JP2005047175A - 両面離形フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 剥離力が長期間安定しており、セラミックシート、電極シートや樹脂シートを高い精度で、かつ良好なハンドリング性で生産することができるキャリヤーフィルムとして好適に用いることができる両面離型フィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルフィルム、その一方の面に設けられた重剥離シリコーン離型層、および他方の面に設けられた軽剥離シリコーン離型層からなり、重剥離シリコーン離型層および軽剥離シリコーン離型層の形成後60℃で湿度80%の環境に4週間保管後の剥離力が下記式を満足し、残留接着率が85%以上であることを特徴とする両面離型フィルム。
1.3< F1/F2 ≦ 10.0
(ただし、F1は重剥離シリコーン離型層表面の剥離力、F2は軽剥離シリコーン離型層表面の剥離力である。)
【選択図】 なし

Description

本発明はシート成型のためのキャリヤーシートとして用いられる両面離型フィルムに関する。さらに詳しくは、セラミックシート、樹脂シート、さらには電極シート等を好適に製造することができるキャリアーシートとして用いられる両面離型フィルムに関する。
近年電子機器の小型化に伴い、さまざま電子材料の開発とその小型化が著しく発達してきている。特に、移動体通信機器などの小型化、低消費電力化に伴った使用量の伸びはめざましい。
従来、この様な電子材料としてセラミックコンデンサーは、セラミック粉体、溶剤、バインダーおよびその他の添加剤(可塑剤、分散剤、帯電防止剤など)を適当な機械的分散方法により均質に分散させたスラリーを流延キャスト法によりキャリヤーシート上に塗布し、次いで乾燥してセラミックグリーンシートを作成し、そのシート上に内部電極を印刷し、所定の大きさに裁断したものを積層、焼結し、外部電極を取り付けることにより製造していた。しかしながら製造方法の革新に伴い、電極印刷まで行われたシートがロール状に巻き取られ、電極剤が背面へ転写する問題が出てきている。さらにセラミックシートはその特性が有効でありコンデンサー以外の用途にも幅広く使用され、セラミックシートが未硬化状態でロール状に巻き上げられることもあり、上記と同様の問題が起こっている。
このような課題に対し従来より、プラスチックフイルム、例えば、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム等の表面にシリコーン系樹脂を塗工し、皮膜を形成してなる離型フイルムとして、特公平6−2392号公報および特開昭60−141553号公報がある。さらに、ポリエステルフイルムの両面にシリコーン系樹脂の皮膜を形成した両面タイプの離型フイルムも知られている。このタイプの離型フイルムは表面、裏面に剥離力の差を持たせることで、粘着テープを製造するものである。
特開平10−000742号公報 特開昭60−141553号公報
しかしながら、成型シートそのものを製造するためには、両面の剥離力差を定量的に決定ししかも各離型層の剥離力が長時間安定している必要がある。
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を改良し、成型シートが背面へ移行しないように両面にシリコーン樹脂層を形成し、さらに離型力が長期間安定しており、セラミックシート、電極シートや樹脂シートを高い精度で、かつ良好なハンドリング性で生産することができるキャリヤーフィルムとして好適に用いることができる両面離型フィルムを提供することにある。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルム、その一方の面に設けられた重剥離シリコーン離型層、および他方の面に設けられた軽剥離シリコーン離型層からなり、重剥離シリコーン離型層(A)および軽剥離シリコーン離型層の形成後60℃で湿度80%の環境に4週間保管後の剥離力が下記式を満足し、残留接着率が85%以上であることを特徴とする両面離型フィルムである。
1.3< F1/F2 ≦ 10.0
ただし、F1は重剥離シリコーン離型層表面の剥離力、F2は軽剥離シリコーン離型層表面の剥離力である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明におけるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。このポリエステルは実質的に線状であり、そしてフィルム形成性、特に溶融成形によるフィルム形成性を有する。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるいは1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。
これらポリエステルの中、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ましい。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることができる。また全グリコール成分の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記グリコールであることができ、また例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4−ジヒドロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等であることもできる。
また、本発明におけるポリエステルには、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合あるいは結合するものも包含される。
さらに本発明におけるポリエステルには、実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。
ポリエステルとしてはアルキレンテレフタレートおよび/またはアルキレン−2,6−ナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましい。
ポリエステルは、それ自体公知であり、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。ポリエステルとしては、o−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜0.9のものが好ましく、0.5〜0.7のものがさらに好ましく、0.55〜0.65のものが特に好ましい。
本発明においては、両面離型フィルムの基材としてポリエステルフィルムを用いる。透明性が要求される用途には透明性の良好なポリエステルフィルムを用いることが好ましく、二軸延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、遮光性が要求される用途には無機顔料を配合したポリエステルフィルムを用いることが好ましく、TiO、SiO等の如き顔料を配合した二軸延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
ポリエステルフィルムには、フィルムの滑り性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.01〜25μm程度、好ましくは0.01〜2μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば0.005〜2重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の配合割合で含有させることができる。
かかる微粒子の具体例としては、炭酸カルシウム、カオリン、酸化ケイ素、硫酸バリウム等の無機粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子等の有機粒子を挙げることができる。或いはポリエステルの合成反応に使用した触媒残査から微粒子を析出させることにより、フィルム表面に微細な凹凸を形成させ、フィルムの滑り性を良好なものとすることができる。
本発明の両面離型フィルムでは、上記滑剤の添加により、両面離型フィルムの両面の表面粗さRaを、好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは12〜25nmとする。そして、表面粗さRzを好ましくは500〜1500nm、さらに好ましくは700〜1200nmとする。RaおよびRzが上記の数値に満たないと、両面離型フィルムとして非常にハンドリング特性が悪くなり、生産性を悪化されて好ましくない。また上記の数値を超えると、成型シート表面に凹凸ができシートの厚み斑が起こり、成型シートの品質特性や歩留まりが悪化して好ましくない。
本発明においては、これらの微粒子は、ポリエステルへ添加する前に、精製プロセスを用いて、粒径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。精製プロセスの工業的手段としては、例えば乾式もしくは湿式遠心分離法や風力分級法等が挙げられる。なお、これらの手段は2種類以上を併用し、段階的に精製することが特に好ましい。
また、ポリエステルにはその他の改良剤を配合することができる。例えば帯電防止剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の如きスルホン酸塩基を有する化合物等を含有させることができる。これらの改良剤を含まないポリエステルも用いることができる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、従来から知られている方法で製造することができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムとし、次いで該未延伸フィルムを二軸方向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造することができる。フィルムの厚みは特に制限するものではないが、5〜250μmが好ましい。
[離型層]
本発明における重剥離シリコーン離形層および軽剥離シリコーン離型層は、それぞれ硬化型シリコーン樹脂により形成される。硬化型シリコーン樹脂としては、一般に離形剤として知られたものを用いることができ、例えば「シリコーン材料ハンドブック」(東レダウコーニング編、1993.8)等に記載の公知なものの中から選んで使用することができる。例えば、信越シリコーン(株)製KS−847(H)、KS−776、東芝シリコーン(株)製TPR−6700を挙げることができる。これらの硬化方式としては熱または放射線硬化型が一般的である。具体的には下記の硬化方式が挙げられる。
(1) 熱縮合反応型:両末端シラノール官能性ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンあるいはメチルメトキシシロキサンとを有機錫系触媒の存在下で反応させたもの。
(2) 熱付加反応型:分子鎖両末端あるいは両末端および側鎖にビニル基を有するメチルビニルポリシロキサンと、メチルハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させたもの。
(3) 紫外線硬化型(ラジカル付加型):アルケニル基とメルカプト基を含有するシロキサンに光重合剤を加えたもの。
(4) 紫外線硬化型(ヒドロシリル型):熱付加反応型と同じ白金系触媒を用いたもの。
(5) 紫外線硬化型(ラジカル重合型):(メタ)アクリル基を含有するシロキサンに光重合剤を加えたもの。
(6) 紫外線硬化型(カチオン重合型):エポキシ基を含有するシロキサンにオニウム塩光開始剤を添加したもの。
(7) 電子線硬化型:ラジカル重合性基含有シロキサン(官能基はなくてもよく、また光開始剤がなくてもよい)。
かかる硬化型シリコーン樹脂の形態は、溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型等の中から適宜選択して用いることができる。
本発明における離形層には本発明の目的を妨げない範囲で公知の各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、顔料、消泡剤、ポットライフ延長剤、架橋剤等を挙げることができる。
本発明においては、ポリエステルフィルム一方の面に重剥離シリコーン離型層を設け、他方の面に軽剥離シリコーン離型層を設ける。
これらの離形層は、例えば、下記式(A)で表わされるビニル基を有するポリジメチルシロキサン、下記式(B)で表わされるハイドロジェンシラン系化合物およびPt系化合物を含む塗液をフィルムに塗布し、加熱して乾燥および硬化反応させることにより設けることができる。この加熱の条件は、例えば80〜160℃で10〜120秒間、特に100〜150℃で15〜60秒間とすることが、乾燥および硬化反応が十分なものとなるため好ましい。
Figure 2005047175
上記式(A)中、mおよびnは1以上の数であるが、mが1〜100、nが20〜5000、m+nが30〜5000の範囲であると架橋反応が好適に進み、耐久性のある層となるため好ましい。
上記式(B)中、aおよびbは1以上の数であるが、aが3〜200、bが1〜20、5≦a+b≦200の範囲であると、架橋反応が好適に進み、耐久性のある層となるので好ましい。
なお、上記式(A)および(B)におけるくり返し単位数m、n、a、b(下記参照)はブロック結合を意味しているのではなく、これらは単にそれぞれの単位の和がm、nあるいはa、bであることを示しているにすぎないと解すべきである。従って、上記式(A)および(B)における各単位はランダム結合していてもよく、またブロック結合していてもよい。
Figure 2005047175
さらに、重剥離シリコーン離型層および軽剥離シリコーン離型層のシリコーンが、下記式で表わされるシラン化合物を添加されていることが好ましい。
(R1)−Si−R3
(R1−O)−Si−R3
(R1−0−R2)−Si−R3
(ただし、R1およびR2はそれぞれ炭素数1〜5の鎖状アルキル基、R3はビニル基またはフェニル基である。)
シラン化合物の添加量としては、シリコーン樹脂量100重量部に対し1〜5重量部添加することが好ましい。
なお、シリコーン離型層を設けるための塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用でき、例えばロールコーター法、ブレードコーター法等を挙げることができ、両面塗布においても同時あるいは片面ずつの塗工であってもよく、これらの方法に限定されるものではない。また、塗液は有機溶剤を用いた塗液であっても、水性塗液であってもよいが、ポリジメチルシロキサンやハイドロジェンシラン系化合物を溶解した溶液であることが好ましく、例えばトルエン等の有機溶剤を用いた塗液であることが好ましい。
本発明において、重剥離シリコーン離型層および軽剥離シリコーン離型層は、その形成後60℃で湿度80%の環境に4週間保管後の剥離力が下記式を満足し、残留接着率が85%以上であることが必要である。
1.3< F1/F2 ≦ 10.0
そして、F1/F2は、好ましくは2.0〜8.5、さらに好ましくは2.5〜4.5である。ただし、F1は重剥離シリコーン離型層表面の剥離力、F2は軽剥離シリコーン離型層表面の剥離力である。
F1/F2が1.3未満であると、成型シートと離型層との剥離バランスが取れておらずロール繰り出し時、ポリエステルフィルムから成型シートが浮いてしまう。F1/F2が10.0を超えると成型シートが背面へ転写し安定したシートを得ることができない。
重剥離シリコーン離型層および軽剥離シリコーン離型層の剥離力は、アクリル粘着テープ(日東電工社:31Bテープ)で25mm幅の剥離力が1g/25mm幅から500g/25mm幅のものが好ましい。剥離力が1g/25mm幅未満であると、薄膜成型シートが離型フィルムから簡単にはがれハンドリング性が不十分となり好ましくない。剥離力が500g/25mm幅を超えると薄層シートを剥離する際、余計な引っ張り荷重が必要となり薄層シートに破れが発生して好ましくない。
[アンカーコート層]
本発明においては、ポリエステルフィルムの片方の面に重剥離シリコーン離型層を設け、他方の面に軽剥離シリコーン離型層を設けるが、ポリエステルフィルムとこれらの離形層の接着性を向上させるため、ポリエステルフィルムとこれらの離型層との間にはアンカーコート層を設けることが好ましい。アンカーコート層を設けることにより、とくに軽剥離シリコーン離型層のシリコーン転写を抑制することができる。
かかるアンカーコート層としては、シランカップリング剤を好ましく用いることができる。シランカップリング剤としては、一般式Y−Si−Xで示されるものを挙げることができる。ここで、Yはアミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基、またはメルカプト基等で代表される官能基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基を示す。アンカーコート層の厚みは、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜2μmである。さらに、アンカー層形成にあたっては,二軸延伸製膜工程中の二軸延伸される前にアンカー層を設けることが好ましい。
本発明によれば、成型シートが背面へ移行しないように両面にシリコーン樹脂層を形成し、さらに剥離力が長期間安定しており、セラミックシート、電極シートや樹脂シートを高い精度で、かつ良好なハンドリング性で生産することができるキャリヤーフィルムとして好適に用いることができる両面離型フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施例により詳述する。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。また、本発明における物性値および特性値は、下記の方法にて測定した。
(1)剥離力
フィルムの離形層面にポリエステル粘着テープ(ニットー31B)を貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着し、離形層と粘着テープとの剥離力(g/25mm幅)を引張り試験機にて測定した。
(2)残留接着率
ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)をJIS G4305に規定する冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼り付けた後の剥離力を測定し、基礎接着力(f)とした。また、前記ポリエステル粘着テープをサンプルフィルムの離形層塗設面に貼り合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着し30秒間放置した後粘着テープを剥がした。そして、この剥がした粘着テープを上記のステンレス板に貼り、該貼合部の剥離力を測定し残留接着力(f)とした。得られた基礎接着力と残留接着力とから下記式を用いて残留接着率(%)を求めた。
残留接着率(%)=(f/f)×100
残留接着率が85%未満であるとシリコーンの転写量が多く、経時安定性に欠ける。
(3)保管後の剥離力
両面にシリコーン層が設けられたフィルムロールを、60°C×80%の環境下に4週間保管し、上記(1)の方法にて剥離力(g/25mm)を測定した。
(4)表面粗さ(Ra,Rz)
表面粗さ(nm)は、WYKO CORPORATION NT−2000の粗さ計を用いて測定した。
測定倍率:25倍
測定エリア0.0462mm
[実施例1〜5、比較例1]
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として酸化ケイ素粒子(1.2μ/0.6μ=0.01重量%/0.2重量%)を添加して、常法により重合し、固有粘度(o−クロロフェノール)0.56の、ポリエチレンテレフタレートを得た。このポリエチレンテレフタレートのペレットを170℃で3時間乾燥後押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶解し、表面仕上げ0.3s、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み520μmの未延伸フィルムを得た。このようにして得られた未延伸フィルムを75℃に予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm上方より800℃の表面温度のIRヒーター3本にて加熱して3.2倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、120℃にて横方向に4.3倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを230℃の温度で5秒間熱固定し、厚み38μmの熱固定二軸配向ポリエステルフィルムを得た。その際、二軸延伸、配向処理が終了したフィルムの厚みを幅方向に常時オンライン測定し、その結果をフィードバックして押出しダイスのリップヒーターの温度を調節し樹脂流動性を変化させることで、厚み斑を解消するシステムを用いた。なお、上記製膜工程において、縦延伸が終了した一軸延伸フィルムが横延伸に入る直前の位置で、ポリエステルフィルムの片面に、離形層のアンカーコート層として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3重量%水溶液(界面活性剤を含有)を5g/m(wet)の量を塗布し乾燥した。
得られた離型フィルムのRaは15nm、Rzは974nmであった。
そして、このアンカーコート層の表面に、ポリジメチルシロキサンとジメチルハイドロジェンシランの混合溶液に白金触媒を加えて付加反応させるタイプの硬化型シリコーン樹脂をメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびトルエンの混合溶剤中に溶解させたシリコーン樹脂塗液を塗布した。乾燥温度は130℃で30秒実施し、表1のような両面離型フィルムを得た。
表2には両面離型フィルムであるキャリヤーシートの特性を示す。
Figure 2005047175
Figure 2005047175

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルム、その一方の面に設けられた重剥離シリコーン離型層、および他方の面に設けられた軽剥離シリコーン離型層からなり、重剥離シリコーン離型層および軽剥離シリコーン離型層の形成後60℃で湿度80%の環境に4週間保管後の剥離力が下記式を満足し、残留接着率が85%以上であることを特徴とする両面離型フィルム。
    1.3< F1/F2 ≦ 10.0
    (ただし、F1は重剥離シリコーン離型層表面の剥離力、F2は軽剥離シリコーン離型層表面の剥離力である。)
  2. 離型フィルムの表面粗さが下記式を満足することを特徴とする、請求項1記載の両面離型フィルム。
    10nm≦Ra≦50nm
    500nm≦Rz≦1500nm
  3. 重剥離シリコーン離型層および/または軽剥離シリコーン離型層とポリエステルフィルムとの間にシランカップリング剤からなるアンカーコート層を有する、請求項1記載の両面離型フィルム。
  4. 重剥離シリコーン離型層および軽剥離シリコーン離型層のシリコーンに下記式で表わされるシラン化合物が添加されている、請求項1記載の両面離型フィルム。
    (R1)−Si−R3
    (R1−O)−Si−R3
    (R1−0−R2)−Si−R3
    (ただし、R1およびR2はそれぞれ炭素数1〜5の鎖状アルキル基、R3はビニル基またはフェニル基である。)
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