JP2007268708A - インモールド転写用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】艶消し外観を得ることができ、巻き取り性、転写箔との耐ブロッキング性、成型時の離型層との接着性にも優れたインモールド用転写箔の基材フィルムとして有用なインモールド転写用フィルムを提供する。
【解決手段】中心線平均表面粗さRaが20〜50nmのポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられカチオンポリマーを含有する帯電防止層からなり、カチオンポリマーが特定の式で表されるモノマー成分(a)をポリマーの構成成分として含有することを特徴とする、インモールド転写用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はインモールド転写用フィルムに関し、詳しくは射出成形等において成形と同時に転写印刷するインモールド用転写箔に用いる支持フィルムとして有用なインモールド転写用フィルムに関する。
従来、インモールド用転写箔として、ポリエステルフィルムをベースフィルムとし、そのうえに離型層(メジューム層)を設け、さらにこの離型層のうえに印刷層を塗工したものが用いられている。
このインモールド用転写箔は、成形転写後に離型層面と印刷層面との間で剥がされ、分離される。すなわち、成形転写後に印刷層は成形品の表面に接着して製品として取出され、離型層はベースフィルムのうえに設けられた状態で製品から取り除かれる。
しかし、従来のインモールド用転写箔では、離型層とベースフィルムとの接着力が不十分であったり、離型層面と印刷層面との離型性が不十分である場合が多く、成形転写後の前記剥離処理で離型層面とベースフィルム面との間で剥離が生じて、離型層が印刷層と共に成形品の表面に残って取出されてしまうことが頻発する。この問題は、インモールド転写において、積層フィルムが変形される際の歪みにより離型層とベースフィルムとが剥れることに起因していると考えられる。
特開平6−115295号公報 特開2004−223800号公報 特開2004−174975号公報 特開2004−58648号公報
この点を改良するには、ベースフィルムと離型層の間に接着層を設け、ベースフィルムと離型層との接着性を改良することが有効である。しかし、接着層を構成する樹脂は、良好な接着特性を得ようとすると耐溶剤性の低いものを使うことになる。このため、離型層を塗工する際溶剤によって溶解したり、軟らかくなった接着層が離型層塗工具にて部分的に剥ぎ取られ、離型層とベースフィルムとの接着強度が低下するという、新たな問題が生じる。また、接着層を積層したフィルムはフィルム同士が粘着し易く、耐ブロッキング性が劣り、このフィルムのうえに離型層を設ける際のハンドリング性に劣る問題がある。
さらに近年、インモールド転写はより高い生産性が求められており、成形速度を向上させることが試みられている。インモールド用転写箔を取り扱う際に帯電による転写箔同士の貼付きや転写箔表面へのゴミや埃付着が発生し、生産性を落とすことがある。また、成形時に金型がポリエステルフィルムから発生するオリゴマーによって汚染され、金型の洗浄頻度多くなり、生産性を下げる原因となっている。
通常、ゴミや埃付着を防止するためにフィルム表面に帯電防止剤を塗工し、それらの付着を防止する。しかし、一般的な帯電防止剤はイオン性の化合物であり、水に対して弱く、インモールド用転写箔の印刷等の工程では不要物等の除去に洗浄水が用いられ、帯電防止層が洗浄水で溶出する問題がある。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消することを目的とし、インモールド用転写箔作成過程から成形転写に至る間で優れた帯電防止性を有し、生産性を格段に向上させることができ、特に艶消しの表面外観を得ることのでき、巻き取り性、耐ブロッキング性に優れたインモールド用転写箔の基材フィルムとして有用なインモールド転写用フィルムを提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、中心線平均表面粗さRaが20〜50nmのポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられたカチオンポリマーを含有する帯電防止層からなり、カチオンポリマーは下記式で表されるモノマー成分(a)をポリマーの構成成分として含有することを特徴とする、インモールド転写用フィルムである。
Figure 2007268708
本発明によれば、インモールド用転写箔作成過程から成形転写に至る間で優れた帯電防止性を有し、生産性を格段に向上させることができ、特に艶消しの表面外観を得ることのでき、巻き取り性、耐ブロッキング性に優れたインモールド用転写箔の基材フィルムとして有用なインモールド転写用フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。
ポリエステルは、これらのポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートが力学的物性と成形性のバランスがよいので特に好ましい。
ポリエステルフィルムの中心線平均表面粗さRaは20〜50nm、好ましくは25〜45nmである。Raが20nm未満であると良好な艶消し外観を得ることができず、良好な巻き取り性、耐ブロッキング性を得ることができない。Raが50nmを超えるとフィルムの透明性が下がり、インモールド転写箔加工時の印刷層の外観検査がしにくくなる。なお、本発明で形成される塗膜は十分に薄く塗膜を設けた後の塗膜表面の中心線平均表面粗さRaとベースのポリエステルフィルム表面の中心線平均表面粗さRaとは一致する。したがって、ポリエステルフィルムの中心線平均表面粗さRaは、塗膜を設けた状態で塗膜表面の中心線平均表面粗さを測定することで得ることができる。
ポリエステルフィルムはインモールド成型で艶消しの表面外観を得るために微粒子を添加することが好ましい。微粒子を含有すると良好な巻き取り性を付与することができる。この微粒子としては、無機滑剤、有機滑剤を用いることができる。無機滑剤としては、シリカ(塊状、多孔質、球状のものを含む)、酸化チタン、酸化アルミニウム(特に、結晶系がγ、δ、θ型)、炭酸カルシウム、硫酸バリウムを例示することができ、有機滑剤としては、球状シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子を例示することができる。微粒子を用いる場合、1種類を用いても2種類以上を用いてもよい。2種類以上を用いる場合、平均粒径が異なるものを組み合わせでもよい。
ポリエステルフィルムの表面粗さRaを20〜50nmとするために、用いる微粒子の平均粒径を0.5〜5.0μm、配合量を0.02〜1重量%とすることが好ましい。平均粒径が0.5μm未満であると十分な表面の荒れを得られず、インモールド成型で艶消し表面外観とならず好ましくなく、5.0μmを越えて大きいとフィルムの強度が下がり好ましくない。微粒子の添加量が0.02重量%未満であると十分な粗さが得られず好ましくなく、1重量%を越えて多いと透明性が下がり好ましくない。
ポリエステルフィルムはインモールド用転写箔の印刷層を反対面から観察して状態を確認することがあるため、透明性が高い方が好ましい。なお、ポリエステルフィルムは、例えば着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤を含有してもよい。
ポリエステルフィルムは、例えば次の方法で製造することができる。すなわち、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて非晶未延伸フィルムとし、縦方向および横方向に延伸する。縦方向の延伸は例えば温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で、縦方向に例えば2.0〜4.0倍、好ましくは2.5〜3.5倍に延伸する。横方向の延伸は、例えば温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で、横方向に例えば2.0〜4.0倍、好ましくは3.0〜4.0倍に延伸する。二軸延伸後の面積倍率は13以下とすることが好ましい。
なお、フィルムの延伸後には熱固定処理を行なうことが好ましい。熱固定処理は、最終延伸温度より高く融点以下の温度内で1〜30秒の時間内行なうことが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレートフィルムでは150〜250℃の温度、2〜30秒の時間の範囲で選択して熱固定することが好ましい。その際、20%以内の制限収縮もしくは伸長、または定長下で行ない、また2段以上で行なってもよい。
ポリエステルフィルムの厚みは、インモールド転写として使用する場合にハンドリング性、成形性、透明性の点から必要な強度を得るために、好ましくは12〜100μm、さらに好ましくは25〜75μmである。
[帯電防止層]
[カチオンポリマー]
本発明において帯電防止層はカチオンポリマーを含有してなる。このカチオンポリマーは、下記式で表されるモノマー成分(a)をポリマーの構成成分として含有する。
Figure 2007268708
なお、RおよびRは炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基である。Rは炭素数1〜10のアルキレン基であり、例えばエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基である。RおよびRは炭素数1〜3の飽和炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基である。Rは炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基は、例えばヒドロキシエチレン基、ヒドロキシトリメチレン基、ヒドロキシテトラメチレン基である。Yは炭素数1〜3のアルキルスルホネート、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の各イオンである。炭素数1〜3のアルキルスルホネートは具体的には、メチルスルホネート、エチルスルホネート、プロピルスルホネートである。
モノマー成分(a)は、カチオンポリマーを構成するモノマー成分100モル%あたり好ましくは30〜79モル%の範囲で用いる。30モル%未満であると帯電防止性が1×1013Ω/□よりも高くなってしまい好ましくない。79モル%を超えると塗膜の耐水性が悪くなり水洗浄後の帯電防止性が低下するため好ましくない。
そして、上記カチオンポリマーは、好ましくは、モノマー成分(a)、非反応性モノマー成分(b)および反応性モノマー成分(c)をポリマーの構成成分として含有する。この場合、好ましくは各成分の組成比率が下記式を満たす。
30モル%≦a≦79モル%
20モル%≦b≦100−(a+c)モル%
1モル%≦c≦40モル%
カチオンポリマーが、これらの条件を満たす成分から構成されると、塗膜の造膜性、凝集力や塗膜の耐水性、耐薬品に優れる塗膜を得ることができる。
非反応モノマー成分(b)としては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基)、スチレン、αーメチルスチレンを例示することができる。
非反応性モノマー成分(b)は、カチオンポリマーを構成するモノマー成分100モル%あたり好ましくは20〜70モル%の範囲で用いる。20モル%未満であるとポリエステルフィルムへの密着性、塗膜の凝集性が低くなり好ましくない。70モルを超えると帯電防止性が低くなり好ましくない。
反応性モノマー成分(c)としては、2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、 N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート等のイソシアネート含有モノマーを例示することができる。
反応性モノマー成分(c)は、カチオンポリマーを構成するモノマー成分100モル%あたり好ましくは1〜40モル%の範囲で用いる。1モル%未満であると耐水帯電防止性が低くなり、50℃温水の10時間浸漬後の表面固有抵抗変化率が100を越えてしまうため好ましくない。40モル%を越えると架橋点が多くなり塗膜の造膜性が悪くなり好ましくない。
[微粒子]
帯電防止層中には微粒子が含有されることが好ましい。微粒が含有される場合、好ましくは平均粒子径20〜100nm、さらに好ましくは40〜80nmのものが用いられる。20nm未満であるとフィルム巻き取った時のブロッキング性やフィルムの巻取り性が劣り、さらに、インモールド用転写箔の形態において、帯電防止層は印刷層と接触するがこのとき帯電防止層と印刷層のブロッキングが発生することがあり好ましくない。100nmを超えると微粒子の欠落や塗布層の透明性が悪化することがあり好ましくない。
微粒子は帯電防止層中に好ましくは5〜30重量%含有される。5重量%未満であるとインモールド用転写箔の形態において帯電防止層と印刷層のブロッキングが発生することがあり好ましくない。30重量%を超えると微粒子が塗布層から欠落することがあり好ましくない。
微粒子は、無機微粒子、有機微粒のいずれも用いることができる。無機微粒子としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデンからなる粒子を用いることができる。有機微粒子としては、例えばアクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂のような耐熱性樹脂からなる有機微粒子を用いることができる。
[架橋剤]
帯電防止層は、さらに架橋剤が含有されていることが塗膜の凝集力向上や加熱時の析出オリゴマー抑制させるために好ましい。架橋剤としては、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物を例示することができ、その他のカップリング剤を用いることもできる。取り扱い易さや塗液のポットライフが長いことからエポキシ化合物、オキサゾリン化合物を用いることが好ましく、カップリング剤を用いることも好ましい。
架橋剤をさらに具体的に例示すると次のとおりである。
エポキシ化合物は、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等が挙げられ、ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトール、ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
オキサゾリン化合物は、オキサゾリン基を有する化合物であり、好ましくは重合体を用いる。例えば、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーを単独で重合し、もしくは他のモノマーとの共重合によって製造することができる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーを用い、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等のア(メタ)クリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα、β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン、等のα、β−不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを用いることができる。
メラミン化合物は、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アルコールを反応させてエーテル化した化合物を用いることが好ましい。
メチロールメラミン誘導体としては、例えば、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。低級アルコールとして、例えば、炭素数1〜3のアルコール、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールを用いる。
イソシアネート化合物は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、1,6−ジイソシアネートヘキサン、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ポリオール変性ジフェニルメタン−4、4´−ジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3´−ビトリレン−4,4´ジイソシアネート、3,3´ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネートを挙げることができる。
カップリング剤は、例えばシランカップリング剤を用いることができる。これは、一般式YRSiXで示される化合物である。ここで、Yはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基といった有機官能基、Rはメチレン、エチレン、プロピレン基といったアルキレン基、Xはメトキシ基、エトキシ基といった加水分解基及びアルキル基である。Y部分がエポキシ基であることが特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである。
カップリング剤としては、ジルコニウム、チタン、アルミニウムといった金属を含む有機金属化合物を用いることができる。例えば、アルコキシド、キレート、アシレート系に分類されるものが好ましい。具体的には、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、チタンアセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネート、チタンラクテートを例示することができる。
架橋剤を用いる場合、架橋剤の添加量は、帯電防止層の全重量100重量%あたり好ましくは5〜50重量%とする。5重量%未満であると塗布層の凝集力が低くなり耐久性が悪化する場合があり好ましくない。50重量%を超えると塗布層の造膜性が悪くなり塗布外観が悪化し好ましくない。
本発明において、帯電防止層は塗布によりポリエステルフィルムのうえに設けられることが好ましい。帯電防止層の厚みは、乾燥後の厚みとして、好ましくは0.01〜0.1μm、さらに好ましくは0.01〜0.06μmである。0.01μm未満であると帯電防止性が不十分となり好ましくなく、0.1μmを超えるとインモールド用転写箔とのブロッキングを起こし易くなるので好ましくない。
[表面固有抵抗]
帯電防止層の表面固有抵抗は、好ましくは1×1013Ω/□以下、さらに好ましくは
1×1012/□以下である。表面固有抵抗が1×1013Ω/□を超えると、本発明で必要とする帯電防止性を得ることができず好ましくない。また、50℃の温水に10時間浸漬させた後の帯電防止性の塗布層表面の表面固有抵抗変化率は、好ましくは100以下、さらに好ましくは10以下である。なお、表面固有抵抗値の変化率とは50℃の純水に10時間浸漬処理後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値を未処理の帯電防止層表面の表面固有抵抗値で割った値である。上記の表面固有抵抗変化率が100を超えるとインモールド用転写箔の印刷等の工程で洗浄水を用いて不要物を除去する際に帯電防止層が溶出することがあり好ましくない。
[易接着層]
本発明においては、ポリエステルフィルムの帯電防止層とは反対側に易接着層が設けられることが好ましい。易接着層は塗布により設けられた易接着性の塗布層であることが好ましい。易接着層には、インモールド用転写箔として用いるときに設けられる離型層との高い接着性を得るために共重合ポリエステルを使用することが好ましい。
共重合ポリエステルとしては、例えば下記の多塩基酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。高分子バインダーを構成するポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。ポリエステルには、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。ポリエステルのジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
この共重合ポリエステルは、好ましくはガラス転移点(Tg)が40〜85℃、さらに好ましくは45〜80℃の特性を有する。共重合ポリエステルのTgが40℃未満であると得られるフィルムは耐熱性、耐ブロッキング性が劣り好ましくなく、85℃を超えると易接着性が劣り好ましくない。
共重合ポリエステルは、塗布層を形成させるために水分散液あるいは乳化液の形態で使用するのが好ましい。塗布層を形成するために、前記共重合ポリエステル以外に他の樹脂、着色剤、帯電防止剤、触媒、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて含有することもできる。
[微粒子]
易接着層には好ましくは微粒子が含有される。微粒子としては、好ましくは平均粒子径20〜100nm、さらに好ましくは40〜80nmのものを用いる。平均粒子径が20nm未満であるとフィルム巻き取った時のブロッキング性やフィルムの巻取り性が劣り好ましくなく、100nmを超えると微粒子の欠落や塗布層の透明性が悪化することがあり好ましくない。
微粒子を用いる場合、易接着層の重量100重量%あたり好ましくは30重量%以下の割合で用いる。30重量%を超えると被膜層の強度が低下し、後の工程で塗膜削れ等のトラブルを生じるようになり好ましくない。
微粒子としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデンといった無機微粒子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂といった耐熱性樹脂からなる有機微粒子を例示することができる。これらの中で取り扱いや塗液中での安定性、塗膜中の分散性の点で、酸化ケイ素、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が好ましい。
易接着層の厚みは、乾燥後の最終厚みとして、好ましくは0.05〜0.3μm、さらに好ましくは0.07〜0.2μmである。厚みが0.05μm未満であると接着性が不十分となり好ましくなく、0.3μmを超えるとブロッキングを起こし易くなるので好ましくない。
[製造方法]
本発明において帯電防止層および易接着層の塗設に用いられる上記組成物は、塗布層を形成させるために水性塗液、例えば、水溶液、水分散液または乳化液の形態で使用されることが好ましい。塗膜を形成するために、必要に応じて、前記組成物以外の他の樹脂、例えば着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤を添加してもよい。
本発明に用いる水性塗液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。1重量%未満であるとポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあり好ましくなく、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
水性塗布液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、さらには配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進機能や塗液の安定性を向上させる作用をし、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、各種物性は下記の方法により評価した。
(1)帯電防止層密着性
フィルムの帯電防止層の表面を指で10cm長を10往復擦りつけ、塗膜の欠落状態を観察し、帯電防止層密着性を下記の基準で評価した。
A+:変化無し
A :若干表面に変化有り
B :擦過面積の半分までが欠落
C :擦過面積の大部分が欠落
(2)帯電防止性
・表面固有抵抗値
サンプルフィルムの帯電防止層表面の表面固有抵抗を、タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%の条件で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。
・表面固有抵抗値の変化率
サンプルフィルムを50℃の純水に10時間浸漬させた後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値を上記同様に測定し、未処理の表面固有抵抗値と50℃の純水に10時間浸漬処理後の表面固有抵抗値の変化率を求めた。なお、表面固有抵抗値の変化率は、50℃の純水に10時間浸漬処理後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値を未処理の帯電防止層表面の表面固有抵抗値で割った値である。
(3)耐ブロッキング性
サンプルフィルムの帯電防止層面とインモールド用転写箔の印刷面との耐ブロッキング性を評価するためスタンピングホイルの顔料箔(COLORIT)Pタイプ(クルツ社製)を使用して、帯電防止面と印刷面を合わせ、温度60℃、圧力1kg/cmを加えて、24時間その環境に保持した後、帯電防止層面とラベルのシール面のブロッキング状態を観察し、下記の基準で評価した。この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
A+:変化無し
A :若干表面に変化有り
B :一部分が剥離
C :全体的に剥離
(4)離型層接着性
フィルムの塗布面の上にメラミン樹脂のメチルエチルケトン/トルエン溶液を塗布し1μm厚さの離型層(メジューム層)の膜を形成させ、ホットプレス法により積層体として金型に乗せて成形したときの離型層の状況を観察し下記の基準で評価した。この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
A :変化無し
B :一部分が剥離
C :全体的に剥離
(5)塗布層厚み
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)を用いて、塗布層の厚みを測定した。
(6)艶消し外観
JIS Z8741に準じ、フィルムのインモールド転写箔加工面を光沢計(ミノルタ製GM−268)で60°の光沢度を測定した。但し、測定面と反対面は黒テープを貼って、裏面の反射を防いだ。フィルム表面の光沢度を測定することで、インモールド成型後の成型体表面の艶消し度合が評価できる。フィルム表面の光沢度が100〜150の範囲で適切な艶消し外観となる。なお、150よりも高い光沢度では成型体の表面は鏡面のようになり好ましくなく、100未満であると成型体の表面が荒れすぎ好ましくない。
(7)摩擦係数
ASTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製のスリッパリー測定器を使用し、両面塗布の場合は塗膜形成面同士、片面塗布の場合は塗膜形成面と塗膜非形成面との静摩擦係数(μs)を測定した。但し、スレッド板はガラス板とし、荷重は1kgとした。この評価で、Aまでが実用性能を満足する。
A+: 摩擦係数(μs)≦0.3 ……滑り性極めて良好
A :0.3<摩擦係数(μs)≦0.5 ……滑り性良好
B :0.5<摩擦係数(μs)≦0.8 ……滑り性やや不良
C :0.8<摩擦係数(μs) ……滑り性不良
(8)中心線平均表面粗さ(Ra)
JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精度表面粗さ計 SE−3FATを使用して、針の半径2μm、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ0.08mmの条件下にチャートを描かせ、表面粗さ曲線からその中心線方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向とY軸として、粗さ曲線をY=f(x)で表わした時、次の式で与えられた値をnm単位で表わした。また、この測定は、基準長を1.25mmとして4個測定し、平均値で表わした。
Figure 2007268708
[実施例1および2]
平均粒子径が2μmの酸化ケイ素の微粒子を0.1wt%を含む溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.64dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、表に示す塗布層構成成分からなる塗布液(易接着層:5wt%、帯電防止層:3wt%)をそれぞれロールコーターで均一に塗布した。この塗布フィルムを引き続いて105℃で乾燥し、140℃で3.5倍に延伸し、更に230℃で熱固定して表に示す塗膜を有する二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ38μm)を得た。
これら実施例1、2はインモールド成型体の表面に艶消し外観を得ることができ、フィルムの巻き取り性、転写箔との耐ブロッキング性、成型時の離型層との接着性にも優れたインモールド用転写箔の基材フィルムとして得ることができた。
なお、ポリエステルフィルムの中心線平均表面粗さRaは、比較例2で塗布層を設けずに作成したポリエステルフィルムを測定して得た中心線平均表面粗さRaを用いた。
[比較例1]
フィルム内の平均粒子径が2μmの酸化ケイ素の微粒子量が0.01wt%を含む以外は実施例1と同様にして実施して塗布フィルムを得た。
[比較例2]
塗布層を設けない以外は実施例1と同様にして実施して塗布フィルムを得た。
Figure 2007268708
表において、用いた成分はつぎのとおりである。
カチオンポリマー1:
下記式に示す構造が85モル%/メチルアクリレート10モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%からなる共重合体である。
Figure 2007268708
カチオンポリマー2:
下記式に示す構造がモル%70モル%/メチルアクリレート25モル%/アクリル酸5モル%からなる共重合体である。
Figure 2007268708
架橋剤:
オキサゾリン(株式会社日本触媒製 商品名エポクロスWS−700)
界面活性剤:
ポリオキシエチレン(n=8.5)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−85)。
共重合ポリエステル:
酸成分がテレフタル酸50モル%/イソフタル酸45モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=40℃)。なお、ポリエステルは、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル30部、イソフタル酸ジメチル27部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5部、エチレングリコール36部、ジエチレングリコール3部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、共重合ポリエステルを得た。
本発明のインモールド転写用フィルムは、艶消し外観を呈するインモールド成形に好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 中心線平均表面粗さRaが20〜50nmのポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられたカチオンポリマーを含有する帯電防止層からなり、カチオンポリマーは下記式で表されるモノマー成分(a)をポリマーの構成成分として含有することを特徴とする、インモールド転写用フィルム。
    Figure 2007268708
  2. カチオンポリマーが、モノマー成分(a)、非反応性モノマー成分(b)および反応性モノマー成分(c)をポリマーの構成成分としてなり、各成分の組成比率が下記式を満たす、請求項1記載のインモールド転写用フィルム。
    30モル%≦a≦79モル%
    20モル%≦b≦100−(a+c)モル%
    1モル%≦c≦40モル%
  3. 帯電防止層がさらに架橋剤を含有してなる、請求項1記載のインモールド転写用フィルム。
  4. 帯電防止層の表面固有抵抗が1×1013Ω/□以下、かつ50℃の温水に10時間浸漬させた後の帯電防止性の塗布層表面の表面固有抵抗変化率が100以下である、請求項1記載のインモールド転写用フィルム。
  5. ポリエステルフィルムの帯電防止層とは反対側に易接着層が設けられる、請求項1記載のインモールド転写用フィルム。
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