JP2000109582A - シリコーン易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

シリコーン易接着性ポリエステルフィルム

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JP2000109582A
JP2000109582A JP10285073A JP28507398A JP2000109582A JP 2000109582 A JP2000109582 A JP 2000109582A JP 10285073 A JP10285073 A JP 10285073A JP 28507398 A JP28507398 A JP 28507398A JP 2000109582 A JP2000109582 A JP 2000109582A
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polyester film
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alkoxysilane
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Shinji Yano
真司 矢野
Masayuki Fukuda
雅之 福田
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、離形性に優れ、かつシリコーン易
接着性に優れ、帯電防止性を有する易接着性ポリエステ
ルフィルムを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、結晶配向が完了する前のポリ
エステルフィルムの少なくとも片面に、エポキシ基を有
するアルコキシシラン(A)、アミノ基を有するアルコ
キシシラン(B)および高分子型帯電防止剤(C)を含
む塗液を塗布し、乾燥、延伸および熱処理して得られる
架橋プライマー層を設けたシリコーン易接着性ポリエス
テルフィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコーン易接着性
ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは、離形性に
優れ、かつシリコーン易接着性に優れ、帯電防止性を有
した易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】離形フィルムは、粘着剤、接着剤、貼薬
剤等の粘着面保護フィルムとして、或いはウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等硬化性樹
脂のシート、或いは熱可塑性樹脂のシートを成形する為
のキャリヤ−シートとして用いられ、その量を拡大しつ
つある。
【0003】かかる離形フィルムとしては、従来から、
ポリエステルフィルムの少なくとも片面にビニルシロキ
サン基を有するシリコーン化合物の付加重合硬化物、ア
ルキルオキシシランもしくはオキシシラン化合物の縮重
合硬化物等よりなる被膜を設けたものが用いられてい
る。この硬化物は非粘着で離形効果に優れるという利点
を有するが、一方ベースフィルムであるポリエステル系
フィルムとの密着性が不足し、被膜の耐久性が低い問題
を有する。
【0004】そこで、かかるシリコーン層とポリエステ
ル系フィルムの密着性を改善する方法として、シランカ
ップリング剤の架橋プライマー層を設ける方法(特開平
1−5838号公報)が提案されている。しかし、この
方法はシランカップリング剤の反応性が低く、生産性が
低いという問題を有する。この反応性を向上させる為
に、溶剤系では白金系触媒等の添加が行われているが、
この触媒は水に難溶であったり、溶解しても触媒活性を
失う欠点が有り、水系塗液では不適である。
【0005】また、シランカップリング剤の架橋プライ
マー層は非常に帯電しやすく、生産工程でのハンドリン
グが難しく、更にはシリコーン層塗布後のフィルムも帯
電しやすくなり、剥離性が不良になることがある。
【0006】また、ポリエステル系フィルムとシリコー
ン層との密着性を向上するため、シリコーン変性ウレタ
ンあるいはアクリル樹脂を離形層として用いる方法もあ
るが、この方法では離形層の離形性が劣るという本質的
な欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題を解消し、シリコーンに対し優れた接着性を有す
るシリコーン易接着性フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、結晶配向が完
了する前のポリエステルフィルムの少なくとも片面に、
エポキシ基を有するアルコキシシラン(A)、アミノ基
を有するアルコキシシラン(B)および高分子型帯電防
止剤(C)を含む塗液を塗布し、乾燥、延伸および熱処
理して得られる架橋プライマー層を設けたシリコーン易
接着性ポリエステルフィルムである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、芳
香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオー
ルまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線
状飽和ポリエステルである。
【0010】かかるポリエステルの具体例として、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が例示で
き、これらの共重合体またはこれらと少割合の他樹脂と
の混合物なども含まれる。
【0011】これらの中、ポリエチレンテレフタレー
ト、より高強度化、耐熱化を求めるならポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましく挙げ
られる。
【0012】本発明に用いられるポリエステルには、粒
径0.1〜5μmの二酸化珪素、炭酸カルシウム、カオ
リン、シリコーン粒子などの無機または有機滑剤を0.
03〜3.0重量%、さらに0.1〜1.0重量%含む
ことが好ましい。
【0013】また、本発明に用いられるポリエステルに
は、本来の性能を損なわない程度に必要に応じて、安定
剤、着色剤、酸化防止剤、その他の添加剤を含有させる
ことができる。
【0014】本発明におけるポリエステルフィルムは、
公知の方法で製造することができる。例えば、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムの場合、ポリエチレンテレ
フタレートをフィルム状に溶融押出し、キャスティング
ドラムに巻き付けて冷却固化し未延伸フィルムとする。
その未延伸フィルムを80〜150℃に加熱をして長手
方向に1回もしくは2回以上延伸し、合計の倍率が3倍
〜7倍になるようにする。その後90〜150℃で幅方
向が3〜5倍になるように延伸し、次に200〜250
℃にて0.1〜10秒間熱処理を行い、熱処理温度より
10〜20℃低い温度で幅方向に2〜20%収縮させな
がら再熱処理を行う。
【0015】本発明におけるポリエステルフィルムの厚
みは限定されないが、5〜200μm、さらには25〜
100μmであることが好ましい。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは、少なく
とも片面の表面に、エポキシ基を有するアルコキシシラ
ン(A)、アミノ基を有するアルコキシシラン(B)お
よび高分子型帯電防止剤(C)を含む塗液を塗布するこ
とが必要である。この塗布層はシリコーンとポリエステ
ルフィルムとの接着性を上げるためおよび帯電防止性を
付与するために必要である。
【0017】本発明におけるエポキシ基を有するアルコ
キシシラン(A)は、XRSiZ3で示される化合物で
ある。なお、Xはエポキシ環を持つ官能基、Rはメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基等の如きアルキレン
基、Zはメトキシ基、エトキシ基等の如き加水分解性を
有する官能基、アルキル基および/またはこれらの基を
有する有機官能基を表わす。
【0018】該アルコキシシラン(A)の具体例として
は、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
等を好ましく挙げることができる。
【0019】本発明におけるアミノ基を有するアルコキ
シシラン(B)は、YRSiZ3で示される化合物であ
る。なお、Yはアミノ基を持つ官能基、Rはメチレン
基、エチレン基、プロピレン基等の如きアルキレン基、
Zはメトキシ基、エトキシ基等の如き加水分解性を有す
る官能基、アルキル基および/またはこれらの基を有す
る有機官能基である。
【0020】該アルコキシシラン(B)の具体例として
は、例えばN−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン等を好ましく挙げることがで
きる。
【0021】本発明における高分子型帯電防止剤(C)
は側鎖に帯電防止性を有するイオン性基を持つビニル系
重合体が好ましい。低分子型帯電防止剤ではシランカッ
プリング剤で形成される塗膜において表面もしくは塗膜
と基材の界面に析出し、シリコーン易接性が損なわれる
ことがある。その反面、高分子型帯電防止剤は低分子と
比較し塗膜中の移動率が低く、帯電防止剤の析出の問題
を抑えることができ、シリコーン易接性を確保できる。
ここで高分子型帯電防止剤のイオン性基はカチオン性が
好ましく、アニオン性ではアミノ基を有するアルコキシ
シラン(B)と反応し塗液に沈殿が生じるため好ましく
ない。
【0022】上記高分子型帯電防止剤(C)は、ビニル
系重合体の側鎖のイオン性基が第4級アンモニウムスル
ホネート、第4級アンモニウムサルフェート、第4級ア
ンモニウムナイトレート等の如き第4級アンモニウム塩
が好ましい。しかし、これらイオン性基に限定されるも
のではない。
【0023】上記高分子型帯電防止剤(C)は、ハロゲ
ン元素を含まないものが好ましい。ハロゲンが含まれる
と機械設備に錆が発生し、設備の耐用年数が短くなるこ
とがある。さらに、製品を焼却廃棄する場合に有害ガス
が発生し、人体に悪影響を及ぼすことがある。
【0024】上記高分子型帯電防止剤(C)は、水溶性
または水分散性樹脂が好ましい。かかるイオン性基を含
むビニル系モノマー以外の共重合可能ビニル系モノマー
は以下の通り挙げられる。例えばアルキルアクリレー
ト、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチ
ルヘキシル基、シクロヘキシル基等);アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、
N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキル
アクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート
(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキ
シル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、 N−ア
ルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアク
リルアミド、 N、N−ジアルコキシメタクリルアミド
(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基、イソブトキシ基等)、N−メチロールアクリ
ルアミド、 N−メチロールメタクリルアミド、N−フ
ェニルアクリルアミド、 N−フェニルメタクリルアミ
ド等のアミド基含有モノマー;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル等のエポキシ基含有モノマー;2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等の如きヒドロキシアルキ
ルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート等
の水酸基含有モノマー;ビニルイソシアネート、アリル
イソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリ
アルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、
アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸
モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーとを二種以上
共重合して得られる。また、これらビニル系モノマーが
挙げられるがこれらに限定されるものではない。この帯
電防止剤(C)を構成するモノマーはイオン性基を含む
ビニル系モノマー以外にメチルメタクリレート(MM
A)が好ましい。特にイオン性基を含むビニル系モノマ
ー/MMAのモル比で0.1〜10の範囲にあることが
好ましい。更には0.2〜5の範囲であることが好まし
い。モル比が0.1より小さいと十分な帯電防止性が得
られない。モル比が10より大きいとイオン性基を含む
ビニル系モノマーの単独重合体に近く、分子量が低くな
り塗膜表面もしくは界面に析出しやすくなってしまう。
【0025】本発明におけるアルコキシシラン(A)お
よび(B)と高分子型帯電防止剤(C)の重量比は、下
記式(1)および(2)の範囲であることが好ましい。
【0026】
【数2】 99.9/0.1≦(A)/(B)≦80.0/20.0 …(1) 99.5/0.5≦{(A)+(B)}/(C)≦70.0/30.0 …(2) (但し、式(1)、(2)中の(A)はエポキシ基を有
するアルコキシシランの重量部、(B)はアミノ基を有
するアルコキシシランの重量部、(C)は高分子型帯電
防止剤の重量部を示す。)
【0027】アルコキシシラン(A)および(B)の重
量比((A)/(B))が、99.9/0.1より小さ
いと強固な塗膜を形成せず、フィルム加工時に塗膜の削
れが起こることがあり、他方、80.0/20.0より
大きいと塗液のポットライフが短くなり生産性が悪くな
ることがある。
【0028】また、アルコキシシラン(A)および
(B)と高分子型帯電防止剤(C)の重量比({(A)
+(B)}/(C))が、99.5/0.5より小さい
と帯電防止性が発現せず、フィルムのハンドリング性が
悪くなり、更にはシリコーン塗工時に帯電による放電が
発生し溶剤の火災、爆発が起きる可能性があり、他方、
70.0/30.0より大きいと塗膜のシリコーン易接
性が発現しなくなることがある。
【0029】さらに、上記アルコキシシラン(A)およ
び(B)は、水溶性または水分散性を有することが好ま
しい。
【0030】また、アルコキシシラン(A)および
(B)の塗液、特にそれらの水性塗液は、そのpHを
4.0〜7.0、さらに5.0〜6.7に調整すること
が好ましい。このpHが4.0未満、他方7.0を超え
ると塗液が不安定となり沈殿が生じることがある。
【0031】塗液のpHを調整する酸としては塩酸、硝
酸、硫酸等の無機酸や、シュウ酸、蟻酸、クエン酸、酢
酸等の有機酸が用いられるが、特に有機酸が好ましい。
【0032】塗液、特に水性塗液には他に界面活性剤を
必要量添加して用いることができる。かかる界面活性剤
としては、塗液の表面張力を50dyne/cm以下、
好ましくは40dyne/cm以下に降下でき、ポリエ
ステルフィルムへの濡れを促進するものが好ましく、例
えばポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイ
ドブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンモノアルキレート、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル等を好ましく挙げることができ
る。
【0033】さらに本発明の効果を消失させない範囲に
おいて、例えば紫外線吸収剤、顔料、無機フィラ−、有
機フィラ−、潤滑剤、ブロッキング防止剤等の他の添加
剤を塗液に混合することができる。
【0034】かかる塗液を、結晶配向が完了する前のポ
リエステルフィルムの少なくとも片面に塗布し、次いで
乾燥、熱架橋させることで、架橋プライマ−層を設け
る。
【0035】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフィルムとしては、ポリエステルを熱溶融してその
ままフィルム状とした未延伸フィルム、未延伸フィルム
を縦方向(長手方向)または横方向(幅方向)の何れか
一方に延伸した一軸延伸フィルム、さらには縦方向およ
び横方向の二方向に低倍率延伸させた二軸延伸フィルム
(最終的に、縦方向または横方向に再延伸せしめて配向
結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を挙げ
ることができる。
【0036】上記塗液中の固形分濃度は、30重量%以
下が好ましく、特に10重量%以下が好ましい。塗液の
塗布量は、走行しているフィルム1m2当り0.5〜2
0g、特に1〜10gが好ましい。
【0037】ポリエステルフィルムへの塗液の塗布方法
としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロ
ールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコ
ート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプ
レーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカ
ーテンコート法等を単独または組み合わせて適用すると
良い。なお、水性塗液には、塗液の安定性または塗工性
を助ける目的で若干量の有機溶剤を含ませてもよい。
【0038】ポリエステルフィルムに塗布された塗液
は、乾燥され、熱架橋される。例えば水性塗液を塗布し
た縦一軸延伸ポリエステルフィルムの場合、ポリエステ
ルフィルムがステンターに導かれて加熱された後横延伸
および熱固定される間、塗液は乾燥され熱架橋される。
【0039】ポリエステルフィルムの配向結晶化条件、
例えば延伸、熱固定等の条件は、従来から当業界に蓄積
された条件で行うことができる。
【0040】本発明における架橋プライマー層は、ポリ
エステルフィルムに対して優れた密着性を有し、かつシ
リコーンに対して優れた易接着性を有する。従って、本
発明のシリコーン易接着性フィルムを用い、例えば架橋
プライマー層の上にシリコーン離形層を設けると、耐久
性の優れた離形フィルムが得られる。
【0041】このシリコーン離形層としては、例えばビ
ニル基のような不飽和炭化水素基を持つポリオルガノシ
ロキサンとケイ素原子に直接結合した水素原子を持つポ
リオルガノシロキサンとを白金化合物を触媒として付加
反応させた硬化被膜、あるいはケイ素原子に結合した水
酸基を持つポリオルガノシロキサンと加水分解可能な官
能基(例えば、アルコキシ基、オキシム基、アセトキシ
基等)を持つオルガノシラン、またはポリシロキサンを
有機スズや有機チタン化合物を触媒として縮合反応させ
た硬化被膜等を好ましく挙げることができる。
【0042】かかる硬化被膜は、該被膜を形成させる成
分を含む塗液をプライマー層上に塗布し、該プライマー
層上で硬化させることによって形成される。被膜を形成
させる成分は、例えばトルエン、酢酸エチル、n−ヘキ
サン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の溶媒
に溶解して塗液を調製するが、この塗液には重合反応促
進のための有機白金化合物の如き触媒を微量加えるのが
好ましい。この塗液の塗布方法としては、例えば、グラ
ビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコ
ート法、スプレーコート法、バーコート法等を用いるこ
とができる。
【0043】シリコーン離形層の厚さは、乾燥状態で、
0.01〜10μm、さらには0.02〜5μmである
ことが好ましい。この厚さが0.01μmより薄くなる
と離形性が不足し、10μmより厚くなると、重合不足
によるシリコーンの粘着剤への転写が多く、好ましくな
い。
【0044】このようにして得られる離形層は、プライ
マー層を介してポリエステルフィルムとの密着性に優
れ、粘着剤等への離形層成分の転写の少ない、耐久性に
優れるものである。
【0045】なお、本発明のシリコーン易接着性フィル
ムは、架橋プライマー層の上に設けたシリコーンの特性
によって制約を受けるものでなく、該シリコーンの特性
によって種々の用途に用いることができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、フィルムの各特性値は下記の方法で測
定、評価した。
【0047】(1)帯電防止性 (a)表面固有抵抗 架橋プライマー層面の表面固有抵抗を、タケダ理研社製
の固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度
60%の条件で、印加電圧500Vで1分後の表面固有
抵抗値(Ω/□)を測定する。表面固有抵抗値は1013
Ω/□以下であることが好ましい。
【0048】(b)摩擦帯電 架橋プライマー層面を金属ロールに一定速度、一定長さ
で擦過させ、シシド静電気(株)社製の静電気電位測定
器で帯電量を測定する。帯電量は絶対値で3kV以下が
好ましい。
【0049】(2)シリコーン易接着性 ポリジメチルシロキサンとメチルハイドロゲンポリシロ
キサンの混合液に白金触媒を加えて付加反応させ硬化さ
せるタイプの硬化型シリコーン樹脂(信越化学株式会社
製、KS−772)を、トルエンに溶解させて固形分濃
度5%の溶液を調製し、この溶液を、架橋プライマー層
上に、塗布量1g/m2で塗布し、150℃、1分間で
乾燥および硬化反応を行い離形フィルムを得て易接着性
を評価した。
【0050】(a)初期易接着性 離形層塗設直後(塗布乾燥直後)の離形フィルムの離形
層表面を指先で数回摩擦し、離形層の脱落や密着状態を
観察し下記の評価基準で初期易接着性を評価した。
【0051】(b)耐久易接着性 離形フィルムを60℃×80%RHの雰囲気に一週間保
持した後、離形層表面を指先で数回摩擦し、離形層の脱
落や密着状態を観察し、下記の評価基準で耐久易接着性
を評価した。 [評価基準] ◎:離形層の変化が全く認められない …………………易接着性良好 ○:離形層剥離による白化が若干認められる …………易接着性やや良好 △:離形層剥離による白化が殆どの部分に認められる…易接着性やや不良 ×:離形層が完全に剥離して失われる …………………易接着性不良
【0052】(c)背面非転写性 シリコーン離型層面と密着したフィルム背面をマジック
インキでハジキの状態を観察し、シリコーンの転写状態
を観察する。 [評価基準] ◎:ハジキ無 …………………………………………背面非転写性良好 ○:微小ハジキ ………………………………………背面非転写性やや良好 △:部分的ハジキ ……………………………………背面非転写性やや不良 ×:全面的ハジキ ……………………………………背面非転写性不良
【0053】[実施例1〜4および比較例1〜3]35
℃のo−クロロフェノール中で測定した固有粘度が0.
60のポリエチレンテレフタレート(平均粒径0.1μ
mのシリカ微粒子を0.2重量%含有)を押出機にて溶
融し、フィルム状の溶融ポリマ−をダイスから約20℃
に維持してある回転冷却ドラム上に押出し、静電密着法
を用いて該フィルム状の溶融ポリマ−を冷却ドラムに密
着させながら急冷して未延伸フィルムを得た。次いで該
未延伸フィルムを140℃にて縦方向に3.6倍延伸し
て一軸延伸フィルムを得た。
【0054】この一軸延伸フィルムの片面に、表1に示
すアルコキシシラン、帯電防止剤および界面活性剤(ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル)を含み、かつクエ
ン酸でpHを6.0に調整した固形分濃度2重量%の水
性塗液をキスコート法にて塗布した。続いて105℃に
て横方向に3.8倍に延伸し、さらに210℃で熱固定
を行ない、厚さ50μmの架橋プライマー層を持つ二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。この
フィルムの特性を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表中の符号は以下の通りである。 1.シランカップリング剤 A−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン A−2:γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン B−1:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン B−2:N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン 2.帯電防止剤 C−1:ジメチルアミノメチルスルホネートメタクリレ
ート/メチルメタクリレート=50/50のビニル系モ
ノマーの共重合体 C−2:ラウリルジメチルエチルアンモニウムエトサル
フェート 3.濡れ剤 D−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
【0057】
【表2】
【0058】表2から明らかの如く、本発明のシリコー
ン易接着性ポリエステルフィルムは帯電防止性を有し、
帯電防止剤の表面もしくは塗膜と基材の界面への析出が
極めて少なく、シリコーン離形層に対する接着性に極め
て優れている。
【0059】
【発明の効果】本発明のシリコーン易接着性ポリエステ
ルフィルムは、帯電防止性に優れ、かつシリコーンに対
し優れた接着性を有している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/00 101 B32B 27/00 101 27/36 27/36 C08J 5/18 CFD C08J 5/18 CFD // B29C 55/02 B29C 55/02 B29K 67:00 83:00 B29L 7:00 9:00 (72)発明者 北澤 諭 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB24 AB67 BA01 BA07 BA12 CA00 DA00 EA06 4F071 AA15 AA20 AA25 AA30 AA33 AA34 AA35 AA36 AA43 AA49 AC16 AE16 AH19 BB02 BB06 BB07 BC12 CA01 CB06 CD08 4F100 AA20H BA02 BA03 BA06 BA13 EH17 EJ38 JG03 JL11 JL14 4F210 AA24 AB13 AB16 AG01 AG03 QA02 QC05 QG01 QG15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶配向が完了する前のポリエステルフ
    ィルムの少なくとも片面に、エポキシ基を有するアルコ
    キシシラン(A)、アミノ基を有するアルコキシシラン
    (B)および高分子型帯電防止剤(C)を含む塗液を塗
    布し、乾燥、延伸および熱処理して得られる架橋プライ
    マー層を設けたシリコーン易接着性ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 エポキシ基を有するアルコキシシラン
    (A)、アミノ基を有するアルコキシシラン(B)およ
    び高分子型帯電防止剤(C)の塗液中の重量比が、下記
    式(1)および(2)を満足する請求項1記載のシリコ
    ーン易接着性ポリエステルフィルム。 【数1】 99.9/0.1≦(A)/(B)≦80.0/20.0 …(1) 99.5/0.5≦{(A)+(B)}/(C)≦70.0/30.0 …(2) (但し、式(1)、(2)中の(A)はエポキシ基を有
    するアルコキシシランの重量部、(B)はアミノ基を有
    するアルコキシシランの重量部、(C)は高分子型帯電
    防止剤の重量部を示す。)
  3. 【請求項3】 高分子型帯電防止剤(C)がビニル系重
    合体である請求項1または2記載のシリコーン易接着性
    ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルムがポリエチレンテ
    レフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレー
    トから形成されるフィルムである請求項1〜3のいずれ
    かに記載のシリコーン易接着性ポリエステルフィルム。
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