JP5079997B2 - 離型フィルム - Google Patents

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本発明は、剥離帯電および摩擦帯電が抑制された離型フィルムに関するものである。さらに詳しくは、帯電防止性と離型性とを兼備する離型層を有し、しかも該離型層の硬化が十分で長期間にわたって良好な残留接着率を示す離型ポリエステルフィルムに関するものである。
近年、工程材料としてシリコーンコーティングフィルムの利用は著しい伸びを示している。特にポリエステルフィルムは、紙に比べて非常に表面が平坦であり、またゴミを発生しないことから、電子・電気分野のクリーンルーム内での工程材料として非常に有用である。特に粘着剤離形、樹脂皮膜あるいはセラミックシートの成型用キャリアーシート、シリコーンの撥水性を利用した防汚染フィルムなど幅広い用途に使用されている。使用されるシリコーンとしては、末端にOH基をもつポリジメチルシロキサンと末端にH基をもつポリジメチルシロキサン(ハイドロジェンポリジメチルシロキサン)を有機錫触媒を用いて縮合反応させ、3次元架橋構造を作るタイプのものや、末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサンとハイドロジェンポリジメチルシロキサンを有機触媒を用いて付加反応させたタイプのものが主流である。
しかしながら、このようなシリコーン塗膜は、そのシリコーン主鎖結合ならびに側鎖構造から分かるように電荷の漏洩がなく、非常に帯電しやすい欠点がある。そのため、種々の障害を生ずる。例えば、離型フィルム表面が帯電した場合、離型層表面に塗工される樹脂に塗布斑が発生し、さらには離型フィルムの剥離放電により剥離特性が悪化することもある。特に近年フィルム表面の平坦化傾向にあるため、剥離や摩擦の帯電が問題となってきている。
このような帯電の問題に対して、従来離型層中に帯電防止剤を含有させる方法では満足できる帯電防止性を得ようとするとシリコーン離型層の硬化が不十分になるため、フィルム上に帯電防止層と離型層を別々に形成して帯電防止性と離型性とを発現させていた。しかしながら、このような構成は、加工工程が増加するためコストアップとなり、市場では十分な競争力があるものではなかった。
特開2005−88389号公報 特開2002−192661号公報
本発明は、上記従来の離型フィルムの有する問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、帯電防止層と離型層とを別々に設けることなく離型フィルムの剥離帯電および摩擦帯電を抑制し、ごみ吸着が少なく、フィルム引出し時の剥離帯電が小さく、摩擦帯電が発生し難く、しかも安定した剥離力を維持することができる離型フィルムを提供することにある。
本発明者の研究によれば、上記課題は「ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、導電性物質としてのカーボンナノ材料を含有する、硬化型シリコーン樹脂により形成されたシリコーン離型層が設けられた離型フィルムであって、該離型層における上記カーボンナノ材料の含有量が、シリコーン樹脂成分100重量部あたり0.8〜30重量部であり、該離型層表面の表面固有抵抗値が1×10Ω/□以上、1×1013Ω/□未満で、かつ初期残留接着率が80%以上、温度60℃湿度90%下で3ヶ月保持した後の経時残留接着率が80%以上であることを特徴とする離型フィルム。」により達成できることが見出された。
本発明の離型フィルムは、帯電防止性を兼備した離型層が設けられており、しかも長期間安定した離型性能を有しているので、安定した剥離力を維持できるともに、剥離帯電や摩擦帯電による種々のトラブルを抑制することができる。
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
先ず、本発明で用いられるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルを主たる対象とする。このポリエステルは実質的に線状であり、フィルム形成性で、特に溶融成形によるフィルム形成性を有するものであればよく、例えば芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができ、脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるいは1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。
これらポリエステルの中、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレン−2,6−ナフタレート、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましく、これらには全酸成分を基準として20モル%以下の共重合成分を含有していても構わない。例えば全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体であっても構わない。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることができる。また全グリコール成分の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記グリコールであることができ、また例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4−ジヒドロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等であることもできる。
また、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合しても構わない。
さらに、上記ポリエステルには、実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。
上記ポリエステルは、それ自体公知であり、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。ポリエステルとしては、o−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜0.9のものが好ましく、0.5〜0.7のものがさらに好ましく、0.55〜0.65のものが特に好ましい。
上記ポリエステルからなるフィルムには、フィルムの滑り性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.01〜25μm程度、好ましくは0.01〜2μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば0.005〜2重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の配合割合で含有させることができる。
かかる微粒子の具体例としては、炭酸カルシウム、カオリン、酸化ケイ素、硫酸バリウム等の無機粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子等の有機粒子を挙げることができる。さらに、ポリエステルの合成反応に使用した触媒残査から微粒子を析出させることにより、フィルム表面に微細な凹凸を形成させ、フィルムの滑り性を良好なものとしてもよい。
本発明においては、これらの微粒子は、ポリエステルへ添加する前に、精製プロセスを用いて、粒径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。精製プロセスの工業的手段としては、例えば乾式もしくは湿式遠心分離法や風力分級法等が挙げられる。なお、これらの手段は2種類以上を併用し、段階的に精製することが特に好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムとし、次いで該未延伸フィルムを二軸方向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造することができる。フィルムの厚みは特に制限するものではないが、5〜250μmが好ましい。
さらに、上記微粒子以外にも着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、オレフィン系アイオノマーのような他の樹脂等も、本発明の目的を損なわない範囲で任意に含有させることができる。
[離型層]
本発明の離型フィルムは、上記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、導電性物質を含有する離型層が設けられたものである必要がある。ここでいう離型層は、硬化型シリコーン樹脂により形成されたシリコーン離型層を対象とし、該硬化型シリコーン樹脂としては、一般に離型剤として知られたものを用いることができ、例えば「シリコーン材料ハンドブック」(東レダウコーニング編、1993.8)等に記載の公知なものの中から選んで使用することができる。例えば、信越シリコーン(株)製KS−847(H)、KS−776、東芝シリコーン(株)製TPR−6700等を挙げることができる。これらの硬化方式としては熱または放射線硬化型が一般的である。例えば、分子鎖両末端あるいは両末端および側鎖にビニル基を有するメチルビニルポリシロキサンと、メチルハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させる熱硬化反応を例示することができる。
すなわち、例えば下記式(A)で表わされるビニル基を有するポリジメチルシロキサン、下記式(B)で表わされるメチルハイドロジェンポリシロキサンおよびPt系化合物を含む塗液をフィルムに塗布し、加熱して乾燥および硬化反応させることにより形成することができる。この加熱の条件は、例えば温度80〜160℃下で10〜120秒間、特に温度100〜150℃下で15〜60秒間とすることが、乾燥および硬化反応を十分なものとするために好ましい。
Figure 0005079997
上記式(A)中、mおよびnは1以上の数であるが、mが1〜100、nが20〜5000、m+nが30〜5000の範囲であると架橋反応が好適に進み、耐久性のある層となるため好ましい。
また、上記式(B)中、aおよびbは1以上の数であるが、aが3〜200、bが1〜20、5≦a+b≦200の範囲であると、架橋反応が好適に進み、耐久性のある層となるので好ましい。
なお、上記式(A)および(B)におけるくり返し単位数m、n、a、bはブロック結合を意味しているのではなく、これらは単にそれぞれの単位の和がm、nあるいはa、bであることを示しているにすぎないと解すべきである。したがって、上記式(A)および(B)における各単位はランダム結合していても、またブロック結合していてもよい。
また上記の硬化型シリコーン樹脂は、下記式で表わされるシラン化合物を添加されていることが好ましい。
(R−Si−R
(R−O)−Si−R
(R−0−R−Si−R
(ただし、RおよびRはそれぞれ炭素数1〜5の鎖状アルキル基、Rはビニル基またはフェニル基である。)
かかるシラン化合物の添加量としては、シリコーン樹脂量100重量部に対し1〜5重量部の範囲が好ましい。
本発明の離型層は、上記のシリコーン離型層に導電性物質が含有され、その離型層表面の表面固有抵抗値が1×10Ω/□以上、1×1013Ω/□未満、好ましくは1×10Ω/□以上、1×1012Ω/□以下であり、かつ初期残留接着率が80%以上、好ましくは85%以上で、温度60℃湿度90%下で3ヶ月保持した後の経時残留接着率が80%以上、好ましくは85%以上である必要がある。表面固有抵抗値が1×1013Ω/□以上の場合には帯電防止効果が不十分となり本発明の目的を達成することができない。一方、1×10Ω/□未満の場合には導電性物質の含有量を増大させる必要があり、離型フィルムの透明性が不十分となり好ましくない。また、初期残留接着率および温度60℃湿度90%下で3ヶ月保持した後の経時残留接着率が80%未満の場合には、例えば粘着剤保護の離型フィルムとして、あるいは樹脂皮膜やセラミックシートの成型用キャリヤーシートとして用いると離型層の一部が、粘着剤表面に転移したり、樹脂皮膜やセラミックシートの表面に転移しやすくなるので好ましくない。
従来、シリコーン離型層に帯電防止機能を付与するためには帯電防止剤を添加することが検討されていた。しかしながら、カチオンまたはアニオン界面活性剤タイプの帯電防止剤にはイオン成分が存在し、このイオン成分がシリコーン樹脂の前記架橋反応で使用される白金触媒の触媒毒となるためシリコーン樹脂の硬化反応が不十分となり、前記残留接着率が不十分なものとなっていた。したがって、本願発明では、シリコーン樹脂の硬化反応を阻害しない導電性物質を用いること、すなわち、硬化反応阻害を及ぼすアミン、リン、イオウ、鉛、イオン性物質等を含有しない導電性物質を用いるとともに、離型層中にはこれらの触媒毒が存在しないことが大切である。
好ましく用いられる導電性物質としては、フラーレン、単層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどのカーボンナノ材料を例示することができ、これらはアーク放電法、レーザー蒸発法、CVD、気相合成法などにより製造される。なかでも、比較的絡み易いので接触部分を増やすことができ、優れた導電性能が得やすいためにチューブまたはファイバー構造のもの、例えば直径が10〜100nm、好ましくは15〜50nm、さらに好ましくは20〜30nmで、長さが100〜1000nm、好ましくは300〜800nmである構造のものが好ましい。かかる導電性物質を用いることにより、剥離帯電および摩擦帯電を抑制できる帯電防止機能を有し、かつ剥離性や塗膜耐久性にも優れた離型フィルムを得ることができる。
なお、上記カーボンナノ材料の含有量は、シリコーン樹脂成分100重量部あたり0.2〜50重量部の範囲、特に0.8〜30重量部の範囲が適当である。この含有量が0.2重量部未満の場合には表面固有抵抗値が1013Ω/□を超えるようになりやすく、逆に50重量部を超える場合には離型フィルムの透過率が50%未満となって透明性が低下しやすい。
シリコーン離型層を設けるための塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工方法を採用することができ、例えばロールコーター法、ブレードコーター法等を挙げることができ、また両面塗布においては、同時あるいは片面ずつの塗工であってもよく、これらの方法に限定されるものではない。また、塗液は有機溶剤を用いた塗液であっても、水性塗液であってもよいが、ポリジメチルシロキサンやハイドロジェンシラン系化合物を溶解した溶液であることが好ましく、例えばトルエン等の有機溶剤を用いた塗液であることが好ましい。
シリコーン離型層の剥離力は、アクリル粘着テープ(日東電工社:31Bテープ)で1cm幅の剥離力が0.5〜10.0g、好ましくは1.0〜5.0g/cm幅であることが好ましい。剥離力が0.5g/cm幅未満である場合には、例えば薄膜成型シートが離型フィルムから剥がれやすくなりハンドリング性が低下する。一方剥離力が10.0g/cm幅を超える場合には、例えば薄膜成型シートを剥離する際に余計な引張荷重が必要となって薄膜シートが破れやすくなる。
[アンカーコート層]
本発明においては、ポリエステルフィルムと離形層との間の接着性を向上させるため、ポリエステルフィルムとシリコーン離型層との間にアンカーコート層を設けることが好ましい。アンカーコート層を設けることにより、シリコーン離型層のシリコーン転写を抑制することができる。
かかるアンカーコート層としては、シランカップリング剤を好ましく用いることができる。シランカップリング剤としては、一般式Y−Si−Xで示されるものを挙げることができる。ここで、Yはアミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基またはメルカプト基等で代表される官能基を有する有機基で、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基を示す。アンカーコート層の厚みは、0.01〜5μm、特に0.02〜2μmの範囲が適当である。
かかるアンカーコート層を形成するにあたっては、ポリエステルフィルムを二軸延伸する製膜工程中の二軸延伸する前の段階でフィルム面に塗布し、ついで乾燥・熱処理と同時に二段延伸を完了させるのが好ましい。
以上に説明した本発明の離型フィルムは、CIEの標準の光D65における全光線透過率が50%以上、特に70%以上で、ヘーズ値が20%以下、特に10%以下であることが、透明離型フィルム用途として使われる観点から好ましい。かかる特性を有する離型フィルムは、前述の離型層において、カーボン含有量を少なくすることで容易に得られる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。また、本発明における物性値および特性値は、下記の方法にて測定した。
(1)剥離強度
フィルムの離形層面にポリエステル粘着テープ(ニットー31B)を貼合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着した後、離形層と粘着テープとの間の剥離力を引張り試験機にて測定した。
(2)残留接着率
ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f)とした。また、前記ポリエステル粘着テープを試料フィルムの離形層塗設面に貼合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着し30秒間放置した後粘着テープを剥がした。そして、この剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼合部の剥離力を測定し残留接着力(f)とした。得られた基礎接着力と残留接着力とから下記式を用いて残留接着率を求めた。
残留接着率(%)=(f/f)×100
残留接着率は80%以上である必要があり、80%未満になるとシリコーン離型層の転写量が多くなり、経時安定性にかけることとなる。
(3)表面抵抗値
株式会社アドバンテスト社製(R8340/R12704)測定器にて表面抵抗値を測定した。測定環境は、温度23℃、湿度55%の雰囲気下に24時間エージングした試料フィルムを上記装置にて測定した。表面抵抗値は下記の基準で評価した。
×:1013Ω/□以上
○:10Ω/□以上、1013Ω/□未満
(4)スミアテスト/ラブオフテスト
スミアテスト
人差し指で離型面を一回擦り、表面の白化状態を目視観察して下記基準で評価した。
○:変化無し
△:やや白化
×:白化
ラブオフテスト
親指で離型表面を10回擦り、その部分のシリコーン脱落を確認するため、セロテープ(登録商標)にて剥離状態を確認して下記基準で評価した。
○:セロテープ(登録商標)剥離時、剥離変化無し
×:セロテープ(登録商標)剥離時、剥離変化有り
(5)ヘーズ
村上色彩技術研究所社製のHM−150型ヘーズメーターを使用し、全光線透過率(Tt[%])およびヘーズ値(Hz[%])を測定する。
[実施例1〜、比較例1〜2、参考例1
酢酸マンガンをエステル交換触媒、亜燐酸を安定剤、三酸化アンチモンを重合触媒とし、滑剤として酸化ケイ素粒子(平均粒径1.8μm)を0.06重量%含有する、固有粘度が0.56(o−クロロフェノール溶媒)のポリエチレンテレフタレートペレットを乾燥後、溶融温度280〜300℃で溶融し、ついで表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出して厚み520μmの未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムを温度75℃に予熱し、次いで低速、高速のロール間で15mm上方より800℃の表面温度のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.6倍に延伸し、急冷し、続いて横延伸機に供給し、温度120℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを230℃の温度で5秒間熱固定し、厚み38μmの熱固定二軸配向ポリエステルフィルムを得た。なお、上記製膜工程において、縦延伸が終了した一軸延伸フィルムが横延伸に入る直前の位置で、ポリエステルフィルムの片面に、離形層のアンカーコート層として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3重量%水溶液(界面活性剤を含有)を5g/m(wet)の量塗布し乾燥した。
アンカーコート層が塗布された方のポリエステルフィルム表面に、ビニル基を有するメチルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンの混合溶液に白金触媒(シリコーン樹脂に対し3重量部)を加えて付加反応させるタイプの硬化型シリコーン樹脂(信越化学社製KS847)を、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびトルエンの混合溶剤中に溶解させたシリコーン樹脂塗液を塗布し、温度140℃で60秒間乾燥して離型層厚みが0.1μmの離型フィルムを得た。なお、該塗液には、導電性物質として、気相触媒合成法によって得られたカーボンナノファイバー(平均直径20nm、長さ0.1〜10μm)またはジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート(エトサルフェートと略称する)を表1に示す割合で添加した。得られた離型フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0005079997
以上に説明した本発明の離型フィルムは、帯電防止性を兼備した離型層が設けられており、しかも安定した剥離力を長期間安定して維持できるという離型性能を有しているので、剥離帯電や摩擦帯電による種々のトラブルを抑制するための離型フィルムとして極めて有用である。

Claims (7)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、導電性物質としてのカーボンナノ材料を含有する、硬化型シリコーン樹脂により形成されたシリコーン離型層が設けられた離型フィルムであって、該離型層における上記カーボンナノ材料の含有量が、シリコーン樹脂成分100重量部あたり0.8〜30重量部であり、該離型層表面の表面固有抵抗値が1×10Ω/□以上、1×1013Ω/□未満で、かつ初期残留接着率が80%以上、温度60℃湿度90%下で3ヶ月保持した後の経時残留接着率が80%以上であることを特徴とする離型フィルム。
  2. 剥離力が0.5〜10.0g/cm幅である請求項1記載の離型フィルム。
  3. 導電性物質がカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーである請求項1または2記載の離型フィルム。
  4. カーボンナノ材料が、アーク放電法、レーザー蒸着法、CVD、気相合成法により製造されたカーボンナノ材料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  5. 離型層中に、アミン化合物、リン化合物、イオウ化合物、鉛化合物およびイオン性化合物を含有しない請求項4記載の離型フィルム。
  6. 離型層が、シランカップリング剤から形成されたアンカー層を介してポリエステルフィルム表面に積層されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  7. 離型フィルムの全光線透過率が50%以上で、ヘーズ値が20%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の離型フィルム。
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