JP2009178954A - インモールド転写用ポリエステルフィルム - Google Patents

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真司 矢野
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Abstract

【課題】該離型層と支持フィルムとの剥離がない優れた接着性を備え、帯電防止性を有し、さらに耐水性および耐溶剤性を備える、インモールド転写用の転写箔の支持フィルムとして用いられるポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの片面に易接着性のポリエステル塗布層が設けられ、その反対面に帯電防止性の塗布層が設けられ、ポリエステル塗布層が、ガラス転移点30〜85℃で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.02〜0.2モル%を含む共重合ポリエステルからなることを特徴とする、インモールド転写用ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は射出成形等において成形と同時に転写印刷するインモールド転写用の転写箔(インモールド用転写箔)の支持フィルムとして有用な、インモールド転写用ポリエステルフィルムに関する。
従来、インモールド用転写箔として、ポリエステルフィルムを支持フィルムとし、この支持フィルムの表面に離型層(メジューム層ともいう)を設け、さらにその上に印刷層を塗工した積層フィルムが用いられている。
このインモールド用転写箔は、成形転写後に離型層面と印刷層面との間で剥がされ、分離される。即ち、成形転写後に印刷層は成形品の表面に接着して製品として取出され、離型層は支持フィルムに積層した状態で成形後取り除かれる。
しかし、従来のインモールド用転写箔は、離型層と支持フィルムとの接着力が不十分であったり、離型層面と印刷層面との離型性が不十分であったりすることが多く、成形転写後の前記剥離処理で離型層面と支持フィルム面との間で剥離が生じて、離型層が印刷層と共に成形品の表面に残って取出されてしまう問題が頻発する。この問題を改良するには、支持フィルムと離型層との間に接着層を設け、支持フィルムと離型層との接着性を改良する方法が有効である。しかし、この接着層を構成する樹脂は通常、接着特性の点から耐溶剤性の低いものが用いられる。
このため、離型層を塗工する際に溶剤によって溶解したり、軟らかくなった接着層が離型層塗工具にて部分的に剥ぎ取られ、離型層と支持フィルムとの接着強度が低下するという新たな問題が生じる。また、接着層を積層したフィルムはフィルム同士が粘着し易く、耐ブロッキング性が悪く、このフィルムに離型層を積層する際のハンドリング性が悪い。
また、インモールド転写はより高い生産性が求められており、成形速度を向上させることが試みられている。インモールド用転写箔を取り扱う際に帯電による転写箔同士の貼付きや転写箔表面へのゴミや埃付着が発生し、生産性を落とすことがある。通常、ゴミや埃付着を防止するためにフィルム表面に帯電防止剤を塗工し、それらの付着を防止する。しかし、一般的な帯電防止剤はイオン性の化合物であり、耐水性が低く、インモールド用転写箔の印刷工程で不要物の除去および洗浄のために用いられる水に弱く、帯電防止層が洗浄水で溶出してしまう。
特開2004−223800号公報 特開2006−187950号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、インモールド転写用の転写箔の支持フィルムとして用いるために離型層を設けても該離型層と支持フィルムとの剥離がない優れた接着性を備え、帯電防止性を有し、さらに耐水性および耐溶剤性を備える、インモールド転写用の転写箔の支持フィルムとして用いられるインモールド転写用ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムの片面に易接着性のポリエステル塗布層が設けられ、その反対面に帯電防止性の塗布層が設けられたインモールド転写用ポリエステルフィルムであって、ポリエステル塗布層が5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分0.02〜0.2モル%を共重合成分として含むガラス転移点30〜85℃の共重合ポリエステルからなることを特徴とする、インモールド転写用ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、インモールド転写用の転写箔の支持フィルムとして用いるために離型層を設けても該離型層と支持フィルムとの剥離がない優れた接着性を備え、帯電防止性を有し、さらに耐水性および耐溶剤性を備える、インモールド転写用の転写箔の支持フィルムとして用いられるインモールド転写用ポリエステルフィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。
ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルは、これらの上記ポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートが力学的物性や成形性等のバランスが良いので特に好ましい。
ポリエステルは、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤を含有してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムは、インモールド用転写箔の印刷層を反対面から確認することがあり、透明性が高い方が好ましい。さらに近年の高精細な印刷に対応するために、平坦な表面であることが好ましい。
かかるポリエステルフィルムの製造では、例えば上記のポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて非晶未延伸フイルムとし、温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で縦方向に2.0〜4.0倍、好ましくは2.5〜3.5倍延伸し、ついで横方向に温度60〜130℃、好ましくは90〜125℃で2.0〜4.0倍、好ましくは3.0〜4.0倍延伸するのが好ましい。なお、二軸延伸の面積倍率は13以下であることが好ましい。また、一方向の延伸は2段以上の多段で行なう方法を用いることもできるが、二軸方向に延伸した後中間熱処理をしてから、再度一段目と同じ方向及び/または二段目と同じ方向に延伸してもよい。この場合も最終的な延伸倍率は前記した範囲内にあることが好ましい。
延伸後には、熱固定することが好ましく、熱固定処理は最終延伸温度より高く融点以下の温度内で1〜30秒の時間内行なうのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムでは150〜250℃の温度、2〜30秒の時間から選択して熱固定するのが好ましい。その際、20%以内の制限収縮もしくは伸長、または定長下で行ない、また2段以上で行なってもよい。
ポリエステルフィルムの厚みは、インモールド転写として使用する場合にハンドリング性、成形性、透明性の点から必要な強度を得るために12〜100μmであることが好ましく、特に25〜75μmであることが好ましい。
[易接着性の塗布層]
ポリエステルフィルムの片面には易接着性のポリエステル塗布層が設けられる。本発明において、このポリエステル塗布層は、全酸成分を基準として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分0.02〜0.2モル%を共重合成分として含むガラス転移点30〜85℃の共重合ポリエステルからなる。
共重合ポリエステルにおける5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が0.02モル%未満であると得られる共重合ポリエステルのエマルジョンの安定性が確保できなく、0.2モル%を超えると塗膜形成後の耐水性および耐溶剤性に劣るものとなる。共重合ポリエステルのガラス転移点(以下「Tg」という場合がある)が30℃未満であると得られるフィルムは耐熱性、耐ブロッキング性が劣り、85℃を超えると易接着性が劣る。この共重合ポリエステルのTgは、好ましくは40〜85℃、さらに好ましくは45〜80℃である。この範囲であると、さらに良好な耐熱性、耐ブロッキング性および易接着性を兼ね備えることができる。
上記共重合ポリエステルは、下記の多塩基酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸を例示することができる。この共重合ポリエステルとしては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。ポリエステルには、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
ポリエステルのジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
また共重合ポリエステルとして、変性ポリエステル共重合体、例えば前記ポリエステル共重合体を、例えばアクリル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、フェノール樹脂で変性したブロック重合体、あるいはグラフト重合体を用いることもできる。
これら共重合ポリエステルは、塗布層を形成させるために水分散液あるいは乳化液の形態で使用するのが好ましい。塗布層を形成するために、前記共重合ポリエステル以外に他の樹脂、着色剤、帯電防止剤、触媒、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて含有することもできる。
易接着性の塗布層には微粒子が含有されることが好ましい。微粒子の平均粒子径は、好ましくは20〜100nm、さらに好ましくは40〜80nmである。平均粒子径が20nm未満であるとフィルム巻き取った時のブロッキング性やフィルムの巻取り性が劣り好ましくない。平均粒子径が100nmを超えると微粒子の欠落や塗布層の透明性が悪化することがあり好ましくない。
微粒子の含有量は、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは1〜20重量%である。30重量%を超えると塗布層の強度が低下し後の工程で塗膜削れ等のトラブルを生じるようになり好ましくない。
微粒子の種類としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等のような無機微粒子や、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂のような耐熱性樹脂からなる有機微粒子を挙げることができる。これらの中で取り扱いや塗液中での安定性、塗膜中の分散性の点から酸化ケイ素、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が特に好ましい。
最終乾燥の塗布厚みとしては、好ましくは0.05〜0.3μm、さらに好ましくは0.07〜0.20μmである。塗膜の厚さをこの範囲とすることによって、接着性と耐ブロッキング性を得ることができる。
易接着性のポリエステル塗布層は、特に好ましい態様においては、ガラス転移点40〜85℃の共重合ポリエステルと平均粒子径20〜100nmの微粒子を含有し、乾燥後の塗布厚みが0.05〜0.3μの塗布層である。
[帯電防止性の塗布層]
本発明においては、ポリエステルフィルムの片面に易接着性の塗布層が設けられ、その反対面に帯電防止性の塗布層が設けられる。
帯電防止性の塗布層中には微粒子が含有されることが好ましい。微粒子の平均粒子径は、好ましくは20〜100nm、さらに好ましくは40〜80nmである。この範囲の平均粒子径の微粒子を用いることによって、フィルムを巻き取った時の耐ブロッキング性に優れ、フィルムの巻取り性を良好に維持することができるとともに、帯電防止層と印刷層とのブロッキングの発生を抑制することができ、同時に、粒子の欠落がなく、透明性な帯電防止層を得ることができる。
帯電防止性の塗布層中の微粒子の含有量は、好ましくは5〜30重量%である。この範囲であると、帯電防止層と印刷層のブロッキングを防止し、微粒子の塗布層からの欠落を防止することができる。
微粒子としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデンといった無機微粒子や、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂といった耐熱性樹脂からなる有機微粒子を挙げることができる。これらの中で帯電防止性の塗布層中にはカチオンポリマーを有するため塗液中での安定性や塗布層形成後の帯電防止性能発現から酸化ケイ素やノニオン性やカチオン性の架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が特に好ましい。
帯電防止性の塗布層には、帯電防止剤としてカチオンポリマーが含有されることが好ましい。このカチオンポリマーとしては、下記式(1)で表わされる単位を有するポリマーが好ましい。
Figure 2009178954
(式中のR、Rは、それぞれHまたはCH;Rは、炭素数が2〜10のアルキレン基;R、Rは、それぞれ炭素数が1〜5の飽和炭化水素基;Rは、Hまたは炭素数が2〜10のヒドロキシアルキレン基;Yは、ハロゲンイオン、モノもしくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオンまたはアルキルスルホネートイオンである。)
塗膜の造膜性、凝集力を向上させるためにアクリル成分を共重合することが好ましい。塗膜の耐水性、耐薬品を向上させるために反応性アクリル成分を共重合することがより好ましい。
帯電防止性の塗布層に含有される架橋剤としては、例えばエポキシ、オキサゾリン、メラミン、イソシアネート、カップリング剤が挙げられ、これらの中から一種以上を用いることができる。
架橋剤の配合量は塗布層の重量に対して好ましくは5〜50重量%である。架橋剤の配合量が5重量%未満であると塗布層の凝集力が低くなり印刷層とのブロッキングが発生する場合があり好ましくない。50重量%を超えると塗布層の造膜性が悪くなり、塗布外観が悪化し好ましくない。
また、印刷層と帯電防止層との耐ブロッキング性を向上させるためにワックスを添加することが好ましい。
帯電防止性の塗布層の最終乾燥後の厚みは、好ましくは0.01〜0.1μm、さらに好ましくは0.01〜0.06μmである。塗膜の厚さをこの範囲とすることで、帯電防止性を備え、インモールド用転写箔とのブロッキングが発生しづらいフィルムを得ることができる。
本発明のインモールド転写用ポリエステルフィルムは、帯電防止層表面の表面固有抵抗値(測定温度23℃、測定湿度60%、印加電圧100Vで10秒間印加して1分間放置後の表面固有抵抗値)が、好ましくは1×1013Ω/□以下、さらに好ましくは1×1012Ω/□以下である。
本発明のインモールド転写用ポリエステルフィルムは、40℃の純水に24時間浸漬させた後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値の変化率が好ましくは100%以下、さらに好ましくは10%以下である。ここで、表面固有抵抗値の変化率とは40℃の純水に24時間浸漬処理後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値を、浸漬処理前の帯電防止層表面の表面固有抵抗値で割った値である。
[製造方法]
本発明において塗布層の塗設に用いられる組成物は、塗布層を形成させるために、水溶液、水分散液または乳化液といった水性塗液の形態で使用されることが好ましい。
本発明に用いる水性塗布液の固形分濃度は、通常20重量%以下であるが、特に1〜10重量%であることが好ましい。この割合が1重量%未満であると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあり、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
水性塗布液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、さらに配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、塗布層の組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施したものが好ましい。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進機能や塗液の安定性を向上させるものであり、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗工法を適用することができる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法を適用することができる。これらは、単独または組合せて用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
各種物性は下記の方法により評価した。
(1)接着性
サンプルフィルムの塗布面の上にメラミン樹脂のメチルエチルケトン/トルエン溶液を塗布し1μm厚さの離型層(メジューム層)の膜を形成させ、ホットプレス法により積層体として空型に乗せて成形したときの離型層の状況を観察し、下記の基準で評価した。
A:変化無し
B:一部分が剥離
C:全体的に剥離
Aのみが実用性能を満足する。
(2)帯電防止性
サンプルフィルムの帯電防止層表面の表面固有抵抗を、タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%、印加電圧100Vで10秒間印加して1分間放置後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。
さらにサンプルフィルムを40℃の純水に24時間浸漬させた後の帯電防止層表面の表面固有抵抗値を上記同様に測定し、浸漬処理前の表面固有抵抗値と40℃の純水に24時間浸漬処理後の表面固有抵抗値の変化率を求めた。
(3)耐ブロッキング性
サンプルフィルムの帯電防止層面とインモールド用転写箔の印刷面を合わせ、温度60℃、圧力1kg/cmを加えて、24時間その環境に保持した後、帯電防止層面とインモールド用転写箔の印刷面のブロッキング状態を観察し、下記の基準で評価した。
A:変化無し
B:一部分が剥離
C:全体的に剥離
Aのみが実用性能を満足する。
(4)塗布層厚み
包埋樹脂でサンプルフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)を用いて、塗布層の厚みを測定した。
(5)耐水性の評価
学振式磨耗試験機を用い、純水に含浸した綿帆布10号に荷重450gを掛けながら、フィルム表面を100往復擦った。フィルム表面の状況を目視観察して、擦った領域のフィルム表面に塗布層が残存する面積(これを残存面積という)と、擦った領域全体の面積(これを全体面積という)を求めた。表面残存面積率を残存面積/全体面積を表面残存面積率として算出して、下記の基準で評価した。
○:表面残存面積率80%以上
△:表面残存面積率50%以上80%未満
×:表面残存面積率50%未満
(6)耐溶媒性の評価
上述の耐水性評価において、純水をメチルエチルケトン、エチルアルコール、トルエンに変更した他は同様にして、同様の評価基準で評価した。
(7)粒子の平均粒径
島津制作所製CP−50型セントリフューグルパーティクルサイズアナライザー(Centrifugal Particle Size Annalyzer)を用いて測定し、得られる遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50重量%に相当する粒径を読み取った。
[実施例1〜4]
平均粒子径が2μmの酸化ケイ素の微粒子を0.01wt%を含む溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.64dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、表1に示す塗布層構成成分からなる水性塗布液(易接着層:固形分濃度8重量%、帯電防止層:固形分濃度4重量%)をそれぞれロールコーターで均一に塗布した。
次いで、この塗布フィルムを引き続いて105℃で乾燥し、140℃で3.5倍に延伸し、さらに220℃で熱固定して表に示す塗膜を有する二軸延伸ポリエステルフィルム(厚さ50μm)を得た。
塗布層の組成と評価結果を表1にまとめる。なお、「部」は重量部である。
微粒子1:
シリカ微粒子(平均粒径:80nm)(日産化学日本触媒株式会社製 商品名スノーテックスZL)。
微粒子2:
シリカ微粒子(平均粒径:40nm)(日産化学日本触媒株式会社製 商品名スノーテックスOL)
架橋剤1:
オキサゾリン(日本触媒社製 商品名エポクロスK1030E)
架橋剤2:
グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製 商品名デナコールEX−313)
界面活性剤:
ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)。
共重合ポリエステル−1:
酸成分がテレフタル酸50モル%/2,6−ナフタレンジカルボン酸49.9モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.1モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=80℃)。なお、ポリエステルは、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル30部、イソフタル酸ジメチル27部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5部、エチレングリコール36部、ジエチレングリコール3部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、共重合ポリエステルを得た。
共重合ポリエステル−2:
酸成分がテレフタル酸50モル%/イソフタル酸49.9モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸0.1モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%と変更する以外は共重合ポリエステルー1の同様の製法にて共重合ポリエステルを得た(Tg=40℃)。
共重合ポリエステル−3:
酸成分がテレフタル酸96モル%/イソフタル酸2モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%と変更する以外は共重合ポリエステルー1の同様の製法にて共重合ポリエステルを得た(Tg=65℃)。
共重合ポリエステル−4:
酸成分がテレフタル酸80モル%/イソフタル酸5モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸15モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%と変更する以外は共重合ポリエステルー1の同様の製法にて共重合ポリエステルを得た(Tg=60℃)。
ウレタン樹脂:三井化学ポリウレタン製タケラックW−605
カチオンポリマー1:
下記式に示す構造が80モル%/メチルアクリレート15モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%からなる共重合体である。
Figure 2009178954
(ただし、R、RはそれぞれHであり、Rは炭素数が3のアルキレン基であり、R、Rはそれぞれ炭素数が1の飽和炭化水素基であり、Rは炭素数が3のヒドロキシアルキレン基であり、Yはメチルスルホネートイオンである。)
アクリルバインダー:
メチルメタクリレート50モル%/ブチルアクリレート45モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%で構成されている。なお、アクリルは、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水302部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メチルメタクリレート38.9部、ブチルアクリレート44.8部、N−メチロールアクリルアミド3.4部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25%のバインダーの水分散体を得た。
[比較例1〜4]
比較例1〜4は、表1に示す剤に変更する以外は実施例1と同様に実施した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2009178954
本発明のインモールド転写用ポリエステルフィルムは、インモールド用転写箔の基材フィルムとして好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの片面に易接着性のポリエステル塗布層が設けられ、その反対面に帯電防止性の塗布層が設けられたインモールド転写用ポリエステルフィルムであって、ポリエステル塗布層が5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分0.02〜0.2モル%を共重合成分として含むガラス転移点30〜85℃の共重合ポリエステルからなることを特徴とする、インモールド転写用ポリエステルフィルム。
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WO2013056843A1 (de) 2011-10-19 2013-04-25 Relius Coatings Gmbh & Co. Kg Verwendung von antistatika in innenbeschichtungsmitteln
WO2014083102A1 (de) 2012-11-30 2014-06-05 Basf Se Verwendung von antistatika in beschichtungsmitteln

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