。
【0116】また、SΔaはフィルム面全体の三次元平
均傾斜勾配であり、以下のように定義する。中心面に水
平な各レベルにおけるフィルムの突出部の断面積及び個
数を求め、各レベルにおける突起部断面の平均面積を算
出して平均円半径に換算する。高さの変化に対する平均
円半径の変化の比(勾配)を各レベルの切断平面で求
め、各値を平均してSΔaとする。ここで、SΔaと
は、具体的には、前記触針式三次元表面粗さ計により、
一定間隔で離れた所定数の測定箇所の高さを測定し、こ
れらの測定値を三次元表面粗さ解析装置に取り込んで得
られる値をいう。より具体的には、得られる表面粗さ曲
線をサインカーブで近似し、データを合わせて三次元の
データを得、中心面を基準面として、突起の数と高さと
から面全体の傾斜勾配を算出した。中心面上にX軸及び
Y軸からなる直交座標軸系を置き、中心面に直交する軸
をZ軸とし、中心面上にX軸方向長さLx、Y軸方向長
さLy、面積Lx×Ly=SMの部分を抜き取り、この抜き
取り部分から、SΔaは下記式で表される。
【0117】
【数1】
【0118】ここで、Z=f(x、y)は、上記直交座
標軸上の位置(x、y)におけるフィルム表面の高さZ
を表す関数を意味し、Lx=500、Ly=150である。
【0119】また、Sλaは三次元空間平均波長であ
り、前記表面粗さ曲線の振幅を意味する。すなわち、中
心面平均表面粗さが同じであれば、突起が急峻なほどS
λaは小さくなる。
【0120】突起数PCは、微分干渉顕微鏡(ニコン社
製)を用いてアルミニウム蒸着したフィルムを最終倍率
160倍で写真を撮り、透明なOHPシートに突起をト
レースして、ニレコ社製イメージアナライザー(Luzex
IID)で、フィルム0.12mm2に相当する面積を画像
処理し、前記面積内の突起の個数を算出した。
【0121】(7)剥離したセラミックシート面の平滑
性 セラミックシート付き離型フィルムを5cm巾にカット
し、セラミックシート層面にポリエステル粘着テープ
(日東電工社製、ニットー31B)を貼り、ピール法
(剥離速度:500mm/分、T型剥離)によりセラミ
ックシート層を離型フィルムから剥離し、剥離したセラ
ミックシート面を、微分干渉顕微鏡(ニコン社製)で2
00倍で観察し、表面凹凸のないものを〇、表面凹凸の
あるものを×とした。
【0122】(8)セラミックシートのピンホール セラミックシート付き離型フィルムを巾100mm、長
さ1mに切断した。トレーザートレース台(コクヨ社
製)に、上面がセラミックシート面となるように前記セ
ラミックシート付き離型フィルムを置き、下面から光を
あてセラミックシート面から光が漏れる箇所の数を目視
で数え、1m2当たりの個数に換算し小数第1位の桁を
四捨五入した。 ○:10個/m2以下 △:20〜50個/m2 ×:60個以上/m2
【0123】(実施例1)撹拌装置、分縮器、原料仕込
口及び生成物取り出し口を設けた2段の完全混合器より
なる連続エステル化反応装置を用い、その第一エステル
化反応缶のエステル化反応生成物が存在する系へ、テレ
フタル酸に対するエチレングリコールのモル比率1.7
に調整し、かつ三酸化アンチモンをアンチモン原子とし
てテレフタル酸単位あたり289ppmを含むエチレン
グリコールスラリーを連続的に供給した。
【0124】同時にテレフタル酸のエチレングリコール
スラリー供給口とは、別の供給口より、酢酸マグネシウ
ム四水塩のエチレングリコール溶液を反応缶内を通過す
る反応生成物中のポリエステル単位ユニット当たりそれ
ぞれMg原子として100ppmとなるように連続的に
供給し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255
℃で反応させた。
【0125】この反応生成物を連続的に系外に取り出し
て、第2エステル化反応缶に供給した。第2エステル化
反応缶内を通過する反応生成物中のポリエステルユニッ
トに対して、0.5重量部のエチレングリコール、トリ
メチルホスフェイトのエチレングリコール溶液をP(リ
ン)原子として64ppm、及び平均粒子径D50(島津
製作所製、SA−CP3)が0.9μmで、D50/D5
が0.4である炭酸カルシウムのエチレングリコールス
ラリーに100g/Lのトリポリリン酸ナトリウムの水
溶液をNa原子としてスラリー中の炭酸カルシウムとし
て2500ppmとなるようにそれぞれ別個の供給口よ
り連続的に供給し、常圧にて平均滞留時間5時間、温度
260℃で反応させた。
【0126】該エステル化反応生成物を撹拌装置、分縮
器、原料仕込口及び生成物取り出し口を設けた2段の連
続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行い、固
有粘度0.62dl/gのポリエステルを得た。
【0127】該ポリマーを290℃で溶融押し出しし、
90℃で縦方向に3.5倍、130℃で横方向に3.5
倍延伸した後、220℃で熱処理して厚さ38μmの二
軸延伸ポリエステルフィルムを製造し、ロール状に巻き
取った。
【0128】次に紫外線カチオン硬化型シリコーンレジ
ン(東芝シリコン社製、UV9315)を溶剤(ノルマ
ルヘキサン)中に樹脂固形分濃度が2重量%となるよう
に分散し、シリコーンレジン100重量部に対し、1重
量部のビス(アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフ
ルオロアンチモネートを硬化触媒として添加し、シリコ
ーン樹脂を含む塗布液を作成した。
【0129】厚さ38μmの上記二軸延伸ポリエステル
フィルムロールを巻き出し、ワイヤーバーにて、上記シ
リコーン樹脂を含む塗布液をフィルムの片面に塗布し、
100℃×30秒で乾燥後、紫外線照射装置で紫外線照
射(300mJ/cm2)し、離型フィルム(シリコー
ン離型層の乾燥後の塗布量0.10g/m2)を製造
し、ロール状に巻き取った。
【0130】また、溶剤(トルエン/エタノール=50
/50:重量比)中にセラミック粒子(平均一次粒子径
が0.6μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)、富
士チタン社製)100重量部を混合し、粒径1.5mm
のジルコニアビーズ(充填量:スラリーに対し200重
量%)とともにボールミルで24時間分散した。次い
で、バインダー(ポリビニルブチラール、積水化学工業
社製)10重量部及び可塑剤(ポリエチレングリコー
ル)をセラミック粉末とバインダーの総量に対し2重量
%混合し、ボールミルで24時間分散し、さらにフィル
ター(孔径3μm)で濾過処理を行い、ペースト状のセ
ラミックスラリーを得た。
【0131】前記の離型フィルムロールを巻き出し、上
記セラミックスラリーをドクターブレード法により離型
フィルムの離型層面に塗布し、120℃で1分間乾燥し
て、厚みが3μmのセラミックシート層(セラミック粒
子/バインダー=100/10:重量比)を積層したセ
ラミックシート付き離型フィルムを得た。
【0132】(実施例2)熱硬化型シリコーンレジン
(信越化学社製、KS830)を溶剤(トルエン)中に
樹脂固形分濃度が3重量%となるように分散し、シリコ
ーンレジン100重量部に対し、1重量部の白金触媒を
添加してシリコーン樹脂を含む塗布液を作成した。この
塗布液を、ワイヤーバーにて実施例1の二軸延伸ポリエ
ステルフィルムの片面に塗布し、140℃×30秒で乾
燥し、乾燥後の塗布量が0.05g/m2の離型層を有
する離型フィルムを製造し、ロール状に巻き取った。さ
らに、実施例1と同様にしてセラミックシート付き離型
フィルムを得た。
【0133】(実施例3)実施例1において、炭酸カル
シウム粒子の代わりに、平均粒子径D50が2.47μm
のシリカ粒子をポリエステルに60ppm含有させた以
外は、実施例1と同様にして、セラミックシート付き離
型フィルムを得た。
【0134】(比較例1)実施例2において、離型層の
乾燥後の塗布量を0.5g/m2としたこと以外は実施
例2と同様にして、セラミックシート付き離型フィルム
を得た。
【0135】(比較例2)実施例3において、セラミッ
クシート層の厚みを2μmにした以外は、実施例3と同
様にして、セラミックシート付き離型フィルムを得た。
実施例1〜3及び比較例1、2で得られたセラミックシ
ート付き離型フィルムの評価結果を表1に示す。
【0136】
【表1】
【0137】実施例1、2、3は、それぞれセラミック
シート表面のダイナミック硬度(A)と離型層表面のダ
イナミック硬度(B)との関係が|A−B|≦20であ
り、セラミックシートの剥離不良は見られず、離型層の
十点平均粗さSRzは、セラミックシートの厚みの1/
2以下であり、ピンホール欠点は発生しなかった。
【0138】それに対し、比較例1は、ダイナミック硬
度差|A−B|が20より大きく、セラミックの剥離不
良が見られた。
【0139】比較例2は、|A−B|≦20であった
が、上記SRzがセラミックシートの厚みの1/2より
大きく、セラミックシートにピンホール欠点が発生し
た。
【0140】(実施例4)二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを次の方法で得た。エステル化反応缶
を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を
86.4重量部及びエチレングリコールを64.4重量
部からなるスラリーを仕込み、撹拌しながら触媒として
三酸化アンチモンを0.03重量部及び酢酸マグネシウ
ム4水和物0.088重量部、トリエチルアミンを0.
16重量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧
3.5kg/cm2、240℃の条件で、加圧エステル
化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に
戻し、リン酸トリメチル0.040重量部添加した。さ
らに、260℃に昇温し、リン酸トリメチルを添加し
た。
【0141】15分後、得られたエステル化反応生成物
を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で重縮合反
応を行った。重縮合反応終了後、95%カット径が28
μmのナイロンフィルター(日本精線社製)で濾過処理
を行い、固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンテ
レフタレートを得た。
【0142】このポリエチレンテレフタレートを135
℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押し出し機
に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、
表面温度20℃に保った金属ロール上で急冷固化し、厚
さ532μmの未延伸ポリエステルフィルムを得た。こ
の溶融押し出し工程で、溶融樹脂の異物除去用濾剤とし
て濾材粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmの
ステンレス製焼結濾材を用いた。
【0143】次に、この未延伸フィルムを加熱されたロ
ール群及びIRヒーターで、100℃に加熱し、その後
周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。引き続いて、ポリ
エステル共重合体(東洋紡績社製、MD1200)5重
量部、平均一次粒径0.05μmの二酸化珪素(SiO
2)をポリエステル共重合体の重量に対して25000
ppm、水47.5重量部、イソプロピルアルコール4
7.5重量部からなる塗布液を前記一軸延伸フィルムの
片面にコートし、70℃の熱風で乾燥し、次いでフィル
ムの端部をクリップで把持して130℃に加熱された熱
風ゾーンに導き、乾燥後巾方向に4.0倍に延伸し、そ
の後220℃で熱処理し、厚さ38μmの片面に塗布層
を有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0144】カチオン型高分子帯電防止剤(商品名ケミ
スタット6300H:三洋化成工業社製)0.2重量
部、ポリエチレンワックス(商品名ハイテックE600
0:東邦化学工業社製)0.1重量部、メタノール50
重量部、水49.7重量部を混合して塗布液を調整し、
これを上記の方法により得られた片面に塗布層を有する
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み3
8μm)のコート層上にワイヤーバーで、乾燥後の塗布
量が0.08g/m2となるように塗布し、90℃×3
0秒間熱風乾燥機中で乾燥した。
【0145】次に、紫外線カチオン硬化型シリコーンレ
ジン(東芝シリコン社製 UV9315)を溶剤(ノル
マルヘキサン)中に樹脂固形分濃度が2重量%となるよ
うに分散し、シリコーンレジン100重量部に対し、1
重量部のビス(アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサ
フルオロアンチモネートを硬化触媒として添加し、シリ
コーン樹脂を含む塗布液を作成した。厚さ38μmの上
記帯電防止性ポリエステルフィルムの帯電防止層とは反
対側の表面にワイヤーバーにて、上記シリコーン樹脂を
含む塗布液を塗布し、100℃×30秒で乾燥後、紫外
線照射装置で紫外線照射(300mJ/cm2)し、帯
電防止層を有する離型フィルム(離型層の乾燥後塗布
量:0.10g/m2)を得た。次いで、セラミックシ
ート層の厚みを2μmにする以外は、実施例1と同様に
して、セラミックシート付き離型フィルムを得た。
【0146】(実施例5)実施例4の帯電防止性ポリエ
ステルフィルムの帯電防止層とは反対側の表面に熱硬化
型シリコーンレジン(信越化学社製、KS830)を溶
剤(トルエン)中に樹脂固形分濃度が3重量%となるよ
うに分散し、シリコーンレジン100重量部に対し、1
重量部の白金触媒を添加してシリコーン樹脂を含む塗布
液を作成し、ワイヤーバーにて、フィルムの片面に塗布
し、140℃×30秒で乾燥し、離型帯電防止フィルム
(シリコーン離型層の乾燥後塗布量0.05g/m2
を得た。次いで、セラミックシート層の厚みを2μmに
する以外は、実施例1と同様にして、セラミックシート
付き離型フィルムを得た。
【0147】(実施例6)紫外線照射量を500mJ/
cm2となるようにした以外は、実施例4と同様にし
て、帯電防止層を有する離型フィルムを得た。次いで、
セラミックシート層の厚みを2μmにする以外は、実施
例1と同様にして、セラミックシート付き離型フィルム
を得た。
【0148】(実施例7)光透過型粒度分布測定装置
(島津製作所製,SA−CP3)で測定した平均粒子径
が0.6μmの炭酸カルシウム粒子(丸尾カルシウム社
製)をエチレングリコール中に仕込み、さらに95%カ
ット径が30μmのビスコースレーヨン製フィルターで
濾過処理を行い、炭酸カルシウム粒子のエチレングリコ
ールスラリーを得た。
【0149】次に、エステル化反応缶を昇温し、200
℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4重量部及
びエチレングリコールを64.4重量部からなるスラリ
ーを仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモン
を0.03重量部及び酢酸マグネシウム4水和物を0.
088重量部、トリエチルアミンを0.16重量部添加
した。
【0150】次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5k
g/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を
行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、リ
ン酸トリメチル0.040重量部を添加した。さらに、
260℃に昇温し、リン酸トリメチルを添加した15分
後に、上記炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールス
ラリーを、生成ポリエステルに対し、1000ppmと
なるよう添加した。15分後、得られたエステル化反応
生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で重
縮合反応を行った。
【0151】重縮合反応終了後、95%カット径が28
μmのナスロンフィルター(日本精線(株)製)で濾過
処理を行い、固有粘度が0.62dl/gの炭酸カルシ
ウム粒子を含有するポリエチレンテレフタレートペレッ
ト(B)を得た。
【0152】上記の炭酸カルシウム粒子を含有するポリ
エチレンテレフタレートペレット(B)と実施例4と同
様の粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートのペ
レット(A)を135℃で6時間減圧乾燥(3Tor
r)した後、押し出し機1、押し出し機2にそれぞれ供
給し、285℃で溶解した。
【0153】この2つのポリマーを、それぞれステンレ
ス焼結体の濾材(公称濾過精度:10μm粒子95%カ
ット)で濾過し、矩形積層部を備えた2層合流ブロック
にて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、
静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャステ
ィングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルム
を作った。この未延伸フィルムを加熱されたロール群と
IRヒーターで100℃に加熱し長手方向に3.5倍に
延伸した。次いで、この一軸フィルムの端部をクリップ
で把持して130℃で加熱された熱風ゾーンに導き、巾
方向に4.0倍に延伸し、210℃にて5秒間熱処理
し、130℃で横方向に3%弛緩処理した。
【0154】このようにして、炭酸カルシウム粒子10
00ppmを含有する厚み5μmのポリエステル層の、
粒子を含有していない厚み33μmのポリエステル層の
積層二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0155】次に、実施例4と同様の方法で、粒子を含
有していないポリエステル層の表面に離型層を、炭酸カ
ルシウム粒子を含有するポリエステル層の表面に帯電防
止層を設けて、帯電防止層と離型層を別々の表面に有す
る積層二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。次いで、
セラミックシート層の厚みを2μmにする以外は、実施
例1と同様にして、セラミックシート付き離型フィルム
を得た。
【0156】(比較例3)付加重合反応型シリコーンレ
ジン(信越化学社製、KS830)を溶剤(トルエン)
中に樹脂固形分濃度が3重量%となるように分散し、シ
リコーンレジン100重量部に対し、1重量部の白金触
媒を添加してシリコーン樹脂を含む塗布液を作成した。
次に、平均粒径が1.0μmの凝集体シリカ粒子を20
0ppm含有する、厚さ38μmの二軸延伸ポリエステ
ルフィルムにワイヤーバーにて、上記シリコーン樹脂を
含む塗布液をフィルムの片面に塗布し、140℃×30
秒で、反応硬化及び乾燥させ、離型フィルム(離型層の
乾燥後塗布量:0.05g/m2)を得た。次いで、セ
ラミックシート層の厚みを2μmにする以外は、実施例
1と同様にして、セラミックシート付き離型フィルムを
得た。
【0157】(比較例4)紫外線照射量を100mJ/
cm2となるようにした以外は、実施例4と同様にし
て、帯電防止層を有する離型フィルムを得た。次いで、
セラミックシート層の厚みを2μmにする以外は、実施
例1と同様にして、セラミックシート付き離型フィルム
を得た。
【0158】(比較例5)離型層の乾燥塗布量を0.5
g/m2となるようにした以外は、実施例5と同様にし
て帯電防止層を有する離型フィルムを得た。次いで、セ
ラミックシート層の厚みを2μmにする以外は、実施例
1と同様にして、セラミックシート付き離型フィルムを
得た。
【0159】実施例4〜7及び比較例3〜5で得られた
セラミックシート付き離型フィルムの評価結果を表2に
示す。
【0160】
【表2】
【0161】実施例4、5、6、7は、セラミックシー
ト表面のダイナミック硬度(A)と離型層表面のダイナ
ミック硬度(B)との関係が|A−B|≦20であり、
ラブオフ値も5以下であり、セラミックシートの剥離不
良は見られず、セラミックシートの剥離帯電は、1kV
以下であり、セラミックシートと離型フィルムは、再付
着することなく、簡単に剥がれ、セラミックシートの剥
離面も平滑であった。
【0162】それに対し、比較例3は、|A−B|≦2
0であり、ラブオフ値も5以下であり、セラミックシー
トの剥離不良は見られなかったが、セラミックシートの
剥離帯電は、5kVより大きく、セラミックシートと離
型フィルムの再付着が発生した。またセラミックシート
の剥離面は、シリコーン離型面の突起が転写しており、
セラミックシートの厚みが薄くなったときは、厚み精度
に大きな影響を与えることが予想される。
【0163】比較例4は、|A−B|>20であり、セ
ラミックシートと離型層の剥離力は大きく、ラブオフ値
も10より大きかったので、離型層とポリエステルフィ
ルムとの密着性が弱く、セラミックコート前に、離型層
がコート設備の一部でこすられ、脱落したため、剥離時
にセラミックシートが完全に破れた。
【0164】比較例5は、|A−B|>20、セラミッ
クシートとの剥離力は大きくなり、剥離時にセラミック
シートが完全に破れた。
【0165】
【発明の効果】本発明のセラミックシート付き離型フィ
ルムによれば、剥離時の剥離力が小さく、セラミックシ
ートの製造時の剥離工程において、剥離不良のない適度
の力でセラミックシートから離型フィルムの剥離除去が
可能であり、また、離型面の表面凹凸をコントロールす
ることにより、特に薄膜セラミックシートの製造時のセ
ラミックコート工程において、ピンホール等の欠点のな
い均一なセラミックシートを得ることができる。
【0166】よって、本発明のセラミックシート付き離
型フィルムは、セラミックシート、特に薄膜セラミック
シートの製造に好適である。
【0167】特に、本発明の請求項4に係るセラミック
シート付き離型フィルムは、さらにポリエステルフィル
ムと離型層との密着性が良く、セラミックシートの製造
時の剥離工程において、離型層の削れによる剥離不良を
なくすことができ、セラミックシートと離型フィルムと
の剥離帯電が小さいことから、いったん剥がした後に再
付着するトラブルを防止することができる。また、離型
面の平滑性が極めて優れているので、厚み3μm以下の
超薄膜セラミックシートを厚み精度良く加工することが
可能であり、特に超薄膜セラミックシートの製造に好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒岩 晴信 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内 (72)発明者 水野 直樹 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社フィルム開発研究所敦賀フィルムセ ンター内 Fターム(参考) 4F100 AA08A AA08H AA20A AA20H AD00C AK12A AK12H AK17B AK25A AK25H AK41A AK41D AK42 AR00E BA03 BA05 BA07 BA10E DE01A DE01H GB90 JB12B JG03E JK12B JK12C JL14 YY00B YY00C 4G052 DA02 DB02 DB10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル基材フィルムの少なくとも
    片面に硬化型シリコーン樹脂を主たる構成成分とする離
    型層を設けた離型フィルムに、さらに前記離型フィルム
    の離型層表面にセラミックシート層を積層してなるセラ
    ミックシート付き離型フィルムであって、前記セラミッ
    クシート層表面のダイナミック硬度Aと前記離型層表面
    のダイナミック硬度Bとの差の絶対値が下記式(1)を
    満足し、かつ離型層表面の三次元表面粗さ測定における
    十点平均粗さSRz(μm)とセラミックシートの厚み
    C(μm)との関係が下記式(2)を満足することを特
    徴とするセラミックシート付き離型フィルム。 |A−B|≦20(gf/μm2) ・・・(1) SRz≦C/2 ・・・(2)
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル基材フィルムは単層構
    造を有し、該フィルム中に粒子が含有されていることを
    特徴とする請求項1記載のセラミックシート付き離型フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル基材フィルムは少なく
    とも2層以上の積層構造を有し、離型層形成面とは反対
    側の表面には粒子を含有するポリエステルフィルム層を
    積層していることを特徴とする請求項1記載のセラミッ
    クシート付き離型フィルム。
  4. 【請求項4】 前記離型フィルムは、ポリエステル基材
    フィルムの片面に離型層を、他面に粒子含有層及び帯電
    防止層をこの順に設けてなり、前記ポリエステル基材フ
    ィルムは粒子を実質上含有せず、前記帯電防止層は三次
    元表面粗さ測定における十点平均粗さSRz(μm)、
    平均傾斜勾配SΔa、平均空間波長Sλa(μm)及び
    面積0.12mm2における突起数PCが下記式(3)
    及び(4)を満足することを特徴とする請求項1又は3
    記載のセラミックシート付き離型フィルム。 0.05≦SRz≦0.5 ・・・(3) SΔa×PC/Sλa≧0.2 ・・・(4)
  5. 【請求項5】 前記粒子含有層が高分子樹脂と粒子とを
    主として含有する被覆層であることを特徴とする請求項
    4記載のセラミックシート付き離型フィルム。
  6. 【請求項6】 前記粒子含有層が粒子を含有するポリエ
    ステルフィルム層であり、前記ポリエステル基材フィル
    ムが前記ポリエステルフィルム層を含む少なくとも2層
    以上の積層構造を有することを特徴とする請求項4記載
    のセラミックシート付き離型フィルム。
  7. 【請求項7】 前記粒子は平均粒径が5μm以下の炭酸
    カルシウム粒子、シリカ粒子、架橋アクリル粒子、架橋
    ポリスチレン粒子、ベンゾグアナミン系粒子から選ばれ
    た少なくとも1種であることを特徴とする請求項2、
    3、5又は6記載のセラミックシート付き離型フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 前記粒子は粒度分布比が下記(5)式を
    満足し、平均粒径と粒子含有量との積が下記(6)式を
    満足することを特徴とする請求項2、3、5、6又は7
    記載のセラミックシート付き離型フィルム。 0.2≦D50/D5≦0.6 ・・・(5) 150≦D50×E≦10000 ・・・(6) ここで、式中、D50は積算重量が50%のときの粒子径
    (μm)、D5は積算重量が5%のときの粒子径(μ
    m)、Eは粒子の含有量(ppm)をそれぞれ示す。
  9. 【請求項9】 離型層と該離型層表面に貼着されるセラ
    ミックシートの粘着剤層との、離型層表面を摩擦材で1
    0往復摩擦した後に測定した剥離力(P10)と摩擦前
    に測定した剥離力(P0)との比(ラブオフ値(P10
    /P0))が、10以下であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7又は8記載のセラミックシ
    ート付き離型フィルム。
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