JP2010235664A - 両面離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間に渡って安定した剥離力を有し、粘着剤やセラミックコンデンサー等の電子部品の製造において使用される保護フィルムや離型フィルムとして好適なポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの両面にシリコーン樹脂塗膜を有するフィルムであって、当該シリコーン樹脂塗膜表面の粗さ(Ra)が0.020〜0.080μmであり、残留接着率が80%以上であり、フィルムの厚さ斑が1.0%以下であることを特徴とする両面離型フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は離型用ポリエステルフィルムに関するものであり、詳しくは、粘着剤やセラミックコンデンサー等の電子部品の製造において使用される保護フィルムや離型フィルム等に用いられるポリエステルフィルムであって、長期に安定して使用可能なポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れ、コストパフォーマンスにも優れるため、各種の用途において離型用フィルムとして使用されている。
粘着剤製造に使用される場合、背面へのブロッキング等のトラブルを避けるために、通常は、基材フィルムおよびカバーフィルムの二種類の片面離型フィルムが使用される。セラミックシート製造においても、グリーンシートが未硬化状態でロール状に巻き上げられる場合、背面へのグリーンシートの転写などを防止するため、基材フィルムおよびカバーフィルムとして二種類の片面離型フィルムを使用することがある。コスト削減または装置の仕様の制限などのため、ポリエステルフィルムの両面にシリコーン系樹脂の皮膜を形成した両面タイプの離型フィルムが使用される場合がある。フィルムの厚みが通常25μmから75μmのものが使用されることが多いが、装置仕様やグリーンシートの厚さ等により、100μm以上のフィルムが使用されることがある。100μm以上のフィルムの場合、コシが強く、ベースフィルムの厚さ斑が大きい場合、フィルムの厚い部分に応力が集中しやすい。そのため、シリコーン系樹脂の種類によっては、長期保管中に両面のシリコーン系樹脂が固着する問題が発生することがある。また、輸送中、厚さ斑の厚い部分の摩擦により、離型層が損傷したり、脱落により剥離力が重くなったりするなどの問題が発生する場合もある。両面離型フィルムは、滑りやすいため、厚みの厚い場合は、厚さ斑が悪いと巻きずれを発生したりする。さらに、フィルムの厚さ振れは次工程の粘着層やグリーンシートの塗布の厚さ振れの要因になる場合もある。
上述のように、単なる両面離型フィルムでは、その特性に起因する種々の不具合が発生し、その改善が望まれている。両面粘着性シートは、上記用途に限らず、各種の工業用途に利用されるが、これらに両面離型フィルムを使用する場合は、同様の問題が発生し、その特性を改善する必要がある。
特開2001−348542号公報 特開平9−141811号公報 特開平9−156018号公報 特開平9−262937号公報 特開平11−302606号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、以下の(1)〜(4)のトラブル発生を改善した、長期に安定的に使用されうる両面離型フィルムを提供することを解決課題とするものである。
(1)両面離型フィルムの製造時の、離型層の厚さ振れ、巻きずれ
(2)両面離型のシリコーン塗布層のブッロキング、転移現象
(3)離型層の損傷または脱落による両面離型の剥離不良トラブル
(4)次工程の粘着層およびグリーンシートの厚さ振れ
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムによれば、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、単層構造のポリエステルフィルムの両面にシリコーン樹脂塗膜を有するフィルムであって、当該シリコーン樹脂塗膜表面の粗さ(Ra)が0.020〜0.080μmであり、残留接着率が80%以上であり、フィルムの厚さ斑が1.0%以下であることを特徴とする両面離型フィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムに使用する原料ポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。
ホモポリエステルを用いる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
一方、共重合ポリエステルを用いる場合は、30モル%以下の第三成分を含有する共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
いずれにしても本発明でいうポリエステルとは、通常70モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明におけるポリエステルフィルム中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらにポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
使用する粒子の平均粒径は、0.1〜5μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μmの範囲である。平均粒径が0.1μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分となる傾向があり、一方、5μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を設ける場合等に不具合を生じることがある。
さらにポリエステル中の粒子含有量は、0.01〜8重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.01重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分になる場合があり、一方、8重量%を超えて添加する場合には、粒子の粒径が大きすぎる場合と同様に、離型層を設ける工程で不具合が生じることがあるため好ましくない。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において粒子を添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではない。フィルムの厚みが厚い場合、製膜の生産速度が遅いため、インライン厚み計の厚さ調整のフィードバックに時間を要するため、原反の厚さ斑の品質への影響は大きくなる傾向にある。本発明は、フィルムの厚い場合に適用される。通常75〜250μm、好ましくは100〜188μmの範囲である。
次に、本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
次に得られた未延伸シートを二軸方向に延伸する。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常130〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。それは以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。上述の塗布延伸法にてポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明の離型フィルムの表面粗度は、0.020〜0.080μmの範囲であり、好ましくは0.020〜0.050μmの範囲である。表面粗度が0.020μm未満では、離型面同士の接触面積が大きくなるため、固着しやすい。表面粗度が0.080μm以上の場合、表面粗度が大きすぎて、離型層を設ける際に不具合を生じることがある。
本発明の離型フィルムの厚さ斑は、1.0%以下、好ましくは0.8%以下である。厚さ斑が1.0%を超える場合、応力が厚い部分に集中し、固着しやすくなる。厚さ斑は小さければ小さい方が好ましいが、肉厚調整に多大の労力と時間を要し、生産効率が低下することになる。
本発明の離型フィルムの残留接着率は80%以上であり、好ましくは85%以上である。残留接着率が80%未満の場合、離型フィルムの反対側の離型面への移行、離型面と接する相手方グリーンシート表面へのシリコーン移行が多くなる。
次に本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
粒子練り込み法は、ポリエステルフィルムを製造する過程において、原料配合時に、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン等の無機微粒子を添加するか、または、ポリエステル中に触媒残査の析出微粒子を残存させてフィルム表面を粗面化する方法である。
エンボス法は、目的の凹凸形状を有するエンボスロールとバックアップロールからなる装置を使用し、所定の温度にてエンボス加工を行ってフィルム表面を粗面化する方法である。
粒子塗布法は粒子と結合剤と溶剤とから調製された適当粘度の塗布液をフィルム表面に塗布して粗面化された表面をフィルムに形成する方法である。粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機微粒子、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの有機粒子が挙げられる。結合剤としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ラジカル重合性二重結合を含有する化合物などが挙げられる。塗布装置としては、グラビアコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター等が挙げられる。なお、塗布液中には、必要に応じ、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、粒子分散安定化樹脂などを添加することができる。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定されるものではない。そのような材料の中でも、硬化型シリコーン樹脂を用いることにより、離型性が特に良好となるので好ましい。
硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
硬化型シリコーン樹脂の具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−772,KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、FSXK−2560、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。
さらに離型層の剥離性等を調整するために、剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明の離型フィルムを構成する離型層の塗布量(Si)は、0.01〜5g/m、さらには0.01〜2g/m2、特に0.01〜1g/m2の範囲が好ましい。離型層の塗布量が0.01g/m2未満の場合、塗工面の安定性に欠ける傾向があり、均一な塗膜を得るのが困難な場合がある。一方、塗工量が5g/m2を超える場合、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
以上詳述したように、本発明の両面離型フィルムは、実用性を備えるものであり、その
工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における各種特性の評価方法は以下のとおりである。
(1)算術平均粗さ(Ra)
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として、粗さ曲線y=f(x)で表したとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表す。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫0 L|f(x)|dx
(2)剥離力
試料フィルムのシリコーン面に日東電工(株)製「No.502」両面粘着テープの強粘着面を貼り付けて、50mm×300mmにカットした後、20〜25℃/50〜60%RHの雰囲気下に1時間放置後、当該雰囲気下において引張試験機を用いて、引張速度300mm/分で180度方向の剥離力を測定する。平均剥離力を剥離力(mN/cm)とする。
(3)離型フィルムの長手方向および幅方向のフィルム厚さ斑測定
30mm幅×3m長に切り出した離型フィルムを試料とし、安立電気社製連続フィルム厚さ測定器( 電子マイクロメーター使用) により測定し、下記式によりフィルム厚さ斑を出した。増加または減少する一連の区域内での最大の山(Tp)と最大の谷(Tv)とする
厚さ斑(%)=[(Tp−Tv)/平均厚さ]×100
(4)残留接着力の測定方法
・残留接着力
試料フィルムのシリコーン面に日東電工(製)No.31B粘着テープを2kgゴムローラーにて1往復圧着し、100℃で1時間加熱処理する。次いで、圧着したサンプルから試料フィルムを剥がし、No.31B粘着テープをJIS−C−2107(ステンレス板に対する粘着力、180°引き剥がし法)の方法に準じて接着力を測定し、これを残留接着力とした。
・基礎接着力
残留接着力の場合と同じテープ(No.31B)を用いてJIS−C−2107に準じてステンレス板に粘着テープを圧着して、同様の要領にて測定を行い、この時の値を基礎接着力とした。これらの測定値を用いて、下記式に基づいて残留接着率を求めた。
残留接着率(%)=(残留接着力/基礎接着力)×100
なお、測定は20±2℃、65±5%RHにて行った。
(5)加工適性
両面離型性フィルムの生産時および粘着加工時において、下記基準でチェックを行う。
〇:トラブルなし
×:両面離型フィルム巻き取りロールにおいてシリコーン塗布層のブッロキング現象あるいは剥離トラブルが発生するか、または、粘着加工後の巻き取り粘着加工ロールからフィルムを巻出す際に離型フィルムからの粘着層の浮き、粘着層の背面側転着が発生する
(6)離型層の塗布量(Si)の測定
蛍光X線測定装置((株)島津製作所製 型式「XRF−1500」)を用いてFP(Fundamental Parameter Method)法により、下記測定条件下、離型フィルムの離型層が設けられた面および離型層がない面の珪素元素量を測定し、その差をもって、離型層中の珪素元素量とした。次に得られた珪素元素量を用いて、−SiO(CH 32 のユニットとしての塗布量(Si)(g/m2)を算出した。
《測定条件》
分光結晶:PET(ペンタエリスリトール)
2θ:108.88°
管電流:95mA
管電圧:40kv
なお、離型層に珪素元素が存在しない場合は、断面観察等の手法により、塗布量を測定する。
実施例および比較例で用いた原料ポリエステルの製造方法は以下のとおりである。
〈ポリエステルフィルムの製造〉
実施例1(ポリエチレンテレフタレートF1)
ポリエチレンテレフタレート(平均粒径約3.4μmのシリカ粒子を0.018重量%添加)のペレットを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られたシートを85℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き、100℃で3.7倍横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、厚さ100μmのPETフィルムF1を得た。表面粗さRaは22nmであった。巾方向の厚さ斑は0.5%であった。
実施例2(ポリエチレンテレフタレートF2)
製造例1において、平均粒径3.4μmの二酸化珪素粒子を0.018重量%添加する代わりに0.024重量%添加する以外は製造例1と同様にして製造し、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートF2のフィルムを得た。表面粗さRaは25nmであった。巾方向の厚さ斑は0.6%であった。
実施例3(ポリエチレンテレフタレートF3)
製造例1において、平均粒径3.5μmの二酸化珪素粒子を0.018重量%添加する代わりに0.036重量%添加する以外は製造例1と同様にして製造し、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートF2のフィルムを得た。表面粗さRaは28nmであった。巾方向の厚さ斑は0.6%であった。
比較例1(ポリエチレンテレフタレートF4)
製造例1において、肉厚調整が不十分なまま、製造した。表面粗さRaは22nmであった。巾方向の厚さ斑は1.2%であった。
比較例2(ポリエチレンテレフタレートF5)
製造例1において、平均粒径3.5μmの二酸化珪素粒子を0.018重量%添加する代わりに0.012重量%添加する以外は製造例1と同様にして製造し、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートのフィルムF3を得た。表面粗さRaは16nmであった。巾方向の厚さ斑は0.5%であった。
比較例3(ポリエチレンテレフタレートF6)
比較例2において、肉厚調整が不十分なまま、製造した。表面粗さRaは16nmであった。巾方向の厚さ斑は1.0%であった。
(離型層の塗布)
上記で得られたポリエステルフィルムF1〜F6に下記離型層を施した。
(離型層1)
下記離型剤組成1からなる離型層を塗布量が0.1g/m 2 (乾燥後)になるように設け、さらにもう一方の面に下記離型剤組成2からなる離型層を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設け、離型フィルムを得た。
《離型剤組成1》
・硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:KS−779H) 100部
・触媒(信越化学製:PL−8) 5部
・トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1) 2000部
(離型層2)
下記離型剤組成からなる離型層を上記の離型層1の反対側に塗布量が0.1g/m 2 (乾燥後)になるように設け、両面離型フィルムを得た。
《離型剤組成2》
・硬化型シリコーン樹脂(東レダウ製:DK Q3 3061) 100部
・触媒(東レダウ製:SRX67 1部
・トルエン/MEK混合溶媒(配合比率は1:1) 2000部
(離型層3)
下記離型剤組成からなる離型層を上記の離型層1の反対側に塗布量が0.1g/m2(乾燥後)になるように設け、両面離型フィルムを得た。
《離型剤組成3》
・硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:KS−847H) 100部
・触媒(信越化学製:PL−50T) 1部
・トルエン/MEK混合溶媒(配合比率は1:1) 1500部
上記実施例および比較例で得られた各フィルムの特性を下記 表1に示す。
Figure 2010235664
本発明のフィルムは、例えば、グリーンシートや粘着シートを作成するための離型フィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 単層構造のポリエステルフィルムの両面にシリコーン樹脂塗膜を有するフィルムであって、当該シリコーン樹脂塗膜表面の粗さ(Ra)が0.020〜0.080μmであり、残留接着率が80%以上であり、フィルムの厚さ斑が1.0%以下であることを特徴とする両面離型フィルム。
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