JP6130230B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、離型性と帯電防止性とに優れた離型フィルムに関するものである。さらに詳しくは、離型性と帯電防止性とに優れているので剥離時の帯電防止性に優れ、例えば光学用透明粘着シート(OCA:Optical Clear Adhesive)等の粘着シート用の剥離シート(キャリアフィルムおよびセパレーター)として極めて好適に用いることができる離型フィルムに関するものである。
近年、ポリエステルフィルムを基材とし、硬化型シリコーンを用いた離型層を有する離型フィルムは、例えばタッチパネル等の部材貼り合わせの際に用いられる光学用透明粘着シート(OCA)のキャリアフィルムやセパレーターとして用いられている。
タッチパネル等の部材貼り合わせに用いられるOCAは、例えば、キャリアフィルムとしての離型フィルムの上に、OCA粘着層となる樹脂組成物を塗布し、その上にセパレーターとしての離型フィルムを貼り合わせ、離型フィルム(キャリアフィルム:重剥離)/OCA粘着層/離型フィルム(セパレーター:軽剥離)複合体を作成し、かかる複合体を必要な大きさに打ち抜き加工することにより製造される(特許文献1等)。さらに実際には、打ち抜いたままではセパレーターを剥離し難いため、打ち抜き後に、一旦セパレーターを剥離し、打ち抜かれたOCA粘着層よりも大きな面積を有するセパレーターを再度貼り付けたものが、次工程に供される。
使用に際しては、上述の複合体からセパレーター側の離型フィルムを剥がし、タッチパネル等の部材の貼り合わせ面に貼り付け、次いでキャリアフィルム側の離型フィルムを剥がし、液晶表示装置等の相手部材と貼り合わせて用いられる。
このような工程においては、打ち抜き後のOCAは枚葉で取り扱われることとなるが、セパレーターを貼り直す工程があるため、セパレーターを剥離する際の静電気で工程作業者が痛みを感じたり、該工程において発生する剥離帯電がOCAに残存し、かかる帯電により、OCAを枚葉で取り扱う際においてOCA同士が貼り付いてしまい搬送ミスが生じる等取り扱い性が低くなるという問題がある。
かかる問題を解消するために、帯電防止層を設ける方法が種々提案されているが、離型層と反対側の面に帯電防止層を設ける方法(特許文献2等)では剥離帯電防止性が未だ不十分であり、一方、離型層の下に帯電防止層を設ける方法(特許文献3,4等)では、帯電防止性と、上に設ける硬化型シリコーン系の離型層の硬化性や基材フィルムへの密着性とを、両立させ難いという問題があった。
さらに、本発明者らの研究によれば、キャリアフィルムやセパレーターを剥離する際にOCA粘着層のヘーズが上昇するため、タッチパネル等の光学製品の品質検査がし難くなるという問題を新たに見出した。すなわち、例えばタッチパネル等の光学製品の製造時において、OCAのセパレーターを剥離し、部材に貼り付け、次いでキャリアフィルムを剥離した後、相手方の部材を貼り付ける前に、光学製品の品質検査を行う場合、OCA粘着層のヘーズが高くなって品質検査が行い難くなるという問題がある。
特開2011−230435号公報 特開2001−335648号公報 特開2000−109582号公報 特開2000−052495号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みなされたもので、その第1の目的は、離型層の硬化性、基材フィルムへの密着性、並びに、帯電防止性に優れ、特にOCAのキャリアフィルムやセパレーターとして好適に用いることのできる離型フィルムを提供することにある。
また第2の目的は、キャリアフィルムやセパレーターとして用いられたフィルムを剥離しても、OCA粘着層のヘーズ上昇を抑制することができ、容易に品質検査ができる離型フィルムを提供することにある。
本発明者等は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、特定量のアニオン系帯電防止剤を含有するシランカップリング剤からなる下塗り層の上に、硬化型シリコーンからなる離型層を設ければ、帯電防止性、離型層の硬化性、密着性に優れた離型フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、剥離時のOCA粘着層ヘーズ上昇の原因として、離型層の表面粗さがOCA粘着層に転写したことが考えられるが、単に離型層表面を平滑にするだけでは、離型フィルムの滑り性、取り扱い性が悪化し、搬送時等においてスクラッチが入り、セパレーターやキャリアフィルムを剥離する前の品質検査において検査し難くなったり、スクラッチがOCA粘着層に不具合を生じ、セパレーターやキャリアフィルムを剥離した後の品質検査がし難くなったりする新たな問題が生じることを知見し、さらに検討を重ねた結果、第2の目的を達成できることを見出した。
かくして本発明によれば、
「1.ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に、アニオン系帯電防止剤およびシランカップリング剤を含有する塗液を用いて形成された下塗り層、およびその上に硬化型シリコーンを用いた離型層を有する離型フィルムであって、該アニオン系帯電防止剤の含有量が、該塗液成分(溶剤を除く)の質量を基準として2質量%を超え、7質量%以下である離型フィルム。
2.アニオン系帯電防止剤が、下記一般式で表わされる化合物である、上記1に記載の離型フィルム。
Figure 0006130230
式中、Rはアルキル基またはアルケニル基である。
3.下塗り層の厚みが30〜150nmである、上記1または2に記載の離型フィルム。
4.離型層表面における10点平均粗さRzが650〜1600nmである、上記1〜3のいずれかに記載の離型フィルム。
5.離型層表面において、高さ0.2μm以上の突起が100〜800個/mmであり、高さ0.6μm以上の突起が10〜130個/mmであり、高さ1.2μm以上の突起が10個/mm以下である、上記4に記載の離型フィルム。
6.光学用透明粘着シート用である、上記1〜5のいずれかに記載の離型フィルム。」
が提供される。
本発明によれば、優れた帯電防止性を有することで剥離帯電を抑制することができ、かつ、十分に硬化していると同時に基材フィルムへの密着性も良好な離型層を有する離型フィルムを提供することができる。この離型フィルムは、特にOCAのキャリアフィルムやセパレーター用等の離型フィルムとして好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<離型フィルム>
本発明の離型フィルムは、ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に、後述する下塗り層と離型層とを、この順序で有するものである。
<ポリエステル基材フィルム>
(ポリエステル)
本発明の基材フィルムを構成するポリエステルは、第1成分としてのジカルボン酸成分および第2成分としてのグリコール成分からなる。ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を例示できる。特に、基材フィルムの機械特性に優れるという観点から、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。また、グリコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を例示できる。特に、基材フィルムの剛直性に優れるという観点から、エチレングリコールが好ましい。
かかるポリエステルは、第3成分として、さらに上記ジカルボン酸成分の少なくとも1つ、あるいはグリコール成分の少なくとも1つを共重合したコポリエステルであっても良い。かかる第3成分としては、第1成分として選択されたジカルボン酸成分あるいは第2成分として選択されたグリコール成分とは異なる成分を選択することができる。さらに、第3成分としては、三官能以上の多価カルボン酸成分あるいはポリオール成分を含んでも良いが、その場合の共重合量は、得られるポリエステルが実質的に線状となる範囲(例えば5モル%以下、さらに好ましくは3モル%以下、特に好ましくは1モル%以下)で少量共重合したポリエステルであることが好ましい。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、特にポリエチレンテレフタレートが、基材フィルムとしての耐熱性や剛性、品質等に優れ、OCA用として適しているので好ましい。
かかるポリエステルは常法により作ることができ、ポリエステルの固有粘度(オルトクロロフェノール中、35℃における固有粘度)が、0.45(単位:dl/g)以上であると、フィルムの剛性が高い等機械特性に優れるため好ましい。
(表面粗さ)
後述のように、本発明の離型フィルムは、OCA用として用いる場合、粘着層のヘーズ上昇を防ぐ為に、離型層表面における10点平均粗さRzは650〜1600nmの範囲であることが好ましい。これを達成するためには、ポリエステル基材フィルム表面(下塗り層および離型層を形成する側の表面であって、下塗り層および離型層を形成する前の表面)における10点平均粗さRzの下限を600nm以上、特に650nm以上とすることが好ましく、一方、上限を1250nm以下、特に1200nm以下とすることが好ましい。ポリエステル基材フィルムの10点平均粗さRzをこの範囲内とすることによって、離型層形成後の離型フィルム表面(離型層表面)におけるRzを上記範囲内に調整しやすくなる。
基材フィルムの10点平均粗さRzを上記範囲とするためには、上記ポリエステルに無機物又は有機物の粒子を添加することにより調整することができる。また、フィルム製膜時の回転冷却ドラムへの接地面も重要であり、接地面は非接地面よりも平滑になる傾向がある。そのため、より平滑な離型層表面とするためには、ドラム接地面を離型層形成面とすればよい。
なお、OCA粘着層と接する離型層を有する側とは反対側の表面も、10点平均粗さRzが650〜1600nm、特に700〜1450nmであることが好ましい。このような範囲とすることで、フィルム同士の貼り付きを抑制し、取り扱い性を向上することができる。
(粒子)
ポリエステルに添加する好ましい粒子は、有機粒子、無機粒子のいずれであっても良いが、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子、硫酸バリウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、カオリン粒子、タルク粒子等のような無機粒子、ポリスチレン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等のような有機粒子が挙げられる。有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、エチレン−プロピレンターポリマー粒子、オレフィン系アイオノマー粒子等のような他の樹脂粒子も挙げられる。これらのうち1種又は2種以上用いてもよい。本発明においては、より好ましい表面粗さ、光線透過率、ヘーズ値が得られるという観点から、無機粒子が好ましい。とりわけ、酸化チタン粒子、シリカ粒子が好ましい。また、基材フィルム中にボイドが形成され難く、透明性に優れるという点、また、適した表面態様が得やすいという点から、塊状粒子が好ましい。とりわけ好ましい粒子は、塊状シリカ粒子である。
粒子の平均粒径は、0.1〜3μmが好ましく、含有量は、基材フィルムの質量を基準として、0.02〜0.08質量%が好ましい。このような範囲とすることによって、基材フィルム表面におけるRzを上述の範囲内としやすく、それにより本発明が規定する離型層表面のRzを達成しやすくなる。平均粒径が大きすぎたり、含有量が多すぎたりすると、Rzが大きくなりすぎる傾向にあり、他方平均粒径が小さすぎたり、含有量が少なすぎたりすると、Rzが小さくなりすぎる傾向にある。このような観点から、平均粒径は、0.1μm以上がより好ましく、0.2μm以上がさらに好ましく、また、2.5μm以下がより好ましく、2.0μm以下がさらに好ましい。また含有量は、0.025質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましく、また、0.07質量%以下がより好ましく、0.06質量%以下がさらに好ましい。
本発明においては、異なる種類や、異なる粒子径の2種以上の粒子を併用することができる。例えば、比較的粒径の大きな塊状粒子と、比較的粒径の小さな粒子、好ましくは球状粒子を併用することができる。これにより、比較的小さな粒子によりフィルム表面に微細な凹凸が形成され、滑り性の向上効果が高くなり好ましい。
(積層構成)
本発明におけるポリエステル基材フィルムは、単層フィルムであっても、離型層を形成する表面となる表層と芯層とを有する、2層以上の積層フィルムであってもよい。例えば、2〜5層の積層フィルム(例えば、表層1/表層2の2層構成や、表層/芯層/表層の3層構成、表層/芯層1/芯層2/表層の4層構成等)が好ましく、特に、表層と芯層とからなる3層フィルム(表層/芯層/表層の構成)であることが好ましい。これにより、表層に含有される粒子による表面突起形成と、芯層に含有される粒子による芯層からの突き上げによる表面突起形成との両方を調整できるようになり、Rzをより達成しやすくなる。
かかる積層フィルムにおいても、粒子の平均粒径の好ましい範囲は単層の場合と同様である。また、含有量については、表層においては、表層の質量を基準として0.01質量%以上が好ましく、また、0.08質量%以下が好ましく、より好ましくは0.05質量%以下、さらには好ましくは0.03質量%以下である。一方、芯層においては、芯層の質量を基準として0.03質量%以上、0.09質量%以下であることが好ましい。これによりRzを達成しやすくなる。
また、積層フィルムの場合、離型層側となる表層の厚み(1層の厚み)は、1〜8μmであることが好ましく、さらに好ましくは2〜5μmであり、上述した粒子の態様と合わせて、前述のRzが達成しやすくなる。また、芯層の厚み(複数の芯層を有する場合は、それらの合計の厚み)は、15〜186μmであることが好ましく、さらに好ましくは25〜175μmである。このような態様とすることで、離型層を形成する側のフィルム表面に、芯層が含有する粒子に起因する突起が形成されて、前述のRzがより達成しやすくなる。
(その他の成分)
なお、本発明の基材フィルムには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加することができる。
<下塗り層>
本発明における下塗り層は、アニオン系帯電防止剤およびシランカップリング剤を含有する塗液を用いて形成されたものである。
(アニオン系帯電防止剤)
本発明においては、表面固有抵抗値に優れ、また十分に硬化した離型層の形成も可能であるばかりか、上に直接離型層を形成することによって、離型層との密着性にも優れるという観点から、下塗り層塗液にはアニオン系帯電防止剤を含有するシランカップリング剤を用いる。
アニオン系帯電防止剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型などがあり、中でもスルホン酸型が好ましい。本発明において特に好ましい帯電防止剤は、下記一般式で表わされるスルホン酸型化合物である。
Figure 0006130230
式中、Rはアルキル基またはアルケニル基であり、なかでもアルキル基、特に炭素数10〜14のアルキル基が好ましい。
該帯電防止剤の含有量としては、下塗り層塗液成分(溶剤を除く)の質量を基準として2質量%を超え、7質量%以下とする必要がある。含有量が少ないと優れた帯電防止性を得難く、他方含有量が多すぎると下塗り層の上に設ける離型層の硬化不良が生じる。このような観点から、含有量は、好ましくは3質量%以上、他方、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
上記のようなアニオン系帯電防止剤は、市場から入手することができ、例えばパイオニンA−41B(竹本油脂株式会社製)、パイオニンA43−D(竹本油脂株式会社製)、ペレックスSS−H(花王ケミカル社製)、ペレックスSS−L(花王ケミカル社製)等を挙げることができる。
(シランカップリング剤)
本発明において下塗り層に用いられるシランカップリング剤は、ケイ素原子に結合している加水分解性の基と各種の有機官能性基とを有する構造をもつものであり、水可溶性ないし水分散性有機シランカップリング剤であることが好ましい。
かかるシランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノプロピル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは、本発明に使用できるシランカップリング剤の一部を例示したものであり、これらに限定されるものではないが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが好ましい。また、シランカップリング剤は1種または2種以上を用いることができる。
かかるシランカップリング剤における加水分解性の基は、下塗り層を形成するための塗液をポリエステル基材フィルムに塗工後、熱によって乾燥や硬化がなされ、加水分解によって水酸基を形成する。また、シランカップリング剤における有機官能性基は、ポリエステルフィルムや、後述する離型層を形成する硬化型シリコーン等との親和力が強く、例えば分子中の1級または2級のアミノ基は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基をはじめとする多くの官能基と反応し、基材フィルムと下塗り層、下塗り層と離型層との結合を強固なものにすることができる。
上記のようなシランカップリング剤は、市場から入手することができ、例えばKBM−903(信越シリコーン社製)、KBM−403(信越シリコーン社製)、TSL−8311(GE東芝シリコーン社製)、TSL8350(GE東芝シリコーン社製)等を挙げることができる。
(厚み)
下塗り層の厚み(乾燥後)は30〜150nmであることが好ましい。かかる範囲とすることによって離型性能を保持したまま優れた表面固有抵抗値を得やすくなる。また、上述した好ましい態様の下塗り層を採用すると同時に厚みを上記範囲とすることにより、離型層との接着性により優れる。薄すぎると表面固有抵抗値は高くなる傾向にあり、また接着性の向上効果が低くなる傾向にある。他方、厚すぎると離型層の硬化がし難くなる傾向にあり、離型層の形成が困難となる場合がある。これらの観点から、帯電防止層の厚みは40〜120nmであることがより好ましい。
(その他の成分)
本発明の下塗り層には、本発明の目的を阻害しない範囲において、滑剤として有機粒子や無機粒子等を添加することができる。また、濡れ剤としてノニオン系の界面活性剤を添加したり、紫外線吸収剤等を添加することができる。
<離型層>
本発明における離型層は、硬化型シリコーンを用いて形成される硬化シリコーン膜である。
(硬化型シリコーン)
本発明で用いられる硬化型シリコーンとしては、付加型シリコーン、縮合型シリコーン等いずれの硬化型シリコーンであっても構わないが、生産性の観点から、硬化反応の速い付加型シリコーンが特に好ましい。縮合型シリコーンは、生産時に十分に硬化しにくいため、離型層を形成する工程内の搬送ローラーにシリコーンが転写し、堆積し、堆積したシリコーンがフィルムに再度移行することにより異物欠点となる場合がある。
(厚み)
離型層の厚みは、0.01〜1μmが好ましい。離型層の厚みが上記数値範囲にあると、OCAのキャリアフィルムとして適した離型性を得ることが容易となる。また、帯電防止性の向上効果を高めることができる。厚すぎると帯電防止効果が低下する傾向にあり、また薄すぎると離型性が低下する傾向にある。このような観点から、厚みは、さらに好ましくは0.05μm以下、より好ましくは0.06μm以上、特に好ましくは0.07μm以上であり、また、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。
(その他の成分)
本発明の離型層には、本発明の目的を阻害しない範囲において、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
<離型フィルムの製造方法>
以上に述べた本発明の離型フィルムは、例えば以下の方法により製造することができる。
(基材フィルムの製造)
本発明のポリエステル基材フィルムは、二軸延伸フィルムであることが好ましい。かかる二軸延伸フィルムは、従来知られている方法で製造することができる。例えば、ポリエステルを乾燥後、Tm〜(Tm+70)℃の温度(ただし、Tmはポリエステルの融点(単位:℃)を表す。)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、20〜90℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、次いで、該未延伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(ただし、Tgはポリエステルのガラス転移点温度(単位:℃)を表す。)で縦方向に2.5〜8.0倍、好ましくは2.9〜5.0倍、さらに好ましくは3.2〜4.0倍の倍率で延伸し、横方向に2.5〜8.0倍、好ましくは3.1〜5.2倍、さらに好ましくは3.4〜4.2倍の倍率で延伸し、必要に応じて200〜250℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造できる。延伸倍率を上記数値範囲とすることによって、厚み斑をより小さくすることができる。
上記において、回転冷却ドラムの表面が鏡面処理された表面であると、後述するように、かかる面に接地したフィルム表面に下塗り層および離型層を形成することで、本発明における好ましい離型層表面を得やすくなるため、好ましい。
本発明におけるポリエステル基材フィルムの厚みは、基材フィルムとして適度なコシがあれば特に限定されないが、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上である。他方、厚すぎても取り扱い難く、好ましくは188μm以下、より好ましくは175μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。このような範囲であると、OCA用の離型フィルムとして好適である。
なお、キャリアフィルムとして用いる際には、38〜188μm、特に50〜150μmの範囲が好ましく、セパレーターとして用いる際には、20〜100μm、特に38〜75μmの範囲が好ましい。
(下塗り層の形成)
本発明の下塗り層は、前述の下塗り層形成成分を含有する塗液を塗工することにより形成することができる。かかる塗液は、通常1.0〜15.0%の濃度で用いられ、ポリエステル基材フィルムの表面への塗工量は0.5〜20.0g/m(乾燥前)が好ましい。下塗り層の塗工は、上記の基材フィルムの製膜工程中で行うことが好ましい。製膜工程中で行う場合、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム(特に縦延伸フィルム)、二軸延伸フィルム、二軸延伸・熱固定後のフィルム等に塗工できる。これらのうち横延伸に供する前の縦延伸フィルムに塗工するのが好ましい。塗工方法としては、例えばスピンコート法、グラビアコート法、キスコート法、バーコート法、リバースコート法等の各種塗工法を用いることができる。塗工はポリエステルフィルムの片面または両面である。
製造後にフィルムの配向結晶化が完了してから塗布する場合、通常のプライマー塗工工程に採用することができる。
塗布する面は、離型層表面のRzや表面突起の態様を後述する好ましい値にしやすいという観点から、基材フィルムにおいて、樹脂をダイより押し出して、回転冷却ドラムに接した側の面が好ましい。
(離型層の形成)
本発明における離型層は、前述の離型層形成成分を含有する塗液(以下、離型層塗液と呼称する場合がある。)を、上述の下塗り層上に塗布し、乾燥、硬化することによって形成する。塗布する面は、離型層表面のRzや表面突起の態様を好ましい値にしやすいという観点から、基材フィルムにおいて、樹脂をダイより押し出して、回転冷却ドラムに接した側の面が好ましい。
離型層塗液を塗布するための塗布方法としては、公知の任意の塗布方法が適用でき、例えばグラビアロールコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキスコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤーバーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法、ドクターブレード法等を単独または組み合わせて適用することができる。また、ハジキなど塗布外観の安定性を向上させる目的で、塗液には若干量の界面活性剤を含有させることができる。
離型層塗液を塗布後、乾燥、および硬化する条件としては、100〜180℃の温度で10〜120秒加熱することが好ましく、110〜160℃の温度で20〜90秒加熱することがさらに好ましく、120〜140℃の温度で30〜60秒加熱することが特に好ましい。このような乾燥・硬化条件を採用することによって、離型層の強度をより高くすることができ、さらにはポリエステルフィルムの熱シワの発生を抑えることができる。
<離型フィルムの特性>
(剥離力)
本発明における離型フィルムは、離型層表面における常温剥離力(常温測定時における剥離力)が19.5〜680mN/25mmであることが好ましい。常温剥離力が上記数値範囲にあると、OCA粘着層との剥離力が安定し、またOCA粘着層に対して適度な剥離力で剥離することができる。常温剥離力が低すぎると、OCA製造工程でOCA粘着層と離型フィルムとの間で浮きが生じやすくなる傾向にある。一方、剥離力が高すぎると、完成したOCA製品を使用する際に、OCA粘着層から剥離することが困難となる傾向にある。このような観点から、キャリアフィルムとして用いる場合の常温剥離力は、より好ましくは50〜600mN/25mm、さらに好ましくは80〜580mN/25mmである。また、セパレーターとして用いる場合の常温剥離力は、より好ましくは20〜100mN/25mm、さらに好ましくは22〜80mN/25mmである。
かかる剥離力は、離型層を適宜調整することにより達成することができる。すなわち、硬化されたシリコーン膜の架橋点を少なくしたり、離型層厚みを厚くしたりすると、常温剥離力は高くなる傾向にある。また、残存するSi−Hを減少させると、加熱剥離力は低くなる傾向にあり、残存するSi−Hを多くすると、加熱剥離力は高くなる傾向にある。また、帯電防止性を有しながら離型層を十分に硬化させて上記剥離力を達成するためには、前述の下塗り層を設けることが必要である。
(残留接着率)
本発明の離型フィルムの離型層表面における残留接着力は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。残留接着率の値が前記範囲であると、離型層からの移行成分が少なく、品質のより優れた、すなわち接着性のより安定したOCAを得ることができる。
かかる残留接着率は、離型層からの移行成分を低減することにより達成できる。例えば、未反応成分を低減させたり、架橋反応を十分に進行させたりすればよい。また、帯電防止性を有しながら離型層を十分に硬化させて上記残留接着率を達成するには、前述の下塗り層を設けることが必要である。
(表面固有抵抗値)
本発明の離型フィルムは、離型層表面における表面固有抵抗値が10〜1013Ω/□であることが好ましい。かかる範囲とすることで、剥離帯電を十分抑制することができる。表面固有抵抗値が高すぎる場合は、剥離帯電の抑制が低下して、OCAの搬送性低下等取り扱い性に劣るものとなる。かかる観点から、表面固有抵抗値は、好ましくは1012Ω/□以下、さらに好ましくは1011Ω/□以下である。他方、表面固有抵抗値が低いことは、剥離帯電抑制には好ましいことであるが、より低い表面固有抵抗値を得ようとすると、例えば熱硬化型、UV硬化型の離型層では硬化阻害になりやすい等、離型層の形成が困難となる場合があり、それによって適した離型性能が得難くなる場合がある。また過剰品質となりコストが高くなる場合がある。かかる観点から、好ましくは10Ω/□以上、さらに好ましくは1010Ω/□以上である。
かかる表面固有抵抗値は、前述した下塗り層を、基材フィルムと離型層との間に設けることにより達成できる。
(密着性)
本発明の離型フィルムは、基材フィルム上に前述の下塗り層を設けた上に離型層を設けているので、離型層の基材フィルムへの密着性に優れたものとなっている。離型層の密着性が悪いと、ハンドリングの際の擦れにより離型層が脱落したり、OCAから離型フィルムを剥離した際にOCA面に離型層が転写することがある。密着性をさらに向上させるためには、下塗り層を塗工する前に、予め基材フィルムに密着向上の前処理を行うことが好ましく、例えばコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等の方法があり、いずれの方法を採用してもよい。
(表面粗さ)
本発明の離型フィルムは、離型層表面における10点平均粗さRzが650〜1600nmであることが好ましい。離型層表面のRzがこの数値範囲にあると、離型フィルムを剥離した後のOCA粘着層のヘーズ上昇を抑制することができる。さらに離型フィルムの取り扱い性に優れる。Rzが上記範囲より高いと、離型フィルムを剥離した後のOCA粘着層のヘーズが上昇してしまう。このような観点から、離型層表面のRzは、好ましくは1200nm以下、より好ましくは1150nm以下、さらに好ましくは1000nm以下である。反対に、離型層表面のRzが上記範囲より低いと、フィルムの滑り性が悪化し、離型層の塗工時やOCA製造時の工程等において離型フィルムの取り扱い性が低くなり、スクラッチが発生しやすくなる。さらには、離型フィルム同士が貼り付きやすくなる傾向にあり、剥離帯電が起こりやすくなる傾向がある。このような観点から、離型層表面のRzは、好ましくは650nm以上、より好ましくは700nm以上、さらに好ましくは730nm以上である。
かかる10点平均粗さRzは、基材フィルムに添加する粒子の態様を前述の好ましい態様にすることで達成できる。また、基材フィルム製造時に、溶融状態のポリエステル樹脂を回転冷却ドラム上で冷却する方法を採用する場合には、該回転冷却ドラム面に接した側のフィルム表面に下塗り層および離型層を設ければ、より容易に達成することができる。
(表面突起)
本発明の離型フィルムは、離型層表面において、高さ0.2μm以上の突起が100〜800個/mmであり、高さ0.6μm以上の突起が10〜130個/mmであり、高さ1.2μm以上の突起が10個/mm以下であることが好ましい。表面突起がこのような要件を満たすことにより、優れた滑り性を確保しながら、OCA粘着層への凹凸形状の転写抑制効果を高くすることができ、OCA粘着層のヘーズ上昇抑制効果が高くなる。いずれかの突起数が低すぎると滑り性の向上効果が低くなり、一方、いずれかの突起数が高すぎるとヘーズ上昇抑制効果が低くなる。このような観点から、高さ0.2μm以上の突起は、より好ましくは150〜700個/mm、さらに好ましくは200〜600個/mmであり、高さ0.6μm以上の突起は、より好ましくは20〜100個/mm、さらに好ましくは30〜70個/mmであり、高さ1.2μm以上の突起は、より好ましくは8個/mm以下、さらに好ましくは5個/mm以下である。
かかる突起高さは、基材フィルムに添加する粒子の態様を前述の好ましい態様にすることで達成できる。また、基材フィルム製造時に、溶融状態のポリエステル樹脂を回転冷却ドラム上で冷却する方法を採用する場合には、該回転冷却ドラム面に接した側のフィルム表面に下塗り層および離型層を設ければ、より容易に達成することができる。
<光学用透明粘着シート>
以上に説明した本発明の離型フィルムを用いて、光学用透明粘着シート(OCA)を作成することができる。かかるOCAは、OCA粘着層の両面に、OCA粘着層側が離型層となるようにして離型フィルムを有する積層体の構成を有する。かかる積層体における離型フィルムの両方に、本発明の離型フィルムを用いることが好ましい。好ましくは、一方がセパレーターとして好ましい前述の態様を有する離型フィルムであり、もう一方がキャリアフィルムとして好ましい前述の態様を有する離型フィルムである。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。なお、各特性値は以下の方法により測定した。
(1)ガラス転移点温度(Tg)、融点(Tm)
試料10mgを、パーキンエルマー社製のDSC装置(示差走査熱量計)にセットし、室温から20℃/分で300℃まで昇温し、試料を300℃の温度で5分間保持した後、液体窒素中で急冷し、この急冷試料を10℃/分で300℃付近まで昇温してガラス転移温度(Tg)(単位:℃)および融点(Tm)(単位:℃)を測定した。
(2)粒子の平均粒径
試料台上に、粒子の粉体を個々の粒子ができるだけ重らないように散在させ、金スパッター装置によりこの表面に金薄膜蒸着層を厚み200〜300オングストロームで形成し、走査型電子顕微鏡を用いて1万〜3満倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、少なくとも110個の粒子について、長径(Dli)、短径(Dsi)、および面積円相当径(Di)を求めた。この面積相当粒径(Di)の数平均値を平均粒径(D)とした。
(3)剥離力
サンプルフィルムの離型層表面にポリエステル粘着テープ(No.31B、日東電工株式会社製)を貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着した後、離型層と粘着テープとの剥離カ(単位:mN/25mm)を引張り試験機にて測定した。剥離角度は180度、ヘッドスピードは300mm/分とした。任意の5箇所の平均値として、剥離力(常温)を求めた。
(4)残留接着率
ポリエステル粘着テープ(No.31B、日東電工株式会社製)を、JIS G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼り付けた後、それを剥離して剥離力を測定し、基礎接着力(f0)(単位:N/25mm)とした。次に新しいポリエステル粘着テープをサンプルフィルムの離型層表面に5kgの圧着ローラーで圧着した後、30秒間放置してから粘着テープを剥がした。そして、この剥がしたポリエステル粘着テープを前記ステンレス板に貼り付け、それを剥離して剥離力を測定し残留接着力(f)(単位:N/25mm)とした。得られた基礎接着力(f0)と残留接着カ(f)とから下記式を用いて残留接着率を求めた。
残留接着率(%)=(f/f0)×100
(5)表面固有抵抗値
株式会社アドバンテスト社製(R8340/R12704)測定器にて、離型層表面について表面固有抵抗を測定した。測定環境は、温度23℃、相対湿度55%RHの雰囲気下に24時間エージングした試料フィルムを上記装置にて測定した。表面抵抗値は下記の基準で評価した。
(6)塗膜硬化性
サンプルフィルムの離型層表面を親指で軽く擦り、擦った部分における離型層の状態を目視観察し、離型層塗膜の硬化性を、以下の基準に従って判定した。
○ :目視にて、離型層に曇りが観測されない。
△ :目視にて、離型層に多少の曇りが観測された。
× :目視にて、離型層に曇りが観測された。(塗膜が未硬化)
(7)密着性
サンプルフィルムを温度23℃、相対湿度55%RHの環境下で24時間放置した。次いで、経時処理後のサンプルについて、離型層表面を親指で10回強く擦り、ラブオフテストを実施した。この時、親指はあらかじめエタノールを含ませたガーゼでよく拭き、脱脂してから上記作業を実施した。得られたラブオフテスト後のサンプルについて、親指で擦った部分における離型層の状態を目視観察し、以下の基準に従って判定した。
○ :目視にて、離型層に曇りが観測されない。
△ :目視にて、離型層に多少の曇りが観測された。
× :目視にて、離型層に曇りが観測された。
さらに、親指で擦った部分にセロハン粘着テープを貼り付け、それを剥離する際の引っ掛かりの度合いについて、以下の基準に従って評価した。引っ掛かりがあるということは、離型層が除去されてしまったことを意味する。
○ :セロハン粘着テープを剥離する際に、引っ掛かりが無い。
△ :セロハン粘着テープを剥離する際に、多少の引っ掛かりがある。
× :セロハン粘着テープを剥離する際に、引っ掛かりがある。
××:セロハン粘着テープを剥離する際に、強い引っ掛かり(離型層が無い部分と同等の引っ掛かり)がある。
(8)滑り性(離型フィルム取り扱い性)
JIS−K7125に従い、離型層表面と裏面との静摩擦係数(μs)を測定した。測定は5回行い、平均値を算出した。測定値を下記の基準で評価した。
○ : 摩擦係数の値が<0.3
△ : 摩擦係数の値が≧0.3、<0.5
× : 摩擦係数の値が≧0.5
また、上記測定後のフィルム表面の傷について、下記の基準で評価した。
○ : 測定後のフィルム表面に傷が見られない。
× : 測定後のフィルム表面に微細な傷が見られる。
(9)10点平均粗さ(Rz)、表面突起
サンプルフィルムの離型層表面の突起プロファイルを、三次元粗さ測定装置SE−3CKT(株式会社 小坂研究所製)にて、縦倍率5000倍、横倍率200倍、走査ピッチ2nm、測定長1mm、カットオフ0.25mmで測定した。得られた突起プロファイルにおいて、ピーク(Hp)の高い方から5点と谷(Hv)の低い方から5点をとり、次の式により10点平均粗さ(Rz、単位:nm)を求めた。尚、解析には三次元粗さ解析装置SPA−11(株式会社 小坂研究所製)を用いた。
Figure 0006130230
また、得られた突起プロファイル(横軸:突起高さ、縦軸:突起個数の突起プロファイル)から、高さが0.2μm以上、0.6μm以上、1.2μm以上のそれぞれの突起個数(個/mm)を求めた。
(10)OCAヘーズ評価
(10−1)OCAの作成
平坦なガラス基板上に、キャリアフィルム用離型フィルム(重セパ)としての離型フィルムを離型面を上にして置き、該離型フィルムの四辺に厚さ2.0mmのスペーサーを置いて成形下型とし、該離型フィルムの中心部に、混合、脱泡した未硬化の液状シリコーンゲル(旭化成ワッカーシリコーン(株)社製、品番:SLJ3363)を、気泡を巻き込まないように流し入れ、次いで、気泡を巻き込まないように、セパレーター用離型フィルム(軽セパ)としての離型フィルムを、離型面を前記液状シリコーンゲル原料表面に接触被覆し、次いで、セパレーター用離型フィルムの上から上押し型となる平坦なガラス板を乗せて、手で押してスペーサー厚みに成形した。次に、前記成形工程のガラス板型とともに、前記シリコーンゲル原料を熱風式オーブン中で70℃1時間加熱硬化させ、その後、オーブンから取り出してガラス基板を取り外して、室温まで自然冷却し、OCA(キャリアフィルム用離型フィルム/OCA粘着層/セパレーター用離型フィルムの構成)を得た。なお、OCA粘着層は厚みが300μmとなるよう調整した。
(10−2)ヘーズ評価
次いで、上記により得られたOCAからセパレーター(軽セパ)を剥離して、ポリカーボネート板に貼り合せた後、キャリアフィルム(重セパ)を剥離し、その状態で、日本精密光学製へーズメーター(スガ試験機(株)製、ヘイズメーターHCM−2B、波長:580nm)を使用し、OCA面側を光源に向けてヘーズを測定した。かかる測定値をHz(1)とした。
次に、OCA粘着層において、キャリアフィルムを剥離した側の面に、上と同様のポリカーボネート板を貼り合わせ、これにより表面ヘーズをキャンセルした状態で、同様にヘーズを測定した。かかる測定値をHz(2)とし、下記の基準に従って評価した。
◎ : Hz(1)−Hz(2)≦0.3
○ : 0.3<Hz(1)−Hz(2)≦0.45
△ : 0.45<Hz(1)−Hz(2)≦0.55
× : 0.55<Hz(1)−Hz(2)
(11)OCA取り扱い性
上記で作成したOCAからセパレーターを剥離する際、剥離帯電の発生状態を確認し、下記の基準に従って評価した。
○ : 静電気の発生による衝撃(痛み)を全く感じない。
× : 静電気の発生による衝撃(痛み)を感じる。
[実施例1−1]
(基材フィルム)
固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)(ガラス転移点温度Tg=78℃、融点Tm=258℃)を100質量部、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素粒子を0.05質量部の割合にて混合し、乾燥し、2軸タイプエスクトルーダーにて溶融混合し、冷却ドラム上に押出し、未延伸シートを得た。続いて、かかる未延伸シートを、90℃で縦延伸倍率3.3倍に延伸して一軸延伸フィルムを得た。この一軸延伸フィルムの片面に、表1に示す組成の下塗り層塗液2(固形分濃度4質量%に調液後、室温(23℃)で一日間経時)を、乾燥後の塗膜厚みが60nmとなるようキスコート法にて塗布した。続いて、130℃で横延伸倍率3.5倍に延伸した後、熱固定温度210℃で4秒間熱処理し、厚さ100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
(離型層1)
メチルエチルケトン(MEK)70質量部とトルエン30質量部とからなる混合溶剤に、ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーン(東レダウコーニング株式会社製:BY24−312)5.3質量部を溶解し、触媒(東レダウコーニング株式会社製:SRX−312)をシリコーン100質量部に対し2質量部の割合で混合して離型層塗液を作成した。この離型層塗液を常法のロールコートにより、上記で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの下塗り層を塗布した面上に塗布し、130℃の乾燥温度にて30秒乾燥し、乾燥膜厚みが0.10μmの離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−2]
基材フィルムに添加する粒子を、PET100質量部に対して、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素粒子を0.04質量部と、平均粒径0.1μmのアルミナ粒子を0.02質量部とし、下塗り層塗液を下塗り層3とし、下塗り層の厚みを90nmとした以外は実施例1−1と同様にして、厚さ100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。さらに、実施例1−1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−3]
極限粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)(ガラス転移点温度Tg=78℃、融点Tm=258℃)を100質量部、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素粒子を0.02質量部の割合にて混合したものを表層側ポリエステル(A)とし、同様のポリエチレンテレフタレートペレット100質量部に、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素粒子を0.08質量部の割合にて混合したものを芯層側ポリエステル(B)として準備した。各ポリエステルを乾燥し、ポリエステル(A)を第1の押し出し機に、ポリエステル(B)を第2の押し出し機に供給し、溶融状態にして、3層フィードブロック装置を使用して、ポリエステル(A)を表層として2層に分岐させ、ポリエステル(B)を芯層として、表層/芯層/表層の3層積層状態の溶融体として冷却ドラム上に押出し、未延伸シートを得た。続いて、かかる未延伸シートを90℃で縦延伸倍率3.3倍に延伸したのち、表1の下塗り層3を、乾燥後の厚みが120nmとなるようキスコート法で片面に塗布し、しかる後に130℃で横延伸倍率3.5倍に延伸した後、熱固定温度210℃、4秒間熱処理し、厚さ100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。なお、両表層の厚みが各6μm、芯層の厚みが88μmとなるよう制御した。さらに、得られたポリエステルフィルムに、実施例1と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−4]
下塗り層を下塗り層4とし、乾燥後の厚みが140nmとなるよう調整した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−5]
下塗り層を下塗り層6とし、乾燥後の厚みが90nmとなるよう調整した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−6]
基材フィルムに添加する粒子を、PET100質量部に対して、平均粒径1.7μmの塊状酸化ケイ素粒子0.06質量部とし、下塗り層塗液を下塗り層3とし、乾燥後の厚みを90nmとなるよう調整した以外は実施例2と同様にして厚さ100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。実施例1と同様にして離型層を順次形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−7]
基材フィルムの厚みを50μmとし、下塗り層塗液を下塗り層3とし、厚みを90nmとした以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
(離型層2)
メチルエチルケトン(MEK)70質量部とトルエン30質量部とからなる混合溶剤に、ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーン(信越化学工業社製:KS−847H)5.3質量部を溶解し、触媒(信越化学工業製:PL−50T)をシリコーン100質量部に対し2質量部の割合で混合して離型層塗液を作成した。この離型層塗液を常法のロールコートにより、上記で得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの下塗り層を塗布した面上に塗布し、130℃の乾燥温度にて30秒乾燥し、乾燥膜厚みが0.10μmの離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−8]
基材フィルムの厚みを50μmとした以外は実施例1−6と同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの下塗り層側の面に、実施例1−7と同様にして離型層を形成し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−9]
下塗り層の乾燥後の厚みを150nmとした以外は実施例1−3と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例1−10]
下塗り層の乾燥後の厚みを30nmとした以外は実施例1−3と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[比較例1−1]
下塗り層塗液を下塗り層1とし、乾燥後の塗膜厚みを90nmとした以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[比較例1−2]
下塗り層塗液を下塗り層7とし、乾燥後の塗膜厚みを90nmとした以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[比較例1−3]
下塗り層塗液を下塗り層5とし、乾燥後の塗膜厚みを90nmとした以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[比較例1−4]
下塗り層を塗布しなかった以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[比較例1−5]
下塗り層を塗布しなかった以外は実施例7と同様にして、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
[実施例2−1、2−2、比較例2−1、2−2]
前記の方法でOCAを作成する際、キャリアフィルムおよびセパレートフィルムとして表3に記載のとおりの離型フィルムを用いた。得られたOCAの評価結果を表3に示す。
Figure 0006130230
Figure 0006130230
Figure 0006130230
本発明の離型フィルムは、優れた帯電防止性を有しているので剥離帯電を抑制することができ、また、離型層が十分に硬化していると同時に基材フィルムへの密着性も良好なので、特にOCAのキャリアフィルムやセパレーター用等の離型フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に、下記一般式で表されるアニオン系帯電防止剤およびシランカップリング剤を含有する塗液を用いて形成された下塗り層、およびその上に硬化型シリコーンを用いた離型層を有する離型フィルムであって、該アニオン系帯電防止剤の含有量が、該塗液成分(溶剤を除く)の質量を基準として2質量%を超え、7質量%以下である離型フィルム。
    Figure 0006130230
    式中、Rはアルキル基またはアルケニル基である。
  2. 下塗り層の厚みが30〜150nmである、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 離型層表面における10点平均粗さRzが650〜1600nmである、請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 離型層表面において、高さ0.2μm以上の突起が100〜800個/mmであり、高さ0.6μm以上の突起が10〜130個/mmであり、高さ1.2μm以上の突起が10個/mm以下である、請求項に記載の離型フィルム。
  5. 光学用透明粘着シート用である、請求項1〜のいずれか1項に記載の離型フィルム。
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