JP2009053604A - 反射板用白色ポリエステルフィルム - Google Patents

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Shinji Yano
真司 矢野
Atsushi Koyamamatsu
淳 小山松
Hiroshi Kusume
博 楠目
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Abstract

【課題】帯電防止性を付与するための塗付層を備えながら、液晶表示装置に組み込まれている電子部品の信頼性を低下させることがないレベルにまでケイ素の揮発が抑制され、反射板としての使用環境での異音の発生が抑制された、反射板用白色ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】白色ポリエステルフィルムおよびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなり、200℃、常圧、30分間の加熱処理において揮発するケイ素元素の量が1m当り5μg以下であることを特徴とする、反射板用白色ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射板用白色ポリエステルフィルムに関し、詳しくは帯電防止性の塗布層を備える反射板用白色フィルムに関する。
液晶表示装置のバックライトユニットにはポリエステルからなる白色の反射板が用いられる。バックライトユニットを組み立てるとき、もしくはバックライトユニットを液晶表示装置に組み込むときに、ごみやほこりを巻き込むことがあり、これを防ぐために反射板に帯電防止性付与するための塗布層を設けることが行われる。
特開2006−284688号公報 特開2006−284689号公報
液晶表示装置の光源として、これまで冷陰極管が用いられていたが、最近では、表示色域を拡大するためにLEDが用いられることもある。冷陰極管、LEDはともに熱を発し、特にLEDによる発熱はかなり大きい。液晶表示装置には、LSI、IC等の半導体を用いた電子部品が組み込まれている。反射板等の部材から揮発した低分子量物にケイ素元素が含まれていると、電子部品の半導体表面に付着浸透して信頼性が低下する。
また、冷陰極管やLEDから発せられる熱により、反射板が膨張し反射板を支持する部材や、周囲の部材と擦れ合い、バックライトユニットから異音が発せられることがある。
本発明の目的は、帯電防止性を付与するための塗付層を備えながら、液晶表示装置に組み込まれている電子部品の信頼性を低下させることがないレベルにまでケイ素の揮発が抑制され、反射板としての使用環境での異音の発生が抑制された、反射板用白色ポリエステルフィルムを提供することにある。
すなわち本発明は、白色ポリエステルフィルムおよびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなり、200℃、常圧、30分間の加熱処理において揮発するケイ素元素の量が1m当り5μg以下であることを特徴とする、反射板用白色ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、帯電防止性を付与するための塗付層を備えながら、液晶表示装置に組み込まれている電子部品の信頼性を低下させることがないレベルにまでケイ素の揮発が抑制され、反射板としての使用環境での異音の発生が抑制された、反射板用白色ポリエステルフィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[白色ポリエステルフィルム]
本発明において、白色ポリエステルフィルムは、顔料またはボイド形成物質を含有することにより白色を呈するポリエステルフィルムである。ボイド形成物質としては、無機粒子および/または有機粒子を用いることができる。
この白色ポリエステルフィルムは、単層フィルムでも積層フィルムでもよいが、少なくとも2層からなる積層白色ポリエステルフィルムであることが好ましい。積層フィルムである場合、かならずしも全ての層が白色である必要は無く、白色フィルム全体として白色であればよい。
ポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とから縮重合によって得られるポリマーである。ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を用いることができる。ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールを用いることができる。ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレートが好ましく、高濃度に無機粒子および/または有機粒子を添加しても安定して製膜できるため、共重合ポリエチレンテレフタレートまたは共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートがさらに好ましい。
ポリエステルの融点は、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは245℃以下、特に好ましくは240℃以下である。このポリエステルとして、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを例示することができる。高い耐熱性と製膜性を得るために、2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
白色ポリエステルフィルムとして好ましいものは、少なくとも2つのポリエステルの層、特に好ましくは2つのポリエステルの層からなる白色積層ポリエステルフィルムであって、該フィルムは無機粒子および/または有機粒子をそれぞれの層に含有し、無機粒子および有機粒子の合計の含有率が光の反射面として用いられる層において、他の層における含有率より高い白色積層ポリエステルフィルムである。この白色積層ポリエステルフィルムは紫外線に対する耐性が高く、良好な反射特性を示し好ましい。
例えば、反射面としてい用いる層をB層、他方の層をA層とすると、白色積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルA層は粒子を、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは1〜15重量%含有する。1重量%未満であると滑性が低下して巻取りが難しくなり好ましくなく、30重量%を超えると破れやすいフィルムとなり、製膜性が低下して好ましくない。他方、B層は粒子を、好ましくは31〜60重量%、さらに好ましくは31〜55重量%含有する。31重量%未満であると反射率が低下したり、紫外線に因る劣化が激しくなり好ましくなく、60重量%を超えるとフィルムとして製膜性が非常に低下し、生産性が極端に低下して好ましくない。
粒子の平均粒径は、好ましくは0.3〜3.0μm、さらに好ましくは0.4〜2.5μm、特に好ましくは0.5〜2.0μmである。平均粒径が0.3μm未満であると分散性が極端に悪くなり、粒子の凝集が起こるため生産工程上のトラブルが発生し易く、フィルムに粗大突起を形成し、光沢の劣ったフィルムになったり、溶融押出し時に用いられるフィルターが粗大粒子により目詰まりを生じさせる可能性があり好ましくない。他方、平均粒径が3.0μmを超えるとフィルムの表面が粗くなり光沢が低下するばかりか、適切な範囲に光沢度をコントロールすることが困難となり好ましくない。
粒子としては、無機粒子および/または有機粒子を用いることができる。無機粒子としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素、酸化チタンの粒子を例示することができる。有機粒子としては、シリコーン、アクリルの粒子を例示することができる。粒子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粒子としては、高い反射性や耐熱性を得ることができることから、無機粒子を用いることが好ましく、なかでもポリエステルポリマー中に安定して分散させることができ、製膜性が良く、かつ良好な反射率を得ることができることから、特に硫酸バリウム粒子を用いることが好ましい。
[揮発ケイ素元素]
本発明の反射板用白色ポリエステルフィルムは、200℃、常圧、30分間の加熱処理において揮発するケイ素元素の量が1m当り5μg以下であることが肝要である。揮発するケイ素元素の量は、白色反射フィルムから揮発する成分に含まれるケイ素元素の総量である。揮発するケイ素元素の量が1m当り5μgを超えると、揮発したケイ素元素が半導体表面に付着浸透して電子部品の誤動作を招き、信頼性が低下する。
[塗布層]
帯電防止性を付与し、異音の発生を抑制するために、塗布層は帯電防止剤およびワックスを含有する。そして、上記の揮発ケイ素総量を満足するために、塗布層の帯電防止剤としてケイ素元素を含有しないものを用い、塗布層のワックスとしてケイ素元素を含有しないものを用いる。
この塗布層は白色ポリエステルフィルムのうえに設ける。白色ポリエステルフィルムが、表裏で粒子含有量の異なる積層白色ポリエステルフィルムである場合には、塗布層は粒子をより多く含有する層のうえに設けることが好ましい。こうすることによって、粒子によって形成された突起が他の部材と擦れた時の音の発生を低減することができる。塗布層はフィルムの両面に設けてもよい。
塗布層の厚みは、乾燥後の厚みとして、好ましくは0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.005〜0.2μmである。0.005μm未満であると帯電防止性が不十分となり好ましくなく、0.5μmを超えると塗布層が目立つようになり、塗工外観が悪くなり好ましくない。
[帯電防止剤]
塗布層の帯電防止剤としては、好ましくはカチオンポリマーを用いる。このカチオンポリマーは、好ましくはビニル系重合体からなり、側鎖にカチオン性基を有し、そのカチオン性基が第3級アンモニウム塩または第4級アンモニウム塩である化合物である。第3級アンモニウム塩としては、第3級アンモニウムスルホネート、第3級アンモニウムサルフェート、第3級アンモニウムナイトレートを例示することができる。第4級アンモニウム塩としては、第4級アンモニウムスルホネート、第4級アンモニウムサルフェート、第4級アンモニウムナイトレートを例示することができる。
カチオンポリマーがビニル系重合体である場合、モノマー成分として、反応性モノマー成分を有することが好ましい。この場合、膜凝集性を向上させることができ、塗布層の耐久性を向上することができる。
この反応性モノマー成分として、2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、 N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート等のイソシアネート含有モノマーを例示することができる。
さらに、カチオンポリマーがビニル系重合体である場合、モノマー成分として、非反応性モノマー成分を有することが好ましい。この場合、ポリエステルフィルム上への密着性や塗布層の造膜性を向上させることができる。
非反応性モノマー成分として、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、スチレン、αーメチルスチレンを例示することができる。
帯電防止剤の含有量は、塗布層の組成物100重量%あたり、好ましくは30〜90重量%、さらに好ましく50〜90重量%である。30重量%未満であると帯電防止性が不十分となりフィルム表面に埃等が付き易くなり好ましくなく、90重量%を超えると滑剤成分が減少することと帯電防止成分が増加し、滑性が低下し好ましくない。
[ワックス]
塗布層のワックスとしては、ケイ素元素を含有しないものを用い、好ましくは脂肪族ワックスを用いる。ワックスの含有量は、塗布層の組成物100重量%あたり、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。この含有量が5重量%未満ではフィルム表面の滑性が得られないことがあり好ましくなく、50重量%を超えるとポリエステルフィルム基材への密着性が不足したり、塗膜が脆弱になり塗膜が削れる場合があり好ましくない。
ワックスの具体例としては、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、ポリオレフィン系ワックスを挙げることができる。なかでも、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことからポリオレフィン系ワックスが好ましい。ポリオレフィン系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスを例示することができる。なかでも、ポリエチレンワックスが特に好ましい。これらは環境負荷の低減が可能であることおよび取扱のし易さから水分散体として用いることが好ましい。
[高分子バインダー]
塗布層は、帯電防止剤およびワックスをポリエステルフィルム上に固着させる目的で、高分子バインダーを含有することが好ましい。高分子バインダーとしては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびこれらの樹脂の混合物を用いることができる。高分子バインダーは、水に可溶性または分散性のものが好ましいが、多少の有機溶剤を含有し、水に可溶なものも好ましく用いることができる。
高分子バインダーを用いる場合、高分子バインダーの含有量は、塗布層の組成物の重量100重量%あたり、好ましくは10〜50重量%とする。10重量%未満であるとポリエステルフィルム基材への密着性不足し好ましくない。50重量%を超えると帯電防止性が低下し好ましくない。
[架橋剤]
塗布層の凝集力を向上するために、塗布層は架橋剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる架橋剤は、ケイ素元素を含んではならない。この架橋剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物を例示することができ、その他のカップリング剤を用いることもできる。取り扱い易さや塗液のポットライフが長いことからエポキシ化合物、オキサゾリン化合物を用いることが好ましく、カップリング剤を用いることも好ましい。
架橋剤を用いる場合、架橋剤の含有量は、塗布層の組成物の重量100重量%あたり、好ましくは2〜30重量%とする。2重量%未満であると塗布層の凝集力が低くなり耐久性が悪化する場合があり好ましくない。30重量%を超えると塗布層の造膜性が悪くなり、帯電防止性能が低下し好ましくない。
[反射率]
本発明の反射板用白色ポリエステルフィルムは、その少なくとも一方の表面の反射率が波長400〜700nmの平均反射率で90%以上、さらに好ましくは92%以上、さらに好ましくは94%以上である。90%未満であると十分な画面の輝度を得ることができないので好ましくない。
[製造方法]
以下、本発明の反射板用白色ポリエステルフィルムを製造する方法を説明する。
本発明において塗布層の塗設に用いられる上記組成物は、塗布層を形成させるために、水溶液、水分散液或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されることが好ましい。
本発明に用いる水性塗液の固形分濃度は、通常20重量%以下であるが、特に1〜10重量%であることが好ましい。この割合が1重量%未満であると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあり、一方、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
水性塗液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、さらには配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、更には縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進機能や塗液の安定性を向上させるものであり、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。なお、塗膜は必要に応じフィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
フィルムをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均してフィルム厚みを求めた。
(2)塗布層厚み
フィルムを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から塗布層の厚みを10点測定し、平均して塗布層厚みを求めた。
(3)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20m/分で測定を行った。
(4)反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO白板を100%とした時の反射率を400〜700nmにわたって測定し、得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取った。フィルムが積層フィルムである場合、粒子含有量の多い層の側から測定を行った。上記の範囲内で平均値を求め、全測定領域において反射率90%以上が好ましい。
(5)異音の発生
フィルムのうえにアクリル板(アクリライトL N865)を重ねあわせ、その上に錘を載せてフィルムを一定速度(10cm/分)で引っ張り、音鳴りが発生する錘の重さを測定した。積層フィルムの場合は、粒子含有量の多い側にアクリル板を重ね合わせた。
◎:5kgの錘で音鳴りしない。
△:5kgの錘で音鳴りする。
×:3kgの錘で音鳴りする。
△以上が実用性能を有する。
(6)表面抵抗
フィルムの塗布層表面の表面固有抵抗を、タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%の条件で、1日調湿後、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。なお、表面固有抵抗値は1×1012(Ω/□)以下が好ましく、1×1011以下がさらに好ましい。
(7)塗布層強度
フィルムの塗布層表面を学振式磨耗試験機で、錘200gにより荷重をかけて、ガーゼを用いて、1往復擦過した。擦過した部分の表面固有抵抗を上記(6)の測定方法で測定した。なお、初期の表面固有抵抗値と比較して、十の2乗以内の上昇まであれば塗膜層強度は実用上十分に強い。
(8)粒子の平均粒径
島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて測定した。得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした(「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜247参照)。
(9)揮発ケイ素元素量
フィルムからサンプルを10mg単位の精度で所定量を量り取り、パージアンドトラップ法により200℃、常圧、30分間の加熱処理で揮発する成分を捕集した。捕集した成分をGC/MS(HP5973 横河アナリティカルシステムズ社製)で解析し、フィルム1m当りの揮発ケイ素元素量を算出した。
[実施例1〜5および比較例1]
テレフタル酸ジメチル53重量部、イソフタル酸ジメチル7重量部、エチレングリコール37重量部、ジエチレングリコール0.4重量部、酢酸マンガン0.05重量部、酢酸リチウム0.012重量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03重量部、二酸化ゲルマニウム0.04重量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステルのイソフタル酸成分量は12モル%、ジエチレングリコール成分量は3モル%、ガラス転移点80℃、融点230℃であった。このポリエステル樹脂をA層、B層に用い、平均粒径1.4μmの硫酸バリウムをそれぞれA層に5重量%、B層に40重量%添加した。それぞれ285℃に加熱された2台の押出機に供給し、A層ポリマー、B層ポリマーをA層とB層がA/B(=30/70、層比率)となるような2層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度20℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを95℃にて加熱し長手方向(縦方向)に延伸し、20℃のロール群で冷却した。ロールコーターによりB層表面側に表1に示す塗工液(2重量%)、条件で均一に塗設した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で215℃の温度で熱固定を行い、その後、縦方向に0.5%、横方向に2.0%弛緩を行い、室温まで冷やして厚み175μの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムは85℃、30分の熱収縮率が長手方向0.3%、幅方向0.3%、反射率は全測定領域で95%であった。なお、塗布層の組成は表1の通りであり、得られた白色ポリエステルフィルムの塗布層の評価結果は表1のとおりであった。
[比較例2]
塗工液を塗設しない以外は実施例1と同様にして実施した。
帯電防止剤1:
下記式に示す構造が90モル%/N−メチロールアクリルアミドが10モル%からなる共重合体
Figure 2009053604
帯電防止剤2:
下記式に示す構造が90モル%/N−メチロールアクリルアミドが10モル%からなる共重合体
Figure 2009053604
ワックス1:
パラフィンワックス(中京油脂株式会社製 商品名セロゾール686)
ワックス2:
カルナバワックス(中京油脂株式会社製 商品名セロゾール524)
ワックス3:
オレフィンワックス(松本油脂製薬株式会社製 商品名マーポゾールP−138)
シリコーン化合物1:
シリコーンエマルジョン(信越化学工業株式会社 商品名KM871P)
界面活性剤:
ポリオキシエチレン(n=8.5)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−85)
架橋剤:
オキサゾリン(株式会社日本触媒製 商品名エポクロスWS−700)
Figure 2009053604
本発明の反射板用白色ポリエステルフィルムは、液晶表示装置のバックライトユニットに組み込まれる反射板として最適に用いることができる。

Claims (1)

  1. 白色ポリエステルフィルムおよびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなり、200℃、常圧、30分間の加熱処理において揮発するケイ素元素の量が1m当り5μg以下であることを特徴とする、反射板用白色ポリエステルフィルム。
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