JP2004323766A - 離形フイルム - Google Patents

離形フイルム Download PDF

Info

Publication number
JP2004323766A
JP2004323766A JP2003123370A JP2003123370A JP2004323766A JP 2004323766 A JP2004323766 A JP 2004323766A JP 2003123370 A JP2003123370 A JP 2003123370A JP 2003123370 A JP2003123370 A JP 2003123370A JP 2004323766 A JP2004323766 A JP 2004323766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
less
release film
release
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003123370A
Other languages
English (en)
Inventor
Sachiro Morimoto
幸朗 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin DuPont Films Japan Ltd filed Critical Teijin DuPont Films Japan Ltd
Priority to JP2003123370A priority Critical patent/JP2004323766A/ja
Publication of JP2004323766A publication Critical patent/JP2004323766A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】ポリエステルフイルムの凸凹が成形体に転写しない優れた表面特性、表面平坦性を有するとともに、加工工程に適し、離形性が良好な離形フイルムを提供する。
【解決手段】ポリエステル中に平均粒径が0.05μm以上0.6μm未満、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であり、かつ相対標準偏差が0.3以下である球状シリカ粒子および/または球状架橋シリコーン粒子を0.01〜3.0重量%分散含有させてなる二軸配向ポリエステルフイルムの表面に離形層を有する離形フイルムであって、ポリエステルフイルムの表面の中心線平均粗さRaが5nm以上15nm未満でありかつ最大高さRmaxと10点平均粗さRzの差が100nm以下であることを特徴とする離形フイルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離形フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
離形フイルムは、例えば樹脂シートの形成用、粘着剤離形用、医療用、電気・電子部品製造用の用途に使用されている。
【0003】
離形フイルムから成形される樹脂シート等の成形体において、成形体の表面の平坦化が重要な課題である。フイルムから成形される成形体の品質は、その表面の精度や品質にかかっており、すなわち離形フイルムの表面の精度や品質にかかっていると言っても過言ではない。
【0004】
離形フイルムそのものは、ポリエステルフイルムに離形性のある樹脂の層、例えばシリコーン樹脂層を設けて形成される。通常、ポリエステルフイルム中には加工適性、例えば滑り性、巻き特性を良くするために、粒子が配合されている。一般に、粒子を配合するとフイルムの表面が粗くなるが、これを避けて平坦な表面性を作るために粒子の配合をやめると、得られるフイルムは滑り性やエアー抜け性が極端に悪化し、加工中にシワが入ったり、ロール状に巻けないものとなる。
【0005】
また、フイルムがシリコーンの塗布層を伴うと、シリコーン層がポリエステルフイルムの表面の突起を覆い隠すため、さらに加工適性が低下する。
【0006】
従来、離形フイルムから成形される成形体または成形シートでは、その表面特性への要求が厳しくなく、ある程度の粗面であっても品質上の問題となることがなかった。
【0007】
しかしながら、近年、離形フイルムから成形される成形シートの表面特性への要求が非常に厳しくなってきた。
【0008】
たとえば、塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂のシートでは、これらの樹脂溶液を離形フイルム上に流延しシートを成形する。これらのシートでは、成形面に特に高い光沢性が要求されることがある。
【0009】
また、粘着テープ用の離形フイルムでは、離形フイルム表面の凸凹が粘着テープの粘着剤層の表面に形状転写するため、例えばガラス面に粘着テープを貼るときに、形状転写した凹部に空気が入り、きれいな外観を得ることができなくなる。そのため、表面の平坦性が要求される。
【0010】
さらに、電子部品の工程材料などに用いられる離形フイルムでは、特に表面特性への要求が高い。例えば、セラミックコンデンサーの薄層シートを作成する場合、離形フイルム上にセラミック粉体とバインダー剤を液状媒体に分散させたセラミックススラリを塗布し、3μm以下の非常に薄いシートを作成する。シートが薄層化すればするほど、離形フイルムの表面凸凹が直接成形シートの不良率増加につながる。
【0011】
【特許文献1】
特開昭47−34447号公報
【0012】
【特許文献2】
特公昭54−40918号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はかかる従来技術の欠点を解消し、ポリエステルフイルムの凸凹が成形体に転写しない優れた表面特性、表面平坦性を有するとともに、加工工程に適し、離形性が良好な離形フイルムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ポリエステル中に平均粒径が0.05μm以上0.6μm未満、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であり、かつ下記式で表わされる相対標準偏差が0.3以下である球状シリカ粒子および/または球状架橋シリコーン粒子を0.01〜3.0重量%分散含有させてなる二軸配向ポリエステルフイルムの表面に離形層を有する離形フイルムであって、ポリエステルフイルムの表面の中心線平均粗さRaが5nm以上15nm未満でありかつ最大高さRmaxと10点平均粗さRzの差が100nm以下であることを特徴とする離形フイルムである。
【0015】
ここで、球状シリカ粒子および球状架橋シリコーン粒子の長径、短径、平均粒径は、粒子表面に金薄膜層を蒸着したのち走査型電子顕微鏡にて、例えば1万から3万倍に拡大した像から次式で求める。
【0016】
平均粒径=測定粒子の面積円相当径の総和/測定粒子数
粒径比=シリカ粒子の平均長径/該粒子の平均短径
また相対標準偏差は次式で求める。
【0017】
【数2】
Figure 2004323766
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
[ポリエステル]
本発明におけるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。かかるポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム形成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸を挙げることができる。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるいはシクロヘキサンジメタールの如き脂環族ジオールを挙げることができる。
【0020】
本発明において、ポリエステルとしては、例えばアルキレンテレフタレートおよび/またはアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられる。
【0021】
かかるポリエステルのうちでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。これらは、例えば全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体であってもよい。その際、全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸であることができる。また、全グリコール成分の20モル%以下は、エチレングリコール以外の上記グリコールであることができる。あるいは、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如き芳香族ジオール;1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンの如き芳香環を含む脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)であることもできる。
【0022】
また本発明で用いるポリエステルには、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸;ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合或いは結合するものも包含される。
【0023】
さらに本発明におけるポリエステルには、実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸ペンタエリントール等を共重合したものも包含される。
【0024】
上記ポリエステルは、それ自体公知であり、且つそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0025】
上記ポリエステルとしては、ο−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が約0.4〜0.9のものが好ましい。
【0026】
本発明における二軸配向ポリエステルフイルムは、そのフイルム表面に多数の微細な突起を有している。それらの多数の微細な突起は、本発明によればポリエステル中に分散して含有される多数の球状シリカ粒子および/または球状架橋シリコーン粒子に由来する。
【0027】
球状シリカ粒子または球状架橋シリコーン粒子を分散含有するポリエステルは、通常、ポリエステルを形成するための反応時、例えばエステル交換法による場合のエステル交換反応中あるいは重縮合反応中の任意の時期または直接重合法による場合の任意の時期に、球状シリカ粒子および/または球状架橋シリコーン粒子(好ましくはグリコール中のスラリーとして)を反応系中に添加することにより製造することができる。好ましくは、重縮合反応の初期例えば固有粘度が約0.3に至るまでの間に、球状シリカおよび/または球状架橋シリコーン粒子を反応系中に添加するのが好ましい。
【0028】
本発明においてポリエステル中に分散含有させる球状シリカ粒子および/または球状架橋シリコーン粒子は、平均粒径が0.05μm以上0.6μm未満であり、かつ粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2である粒子である。この粒子は個々の形状が極めて真球に近い球状であって、従来から滑剤として知られているシリカ粒子が10nm程度の超微細な塊状粒子か、これらが凝集して0.2μm程度の凝集物(凝集粒子)を形成しているのとは著しく異なる点に特徴がある。
【0029】
球状シリカ粒子と球状架橋シリコーン粒子の平均粒径は0.05μm以上0.6μm未満、好ましくは0.20μm以上0.35μm未満、更に好ましくは0.25μm以上0.3μm未満である。平均粒径が0.05μm未満では滑り性や、耐クラッチ性の向上効果が不充分であり好ましくなく、0.6μm以上であると例えばセラミックコンデンサーの薄層シートを作成するために離形フイルム上にセラミック粉体とバインダー剤を液状媒体に分散させたセラミックススラリを塗布し3μm以下の非常に薄いシートを作成したときに、シートが薄層化すればするほど、離形フイルムの表面凸凹が直接成形シートの不良率増加につながり好ましくない。粒径比(長径/短径)は好ましくは1.0〜1.1、更に好ましくは1.0〜1.05である。
【0030】
球状シリカ粒子と球状架橋シリコーン粒子は、粒径分布がシャープであることが好ましく、分布の急峻度を表わす相対標準偏差が0.3以下であり、特に好ましくは0.12以下である。
【0031】
この相対標準偏差は次式で表わされる。
【0032】
【数3】
Figure 2004323766
【0033】
相対標準偏差が0.3以下、特に0.12以下の球状シリカ粒子を用いると、該粒子が球状で且つ粒度分布が極めて急峻であることから、フイルム表面突起の高さが極めて均一となり、同じ突起の数であっても従来のものに比して、滑り性が極めて良好となる。
【0034】
球状シリカ粒子は、上述の条件を満たせば、その製法、その他に何ら限定されるものではない。例えば、球状シリカ粒子は、オルトケイ酸エチル[Si(OC]の加水分解から含水シリカ[Si(OH)]単分散球をつくり、更にこの含水シリカ単分散球を脱水化処理してシリカ結合[≡Si−O−Si≡]を三次元的に成長させることで製造できる。(日本化学会誌’81,NO.9,P.1503)。
【0035】
Figure 2004323766
【0036】
本発明において球状シリカ粒子および/または球状架橋シリコーンの添加量は、フィルムのポリエステルあたり0.01〜3.0重量%とする必要があり、好ましくは0.05〜2.0重量%、更に好ましくは0.05〜1.0重量%である。添加量が0.01重量%未満では滑り性や耐削れ性の向上効果が不充分となり、一方3.0重量%を越えると表面平坦性が低下する。
【0037】
[ポリエステルフイルム]
本発明における二軸配向ポリエステルフイルムは従来から蓄積された二軸配向フイルムの製造法に準じて製造できる。例えば、球状シリカ粒子を含有するポリエステルを溶融製膜して非晶質の未延伸フイルムとし、次いで該未延伸フイルムを二軸方向に延伸し、熱固定し、必要であれば弛緩熱処理することによって製造される。その際、フイルム表面特性は、球状シリカ粒子の粒径、量等によって、また延伸条件によって変化するので従来の延伸条件から適宜選択する。また密度、熱収縮率等も延伸、熱処理時の温度、倍率、速度等によって変化するので、これらの特性を同時に満足する条件を定める。例えば、延伸温度は1段目延伸温度(例えば縦方向延伸温度:T)が(Tg−10)−(Tg+45)℃の範囲(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)から、2段目延伸温度(例えば横方向延伸温度:T)が(T+5)〜(T+40)℃の範囲から選択するとよい。また、延伸倍率は一軸配向の延伸倍率が2.5倍以上、特に3倍以上、かつ面積倍率が8倍以上、特に10倍以上となる範囲から選択するとよい。更にまた、熱固定温度は180〜250℃、更には210〜240℃の範囲から選択するとよい。フイルムの厚みは10〜100μが好ましく、さらには23〜50μmが好ましい。
【0038】
本発明における二軸配向ポリエステルフイルムは、その中心線平均粗さRaが5nm以上15nm未満である。中心線平均粗さRaが15nm以上であると、特に厚みが3μm以下のセラミックグリーンシートを形成するときに、成形体表面に形状転写が発生し、中心線平均粗さRaが5nm未満であると離形フイルムを巻き取るとき滑り性が悪くしわが入りやすくなる。
【0039】
本発明における二軸配向ポリエステルフイルムは、その最大高さRmaxと10点平均粗さRzの差が100nm以下である。差が100nmを超えると、特に厚みが1.5μm以下のセラミックグリーンシートを成形した際に、形状転写による貫通孔が発生し、例えばそれを用いて積層セラミックコンデンサーを作成したときに、内部電極間でショートし、コンデンサーの機能を示さなくなると言った不良率が著しく上昇してしまう。
【0040】
[離形層]
本発明において、ポリエステルフイルムの片面に離形層を設ける。かかる離形層は、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂、フッ素オイル、各種ワックス、または長鎖アルキル基を有するポリマーの中から選ばれた1種以上を主成分とする塗布液をポリエステルフイルムの片面に塗布し、乾燥、更には熱や電離放射線によって硬化させることにより形成できる。その他ポリエステル、アルキッド、ポリウレタン、アクリル、メラミン、ポリビニルアセタール等の有機樹脂をシリコーンやフッ素などで変性したもの、あるいはシリコーンオイル、フッ素オイルや各種ワックスを有機樹脂中に添加した成分からなる塗布液を用いても良い。
【0041】
なかでも硬化型シリコーン樹脂が耐熱性の点で好ましく、かかる硬化型シリコーン樹脂としては、例えば縮合反応型のもの、付加反応型のもの、紫外線もしくは電子線硬化型のもののいずれも用いることができる。これらの硬化型シリコーン樹脂は一種を単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。
【0042】
各種シリコーン樹脂の硬化反応は、次のように示すことができる。
【化1】
Figure 2004323766
【0043】
上記縮合反応型シリコーン樹脂としては、例えば末端−OH基を持つポリジメチルシロキサンと末端に−H基を持つポリジメチルシロキサン(ハイドロジェンシラン)を有機錫触媒(例えば有機錫アシレート触媒)を用いて縮合反応させ、三次元架橋構造をつくるものが挙げられる。
【0044】
付加反応型のシリコーン樹脂としては、例えば末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシランとを白金触媒を用いて反応させ、三次元架橋構造をつくるものが挙げられる。
【0045】
紫外線硬化型のシリコーン樹脂としては、例えば最も基本的なタイプとして通常のシリコーンゴム架橋と同じラジカル反応を利用するもの、アクリル基を導入して光硬化させるもの、紫外線でオニウム塩を分解して強酸を発生させ、これによりエポキシ環を開裂させて架橋させるもの、ビニルシロキサンへのチオールの付加反応で架橋するものが挙げられる。電子線は紫外線よりもエネルギーが強く、紫外線硬化の場合のように開始剤を用いずともラジカルによる架橋反応が起こる。
【0046】
硬化型シリコーン樹脂としては、その重合度が50〜20万程度、好ましくは千〜10万程度のものが好ましく、これらの具体例としては信越化学工業(株)製のKS−3601、−774、−3603、−778、−779H、−830、830E、−837、−838、−839、−841、−3650、−847、−847H、X−62−2418、−2422、−2125、−2492、−2494、−470、−2366、−630、X−92−140、−128、KS−723A・B、−705F、−708A、−883、−709、−719、東芝シリコーン(株)のTPR−6701、−6702、−6703、−3704、−6705、−6722、−6721、−6700、XSR−7029、YSR−3022、YR−3286、ダウコーニング(株)製のDK−Q3−202、−203、−204、−210、−240、−3003、−205、−3057、SFXF−2560、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSD−7226、−7320、−7229、BY24−900、−171、−312、−374、SRX−375、SYL−OFF23、SRX−244、SEX−290、アイ・シー・アイ・ジャパン(株)製のSILCOLEASE425を挙げることができる。また、例えば特開昭47−34447号公報、特公昭52−40918号公報に記載のシリコーン樹脂も用いることができる。
【0047】
前記硬化型シリコーン樹脂塗膜をフイルム表面に形成させる場合のコーティング方法としては、バーコード法、ドクターブレード法、リバースロールコート法またはグラビアロールコート法等の従来から知られている方法が利用できる。
【0048】
かかる硬化型シリコーン樹脂の形態は、溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型の中から適宜選択して用いることができる。
【0049】
塗膜の乾燥および硬化(熱硬化、紫外線硬化等)は、それぞれ個別または同時に行うことができる。同時に行うときには、乾燥および硬化の条件としては100℃以上で30秒以上が好ましい。乾燥温度が100℃未満および硬化時間が30秒未満では塗膜の硬化が不完全であり、塗膜が脱落しやすくなるため好ましくない。
【0050】
本発明において、離型フィルム表面の高さ0.6μm以上の突起の個数が1mあたり10個以下であることが好ましい。10個を超えると例えばセラミックコンデンサーの薄層シートを作成するために離形フイルム上にセラミック粉体とバインダー剤を液状媒体に分散させたセラミックススラリを塗布し、3μm以下の非常に薄いシートを作成する場合にシートが薄層化すればするほど、離形フイルムの表面凸凹 が直接成形シートの不良率増加につながり好ましくない。
【0051】
本発明において、離形フイルムの離形層を形成した面とその反対側の面の静摩擦係数μSはいずれも0.8以下であることが好ましい。0.8を超えると離形フィルムをロール状に巻き取る時にしわが入り易くなったり、温度/湿度変化に伴うフィルムの膨張/収縮に追従出来なくなり、経時によるしわやロール形状に変形を生じ易くなり好ましくない。
【0052】
ポリエステルフイルムの表面に形成した離形層の厚みは、ポリエステルフイルムの10点平均粗さRzの0.6倍以下であることが好ましい。厚みがRzの0.6倍を超えるとポリエステルフイルム中に分散添加した球状不活性微粒子で成形した表面の凹凸部分の凹部分を離形塗料が流れ込み、結果的に離形層が形成された表面は、Ra、Rz共に低くなり、工程内のハンドリング性不良や離形層のプロッキング(背面移行)が発生して好ましくない。
【0053】
本発明の離形フイルムの離形層の微少押し込み硬さは90mgf/μm以上であることが好ましい。微少押し込み硬さが90mgf/μm未満であると、離形層が柔らかくブロッキングが起こり、フイルムがロール状に巻き取られた際、離形層が反対面のフイルム表面の凸凹に沿って形状が変化、すなわち、離形層の面とその反対の面の接触面積が大きくなり、ブロッキングによる背面移行や巻き出し時の帯電が大きくなり、セラミックスラリーを塗布する際に、帯電模様になって得られるセラミックグリーンシートが不均一となる不具合が生じることがあり、好ましくない。
【0054】
本発明のポリエステルフイルムの片面即ち離形層を設ける面には、シリコーン易接性の塗膜を形成させることが好ましい。本発明に用いる離形層は通常はシリコーン系離形剤特に硬化型シリコーン樹脂を用いるがポリエステルフイルムとシリコーンは接着性に乏しいので、何らかの易接性の処理を要する。本発明においては、下記のプライマー層を形成することが好ましい。プライマー層を構成する成分として、例えばシランカップリング剤、アルカリ性無機微粒子、pHを調整する酸、界面活性剤が挙げられる。
【0055】
シランカップリング剤は、一般式YRSiXで表わされる化合物である。ここではYはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基の如き有機官能基、Rはメチレン、エチレン、プロピレンの如きアルキレン基、Xはメトキシ基、エトキシ基の如き加水分解基およびアルキル基である。具体的化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。好ましいシランカップリング剤としては、水溶性または水分散性を有するカップリング剤である。
【0056】
前記シランカップリング剤と共にプライマー層を構成するアルカリ性無機微粒子としては、例えば酸化鉄ゾル、アルミナゾル、酸化スズゾル、酸化ジルコニウムゾル、シリカゾルを挙げることができるが、特にアルミナゾル、シリカゾルが好ましい。就中シランカップリング剤の初期反応性(ダイマー化、トリマー化等)を促進する点から、シリカゾルが好ましい。
【0057】
アルカリ性無機微粒子は表面積の大きい小粒径のものが良く、平均粒径が1〜150nm、さらには2〜100nm、特に3〜50nmであるものが好ましい。平均粒径が150nmより大きくなると、表面積が小さくなりすぎ、シランカップリング剤の反応促進作用が低下し、かつプライマー層の表面が粗面化するため好ましくない。他方、平均粒径が1nmより小さくなると、表面積が大きすぎ、シランカップ剤の反応制御が困難となり好ましくない。
【0058】
アルカリ性無機微粒子の量は、シランカップ剤の量に対して、1〜50重量%、さらには2〜20重量%であることが好ましい。この量が1重量%未満であると、架橋反応が進まず、他方50重量%を超えると塗布液の安定性に欠け、例えば無機微粒子の添加後短時間で塗布液中に沈殿が発生し、好ましくない。
【0059】
シランカップリング剤およびアルカリ性無機微粒子を含有するプライマー塗布液、特に水性塗布液はそのpHを4.0〜7.0、好ましくは5.0〜6.7に調整する。このpHが4.0未満になると、無機微粒子の触媒活性が失われ、他方7.0を超えると塗液が不安定となり、沈殿が生じるので好ましくない。このpHを調整する酸としては塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や蓚酸、蟻酸、クエン酸、酢酸等の有機酸が用いられるが、特に有機酸が好ましい。
【0060】
かかる塗布液、特に水性液には、アニオン界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性等の界面活性剤を必要量添加して用いることができる。
【0061】
かかる界面活性剤としては、塗布液の表面張力を0.5N/m以下、好ましくは0.4N/m以下に下げることができ、ポリエステルフイルムへの濡れ性を促進するものが好ましく、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アイモニウムクロライド塩、アルキルアミン塩酸を挙げることができる。更に本発明の効果を消失させない範囲において、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤を混合することができる。
【0062】
かかるプライマー塗布液を共押出ポリエステルフイルムの片面に塗布し、次いで乾燥、熱架橋することで、架橋プライマー層を設けることができる。
【0063】
上記塗布液の固形分濃度は、通常塗布液100重量%中30重量%以下であり、10重量%以下が更に好ましい。塗布量は走行しているフイルム1m当り0.5〜20g、さらに1〜10gが好ましい。また、乾燥、熱架橋処理後の塗膜の厚さは20〜1000nm、更には40〜500nmであることが好ましい。
【0064】
塗布方法としては、公知の任意の方法が適用できる。例えば、キスコート法、バーコード法、ダイコート法、リバースコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤバーコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、合侵法およびカーテンコート法を単独または組み合わせて適用するとよい。
【0065】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する。
なお、本発明における種々の物性値および特性は以下の如く測定されたものである。
【0066】
(1)球状シリカ粒子の粒径
粒子粒径の測定には次の場合がある。
1)シリカ粉体から、平均粒径、粒径比等を求める場合。
2)フイルム中のシリカ粒子の平均粒径、粒径比等を求める場合。
【0067】
1)シリカ粉体からの場合:
電顕試料台上にシリカ粉体を個々の粒子ができるだけ重ならないように散在せしめ、金スパッター装置により、この表面に金薄膜蒸着層を厚み200オングストローム〜300オングストロームで形成せしめ、走査型電子顕微鏡にて例えば100000〜30000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、少なくとも110個の粒子の長径(Dli)、短径(Dsi)および面積円相当径(Di)を求める。そして、これらの次式で表わされる数平均値をもって、シリカ粒子の長径(Di)、短径(Ds)、平均粒径(D)を表わす。
【0068】
【数4】
Figure 2004323766
【0069】
2)フイルム中のシリカ粒子の場合:
試料フイルム小片を走査型電子顕微鏡用試料台に固定し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JFC−1100型イオンスパッターリング装置)を用いてフイルム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施した。条件はベルジャー内に試料を設置し、約10−3Torrの真空状態まで真空度を上げ、電圧0.25KV、電流12.5mAにて約10分間イオンエッチングを実施した。更に同装置にてフイルム表面に金スパッターを施し、走査型電子顕微鏡にて例えば10000〜30000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼツクス500にて少なくとも100個の粒子の長径(Dli)、短径(Dsi)および面積円相当径(Di)を求める。以下、上記1)と同様に行う。
【0070】
(2)球状シリコーン粒子の平均粒径、粒径比等
1)平均粒径
島津製作所製CP−50型セントリフュグルパーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyser)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜247参照)。
2)粒径比
フイルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロトームにて約600オングストロームの厚みの超薄切片(フイルムの流れ方向に平行に切断する。)を作成する。この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製;H−800型)にてフイルム中の滑剤(粒子)断面球状を観察し、滑剤の長軸と短軸の比で表わす。
3)相対標準偏差値
1)項の積算曲線より差分粒度を求め、次の相対標準偏差の定義式にもとづいて相対標準偏差を算出する。
【0071】
【数5】
Figure 2004323766
【0072】
(3)中心線平均粗さ(Ra(nm))
中心線平均粗さ(Ra)は、本発明では(株)小坂研究所の三次元触針式表面粗さ計(SURFCORDER SE−30KT)を用いて測定する。測定条件は次の通りである。
(a)触針先端半径:2μm
(b)測定圧力 :30mg
(c)カットオフ :0.25mm
(d)測定長 :1.0mm
(e)走査ピッチ/走査本数:2μm/100本
【0073】
(4)十点平均粗さ(Rz(nm))、(5)最大高さ(Rmax(nm))
十点平均粗さ(Rz)と最大高さ(Rmax)は、本発明では(株)小坂製作所の三次元触針式表面粗さ計(SURFCORDER SE−30KT)を用いて、測定する。測定条件は、Raと同じ。
【0074】
(5)シリコーンの膜圧測定
離形フイルムを三角形に切り出し離形面にPt(白金)を2nmコーティングする。多軸包埋カプセルに固定後、Eponで包埋する。ミクロトームULTRACUT−Sで50nm厚に薄切しグリッドに載台する。2%オスミウム酸、60℃・2時間、切片の蒸気染色を行う。透過電子顕微鏡LEM−2000で加速電圧100kvで離形層の厚みを観測する。
【0075】
(6)突起個数
ロール状に巻いた離形フイルムから、4枚以上の重なった状態のまま切り出し、更に内側にある2枚を異物のない平坦なガラス板上に置き、縦×横=10cm×10cmの枠を記し、ゴムロールで離形フイルム2枚の間の空気を十分に抜いて密着させる。このサンプルをナトリウムランプの単色光(590nm)下で顕微鏡を用いて観察し、層間に存在する突起分による空隙によって生じる光の干渉に基づく縞状の模様(ニュートンリング)の内、2リング(590nm≒0.6μm)以上をカウントした。更にカウントした突起分を顕微鏡で観察し、離形フイルムの表面に付着した以外の離形フイルム(ポリエステルフイルムと離形層)に起因する異物を0.6μm以上の高さの突起個数(個/100cm)とし、これを100回行い、1mあたりの個数とする。
【0076】
(7)離形層の押し込み硬さ
押し込み硬さの測定は、(株)エリオニクス社製ENT−1100aを用いて、離形層の硬さを測定する。測定条件は、下記の通りである。
▲1▼圧子 :三角錐(稜間隔:115゜)
▲2▼荷重 :2mgf
▲3▼分割数 :100
得られる離形層の変形量から硬さを算出する。
【0077】
(8)静摩擦係数(μs)
ACTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製のスリッパリー測定器を測定し、離形層形成した面とその反対面との静摩擦係数(μs)を測定する。但し、スレッド板はガラス板とし、荷重1kg、下側面積70cmのものを使用する。
【0078】
(9)セラミックグリーンシート外観
ポリエステルフイルムの片面にプライマー層、離形層を塗布して作成されたキャリヤシートを用い、離形層上に下記組成のセラミックススラリーをドクターブレード法にて塗布し、乾燥固化させた後、キャリヤーシートとセラミックグリーンシートを貼り合わせた状態で積層し、20g/cmの荷重下で40℃、2週間放置した。この後、該キャリヤーシートを剥離し厚さ1μmのセラミックグリーンシートを得た。この際のセラミックグリーンシートをバックライト付き拡大鏡を使用し、観察した。
下記の通り判定した。
○:ピンホールが全く見られないもの
×:ピンホールが多数見られたもの
【0079】
[実施例1]
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として平均粒径0.27μm、粒径比1.05の球状シリカ粒子を加えて常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレフタレートを得た。
【0080】
このポリエチレンテレフタレートのペレットを170℃、3時間乾燥後押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、この溶融ポリマーを1mmのスリット状ダイを通して表面仕上げ0.3S程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、535μmの未延伸フイルムを得た。
【0081】
このようにして得られた未延伸フイルムを75℃にて予熱し、更に低速、高速ロール間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて加熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向フイルムを235℃の温度で5秒間熱固定し、厚み15μmの熱固定二軸配向フイルムを得た。
【0082】
にお、一軸延伸後にシリコーンのアンカーコート処理として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をキスコート法にて塗布を行った。
【0083】
更にこのフイルムの上に、付加反応硬化型シリコーン離形剤「KS−839」(信越化学工業(株)製)をメチルエチルケトン/トルエン=60/40の溶剤で不揮発分が1.5%になるように希釈し、更にKS−839を100部として、反応抑止剤「PLR−2」(信越化学工業(株)製)を0.2部加え、最後に白金硬化触媒「PL−50T」(信越化学工業(株)製)を3部加えた離形塗料を作成し、グラビアロールコート法により乾燥・硬化後の離形層の厚みが60nmになるように塗布した離形フイルムを得た。乾燥・硬化条件は150℃で30秒行った。
この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0084】
【表1】
Figure 2004323766
【0085】
[実施例2]
球状シリカ粒子の平均粒径を0.48μmに変更した以外は、実施例1と同様な方法で離形フイルムを得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0086】
[実施例3]
実施例1に記載の球状シリカ粒子を球状架橋シリコーン樹脂微粒子に変更した以外は、実施例1と同様にして離形フイルムを得た。なお、この架橋シリコーン微粒子の平均粒径は0.5μm、粒径比は1.10、添加量は、0.15重量%で行った。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0087】
[実施例4]
離形層の厚みが85nmになるように塗布した以外は実施例1と同様な方法で離形フイルムを得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0088】
[比較例1]
球状シリカ粒子の平均粒子径を0.04μmにした以外は、実施例1と同様な方法で離形フイルムを得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0089】
[比較例2]
実施例1記載の球状シリカを多孔質シリカに変更したこと以外は、実施例1と同様にして離形フイルムを得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。なお、この多孔質シリカの平均粒子径は1.0μ、粒径比は3.9、粒子径の相対標準偏差は9.1であった。
【0090】
[比較例3]
離形層の塗布厚みを150nmにした以外は実施例1記載と同様な方法で離形フイルムを得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0091】
[比較例4]
実施例1記載の付加反応硬化型シリコーンを「TPR−6700」(GE東芝シリコーン(株)製)、白金触媒をを「CM670」(GE東芝シリコーン(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして離形フイルムを得た。この離形フイルムの特性を表1に示す。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリエステルフイルムの凸凹が成形体に転写しない優れた表面特性、表面平坦性を有するとともに、加工工程に適し、離形性が良好な離形フイルムを提供することができる。
【0093】
本発明における離形フイルムは従来のものに比較し、表面が平坦であるにもかかわらず、極めて滑り性が良く、また耐スクラッチ性に優れているという特徴を持ち、セラミックグリーンシート成形用キャリアフイルム、粘着シート成形用キャリアフイルム、さらには樹脂成形体キャリアフイルムとして有用である。特に近年、情報携帯端末の軽量・小型化に伴い使用される積層セラミックコンデンサーやセラミックICパッケージに使用されるセラミックシートの薄層化、さらにはビスやネジの替わりに使われる粘着シートの薄層化が著しく、これらの薄層シートの製造工程において、本発明の離形フイルムは優れた離形性と平坦性を有し、更に製造工程でのハンドリング性も損なわない点で極めて有効な離形フイルムであり、本発明の離形フィルムは、セラミックグリーンシート形成用に特に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. ポリエステル中に平均粒径が0.05μm以上0.6μm未満、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2であり、かつ下記式で表わされる相対標準偏差が0.3以下である球状シリカ粒子および/または球状架橋シリコーン粒子を0.01〜3.0重量%分散含有させてなる二軸配向ポリエステルフイルムの表面に離形層を有する離形フイルムであって、ポリエステルフイルムの表面の中心線平均粗さRaが5nm以上15nm未満でありかつ最大高さRmaxと10点平均粗さRzの差が100nm以下であることを特徴とする離形フイルム。
    Figure 2004323766
  2. 離形層の厚みがポリエステルフイルムの10点平均粗さRzの0.6倍以下であり、かつ離形層の微少押し込み硬さが90mgf/μm以上である、請求項1記載の離形フイルム。
  3. 離型フィルムの表面の高さ0.6μm以上の突起の個数が1mあたり10個以下である、請求項1記載の離形フイルム。
  4. 離形フイルムの離形層を有する面とその反対側の面の静摩擦係数μSがいずれも0.8以下である、請求項1記載の離形フイルム。
  5. セラミックグリーンシート形成に用いる、請求項1記載の離形フイルム。
JP2003123370A 2003-04-28 2003-04-28 離形フイルム Pending JP2004323766A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003123370A JP2004323766A (ja) 2003-04-28 2003-04-28 離形フイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003123370A JP2004323766A (ja) 2003-04-28 2003-04-28 離形フイルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004323766A true JP2004323766A (ja) 2004-11-18

Family

ID=33501283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003123370A Pending JP2004323766A (ja) 2003-04-28 2003-04-28 離形フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004323766A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008032428A1 (fr) * 2006-09-11 2008-03-20 Mitsubishi Polyester Film Corporation Film de polyester pour pellicule anti-adhésive
JP2008063538A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Mitsubishi Polyester Film Copp 離型フィルム用ポリエテルフィルム
JP2008074988A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Mitsubishi Polyester Film Copp 離型フィルム用ポリエテルフィルム
JP2008239843A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toray Ind Inc 離型用ポリエステルフィルム
JP2008239844A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toray Ind Inc 離型用ポリエステルフィルム
JP2008260178A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 離型フィルム
JP2009143091A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Teijin Dupont Films Japan Ltd グリーンシート成形用離型フィルムおよびその製造方法
JP2010069868A (ja) * 2008-08-21 2010-04-02 Teijin Dupont Films Japan Ltd グリーンシート成形用キャリヤーフィルム
JP2011051313A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Teijin Dupont Films Japan Ltd 離型フィルム
WO2014061410A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 東レ株式会社 離型用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2014199379A (ja) * 2013-03-30 2014-10-23 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法
KR101453160B1 (ko) * 2012-09-10 2014-10-23 주식회사 한진피앤씨 유리보호필름
WO2014203702A1 (ja) * 2013-06-18 2014-12-24 東レ株式会社 離型用二軸配向積層ポリエステルフィルム
TWI501871B (zh) * 2007-10-31 2015-10-01 Unitika Ltd 脫模性聚酯膜
KR20160038438A (ko) * 2014-09-30 2016-04-07 코오롱인더스트리 주식회사 이형필름 및 이의 제조방법
EP3053969A1 (en) * 2013-09-30 2016-08-10 Kolon Industries, Inc. Release film and manufacturing method therefor
JP2017222032A (ja) * 2016-06-13 2017-12-21 三菱ケミカル株式会社 感光性樹脂基材用フィルム
JP2019131826A (ja) * 2019-04-12 2019-08-08 三菱ケミカル株式会社 感光性樹脂基材用ポリエステルフィルム
CN114683646A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 可隆工业株式会社 聚酯离型膜
WO2024210096A1 (ja) * 2023-04-06 2024-10-10 東洋紡株式会社 積層ポリエステルフィルム、樹脂シート形成用離型フィルム

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101388490B1 (ko) 2006-09-11 2014-04-23 미쓰비시 가가꾸 폴리에스테르 필름 가부시키가이샤 이형 필름용 폴리에스테르 필름을 갖는 편광판
JP2008063538A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Mitsubishi Polyester Film Copp 離型フィルム用ポリエテルフィルム
WO2008032428A1 (fr) * 2006-09-11 2008-03-20 Mitsubishi Polyester Film Corporation Film de polyester pour pellicule anti-adhésive
JP2008074988A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Mitsubishi Polyester Film Copp 離型フィルム用ポリエテルフィルム
JP2008239843A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toray Ind Inc 離型用ポリエステルフィルム
JP2008239844A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toray Ind Inc 離型用ポリエステルフィルム
JP2008260178A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 離型フィルム
TWI501871B (zh) * 2007-10-31 2015-10-01 Unitika Ltd 脫模性聚酯膜
JP2009143091A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Teijin Dupont Films Japan Ltd グリーンシート成形用離型フィルムおよびその製造方法
JP2010069868A (ja) * 2008-08-21 2010-04-02 Teijin Dupont Films Japan Ltd グリーンシート成形用キャリヤーフィルム
JP2011051313A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Teijin Dupont Films Japan Ltd 離型フィルム
KR101453160B1 (ko) * 2012-09-10 2014-10-23 주식회사 한진피앤씨 유리보호필름
JPWO2014061410A1 (ja) * 2012-10-19 2016-09-05 東レ株式会社 離型用二軸配向ポリエステルフィルム
TWI619600B (zh) * 2012-10-19 2018-04-01 Toray Industries Biaxially oriented polyester film for demolding
WO2014061410A1 (ja) * 2012-10-19 2014-04-24 東レ株式会社 離型用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2014199379A (ja) * 2013-03-30 2014-10-23 大日本印刷株式会社 反射スクリーン、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法
CN105324245B (zh) * 2013-06-18 2017-03-15 东丽株式会社 脱模用双轴取向层合聚酯膜
WO2014203702A1 (ja) * 2013-06-18 2014-12-24 東レ株式会社 離型用二軸配向積層ポリエステルフィルム
CN105324245A (zh) * 2013-06-18 2016-02-10 东丽株式会社 脱模用双轴取向层合聚酯膜
TWI608035B (zh) * 2013-06-18 2017-12-11 東麗股份有限公司 Biaxially oriented laminated polyester film for release
US20160237287A1 (en) * 2013-09-30 2016-08-18 Kolon Industries, Inc. Release film and manufacturing method therefor
EP3053969A1 (en) * 2013-09-30 2016-08-10 Kolon Industries, Inc. Release film and manufacturing method therefor
EP3053969A4 (en) * 2013-09-30 2017-05-03 Kolon Industries, Inc. Release film and manufacturing method therefor
KR102248716B1 (ko) * 2014-09-30 2021-05-04 코오롱인더스트리 주식회사 이형필름 및 이의 제조방법
KR20160038438A (ko) * 2014-09-30 2016-04-07 코오롱인더스트리 주식회사 이형필름 및 이의 제조방법
JP2017222032A (ja) * 2016-06-13 2017-12-21 三菱ケミカル株式会社 感光性樹脂基材用フィルム
JP2019131826A (ja) * 2019-04-12 2019-08-08 三菱ケミカル株式会社 感光性樹脂基材用ポリエステルフィルム
CN114683646A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 可隆工业株式会社 聚酯离型膜
CN114683646B (zh) * 2020-12-31 2024-06-11 可隆工业株式会社 聚酯离型膜
WO2024210096A1 (ja) * 2023-04-06 2024-10-10 東洋紡株式会社 積層ポリエステルフィルム、樹脂シート形成用離型フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004323766A (ja) 離形フイルム
JP3950462B2 (ja) 離型フィルム
WO1998014328A1 (fr) Film de decollage
JP5080232B2 (ja) グリーンシート成形用離型フィルムおよびその製造方法
WO2002056065A1 (fr) Film de polyester de liberation de polariseur
JP5363176B2 (ja) 離型フィルム
JP2000141568A (ja) 離型フィルム
JP5485605B2 (ja) グリーンシート成形用キャリヤーフィルム
US6485810B1 (en) Biaxially oriented polyester film and flexible disk
JPH0818456B2 (ja) スタンピングホイル
JP2009196178A (ja) 離型フィルム
JP6010381B2 (ja) 離型フィルム
JP2007237496A (ja) 離型フィルム
JP2003321561A (ja) 高透明易接着ポリエステルフィルム
JP2007237497A (ja) 離型用フィルム
JP2004142179A (ja) 離型用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2000062122A (ja) 離型フィルム
JP2009196176A (ja) 離型フィルム
JP3948333B2 (ja) セラミック離型用ポリエステルフィルム
WO2001066336A1 (en) Polyester film and process for producing the same
JP2013052552A (ja) 離型フィルム
JP2000108252A (ja) 離型フィルム
JP2013136208A (ja) 離型フィルム
JP3962161B2 (ja) セラミックコンデンサー製造用キャリヤーシート
JP3765271B2 (ja) セラミックシート付き離型フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081216