JP2002105230A - ポリエステルフィルム - Google Patents
ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
に析出してくるオリゴマー量を低減した、離型フィルム
用として好適なフィルムを安価に提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
の面に、アミノ基を有するシラン化合物(A)とエポキ
シ基を有するシラン化合物(B)とを含む塗布液により
設けられた塗布層を有し、フィルム全体の環状三量体含
有量が0.5重量%であり、180℃で10分間処理し
た後の前記塗布層表面の環状三量体量が2.80mg/
m2以下であることを特徴とするポリエステルフィル
ム。
Description
オリゴマーの析出がなく、優れた密着性を有する塗布層
が設けられたポリエステルフィルムに関し、さらに詳し
くは、高温下においてもフィルム表面へのオリゴマーの
析出がなく、シリコーンなどの離型層に対しても優れた
密着性を有するポリエステルフィルムに関する。
リエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィ
ルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐
薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォ
ーマンスに優れるため、各種の用途において使用されて
いる。
ルムの加工、使用条件も多様化し、例えばポリエステル
フィルムを100℃以上の高温で放置すると、フィルム
表面に内部から浸出してきたオリゴマーが析出してしま
うという新たな問題が出てきている。特に、オリゴマー
が多く含有されているフィルムは、フィルム表面へのオ
リゴマー析出が激しくなり、こうした条件でフィルムを
加工、あるいは使用することにより種々の問題が生じて
いる。また、ポリエステルフィルムの表面改質を目的と
して、各種の塗布フィルムが提案されているが、塗布す
る組成によっては、オリゴマーの析出を促進してしまう
問題が生じている。
しては、固相重合により原料中に含まれるオリゴマーの
低減をはかったり、また、末端封鎖剤を用いてポリエス
テルフィルムの耐加水分解性を向上させることなどが行
われてきた。
にポリマーの重合度も上がるため、フィルム製造の際に
押出機への負荷が大きくなったり、製造工程が増加した
りするため製造コストの上昇を招いてしまう。さらに、
フィルムの製造条件によっては効果が見られないことが
生じてしまうなど、フィルム表面へのオリゴマーの析出
防止を満足する所までは至っていない。
止剤に起因する異物の発生、ポリマーの着色、固層重合
性の悪化等のおそれがある。
貼薬剤等の粘着面保護フイルムとして、あるいはウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等硬化
性樹脂のシート、あるいは熱可塑性樹脂のシートを成形
するためのキャリヤーシートとして用いられ、その量が
拡大しつつある。
ステルフイルムの少なくとも一表面にビニルシロキサン
基を有するシリコーン化合物の付加重合硬化物、アルキ
ルオキシシランもしくはオキシシラン化合物の縮重合硬
化物等よりなる被膜を設けたものが用いられている。こ
の硬化物は非粘着で離型効果に優れ、また熱安定性に優
れるという利点を有するが、一方、ベースフイルムであ
るポリエステルフイルムとの密着性が十分とは言い難
く、耐久性が低いという問題を有している。
ィルムと離型層であるシリコーンの密着性を改良する方
法として、シランカップリング剤のプライマー層を設け
る方法などが提案されているが、オリゴマーの析出防止
とシリコーンとの密着性を両立させるまでには至ってい
ない。
鑑みてなされたものであって、その目的は、熱処理など
によるポリマーからのフィルム表面に析出してくるオリ
ゴマーを封止するとともに、離型層との密着性に優れた
ポリエステルフィルムを提供することにある。
に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ある特定の組成よりなる
塗布層を形成することにより、極めてオリゴマー析出が
少なく、かつ離型層等との密着性に優れたポリエステル
フィルムが得られることを知見し、本発明を完成するに
至った。
フィルムの少なくとも一方の面に、アミノ基を有するシ
ラン化合物(A)とエポキシ基を有するシラン化合物
(B)とを含む塗布液により設けられた塗布層を有し、
フィルム全体の環状三量体含有量が0.5重量%であ
り、180℃で10分間処理した後の前記塗布層表面の
環状三量体量が2.80mg/m2以下であることを特
徴とするポリエステルフィルムに存する。
えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレ
ートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の8
0モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートである
ポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80
モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート等が挙げられる。それらのほかにも、
ポリエチレンイソフタレート、ポリ−1,4−ブチレン
テレフタレート等を用いることができる。
ては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレ
ングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリアル
キレングリコール等のジオール成分、イソフタル酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸およびオキシモノカルボン酸等のエステ
ル形成性誘導体を使用することができる。
または共重合体のほかに、他の樹脂との小割合のブレン
ドも使用することができる。ポリエチレンテレフタレー
トにブレンドする樹脂の例としては、例えばイソフタル
酸共重合体、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
共重合体、ポリエチレングリコール共重合体等の各種共
重合ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レートおよび共重合ポリエチレンナフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等が挙げられる。
は、通常0.40〜0.90、好ましくは0.45〜
0.80、さらに好ましくは0.50〜0.70の範囲
である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの機械
的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超
える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかか
ったり、製造コストがかかる等の問題が生じる場合があ
る。
法しては、固相重合により予めポリマー中のオリゴマー
量を低減させておき、最終フィルムのオリゴマーを少な
くする処方が用いられているが、固相重合の場合は、極
限粘度が高くなったり、工程が増えるためにコストが上
昇してしまう問題がある。また、フィルム製造工程の押
出機で溶融温度が高かったり、滞留時間が長くなる場合
には、オリゴマーを低減させた効果が見られなくなる。
を付与するため、フィルム表面突起形成剤として、フィ
ルム中に平均粒子径が0.1〜5.0μm、さらには
0.3〜3.0μmの粒子を含有することが好ましい。
平均粒子径が0.1μm未満ではフィルムの滑り性が悪
くなる傾向があり、5.0μmを超えた場合はフィルム
表面の粗大突起が増える傾向がある。
〜1.0重量%の範囲である。粒子含有量が0.01重
量%未満では、フィルムの滑り性が悪くなる傾向があ
り、1.0重量%を超えるとフィルムの透明性が劣るな
ど、フィルムの実用特性が悪くなる傾向がある。
酸化珪素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バ
リウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸リ
チウム、リン酸マグネシウム、フッ化リチウム、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、カオリン、タルク、カーボン
ブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素、および特公昭59
−5216号公報に記載されているような架橋高分子微
粉体を挙げることができ、本発明を満足させるものであ
ればこれらに限定されるものではない。
2成分以上を同時に用いてもよい。2成分以上用いる場
合は、少なくとも1成分の粒子の平均粒子径および含有
量が上記した範囲内にあればよい。
ルが積層されたフィルムの場合は、少なくとも1つの層
に含有されている粒子の平均粒子径および含有量が上記
した範囲内にあればよい。
フィルム表面の最大高さ(Rmax)を0.02〜0.
60μmの範囲とすることが好ましい。最大高さ(Rm
ax)が0.02μm未満の場合には、固着性が劣る傾
向があり、0.60μmを超える場合は、離型層等を設
ける場合などに不具合が生じる場合がある。
応じ、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキ
ング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光線遮断剤、
着色剤などを含有していてもよい。
多層構造であってもよく、この場合、その一部の層はポ
リエステル以外のポリマーで形成されていてもよい。即
ち、ラミネートフィルムでもよい。
布層を含む)の環状三量体(オリゴマー)含有量が0.
5重量%、さらには0.6重量%、特に0.7重量%以
上のフィルムに適用することが好適である。フィルム全
体中の環状三量体が0.5重量%未満の場合は、熱処理
によるフィルム表面へのオリゴマーの析出が少なく、特
定の層を設ける必要のない場合もあるが、そもそも原料
ポリマー中に含まれるオリゴマーの低減のためには、例
えば固相重合等を行う必要があり、製造コストの上昇や
ポリマーの極限粘度が増加することにより、フィルム製
造の際に押出機への負担が大きくなり、生産性が悪くな
る。
とも一方の表面に塗布層を設けて、180℃で10分間
熱処理後の塗布層表面のオリゴマー量を2.8mg/m
2 以下、さらには1.60mg/m2 以下、特に1.0
0mg/m2 以下とする。表面オリゴマー量が2.80
mg/m2 を超える場合は、ポリエステルフィルムの用
途が限定されたり、高温下においてオリゴマーが多量に
発生して異物となったりする。
ィルムとしても用いることができるが、離型層として多
く用いられるシリコーンとポリエステルフィルムとは、
一般に密着性に劣るため、密着性を改良する必要があ
る。
物(A)とエポキシ基を有するシラン化合物(B)を含
有する塗布層を設けることにより、ベースフィルムから
浸出するオリゴマーが表面に析出することを防止し、離
型層等との密着性も改良したものである。
化合物(A)とエポキシ基を有するシラン化合物(B)
の量比((A)/(B))は、通常95/5〜5/95
の範囲であり、好ましくは90/10〜20/80、さ
らに好ましくは80/20〜30/70の範囲である。
アミノ基を有するシラン化合物とエポキシ基を有するシ
ラン化合物の配合量が上記範囲を外れた場合は、オリゴ
マーの封止効果と離型層であるシリコーンとの密着性改
良効果とが劣る傾向がある。
(A)の具体例としては、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
されるアルコキシシランによれば、オリゴマー析出防止
効果がより一層良好となるので好ましい。
プロピレン等のアルキレン基、Xはメトキシ基、エトキ
シ基等のアルコキシ基、アルキル基および/またはこれ
らの基を有する有機官能基を表す)本発明のエポキシ基
を有するシラン化合物(B)の具体例としては、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
されるアルコキシシランによれば、ポリエステルと離型
層のシリコーンとの密着性がより一層良好となるので好
ましい。
プロピレン等のアルキレン基、Xはメトキシ基、エトキ
シ基等のアルコキシ基、アルキル基および/またはこれ
らの基を有する有機官能基を表す) 上記塗布層には、必要に応じて上記のシラン化合物以外
の水溶性または水分散性のバインダー樹脂を併用しても
よい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、アクリ
ル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂等が挙
げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等に
より実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を
持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グ
ラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタ
ン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラ
フトポリウレタン等が挙げられる。
ゴマーの析出防止には、上記バインダーの中でポリビニ
ルアルコールを用いると好ましい。
る重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下の
範囲が好ましい。
必要に応じて架橋反応性化合物を含んでいてもよい。
あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グア
ナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系などの化合
物、ポリアミン類、エポキシ化合物、オキサゾリン化合
物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合
物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジ
ルコ−アルミネート系カップリング剤、金属キレート、
有機酸無水物、有機過酸化物、熱または光反応性のビニ
ル化合物や感光性樹脂などの多官能低分子化合物および
高分子化合物から選択される。
る樹脂が有する官能基と架橋反応することで、塗布層の
凝集性、表面硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、耐水性を改良
することができる。例えば、前記官能基が水酸基の場
合、架橋反応性化合物としては、メラミン系化合物、ブ
ロックイソシアネート化合物、有機酸無水物などが好ま
しく、前記官能基が有機酸およびその無水物の場合、架
橋反応性化合物としてはエポキシ系化合物、メラミン系
化合物、オキサゾリン系化合物、金属キレートなどが好
ましく、前記官能基がアミン類の場合、架橋反応性化合
物としてはエポキシ系化合物などが好ましく、塗布層に
含まれる樹脂が有する官能基と架橋反応効率が高いもの
を選択して用いることが好ましい。
子中に2個以上含まれる限りにおいて、低分子量化合物
であっても、反応性官能基を有する高分子重合体のいず
れであってもよい。
する重量部で50重量部以下、さらには30重量部以
下、特に15重量部以下の範囲が好ましい。
グの防止等必要に応じて塗布層の滑り性改良のために不
活性粒子を含んでいてもよい。
機不活性粒子があり、無機不活性粒子としては、例え
ば、シリカゾル、アルミナゾル、炭酸カルシウム、酸化
チタン等が挙げられる。有機不活性粒子としては、ポリ
スチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹
脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、またはこ
れらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表される有機粒
子が挙げられる。これらの不活性粒子は軟化温度または
分解温度が約200℃以上、さらには250℃以上、特
に300℃以上であることが好ましい。
平均膜厚を(L)とした際、1/3≦d/L≦3、さら
には1/2≦d/L≦2の関係を満足するように選択す
るのが好ましい。
剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低分子帯電防止
剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡
剤、染料、顔料等の添加剤を少量含有していてもよい。
これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて
二種以上を併用してもよい。
ルフイルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成
してもよい。片面のみに形成する場合、その反対面には
必要に応じて別種の塗布層を形成させ、さらに他の特性
を付与することもできる。なお、塗布液のフイルムへの
塗布性および接着性を改良するため、塗布前のフイルム
に化学処理や放電処理等を施してもよい。
には0.03〜0.5μm、特に0.06〜0.2μm
の範囲が好ましい。塗布層の厚さが0.01μm未満の
場合は、十分なオリゴマー析出防止の効果が得られない
ことがあり、2μmを超える場合は、耐ブロッキング性
が不十分となる傾向がある。
0μm、好ましくは20〜75μm、さらに好ましくは
20〜50μmの範囲である。この範囲を超えた場合
は、フィルムの取扱性が悪くなったり、製造コストが上
昇したりすることがある。
としては、公知の方法を採用することができる。例え
ば、予め乾燥したポリエステルチップと必要な添加剤を
混合して押出機にホッパー投入し、押出機にて200〜
300℃の温度で溶融混練し、ダイからシート状に押し
出して、約70℃以下のキャスティングドラム(回転冷
却ドラム)上で急冷して未延伸シートを得、得られたシ
ートを縦および横方向に4倍以上、好ましくは9倍以上
の面積倍率で延伸し、さらに120〜200℃の温度で
熱固定を行う方法を採用することができる。
布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエス
テルフイルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法
が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に
塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フイルム表面
に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フイルム表
面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。こ
れらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フイルム
表面に塗布液を塗布後、フイルムに熱処理を行う過程で
同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。
に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用
し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布
して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布
して乾燥する方法等が挙げられる。
布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年
発行、「コーティング方式」に示されるリバースロール
コーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアド
クターコーター等を使用することができる。
全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整され
ていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにお
いて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改
良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有
機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場
合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長
時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマル
ジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよ
い。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二
種以上を併用してもよい。
は、離型性を有する材料を含有していれば、特に限定さ
れるものではない。その中でも、硬化型シリコーン樹脂
を含有するものによれば離型性が良好となるので好まし
い。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよ
いし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等
の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタ
イプ等を使用してもよい。
加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型
等何れの硬化反応タイプでも用いることができる。
S−774、KS−775、KS−778、KS−77
9H、KS−847H、KS−856、X−62−24
22、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア
(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ
3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東
芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−67
00、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダ
ウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、
SD7229等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等
を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよ
い。
を有するシラン化合物を添加することもある。
離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、
グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート
等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
0.01〜1g/m2の範囲である。
い面には、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層
等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィル
ムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施して
もよい。
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明におけ
る各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとお
りである。また、実施例および比較例中、「部」および
「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意
味する。 (1)ポリエステルの極限粘度の測定 ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を
除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テト
ラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒10
0mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。 (2)平均粒子径(d50:μm)の測定 遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製
SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布にお
ける積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。 (3)フィルム全体中の環状三量体含有量 所定量のポリエステルフィルム(塗布層は除去せずにそ
のまま)をo−クロロフェノールに溶解した後、テトラ
ヒドロフランで再析出して濾過し、線状ポリエチレンテ
レフタレートを除いた後、次いで得られた濾液を液体ク
ロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してポリエ
チレンテレフタレート中に含まれる環状三量体量を求
め、この値を測定に用いたフィルム量で割って、フィル
ム全体中に含まれる環状三量体量とする。
体量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピ
ーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
体を正確に秤量し、正確に秤量したDMF(ジメチルホ
ルムアミド)に溶解して作成した。標準試料の濃度は、
0.001mg/ml〜0.50mg/mlの範囲が好
ましい。
した。
1HU カラム温度:40℃ 流速:1ml/min 検出波長:254nm (4)フィルムの熱処理 A4サイズのケント紙と熱処理を行うポリエステルフィ
ルムを合わせる。その際、塗布層のある面が外側になる
ようにゼムクリップ等で四隅をクリップし、ケント紙と
ポリエステルフィルムを止める。
ポリエステルフィルムを10分間放置し熱処理を行う。 (5)フィルム表面環状三量体量 上部が開放され、底辺の面積が250cm2 となるよう
に、熱処理後のポリエステルフィルムを折って、四角の
箱を作成する。塗布層を設けている場合は、塗布層面が
内側となるようにする。
DMF10mlを入れ3分間放置後DMFを回収する。
回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津LC−
7A)に供給してDMF中のオリゴマー量を求め、この
値をDMFを接触させたフィルム面積で割って、フィル
ム表面環状三量体量(mg/m2 )とする。
ク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた
(絶対検量線法)。
ー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDM
Fに溶解して作成した。標準試料の濃度は、0.001
mg/ml〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
した。
1HU カラム温度:40℃ 流速:1ml/min 検出波長:254nm (6)生産性 原料の重合工程およびフィルムの製膜工程などにおいて
の製造コストより下記の通り判断した。
く、生産性が高い。 △:製造工程、製造条件などにある程度の制限があり、
生産性が若干低い。 ×:製造工程、製膜条件に制限があり生産性が劣る。 (7)耐ブロッキング特性 ポリエステルフィルムの塗布層面と未処理のPETフィ
ルム面および塗布層面同士を重ね、温度40℃、湿度8
0%RH、荷重10kg/cm2 で20時間プレス処理
を行い、ASTM D 1893により決められている
プラスチックフィルム間のブロッキング度を測定し定量
化する手法に準拠し、プレスしたフィルム面をはがす際
にかかる荷重からブロッキング度を求めた。測定値を以
下の基準にて判定した。
を23℃/50%RHの室内に30日間放置後、コーテ
ィング面を指先で数回摩擦し、硬化シリコーン樹脂皮膜
の脱落の具合を下記の評価基準にて判断し、密着性の目
安とした。
ベル。 ×:脱落あり、密着性不良。
析出防止層形成のために用いたバインダー樹脂等は下記
のとおりである。 [化合物例] ・アミノ基含有シラン化合物(A):シランカップリン
グ剤(A) N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン 塗布液調整において、濃度調整の希釈液は純水を用いて
2%濃度に調整した。 ・エポキシ基含有シラン化合物(b):シランカップリ
ング剤(B): γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 塗布液調整において、純水では溶解し難いので濃度調整
の希釈液は2%酢酸水溶液を用いて2%濃度に調整し
た。 ・PVA系樹脂: けん化度=88モル%、重合度=500のポリビニルア
ルコール 塗布液調整において、濃度調整の希釈液は純水を用いて
2%濃度に調整した。 [ポリエステル(1)の製造方法]テレフタル酸ジメチ
ル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出
発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.
09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃と
し、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇さ
せ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエ
ステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチル
アシッドフォスフェート0.04部を添加した後、平均
粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシ
リカ粒子を0.06部、三酸化アンチモン0.04部を
加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を
230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力
は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとし
た。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒
素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル
(1)の極限粘度は0.53、オリゴマー(環状三量
体)の含有量は0.98重量%であった。 [ポリエステル(2)の製造方法]ポリエステル(1)
を固相重合しポリエステル(2)を得た。得られたポリ
エステル(2)の極限粘度は0.85、オリゴマー(環
状三量体)の含有量は0.32重量%であった。 [ポリエステル(3)の製造方法]ポリエステル(1)
の製造において、シリカ粒子を平均粒子径0.27μ
m、添加量を0.3重量部に変えた以外はポリエステル
(1)と同様にしてポリエステル(3)を得た。得られ
たポリエステル(3)の極限粘度は0.53、オリゴマ
ー(環状三量体)の含有量は0.98重量%であった。 [ポリエステル(4)の製造方法]ポリエステル(1)
の製造において、シリカ粒子を平均粒子径0.08μ
m、添加量を0.01重量部に変えた以外はポリエステ
ル(1)と同様にしてポリエステル(4)を得た。得ら
れたポリエステル(4)の極限粘度は0.53、オリゴ
マー(環状三量体)の含有量は0.98重量%であっ
た。
8重量部、シランカップリング剤(B)を22重量部、
PVA系樹脂を10重量部含有する塗布液を調整した。
塗布液の固形分濃度は2重量%とした。 (フィルムの製造)ポリエステル(1)を乾燥後、28
0〜300℃の温度で溶融押し出しし、静電密着法を併
用しながら冷却ドラム上にキャストし、厚さ約550μ
mの無定形フィルムを得た。このフィルムを85℃で縦
方向に3.7倍延伸し、フィルムの片面に、塗布液−1
を厚み0.06μmに塗布した後、100℃で横方向に
3.9倍延伸し、210℃で熱処理して、厚さ38μm
の二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。 (離型フィルムの製造)得られたポリエステルフィルム
に下記組成からなる離型層を塗布量が0.1g/m
2(乾燥後)になるように設けて離型フィルムを得た。
得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
に示す配合に変更した以外は、実施例1と同様にして離
型フィルムを得た。
(3)に変えた以外は実施例1と同様にして離型フィル
ムを得た。
(2)に変えた以外は実施例1と同様にして離型フィル
ムを得た。
にポリエステルフィルムを製造した以外は実施例1と同
様にして離型フィルムを得た。
(4)に変えた以外は実施例1と同様にして離型フィル
ムを得た。
価結果をまとめて下記表2および表3に示す。
満たす実施例1〜6は、生産性が良好で、熱処理による
オリゴマーの析出が抑えられ、ラブオフテストの結果も
実用上問題のないレベル以上となる。一方、本発明の要
件を満たさない比較例1〜5では、いずれかの項目を満
足できない。
4に記載の発明のポリエステルフィルムによれば、高温
下でもフィルム表面に析出してくるオリゴマーを抑える
と同時に離型層との密着性が改良することができ、有用
なフィルムを安価に提供することができ、その工業的価
値は高い。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
の面に、アミノ基を有するシラン化合物(A)とエポキ
シ基を有するシラン化合物(B)とを含む塗布液により
設けられた塗布層を有し、フィルム全体の環状三量体含
有量が0.5重量%であり、180℃で10分間処理し
た後の前記塗布層表面の環状三量体量が2.80mg/
m2以下であることを特徴とするポリエステルフィル
ム。 - 【請求項2】 塗布液中に含まれるアミノ基を有するシ
ラン化合物(A)とエポキシ基を有するシラン化合物
(B)の量比が下記式の範囲であることを特徴とする
請求項1記載のポリエステルフィルム。 95/5≦CA/CB≦5/95…… (上記式中、CAは塗布液中に含まれるアミノ基を有す
るシラン化合物(A)の重量部、CBは塗布液中に含ま
れるエポキシ基を有するシラン化合物(B)の重量部を
示す) - 【請求項3】 ポリエステルフィルム中に平均粒子径
0.1〜5.0μmの粒子を0.01〜1.0重量%含
有し、フィルム表面の最大高さ(Rmax)が0.02
〜0.60μmであることを特徴とする請求項1または
2記載のポリエステルフィルム。 - 【請求項4】 塗布層上に離型層を設けてなる請求項1
〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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