JP2014040040A - 両面剥離シート、およびその使用方法 - Google Patents

両面剥離シート、およびその使用方法 Download PDF

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敬久 湯浅
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Abstract

【課題】樹脂膜を製造する際、及び、得られた樹脂膜を保管し、次いで被着体に貼着する際に好適に用いられる両面剥離シート、およびその使用方法を提供する。
【解決手段】基材1と、前記基材1の両表面に、剥離力が異なる2つの剥離層2,3を有する両面剥離シートであって、前記2つの剥離層2,3のそれぞれについて、JISK6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60の範囲内にある樹脂膜との間の剥離力が相対的に大きい方の剥離層2が、(A)オルガノポリシロキサン(次の(B)成分を除く。)と、(B)SiO4/2単位および(CHSiO1/2単位を有するシリコーンレジンとを含有する剥離剤組成物の硬化物からなり、かつ、前記硬化物の硬度が、48〜58であることを特徴とする、両面剥離シートと、この両面剥離シートを樹脂膜製造用の工程シートとして用いる両面剥離シートの使用方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂膜を製造する際、及び、得られた樹脂膜を保管し、次いで被着体に貼着する際における工程シートとして好適に用いられる両面剥離シート、およびその使用方法に関する。
従来、半導体チップとリードフレーム又は回路基板を接着するダイボンディング材料として、フィルム状接着剤が知られている。
例えば、特許文献1には、厚み精度及び位置精度が高く、ボイドの発生が少ない薄型フィルム状接着剤が記載されている。また、この文献には、薄型フィルム状接着剤は、熱硬化性樹脂組成物を溶媒に混合して得られたワニスを、離型処理された基材(保護フィルム)に塗工し、得られた塗膜をその硬化温度以下で乾燥することで、保護フィルム付きフィルム状接着剤として得られることも記載されている。
特開2003−261833号公報
特許文献1に記載されるように、フィルム状接着剤は、通常、保護フィルム(又は、剥離シート)付きフィルム状接着剤として製造される。また、長尺状の保護フィルムを用いる場合は、長尺状の保護フィルム付きフィルム状接着剤が得られる。そして、このものは製造後に巻き取られ、ロール状にして保管される。
しかしながら、保護フィルム付きフィルム状接着剤をロール状にして保管する場合には次のような問題があった。すなわち、保護フィルム付きフィルム状接着剤をロール状にして保管する場合には、フィルム状接着剤と、その下に位置する保護フィルムの背面が長時間密着することになる。このため、ロール状の保護フィルム付きフィルム状接着剤を引き出す際に、ブロッキングが発生してうまく引き出せなかったり、フィルム状接着剤がその下に位置する保護フィルムの背面側に転着し、保護フィルムのみが引き出されることがあった。
これらの問題を解決する方法として、保護フィルムの背面側にも剥離層を設けるとともに、フィルム状接着剤と保護フィルムの正面側との間を剥がれにくくすることが考えられる。しかし、この場合、保護フィルム付きフィルム状接着剤を被着体に貼着した後に、保護フィルムが剥がれにくくなる場合があった。
したがって、フィルム状接着剤等の樹脂膜を製造する際、及び、得られた樹脂膜を保管し、次いで被着体に貼着する際の作業性に優れる保護フィルムや剥離シートが求められていた。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、樹脂膜を製造する際、及び、得られた樹脂膜を保管し、次いで被着体に貼着する際における工程シートとして好適に用いられる両面剥離シート、およびその使用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、基材と、前記基材の両表面に、剥離力が異なる2つの剥離層を有する両面剥離シートであって、剥離力が相対的に大きいほうの剥離層が、特定の組成を有する剥離剤組成物の硬化物からなり、かつ、前記硬化物の硬度が特定範囲である両面剥離シートは、樹脂膜を製造する際、及び、得られた樹脂膜を保管し、次いで、被着体に貼着する際における工程シートとして好適に用いることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)、(2)の両面剥離シート、および(3)〜(5)の両面剥離シートの使用方法が提供される。
(1)基材と、前記基材の両表面に、剥離力が異なる2つの剥離層を有する両面剥離シートであって、
前記2つの剥離層のそれぞれについて、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60の範囲内にある樹脂膜との間の剥離力を測定したときに、剥離力が相対的に大きい方の剥離層が、(A)オルガノポリシロキサン(次の(B)成分を除く。)と、(B)SiO4/2単位および(CHSiO1/2単位を有するシリコーンレジンとを含有する剥離剤組成物の硬化物からなり、かつ、前記硬化物の、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、48〜58であることを特徴とする、両面剥離シート。
(2)前記剥離力が相対的に大きい方の剥離層の剥離力(X)と、剥離力が相対的に小さい方の剥離層の剥離力(Y)の比(X/Y)が、3以上である(1)に記載の両面剥離シート。
(3)前記(1)又は(2)に記載の両面剥離シートを、樹脂膜製造用の工程シートとして用いる両面剥離シートの使用方法。
(4)前記樹脂膜の、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60である(3)に記載の使用方法。
(5)前記樹脂膜がフィルム状接着剤である、(3)または(4)に記載の使用方法。
本発明の両面剥離シートを用いることで、両面剥離シート付樹脂膜を効率よく製造することができる。
本発明の両面剥離シートを用いて得られる両面剥離シート付樹脂膜は、ロール状にして保管する場合のように、樹脂膜と両面剥離シートの背面側が長時間密着する場合であっても、ブロッキングの発生や樹脂膜の転着が少なく、保管後に被着体に貼着する際の作業性に優れるものである。
本発明の両面剥離シートの使用方法によれば、樹脂膜を効率よく製造することができる。
本発明の両面剥離シートの一例の層構成断面図である。 本発明の両面剥離シートを用いて得られる両面剥離シート付き樹脂膜の一例の層構成断面図である。 本発明の両面剥離シートを用いて得られる両面剥離シート付樹脂膜を重ねた状態の層構成断面図である。
本発明の両面剥離シートは、基材と、前記基材の両表面に、剥離力が異なる2つの剥離層を有する両面剥離シートであって、前記2つの剥離層のそれぞれについて、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60の範囲内にある樹脂膜との間の剥離力を測定したときに、剥離力が相対的に大きい方の剥離層が、(A)オルガノポリシロキサン(次の(B)成分を除く。)と、(B)SiO4/2単位および(CHSiO1/2単位を有するシリコーンレジンとを含有する剥離剤組成物の硬化物からなり、かつ、前記硬化物の、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、48〜58であることを特徴とする。
(基材)
基材としては、その両表面にそれぞれ剥離層を担持できるものである限り、特に限定されず、従来公知の剥離シート用の基材を用いることができる。
かかる基材としては、グラシン紙、クラフト紙、上質紙、コート紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートして得られるラミネート紙;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリカーボネートフィルム;アルミ箔、ステンレス箔等の金属箔;これらの基材を1種以上含む積層シート;等が挙げられる。
基材として紙基材を用いる場合、その平均坪量は特に制限されないが、通常、10〜200g/m、好ましくは30〜150g/mである。
基材として紙基材を用いる場合、剥離剤組成物が基材に浸み込むのを防ぐために、水溶性樹脂、熱硬化性樹脂、無機フィラー等を含有する塗料を用いて、基材表面の目止め処理を行ってもよい。
基材としてポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムや金属箔等を用いる場合、その厚みは特に制限されないが、通常、10〜150μm、好ましくは20〜100μmである。
基材としてプラスチックフィルムや金属箔等を用いる場合、基材と剥離層との密着性を向上させるために、基材表面にプライマー処理を行ったり、酸化法や凹凸化法などの表面処理を行ってもよい。
前記酸化法としては、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。また、凹凸化法としては、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。
(剥離層)
本発明の両面剥離シートの剥離層は、両面剥離シートの両表面に存在する層であって、両面剥離シートに剥離性を付与するための層である。
本発明の両面剥離シートを構成する2つの剥離層は、剥離力が異なるものである。2つの剥離層の剥離力の相対的な大小関係は、前記2つの剥離層のそれぞれについて、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60の範囲にある樹脂膜との間で、180°ピール法により剥離力を測定することで決定される(両面剥離シートを構成する2つの剥離層の剥離力は、同一の樹脂膜を用いて測定する)。このとき、剥離力が相対的に大きい方の剥離層を「重剥離層」といい、剥離力が相対的に小さい方の剥離層を「軽剥離層」ということがある。
なお、剥離力を測定するときに用いられる樹脂膜の組成は特に制限されない。例えば、公知のエポキシ系接着剤を用いて得られる接着剤層を前記樹脂膜として用いて、剥離力を測定することができる。
本発明の両面剥離シートは重剥離層および軽剥離層を有するため、本発明の両面剥離シートを用いて得られた両面剥離シート付き樹脂膜を、樹脂膜と両面剥離シートの軽剥離層が密着するように重ねて保管した場合であっても、樹脂膜の転着が抑制される。また、両面剥離シートを引き出すときのブロッキングの発生が抑制される。さらに、両面剥離シート付き樹脂膜を被着体に貼着した後に、両面剥離シートをきれいに剥がすことができる。
本発明の両面剥離シートを構成する重剥離層は、(A)オルガノポリシロキサン(次の(B)成分を除く。)と(B)SiO4/2単位および(CHSiO1/2単位を有するシリコーンレジンと、を含有する剥離剤組成物(以下、「剥離剤組成物(α)」ということがある。)の硬化物からなり、かつ、前記硬化物の、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が48〜58の範囲にある層である。
剥離剤組成物(α)に含まれる(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を有する直鎖状または分岐状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。
前記炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、3−ブテニル基、6−ヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基等が挙げられる。
オルガノポリシロキサン中の炭素数2〜10のアルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン全体に対して、通常、1.0〜5.0質量%、好ましくは1.5〜4.5質量%、より好ましくは2.0〜4.0質量%である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの具体例としては、下記式で示されるものが挙げられる。
Figure 2014040040
上記式中、aは0〜3の整数、bは0〜3の整数、mは1以上の整数、nは0以上の整数、a+b+nは好ましくは2以上の整数である。
Rは、脂肪族不飽和結合を有しない、一価の炭化水素基を表す。複数のR同士は、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。
Rの一価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10である。
Rの一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フェニル基、トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;等が挙げられる。
は炭素数2〜10のアルケニル基を表す。複数のR同士は、それぞれ同一であっても、相異なっていてもよい。
の炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、3−ブテニル基等、先に例示した炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
剥離剤組成物(α)に含まれる(B)成分のSiO4/2単位および(CHSiO1/2単位を有するシリコーンレジンとしては、これらの構成単位を有する従来公知のシリコーンレジンが挙げられる。なかでも、無官能型シリコーンレジン又はアルケニル基を有するシリコーンレジンが好ましい。
なお、SiO4/2単位は、下記式(I)で示される構造の構成単位をいい、(CHSiO1/2単位は、下記式(II)で示される構造の構成単位をいう。
Figure 2014040040
Figure 2014040040
(B)成分として用いる無官能型シリコーンレジンとしては、例えば、SiO4/2単位および(CHSiO1/2単位を有し、官能基を含む構成単位を有しないシリコーンレジンが挙げられる。官能基とは、硬化反応に関与し得る基(または原子)のことをいい、具体的には、アルケニル基や、ケイ素原子に結合した水素原子等が挙げられる。
官能基を含む構成単位としては、例えば、下記式(III)で示される構造の構成単位が挙げられる。
Figure 2014040040
式(III)中、X、X、およびXは、それぞれ独立に、アルケニル基、水素原子、またはシロキサン結合を構成する酸素原子を表し、X、X、およびXのうち、少なくとも1つは、アルケニル基または水素原子である。
(B)成分として用いるアルケニル基を有するシリコーンレジンとしては、例えば、SiO4/2単位、(CHSiO1/2単位、及び炭素数2〜10のアルケニル基を含む構成単位を有するシリコーンレジンが挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基としては、(A)成分のオルガノポリシロキサン中の炭素数2〜10のアルケニル基として、先に例示したものが挙げられる。
炭素数2〜10のアルケニル基を含む構成単位としては、例えば、下記式(IV)で示される構造の構成単位が挙げられる。
Figure 2014040040
式(IV)中、zは0〜8の整数を表し、0〜4が好ましい。
(B)成分として用いるアルケニル基を有するシリコーンレジン中のアルケニル基の含有量は、アルケニル基を有するシリコーンレジン全体に対して、通常、0.5〜5.0質量%、好ましくは1.0〜4.5質量%である。
(B)成分の量が多い剥離剤組成物(α)を用いると、剥離力が大きく、かつ、硬度が大きい重剥離層を容易に得ることができる。このように、本発明においては、剥離剤組成物(α)中の(B)成分の含有量を調整することで、目的の特性を有する重剥離層を容易に形成することができる。
目的の特性を有する重剥離層をより容易に形成することができることから、剥離剤組成物(α)中の(B)成分の含有量は、剥離剤組成物(α)全体中、通常、1〜50質量%、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%である。
剥離剤組成物(α)は、前記(A)成分、(B)成分に加えて、(C)1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基(SiH基)を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン(以下、「SiH基含有架橋剤」ということがある。)を含有することが好ましい。SiH基含有架橋剤のSiH基が、(A)成分や(B)成分中のアルケニル基と反応することで、効率よく硬化反応が進行する。
SiH基含有架橋剤としては、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ポリ(メチルハイドロジェンポリシロキサン)、ポリ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)等が挙げられる。
SiH基含有架橋剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
剥離剤組成物(α)中のSiH基含有架橋剤の含有量は、SiH基の数が、(A)成分及び(B)成分中のアルケニル基の数に対して、1.0〜5.0倍となる量が好ましく、2.0〜4.0倍となる量がより好ましい。
剥離剤組成物(α)は、前記(A)成分、(B)成分に加えて、(D)白金族金属系触媒を含有することが好ましい。
白金族金属系触媒としては、微粒子状白金、炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられる。
白金族金属系触媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
剥離剤組成物(α)中の白金族金属系触媒の含有量は、剥離剤組成物(α)の合計量に対し、白金系金属として1〜1000質量ppmが好ましい。
剥離剤組成物(α)は、他の樹脂成分や、滑り性付与剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
剥離剤組成物(α)は、溶剤含有型でも無溶剤型でもよいが、環境影響の観点から無溶剤型が好ましい。
剥離剤組成物(α)としては、市販のポリオルガノシロキサン組成物を一種単独で、あるいはこれらの二種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、前記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含む無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(例えば、東レ・ダウコーニング社製の商品名「SP7031」など)と、前記(A)成分および(C)成分を含む無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(例えば、東レ・ダウコーニング社製の商品名「BY24−4522」など)と、前記(D)成分(例えば、東レ・ダウコーニング社製の商品名「SRX212」など)とを所定量配合することで、剥離剤組成物(α)を調製することができる。
前記重剥離層は、剥離剤組成物(α)を基材上に塗工し、得られた塗膜を必要に応じて乾燥し、次いで硬化させることで得ることができる。
剥離剤組成物(α)を基材上に塗工する方法としては、グラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の公知の方法が挙げられる。
剥離剤組成物(α)の塗工量は、その硬化物が、0.30〜2.00g/mとなる量が好ましく、0.50〜1.50g/mとなる量がより好ましい。
塗工量が上記範囲を下回ると、十分な剥離性能を有する剥離層が得られないおそれがある。また、塗工量が上記範囲を上回ると、剥離層の剥離力が小さくなり過ぎるため、重剥離層としては適さないおそれがある。
得られた塗膜を乾燥する方法としては、加熱オーブン、通風オーブン等の加熱装置を用いて、硬化温度以下の温度に加熱する方法が挙げられる。
得られた塗膜を硬化させる方法としては、加熱オーブン、通風オーブン等の装置を用いて、硬化温度以上の温度に加熱する加熱する方法が挙げられる。
本発明の両面剥離シートを構成する重剥離層は、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が48〜58、好ましくは50〜56の範囲内のものである。
硬度が48を下回ると、重剥離層の剥離力が小さくなり、軽剥離層の剥離力に近くなる。このため、両面剥離シート付き樹脂膜を、樹脂膜と両面剥離シートの軽剥離層が密着するように重ねて保管すると、樹脂膜が両面剥離シートの軽剥離層に転着し易くなる。
また、硬度が58を上回ると、重剥離層の剥離力が大きくなり過ぎる。このため、両面剥離シート付き樹脂膜を被着体に貼着した後、樹脂膜から両面剥離シートをきれいに剥がすことが困難になり、ジッピング(パルス剥離)が発生し、樹脂膜の表面に剥離痕(凹凸欠陥)ができるおそれがある。また、基材の強度によっては、両面剥離シートが破断するおそれもある。
本発明の両面剥離シートを構成する軽剥離層は、軽剥離層形成用の剥離剤組成物(以下、「剥離剤組成物(β)」ということがある。)を用いて得られた硬化物からなる、重剥離層よりも剥離力が小さい層である。
前記のように、本発明の両面剥離シートは軽剥離層を有するため、本発明の両面剥離シートを用いて得られた両面剥離シート付き樹脂膜を、樹脂膜と両面剥離シートの軽剥離層が密着するように重ねて保管した場合であっても、樹脂膜の転着が抑制される。また、両面剥離シートを引き出すときのブロッキングの発生が抑制される。
剥離剤組成物(β)としては、剥離力が小さい硬化物(剥離層)が得られるように調製された公知の剥離剤組成物を用いることができる。
例えば、前記剥離剤組成物(α)の必須成分である(B)成分等の重剥離調整剤を含有しない剥離剤組成物を用いることで、剥離力が小さい剥離層を得ることができる。また、市販の軽剥離添加剤やシリコーンオイルを含有する剥離剤組成物を用いることによっても、剥離力が小さい剥離層を得ることができる。
なかでも、重剥離層よりも剥離力を小さくするための調整が容易であることから、剥離剤組成物(β)としては、前記(A)成分、(C)成分および(D)成分を含有し、かつ、(B)成分を含有しない剥離剤組成物が好ましい。
剥離剤組成物(β)は、溶剤含有型でも無溶剤型でもよいが、環境影響の観点から無溶剤型が好ましい。
剥離剤組成物(β)としては、市販のポリオルガノシロキサン組成物を単独又は組み合わせて用いることもできる。
例えば、前記(A)成分および(C)成分を含む無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(例えば、東レ・ダウコーニング社製の商品名「LTC1057L」など)と、前記(D)成分(例えば、東レ・ダウコーニング社製の商品名「SRX212」など)とを所定量配合することで、剥離剤組成物(β)を調製することができる。
剥離剤組成物(β)の塗工方法及び硬化方法としては、先に重剥離層の説明のなかで挙げた方法を利用することができる。
剥離剤組成物(β)の塗工量は、その硬化物が、0.30〜2.00g/mとなる量が好ましく、0.50〜1.50g/mとなる量がより好ましい。
塗工量が上記範囲を下回ると、十分な剥離性能を有する剥離層が得られないおそれがある。
本発明の両面剥離シートにおいては、重剥離層の剥離力と軽剥離層の剥離力の差が十分に大きいことが好ましい。重剥離層と軽剥離層の剥離力の差が十分に大きいことで、本発明の両面剥離シートを用いて得られた両面剥離シート付き樹脂膜を、樹脂膜と両面剥離シートの軽剥離層が密着するように重ねて保管した場合であっても、樹脂膜の転着が抑制される。
具体的には、重剥離層と軽剥離層のそれぞれについて、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60の範囲内にある樹脂膜との間の剥離力を測定したときに、重剥離層の剥離力(X)と、軽剥離層の剥離力(Y)の比(X/Y)が、3以上であることが好ましい。また、この比の上限値については特に制限はないが、20以下であることが好ましく、6以下であることが特に好ましい。
なお、重剥離層と軽剥離層の剥離力の測定方法については、剥離層の剥離力の大小関係を決定する方法として先に説明したものを利用することができる。
(その他の層)
本発明の両面剥離シートは、基材と重剥離層又は基材と軽剥離層の間に、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、基材に対して前記の目止め処理やプライマー処理を行ったときに形成される目止め層(バリア層)やプライマー層が挙げられる。
また、本発明の両面剥離シートは、前記その他の層として、帯電防止層を有していてもよい。
(両面剥離シート)
本発明の両面剥離シートとしては、例えば、図1に示す、基材1の一方の面に重剥離層2を有し、基材1のもう一方の面に軽剥離層3を有する両面剥離シート10が挙げられる。
本発明の両面剥離シートの形態は特に制限されず、長尺状のものであってもよく、短冊状のものであってもよい。いずれの形状の両面剥離シートであっても、重ねて保管した後のブロッキングの発生や樹脂膜の転着が少ない両面剥離シート付き樹脂膜を製造することができる。なかでも、長尺状の両面剥離シートの場合は、両面剥離シート付き樹脂膜をロール状に巻き取って保管することができるため好ましい。
本発明の両面剥離シートは、樹脂膜製造用の工程シートとして用いることができる。すなわち、本発明の両面剥離シートを用いることで、まず、両面剥離シート付き樹脂膜を製造することができる。そして、所定の工程において、この両面剥離シート付き樹脂膜の両面剥離シートを樹脂膜から剥がすことで、目的の樹脂膜のみを得ることができる。
前記両面剥離シート付き樹脂膜としては、例えば、図2に示す、両面剥離シート10の重剥離層側に樹脂膜4を有する両面剥離シート付き樹脂膜20が挙げられる。
両面剥離シート付き樹脂膜は、通常、本発明の両面剥離シートの重剥離層表面に樹脂膜形成用組成物を塗工し、得られた塗膜を乾燥させて樹脂膜を形成することで得ることができる。
樹脂膜形成用組成物の塗工方法、及び塗膜の乾燥方法は特に制限されず、従来公知の方法を利用することができる。
得られた両面剥離シート付き樹脂膜は、図3に示すように、樹脂膜4bと両面剥離シートの軽剥離層3aが密着するように、両面剥離シート付き樹脂膜10a上に両面剥離シート付き樹脂膜10bを重ねて保管する場合であっても、ブロッキングの発生や樹脂膜の転着が少なく、保管後に被着体に貼着する際の作業性に優れる。
本発明の両面剥離シートは、保管後に被着体に貼着する際の作業性の向上効果が特に発揮されることから、タックを有するフィルム状接着剤を製造する際に特に好適に用いられる。
かかるフィルム状接着剤としては特に限定されないが、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が40〜60の範囲内のものが好ましい。硬度がこの範囲内であることで、適度なタック性を有するフィルム状接着剤を効率よく得ることができる。
本発明の両面剥離シートを用いてフィルム状接着剤を製造する場合、フィルム状接着剤の組成は特に制限されない。例えば、本発明の両面剥離シートを用いることで、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビスマレイミドトリアジン系樹脂、ウレタン系樹脂等を主成分とする従来公知のフィルム状接着剤を製造することができる。
なかでも、フィルム状接着剤を半導体チップとリードフレーム又は回路基板を接着するダイボンディング材料として用いる場合は、電気絶縁性、耐熱性、機械特性、接着性、作業性、信頼性等の観点から、エポキシ樹脂を含有するものが好ましい。エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、ジシクロペンタジエン型、ビフェニル型、フルオレンビスフェノールA型、トリアジン型、ナフトール型、ナフタレンジオール型、トリフェニルメタン型、テトラフェニル型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、トリメチロールメタン型等の骨格を有するエポキシ樹脂を用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
(製造例1)剥離剤組成物Aの調製
(A)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「LTC1057L」)100質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合して、剥離剤組成物Aを得た。
(製造例2)剥離剤組成物Bの調製
(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SP7031」)35質量部と、(A)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「BY24−4522」)65質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合して、剥離剤組成物Bを得た。
なお、後述する方法により測定した、剥離剤組成物Bの硬化物の硬度は、50であった。
(製造例3)剥離剤組成物Cの調製
(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SP7031」)40質量部と、(A)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「BY24−4522」)60質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合して、剥離剤組成物Cを得た。
なお、後述する方法により測定した、剥離剤組成物Cの硬化物の硬度は、53であった。
(製造例4)剥離剤組成物Dの調製
(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SP7031」)50質量部と、(A)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「BY24−4522」)50質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合して、剥離剤組成物Dを得た。
なお、後述する方法により測定した、剥離剤組成物Dの硬化物の硬度は、56であった。
(製造例5)剥離剤組成物Eの調製
(A)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「BY24−4522」)100質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合し、剥離剤組成物Eを得た。
なお、後述する方法により測定した、剥離剤組成物Eの硬化物の硬度は、0であった。
(製造例6)剥離剤組成物Fの調製
(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SP7031」)30質量部と、(A)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「BY24−4522」)70質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合して、剥離剤組成物Fを得た。
なお、後述する方法により測定した、剥離剤組成物Fの硬化物の硬度は、44であった。
(製造例7)剥離剤組成物Gの調製
(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SP7031」)60質量部と、(A)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「BY24−4522」)40質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合して、剥離剤組成物Gを得た。
なお、後述する方法により測定した、剥離剤組成物Gの硬化物の硬度は、60であった。
(製造例8)剥離剤組成物Hの調製
(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する無溶剤型ポリオルガノシロキサン組成物(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SP7031」)100質量部と、(D)成分(白金族金属系触媒)(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SRX212」)2質量部とを混合して、剥離剤組成物Hを得た。
なお、後述する方法により測定した、剥離剤組成物Hの硬化物の硬度は、75であった。
(製造例9)接着剤Aの調製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「JER1001」)67.5質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「JER828」)22.5質量部、硬化剤としてジシアンジアミド(三菱化学社製、商品名「DICY7」)5質量部、及び硬化促進剤としてジクロロジメチルウレア(保土谷化学社製、商品名「DCMU99」)5質量部を70℃条件下で混合して、接着剤Aを得た。
なお、後述する方法により測定した、接着剤Aを用いて得られた樹脂膜Aの硬度は、57であった。
(製造例10)接着剤Bの調製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「JER1001」)55質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「JER828」)35質量部、硬化剤としてジシアンジアミド(三菱化学社製、商品名「DICY7」)5質量部、及び硬化促進剤としてジクロロジメチルウレア(保土谷化学社製、商品名「DCMU99」)5質量部を70℃条件下で混合して、接着剤Bを得た。
なお、後述する方法により測定した、接着剤Bを用いて得られた樹脂膜Bの硬度は、50であった。
(製造例11)接着剤Cの調製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「JER1001」)50質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名「JER828」)40質量部、硬化剤としてジシアンジアミド(三菱化学社製、商品名「DICY7」)5質量部、及び硬化促進剤としてジクロロジメチルウレア(保土谷化学社製、商品名「DCMU99」)5質量部を70℃条件下で混合して、接着剤Cを得た。
なお、後述する方法により測定した、接着剤Cを用いて得られた樹脂膜Cの硬度は、42であった。
[剥離剤組成物B〜Hの硬化物の硬度]
製造例2〜8で得た剥離剤組成物B〜Hをそれぞれ脱泡処理後、試料形状が、縦:100mm、横:100mm、厚さ:10mmとなるように容器に流し込み、23℃、相対湿度50%条件下で7日間放置し、次いで、150℃で2時間加熱して硬化させて、測定試料を作製した。得られた測定試料の硬度を、ゴム硬度計(テクロック社製タイプEデュロメータ、型式:GS−721G)を用いて、23℃、相対湿度50%条件下で測定した。
なお、ゴム硬度計の測定子は、形状が半球形(半径2.50mm、高さ2.50mm)のものを用いた。
上記測定においては、水平に置いた測定試料の平面に対して、両手で保持したデュロメータの加圧面(押針面)を真上から一定速度で垂直に押し付け、密着後3秒以内に表示された最大値を読み取った。
また、測定は、1つの測定試料に対して10回行い、その最大値と最小値を除いた8回の平均値を各硬化物の硬度とした。このとき、各測定は、測定試料の端から12mm以上離れた内側で、それぞれ6mm以上の間隔をあけて行った。
[樹脂膜A〜Cの硬度]
製造例9〜11で得た接着剤A〜Cを、試料形状が、縦:100mm、横:100mm、厚さ:10mmとなるように容器に溶融して流し込み、23℃、相対湿度50%条件下で2時間放置して、測定試料を作製した。得られた測定試料の硬度を、ゴム硬度計(テクロック社製タイプEデュロメータ、型式:GS−721G)を用いて、23℃、相対湿度50%条件下で測定した。
なお、ゴム硬度計の測定子は、形状が半球形(半径2.50mm、高さ2.50mm)のものを用いた。
上記測定においては、水平に置いた測定試料の平面に対して、両手で保持したデュロメータの加圧面(押針面)を真上から一定速度で垂直に押し付け、密着後3秒以内に表示された最大値を読み取った。
また、測定は、1つの測定試料に対して10回行い、その最大値と最小値を除いた8回の平均値を各樹脂膜の硬度とした。このとき、各測定は、測定試料の端から12mm以上離れた内側で、それぞれ6mm以上の間隔をあけて行った。
(実施例1)
厚み120μmの両面クレーコート紙を基材として使用し、その一方の面上に、製造例1で得た剥離剤組成物Aを、硬化後に1g/mとなるように均一に塗布した後、150℃で30秒間加熱処理して硬化させて、軽剥離層を形成した。次いで、両面クレーコート紙のもう一方の面上に、製造例2で得た剥離剤組成物Bを、硬化後に1g/mとなるように均一に塗布した後、150℃で30秒間加熱処理して硬化させて、重剥離層を形成した。次いで、得られた積層体を、70℃で1日エージングして、両面剥離シート1を得た。
(実施例2)
剥離剤組成物Bに代えて、製造例3で得た剥離剤組成物Cを用いて重剥離層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして両面剥離シート2を得た。
(実施例3)
剥離剤組成物Bに代えて、製造例4で得た剥離剤組成物Dを用いて重剥離層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして両面剥離シート3を得た。
(比較例1)
剥離剤組成物Bに代えて、製造例5で得た剥離剤組成物Eを用いて重剥離層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして両面剥離シート4を得た。
(比較例2)
剥離剤組成物Bに代えて、製造例6で得た剥離剤組成物Fを用いて重剥離層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして両面剥離シート5を得た。
(比較例3)
剥離剤組成物Bに代えて、製造例7で得た剥離剤組成物Gを用いて重剥離層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして両面剥離シート6を得た。
(比較例4)
剥離剤組成物Bに代えて、製造例8で得た剥離剤組成物Hを用いて重剥離層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして両面剥離シート7を得た。
[重剥離層と樹脂膜との間の剥離力(剥離力(X))]
実施例1〜3および比較例1〜4で得た両面剥離シート1〜7の重剥離層上に接着剤A〜Cを、それぞれ、塗工量が50±5g/mになるようにホットメルト塗工機にて塗工し、次いで、厚み120μmのクレーコート紙を接着剤に接するように熱ラミネートし、積層体(クレーコート紙/樹脂膜(接着剤層)/両面剥離シート)を得た。次いで、得られた積層体を23℃、相対湿度50%の条件下で24時間保管後、幅25mm、長さ15cmに裁断して測定試料を得た。
次いで、万能引張試験機(オリエンテック社製、装置名「TENSILON UTM−4−100」)を用いて、180°ピール法にて、重剥離層と樹脂膜との間の剥離力を測定した。
この測定は、測定試料のクレーコート紙側をステンレス板に両面テープで固定し、23℃、相対湿度50%の条件下で、両面剥離シートを剥離速度1m/分で剥離して行った。
[軽剥離層と樹脂膜との間の剥離力(剥離力(Y))]
実施例1〜3および比較例1〜4で得た両面剥離シート1〜7の軽剥離層上に接着剤A〜Cを、それぞれ、塗工量が50±5g/mになるようにホットメルト塗工機にて塗工し、次いで、厚み120μmのクレーコート紙を接着剤に接するように熱ラミネートし、積層体(クレーコート紙/樹脂膜(接着剤層)/両面剥離シート)を得た。次いで、得られた積層体を23℃、相対湿度50%の条件下で24時間保管後、幅25mm、長さ15cmに裁断して測定試料を得た。
次いで、万能引張試験機(オリエンテック社製、装置名「TENSILON UTM−4−100」)を用いて、180°ピール法にて、軽剥離層と樹脂膜との間の剥離力を測定した。
この測定は、測定試料のクレーコート紙側をステンレス板に両面テープで固定し、23℃、相対湿度50%の条件下で、両面剥離シートを剥離速度1m/分で剥離して行った。
[繰り出し性評価]
実施例1〜3および比較例1〜4で得た両面剥離シート1〜7の重剥離層上に接着剤A〜Cを、それぞれ、塗工量が50±5g/mになるようにホットメルト塗工機にて塗工し、得られた積層体〔樹脂膜(接着剤層)/両面剥離シート〕を紙製のコア材に巻き取り、ロール体を得た。次いで、得られたロール体を23℃、相対湿度50%の条件下で24時間保管後、ロール体から積層体を10m/分の速度で繰り出したときの繰り出し性を、下記の評価基準で評価した。
○:ブロッキングや樹脂膜の転着がなく使用可能。
△:ブロッキングや樹脂膜の転着が部分的に発生しており使用不可。
×:ブロッキングや樹脂膜の転着が顕著で使用不可。
Figure 2014040040
第1表から以下のことがわかる。
実施例1〜3の両面剥離シート1〜3は、いずれの樹脂膜(接着剤層)に対しても、重剥離層側の剥離力と軽剥離層側の剥離力の差が大きい。また、重剥離層側で剥離する際に、ジッピングや破断が生じていない。また、繰り出し性評価も良好であった。したがって、実施例1〜3の両面剥離シートを用いて得られる両面剥離シート付き樹脂膜は、保管された樹脂膜を使用する際の作業性に優れるものである。
一方、比較例1、2の両面剥離シート4、5は、重剥離層を構成する硬化物の硬度が小さいものである。両面剥離シート4、5は、いずれの樹脂膜(接着剤層)に対しても、重剥離層側の剥離力と軽剥離層側の剥離力の差が小さい。したがって、比較例1、2の両面剥離シート4、5を用いて得られる両面剥離シート付き樹脂膜は、重剥離層から樹脂膜が剥がれ易く、また、樹脂膜の転着が起きやすいものである。
また、比較例3、4の両面剥離シート6、7は、重剥離層を構成する硬化物の硬度が大きすぎるため、重剥離層側で剥離するときに、ジッピングや破断が生じている。
1、1a、1b:基材
2、2a、2b:重剥離層
3、3a、3b:軽剥離層
4、4a、4b:樹脂膜
10:両面剥離シート
20、20a、20b:両面剥離シート付き樹脂膜
30:両面剥離シート付き樹脂膜の積層体

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の両表面に、剥離力が異なる2つの剥離層を有する両面剥離シートであって、
    前記2つの剥離層のそれぞれについて、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60の範囲内にある樹脂膜との間の剥離力を測定したときに、剥離力が相対的に大きい方の剥離層が、(A)オルガノポリシロキサン(次の(B)成分を除く。)と、(B)SiO4/2単位および(CHSiO1/2単位を有するシリコーンレジンとを含有する剥離剤組成物の硬化物からなり、かつ、前記硬化物の、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、48〜58であることを特徴とする両面剥離シート。
  2. 前記剥離力が相対的に大きい方の剥離層の剥離力(X)と、剥離力が相対的に小さい方の剥離層の剥離力(Y)の比(X/Y)が、3以上である請求項1に記載の両面剥離シート。
  3. 請求項1又は2に記載の両面剥離シートを、樹脂膜製造用の工程シートとして用いる両面剥離シートの使用方法。
  4. 前記樹脂膜の、JIS K6253に準拠した、タイプEデュロメータ硬さ試験にて測定した硬度が、40〜60である請求項3に記載の使用方法。
  5. 前記樹脂膜がフィルム状接着剤である、請求項3または4に記載の使用方法。
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